尻尾巻いて逃げる新聞に「追い打ち」かける麻生副総理

これを「麻生節」とでもいうのでしょうか、麻生副総理は「新聞を読まない若い人は自民党支持になる」と再度発言しました。さぁ、新聞社さん、あなた方は麻生副総理におちょくられっ放しで良いのですか?あなた方が反論しないのならば、「マスゴミ」と蔑まれても文句は言えませんよ?

麻生発言、再び!

麻生副総理「新聞読まなければ自民支持」

先日、麻生太郎副総理兼財相が「新聞を読まない10代から30代までの若い世代の自民党支持率が高い」という趣旨の発言を行い、これに対して共産党の小池晃書記局長が「(人々が新聞をきちんと読んで)真実・事実が伝われば、自民党支持にはならない」などと応じた、という話題がありました。

これについて詳細は『【昼刊】共産党・小池氏「新聞読めば自民不支持」』で触れたとおり、「若い世代ほど新聞を読まない」、「若い世代ほど自民党支持率が高い」、という2つの客観的事実から、「新聞を購読しているかどうか」と「自民党を支持しているかどうか」に密接な関係があることは明らかです。

もちろん、麻生副総理が言う、「新聞を読まないから自民党を支持する」という因果関係が、正しいという保証はありません。私などはむしろ、「新聞を読まずに自分自身で情報を集める人ほど、野党とマス・メディアが嫌いになるから、仕方なしに自民党に投票している」という方が正しいように思えてなりません。

余談ですが、小池晃書記局長は、暗に「新聞は真実を伝えている」と主張しているのかもしれませんが、これは大きな間違いです。世の中には「真実」などというものはありません。そこにあるのは「客観的事実」と、それをどう分析するかという「主観的意見」の2つです。

そして、「客観的事実」を踏まえて「主観的意見」を戦わせるのが民主主義社会におけるルールなのです。こうした「言論の多様性」というルールについてを、20年近くも同じ党首が居座っている非民主的な共産主義政党に所属する小池氏はご存じないのかもしれません。

マス・メディアの報道はフェード・アウトも…

さて、麻生副総理兼財相の「問題の」発言は、6月24日に新潟県新発田市の講演会で行われたものですが、この発言は、いわば新聞に対する名誉毀損のようなものです。それなのに、新聞側はこの「麻生問題発言」に押し黙ってしまっています。

少なくとも私自身、6月25日以降の主要メディアの社説欄で麻生発言が批判されたという話題を存じ上げませんし、また、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の3つのメディアで確認した限りでは、「麻生発言」を批判した社説は皆無でした(ただし読売新聞の場合は6月29日以降で確認)。

この麻生副総理の発言を公然と批判した記事といえば、大手オピニオン・サイトの「BLOGOS」に掲載された、AbemaTIMESの次の記事くらいです。

「新聞読まない人は全部自民党」 麻生大臣発言の背景に愚民観と新聞の影響力低下?(2018年06月28日 19:39付 BLOGOSより【AbemaTIMES配信】)

しかも、この記事も、東京工業大学准教授の西田亮介氏による

麻生財務大臣の発言は「『人々は新聞も読まないんだろう』という愚民観も感じられ、あまり気持ちのいいものではない

といった、極めてトンチンカンな発言を紹介しているなど、まともな議論と呼べるようなものではありません。

(※ちなみに、麻生副総理の発言はむしろ新聞を卑下したものであり、「新聞を読まない人々」を侮蔑したものではありません。それなのにこの発言から「愚民観」を感じ取ってしまう西田氏のセンスの悪さを見ると、まことに申し訳ないのですが、私は同氏の社会学者としての適性を疑ってしまいます。)

つまり、現状のところ、朝日、毎日、読売などの大手メディアは、この「麻生発言」に堂々と反論せずに、押し黙ったままなのです(※もちろん、私が反論社説を見つけられないだけだという可能性もありますが…)。私の認識が正しければ、大手メディアはこの麻生発言の論評から逃げているようにしか見えません。

追い打ちかける麻生発言

ところが、麻生副総理は昨日、これに追い打ちをかけるように、再び、「30代前半までの自民党支持率が高い理由は、新聞を読まないからだ」とする持論を展開しました。

麻生氏、再び持論展開=自民支持は「新聞読まないから」(2018/07/06-19:45付 時事通信より)

