災害報道の共同通信の新人記者は被害者ではなく立派な加害者

ここ数ヵ月、大災害や大事件などが相次いでいますが、そのたびにマス・メディアによる横暴な取材が各地で二次災害となっているようです。

共同通信が「マスゴミ」の名に値する理由

秋葉原での無神経な写真撮影

先月、『だから「マスゴミ」と呼ばれる』という記事の中で、マス・メディアの関係者らが無神経な取材を行っていたという話題を紹介しました。

これは、東京・秋葉原の歩行者天国で2008年に発生した無差別殺傷事件から10年目となる6月8日、献花台のそばでPCを広げたり、献花台に花を手向けている弔問者を正面から写真撮影したりしている様子がくっきりと確認できる、というものです。

ちなみに、この無礼な連中のうちの1人は、「共同通信」の腕章を付けた男です。

共同通信という会社では、記者らは「人の心に土足で上がり込め」と教育されているのでしょうか?それとも軍隊式の洗脳でも行われているのでしょうか?いずれにせよ、まともな人間にできることではありません。

力丸将之記者の非人間的な振る舞い

また、同じく先月は、『【夕刊】傍若無人な振る舞いをするから「マスゴミ」と呼ばれる』では、やはり共同通信の「力丸将之(25)」と名乗る記者が執筆した、極めて非常識な記事を紹介しました。これは、大阪府北部地震で亡くなった方の住むマンションに押しかけた、というものです。

【特集】犠牲者の生きた証し/記者が見た大阪北部地震(1)(2018/6/28 17:18付 共同通信より)

この力丸記者は、自宅の本棚の下敷きになって亡くなった男性を取材した際の様子を、次のように執筆しています。

その晩、●●さんの取材に加わる。●●さんのマンションを最上階から1部屋ずつ訪ね歩く「ローラー作戦」を実行したが、さすがに●●さん宅だけは呼び鈴を押せなかった。途中、マンション自治組合の理事という男性に遭遇した。「君は何者だね」と尋ねられたので「共同通信の記者です」と、正直に答えた。「出て行きなさい」と叱責され、エレベーターに無理やり押し込まれた。」(※亡くなった方について、記事原文では実名で表示されていますが、私は敢えて実名を伏せています。)

この理事は力丸記者に対し、

君らマスコミももう少し住民の気持ちを考えたらどうなんや。人間のやることやないで。

と教え諭したのですが、力丸記者は逆に

理事の発言は正論に思えた。しかし、私たちは犠牲者の遺族の証言を取りに行くのが仕事。「申し訳なく思いますが、遺族の声や犠牲者の人となりを全国に伝えるのが私たちの仕事です」。

と反論したのだそうです。まさに「恥を知れ」と言いたい気分でいっぱいです。

記事に続きがあった

「寺田佳代(22)」記者、あなたは加害者だよ

この記事を発見したのは、先月末のことです。私はこの力丸記者に対し、あまりにも強い怒りを覚えたのですが、それでも落ち着いて考えてみると、彼も共同通信という異常な組織のなかで、非常識なことをやれと強要されているに過ぎないのかもしれない、と思うようになりました。

ただ、不覚なことに、この記事には続きがあったのを、私は見落としていました。それが、次の記事です。

【特集】押せないインターホン/記者が見た大阪北部地震(2)(2018/7/13 23:20付 共同通信より)

元記事は2018年6月29日12:48付ですが、その後、7月13日23:20付で内容がアップデートされているらしく、本日参照するのは、この「アップデート版」の記事です。

これは共同通信・岡山支局の「寺田佳代(22)」と名乗る人物が書いた記事であり、先ほどの力丸記者の記事と同じく、「共同通信の新人記者の奮闘記」という体裁を装っていますが、「酷い」のヒトコトに尽きます。

大阪府高槻市でブロック塀の倒壊により9歳の女の子が亡くなりましたが、これを取材した寺田記者は、記者は「いきなり嫌われ者」という衝撃的な小見出しの直後に、次のような文章で始まります。

「あんたたちのせいで今、もめてるんでしょうが。ほんっと空気読めよ」。思わず身体がビクッと止まった。大阪北部地震でプールのブロック塀が崩れて小学4年生の●●●●さん(9)が犠牲になった大阪府高槻市の寿栄小学校の保護者説明会で、ある母親から浴びせられた一言だ。隣で子どもがびっくりした顔で自分の母親を見つめていた。「…ごめんなさい」と謝るしかなかった。」(※記事本文では犠牲者が実名で出ていますが、ここでは伏字に修正しています。)

「いきなり嫌われ者」?