時事通信によれば、麻生副総理は昨日、今度は群馬県前橋市で講演し、6月24日の発言を繰り返したそうです。そして、私がこの時事通信の記事で、一番気になったのは、次の下りです。

麻生氏は先月24日にも新潟県新発田市の講演で、「新聞を読まない人たちは全部自民党(支持)だ」と述べ、野党から批判を受けていた。」(※下線部は引用者による加工)

そう、この「麻生発言」を巡っては、新聞を「侮辱」したものであるにも関わらず、これに反発したのは新聞業界ではなく、野党だった、ということです。どうして新聞業界は、自分たちを侮辱する発言に、公然と反論を行わないのでしょうか?

いまのままだと、麻生副総理に「言われっ放し」という状態です。少なくとも最大手の読売新聞と、自称クオリティ・ペーパーの朝日新聞あたりは、社説で反論したらどうですか?このままだと、「図星を突かれて都合が悪くなり、逃亡を図っている」とバカにされても、文句は言えないでしょう。

マス・メディアの思い上がり

麻生副総理の心中をお察しします

実は、麻生副総理とマス・メディア(とくに新聞業界)の対決には、私は何か因縁めいたものを感じます。そして、私自身も、マス・メディアを決定的に信頼しなくなったきっかけが、麻生副総理と密接に関わっているのです。

私は朝日新聞が「慰安婦問題」を捏造していたらしいという点については、何となく気付いていましたが、2008年までは、少なくとも日本経済新聞については「大きなウソをつく新聞ではないだろう」と信頼していた節があります。

しかし、2008年9月に米投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが経営破綻し、金融危機が全世界に波及しました。その直後、日本経済新聞は「日本でも時価会計が凍結される」といった、とんでもない大誤報を堂々と流したのです(※ちなみに現在でも訂正報道はされていません)。

これが、私が「日本経済新聞はウソの新聞だ」と知る直接のきっかけになったのです。

それだけではありません。ときの内閣総理大臣は、現在の麻生太郎副総理その人でした。麻生太郎総理大臣は政権に就いた直後に、ただちに衆議院の解散総選挙を行おうとしていたようですが、グローバルな金融危機の影響で解散総選挙ができなくなり、全世界を駆け回って金融危機対応に追われました。

私自身、金融規制の専門家の端くれとして、麻生総理、中川昭一財務大臣らの八面六臂の大活躍ぶりを、間近に見ていた人間でもあります。そんな時に、麻生総理を後ろから撃ったのが、マス・メディアであり、ことに読売新聞社の越前谷知子記者のことは、私は絶対に許さないでしょう。

新聞とテレビが民主党を勝たせた

麻生副総理は2008年9月からの内閣総理大臣時代には、マス・メディアによる執拗な偏向報道の攻撃にさらされた経験を持っています。おそらく、不勉強すぎる新聞記者に対しては、それこそ腸が煮えくり返るような怒りを覚えていらっしゃるのではないでしょうか?

そして、新聞とテレビが麻生政権を倒したという証拠は、いくつかありますが、そのなかでも特に重要なものは、次の調査レポートでしょう。

経済政策と投票行動に関する調査 「子ども手当支持」は3割、政策には厳しい目(2009年9月10日付 社団法人日本経済研究センターウェブサイトより)

同レポートによれば、テレビを信頼して投票した人の過半数が、2009年8月の衆院選では、比例区で民主党に投票したことが示されているからです(同P7)。わかりやすく、この調査結果をグラフ化してみましょう(図表)。

図表 情報源と比例区投票先の関係

(【出所】(社)日本経済研究のレポートP7を参考に著者作成)

ここで注目すべきは、①の層、すなわち「投票に際して最も重視したことを判断するための情報」を、主に「テレビの情報番組(ニュース番組、ワイドショーなど)」から得ていた人たちのうち、2009年衆院選の小選挙区で民主党に投票した人は55.6%と、自民党(15.6%)の4倍弱だった、という事実です。