そりゃそうでしょう。地震の被災地で報道過熱という問題が生じているわけですが、そもそも報道陣は現場の復旧を手伝ってくれるどころか、復旧活動を邪魔する部外者でしかありません。西日本豪雨の被災地でも爆音を鳴り響かせて朝日新聞の取材ヘリが飛び回っていましたが、彼らは本当に邪魔です。

会場を出てきた母親たちは皆、目も合わさず足早に立ち去る。話しかけても無視。すれ違い際には「チッ」と舌打ちの音も聞こえた。「態度が悪い」とテレビの記者につかみかかる父親も。現場は想像以上に荒れていた。いきなり嫌われ者になったみたい。

まるで自分自身が被害者であるかのような書き方ですが、寺田記者、いや、個人としての22歳の寺田佳代さんに言っておきたいと思います。あなたは被害者ではありません。加害者です。そのことをしっかりと認識しなさい。

マス「ゴミ」と呼ばれる理由をわかっていますか?

ちなみにこの寺田記者、岡山支局に所属していて、大阪府高槻市へは「応援取材」という名目で訪れていたのだとか。その彼女は、記事をこう続けます。

地震から1カ月弱ほど前、14年前に起きた岡山県津山市の女児殺害事件の容疑者が逮捕された。同じ9歳の女の子が犠牲になった。右も左も分からないまま現場へ向かい、事件当時の話を聞ける人を捜し歩いた。当時の同級生を当たったが、「取材は全部断ってるので」と拒否され続けた。遺族の家の前には14年前と同じように記者やカメラクルーが殺到していた。後日、遺族の手記が公表された。その際、代理人弁護士から「自分たちが何をやってるかわかってるのか。マスコミが二次被害を与えている」と1時間ほど叱責された」(下線部は引用者による加工)

そうです。まさにマス・メディアの取材が二次被害をもたらしているのです。

この寺田記者の勘違いぶりは、まだ続きます。

翌日から犠牲者の親族や関係者を探す取材が始まった。「ピンポンしたけど出ませんでした」と先輩に報告できれば、どれほど楽だろう。照りつける日差しの中、璃奈さんの遺族の自宅前を、何もできずに何往復もしていた。

自分が取った遺族のコメントは、弱い人からむしりとったものに思えた。上司に報告したが結局、そのコメントが記事で使われることはなかった。

これらの下りを読む限りは、この人物は、まるで自分を悲劇のヒロインか何かだと勘違いしているのではないかと読めてしまいます。自分が人間だと認識していたら、「良心が痛むので遺族の自宅を訪問することができません」と素直に言えば良いではないですか。

それでクビになったらなったで、そんな愚かな行為を命じる会社自体に見切りをつけたということで良いと思いますよ。

もう1度言います。寺田佳代さん、あなたはマス・メディアによる二次被害の一端を担っている、立派な加害者です。彼女は記事の末尾を

話す側も相当なエネルギーを使ってくれている。聞く側も同じくらいのエネルギーで向き合わなければ、失礼だ。まだ駆け出しで、仕事も十分にできないが、相手の話を全力で聞く姿勢を持ち続けられる記者でありたいと強く思った。

と締め括っていますが、それをやること自体が立派な不法行為です。人間として大事なものを捨て去るのも自由ですが、被害者面をするのだけはやめなさい。

そう忠告しておきます。

マス「ゴミ」に求めているもの

ところで、国内政治は「もりかけ・セクハラ・日報・カジノ」などに忙殺されていますが、その間にも、さまざまな事件、事故、自然災害が頻発しました。とくに、大阪北部地震では数名の方が亡くなっていますし、西日本豪雨では死者・行方不明者が数百人規模に上っています。

そして、大災害、大事件の際には、得てしてマス・メディアが災害報道、事件報道などと称して、被害の最中の現場や、被害者・犠牲者の遺族のもとに押しかけます。爆音を響かせて報道ヘリを飛ばし、被災地の貴重な食料、水、ガソリンが取材陣により買い占められるといった深刻な二次被害も頻発します。

ではお伺いしますが、はたして読者、視聴者は、大事件、大事故で人名が失われた際に、その被害者、犠牲者の方の個人情報を知りたいと思うのでしょうか?あるいは、大災害などの現場や、助けを求める人々の映像が、何か具体的に役に立っているのでしょうか?

正直に申し上げれば、私は災害時のマス・メディアによる取材は全面的に禁止すべきだと考えていますし、朝日新聞社などの報道ヘリが爆音を轟かせて被災地上空を飛び回っているのなら、自衛隊が責任を持って、その報道ヘリを撃墜するくらいでも良いと思います。

実際、取材陣は支援活動の妨げになるからです。

また、すべてのマス・メディアの皆さんに言いたいのは、「マスゴミ」という単語がなぜ発生し、なぜこれほどまでに多くの人々から支持されているのかという理由を考えるべきだ、という点です。

「マスゴミ」という用語が好んで使われる背景には、「マス・メディアがゴミのような情報ばかり垂れ流している」という意味以外にも、「取材方法、態度が人間として終わっている」と多くの人が感じているからではないでしょうか?

マス・メディア産業関係者諸氏の反論が聞いてみたいところです。

※なお、当ウェブサイトの場合はコメント自由ですので、もしマス・メディア産業の方(もっと言えば、力丸記者と寺田記者)がこの記事を読んでいれば、どうぞご自由に反論なさってください。よろしくお願いします。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 激辛大好き より:

    漱石が新聞記者とは他人の後ろについて回り、屁をいくつしたか数え知らせる輩とかいてあった。昔も今も記者にろくな奴はいなかったようだ。秋葉原の献花台を前にして、祈る人を間近でカメラを向ける者には、人の心があるのかと疑いを持つ。そして共同通信社にはこれを注意する常識のある人間がいないということだ。
    寺田佳代なる記者を持つ通信社は新人教育をしたことがあるのか?いや新人教育の前に、なんでこんな非常識な人物を採用したのか?この記者のツイッターを見る限り、いかに被災者家族から嫌われたかという自覚が見えないし、反省さえできないようだ。昔「猿にも反省はできる」というCMがあったが、彼女には猿にさえ劣るということか?
    そして、こんな非常識な記者の振る舞いを新聞テレビは絶対に取り上げない。マスコミ関係者には仲間意識でも働くのか、マスコミ側のマナー違反があっても批判しない。仲間であろうと問題ある態度であれば、批判し合ってこそ、向上するものだがマスコミ関係者には全くそれがない。

    1. りょうちん より:

      まあ、雁首取りとか被害者再レイプ取材は、昔の帝国陸軍の捕虜の銃剣刺殺強要みたいなもんでしょう。
      人間の心を捨てないとこの世界では生きていけないぞと言う通過儀礼。
      そういう軍国主義とは戦後オサラバしたはずの現代でもマスゴミ様は、何一つ変わりません。

  2. 良識あるネトウヨ より:

    >朝日新聞社などの報道ヘリが爆音を轟かせて被災地上空を飛び回っているのなら、自衛隊が責任を持って、その報道ヘリを撃墜する
    ・・・過激ですねえ。でも、それがよいかも。
    ゴキブリだって、ちょっと出てきただけで、問答無用、ゴキブリが動かなくなる殺虫剤をブシューですから・・・。

    1. 匿名 より:

      謝れ!失礼だ、ゴキブリを朝日新聞を同列に置くな!

      ゴキブリに謝れ!

  3. 信州都民 より:

    こんな記事が前にありました。

    http://blogos.com/article/133560/

    ・・・まるで成長していない。
    災害時の報道規制・基本的なガイドラインって何も無いんですかね?無いなら作ってほしいが。場合によっては省庁が呼びかけてるのは過去有った気がする。災害時のヘリ取材を原則禁止して破ったら億単位の罰金でそれを被災地に回すなんて法律も良いかも。

  4. 匿名 より:

    台風19号の報道も結局は同じ事やらかすだけ()

    同じ事を何度も擦り続けるマスゴミ

    1. KY より:

       日航機墜落事故、雲仙普賢岳火砕流と、マスゴミは学習能力が皆無で今に至ってます。
       脳精神に遺伝的問題でもあるとしか思えない。

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