また、②の層(新聞・雑誌を参考にした人たち)の場合も、民主党投票比率は48.2%で、自民党(20.6%)の2.3倍に達しています。いわば、テレビほど極端ではないにせよ、新聞・雑誌も人々の民主党への投票誘導を露骨に行っていたという証拠です。

さらに、調査に回答した1,016人のうち、テレビ(410人)、新聞・雑誌(228人)の比率はそれぞれ約40%、約22%、合計すれば638人で約63%です。つまり、2009年当時は新聞・テレビの社会的影響力が大きく、新聞・テレビが麻生政権の倒閣に成功した格好です。

事実と意見の違い

もちろん、新聞やテレビのコンテンツを見て、どう判断するかは、本来ならば情報の受け手の責任です。しかし、とくに日本の新聞やテレビは、しばしば、事実と意見を混同し、「こういう事実があった」という情報と、「この事実はこういう意味だ」という主観的分析をごちゃまぜにして報じるのです。

さらに悪いことに、自分たちが「無謬性」(「絶対に間違っていない」という性質)を持っていると勘違いし、さまざまな思い上がりや傲慢な姿勢を見せています。報道する内容、取材の仕方の両面で、新聞、テレビには深刻な問題があると言わざるを得ません。

先週の『【夕刊】傍若無人な振る舞いをするから「マスゴミ」と呼ばれる』では、共同通信の力丸将之(25)記者が大阪北部地震の犠牲者が居住するマンションに侵入して強引な取材をした件を取り上げました。いわば、取材方法も強引で、出てくるコンテンツもゴミのようなものなのです。

マスゴミ崩壊は時代の要請

当ウェブサイトではよく、「マスゴミ」という用語を紹介しています。これは、「ゴミのような情報を流すマス・メディア」に対する、私たち一般国民からの怒りを込めたネット・スラングであり、2008年前後に自然発生した用語ですが、いまやすっかり人口に膾炙したと見て良いでしょう。

本来、民主主義社会では、一般国民、すなわち、わが国の主権者が、賢く判断しなければなりません。また、とくに2009年の総選挙で、自分の頭で考えることを放棄し、「新聞がこう報じたから」、「テレビがこう報じたから」という理由で盲目的に投票した有権者は、本当に心の底から反省すべきです。

ただ、私自身は、「新聞だからダメ」、「テレビだからダメ」、「これからはインターネットこそが正義だ」、などと申し上げるつもりはありません。いや、むしろ、問題があるとしたら、新聞やテレビのように傲慢な取材・報道姿勢を行うことだけでなく、新聞・テレビの報道を無批判に受け取る人が多い、という点にもあります。

言い換えれば、「インターネットは絶対に正しい」と盲信して行動したとすれば、それは2009年の総選挙で新聞やテレビを信じて民主党に投票した行動と、何も変わりません。

麻生副総理が「新聞を読まなければ自民支持になる」と述べた件についても、私は、「新聞がウソばっかりついているから」、という字面通りに受け取るべきだとは思いません。むしろ、

新聞の言うことを盲信せず、自分自身できちんと情報を集め、自分の頭で物事を考える人ほど、結果的に自民党に投票している

というだけのことだと思います。

それに私は自民党支持者ではありません。安倍晋三総理、麻生太郎総理の両名のことは信頼していますが、100%支持するつもりもありませんし、自民党内には石破茂氏や野田聖子氏のように、私の目から見て到底支持できないような政治家もたくさん在籍しています。

私自身は、選挙とは、「理想的な、ピッカピカの候補者を選ぶもの」ではなく、「その時点において、よりマシな候補者」を選ぶ仕組みであると割り切っています。そして、のたびに、現在自分の選挙区で立候補している候補者のなかで、もっとも「マシ」な人に投票するようにしています。

2016年7月の参議院議員通常選挙では、偶然、青山繁晴候補(現・参議院議員)のような、「理想的な、ピッカピカの候補者」が出現したので、彼に投票しましたが、こうした選挙は例外だと思います。

最後にいつものお願いです。

変な報道を続ける新聞を読んでいる人は、その新聞を解約しましょう。

変な報道を続けるテレビを見ている人は、そのテレビを見ないようにしましょう。

選挙にはきちんといきましょう。

いずれも当たり前の話かもしれませんが、日本が独裁国家ではなく、民主主義国家である以上、日本国民一人ひとりがこれを実践することでしか、日本を良くすることはできないのです。どうか、日本国民のみなさん、これにご協力ください。

以上は私の心の底からのお願いなのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    麻生さんも年寄りじゃん?それに別に高齢者イコール情弱じゃないと思うぞ?

    1. 激辛大好き より:

      >高齢者イコール情弱じゃないと思うぞ
      麻生さんも、そして誰もイコールと断言してません。調査を見ても自民党支持者はインターネット、民主党支持者はテレビや新聞を見たと書いてある。調査というのは傾向を示しているのであって、そうでない人も勿論いる。

      私の身近を見ても、新聞テレビしか見てない友人は安倍総理をワンマンと批判している。朝日しか長年購読してない友人は民主党支持でした。兄弟たちも新聞の意見によく同調している。残念ながら、耄碌爺と呼ばれる私などは、新聞もテレビも見ないので、老人世代では少数派です。
      私のような高齢者はなかなか、長年親しんできた習慣を変えることが出来ないものです。新聞やテレビをやめ、インターネットに切り替えることは出来ない。麻生さんの発言も、そのような傾向を端的に言い表したものと理解している。

    2. 匿名 より:

      確かに高齢者ほど新聞を読んでいる確率は高いが高齢者であってもネットに繋がってる人はいるしここのブログに来る人も高齢者がいるからマスゴミ洗脳が解けたら自民支持になるのは高齢者だろうが若者だろうが同じ事。ブログ主も麻生財務相も事実を言ったまでで別に高齢者の事を批判していないぞ。。

  2. めがねのおやじ より:

    < 更新ありがとうございます。
    < 麻生副総理の発言は、洒脱で言い得て妙だ。『概ね、そういう傾向にある』ということ。確かに新聞、テレビしか見ない(ほぼ情報源として頼ってる)層は、年配に多い。ザックリ言うと60歳以上か。今さらネットやスマホでも無いだろう、第一操作が大変だ、止めとこうとなる。もちろん、ラインやメール、ゲーム等には使っているかもしれない。

    < 私は、旧ジャーナリスト代表格の田原総一朗氏など、このカテゴリーではないかと、内心嗤っている(間違いならごめんなさい)。ま、アシスタントや知人らから情報は得ているだろうが。

    < インターネットがすべて正しい、旧メディアがすべて悪だとは申しません。でも朝日新聞、毎日新聞、提灯記事で広告稼ぐ日経、極左偏向の東京新聞、沖縄タイムス、沖縄日報、また道新、神奈川、京都、共同、時事あたりは、絶対に記事を丸呑みで信用してません(もっと他にもあるが、とりあえずはこの辺に留めとこう)。

    < テレビは関西なのでNHK、ABC朝日放送、MBS毎日放送、関西テレビ、テレビ大阪(TVOは存在感無し。韓国ドラマ専門 笑 免許返せ)等。まあ、地上波は全部ですね。テレビは見ない。

    < 麻生副総理の発言に無抵抗なのは、マスゴミにコレと言った、言論による反論が出来ないからだ。あれだけの報道組織を抱えていて、普段は与党の上げ足取りに忙しいのに、一言も反論出来ない。無視しているのではない。本当は一矢報いたいだろうが、もっと言えば引きづり下ろしたいだろうが、妙案なくアタマ空っぽで対抗出来ない姿を見ると、哀れとさえ思えるのは私だけか?
    以上。

  3. りょうちん より:

    >つまり、現状のところ、朝日、毎日、読売などの大手メディアは、この「麻生発言」に堂々と反論せずに、押し黙ったままなのです
    >(※もちろん、私が反論社説を見つけられないだけだという可能性もありますが…)。
    >私の認識が正しければ、大手メディアはこの麻生発言の論評から逃げているようにしか見えません。

    ネット時代って偉大ですよね。この状態をたったの三文字で表す表現を発明したのですから、つ

    「ぐぬぬ。」

  4. 黄昏せんべいしゃん より:

    わっちが記者なら、麻生しゃん関連ん記事だけいつも総ルビ振っちゃるんになあ。それくらいん遊びがなかけん新聞は廃るー一方やなあ。
    https://www.youtube.com/watch?v=AvxVfLkGy0I

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