ゴミ野党はしょせんゴミだが、国民民主党は脱皮できるのか?

「もりかけ問題の追及」「徹底した審議拒否と20連休」「意味のない委員長解任動議などの連発」――。立憲民主党の国会戦略とは、何一つとして建設的なものではありませんし、立憲民主党自体、むしろ国政を停滞させる「テロ組織」のようなものだと思います。ただ、最近になって国民民主党が「立憲民主党の路線を踏襲すれば国民から見捨てられる」と気付いたような節があります。はたして国民民主党は「脱皮」できるのか――。私は生暖かく見守りたいと思います。

路線の違い

野党、路線の違いが目立ち始めた?

最大野党である、立憲民主党と国民民主党の路線の違いが目立ってきました。

立憲民主党は28日、日本共産党や自由党、社民党などとともに、参議院の厚生労働委員会で自民党の島村大委員長の解任決議案を提出しましたが、これについて、一昨日の産経ニュースに、こんな記事が掲載されています。

【攻防・終盤国会】/立憲民主党、国民民主党への怒り頂点に…最終攻防を前に足並みの乱れ修復できず(2018.6.28 21:26付 産経ニュースより)

産経ニュースは、今回の解任動議に国民民主党が加わらなかったことについて、「野党第1会派以外が主導する委員長解任決議案提出は極めて異例」であり、「立憲民主党の(国民民主党に対する)根強い不信感が一気に表面化した」格好だとしています。

これについて、どう見るべきでしょうか?

衆参で野党第1党が分かれる

前提条件として、衆参両院で野党第1党が分かれている、という事情があります。

政党衆議院参議院
自民党283125
立憲民主党5523
国民民主党3924
公明党2925

(【出所】2018/05/09時点の衆議院HP、2018/06/28時点の参議院HPより著者作成)

※なお、自民党は衆参ともに議長が離党しており、参議院には「日本のこころ」の議員が含まれています。

衆議院の最大会派は自民党ですが、第2会派は立憲民主党、第3会派は国民民主党で、連立与党の公明党が第4会派です。一方、参議院の最大会派は自民党ですが、第2会派は連立与党の公明党、第3会派が国民民主党であり、立憲民主党は第4会派です。

つまり、野党だけで見ると、衆議院の最大野党は立憲民主党、参議院の最大野党は国民民主党であり、いまや野党同士の「ねじれ」が生じている格好です。国会運営の慣行上は、最大野党が野党の質問時間を采配するなど、大きな権限を持ちます。

各種問責決議案、議長解任動議なども、最大野党が主導することが多く、冒頭で紹介した産経ニュースの事例にあるような、最大野党の賛同を得ずに議長解任動議が提出されるのは異例のことです。

非常に危険な立憲民主党の戦略

では、なぜ両党の方針の違いが出ているのでしょうか?その理由の1つが、インターネットです。

私は、立憲民主党の戦略に国民民主党が危機意識を抱いている証拠だと考えます。今国会で野党各党は「もりかけ」「セクハラ」「日報」など、どう考えても現在の国政の主要課題とはいえないような代物を持ち出し、挙句の果てには「審議拒否戦略」と称して20連休を取得し、国会を停滞させました。

ただ、ひと昔前だと、マス・メディアが情報のすべてを握っていて、マス・メディアが「報道しない自由」を駆使し、野党のこうした「妨害戦術」についても、国民から実態を覆い隠すことが出来ていました。しかし、最近だとマス・メディアを経由しないで、直接、さまざまな情報が国民に伝わるようになりました。

社会の隅々にまでインターネットが浸透し、ツイッターなどのSNSで情報が拡散されるようになったからですが、こうなってくると、マス・メディアが今までのような「報道しない自由」によって全力で野党を擁護したとしても、さすがに情報統制をすることは不可能です。

当然、まともな国民であれば、「もりかけ・セクハラ・日報問題」にかまけて北朝鮮問題や憲法改正問題、消費税増税問題などを徹底的に無視する野党に対し、強い不信感を抱くのも当然の話です。とりわけ立憲民主党の姿勢に対しては、一般国民ならば、強い違和感を抱くでしょう。

「あの辻元清美氏」が国対委員長を務めるくらいの政党です。一連の「審議拒否」、「大臣不信任決議案」、「委員長解任動議」などは、まさに「とにかく何が何でも国会の審議をストップさせるための戦術」と見るべきであり、その意味で立憲民主党はもはや「政党」ではなく「テロリスト集団」に近い存在です。

社会党の呪われたDNA

旧社会党とは?

では、なぜ立憲民主党は、前向きな議論から逃げ続け、とにかく国政を停滞させようとしているのでしょうか? 1955年体制における社会党を思い出してみると、よくわかります。

そもそも社会党は一貫して最大野党であり続けましたが、それと同時に、自民党を上回る議席を獲得したことはありませんでした(もっとも、1989年、土井たか子の「マドンナブーム」によって社会党が参議院で自民党を上回る改選議席を得たことはあります)。

これは、社会党が「最大野党であること」自体を戦略に掲げていた、ということではないでしょうか。「最大野党」の地位にあれば、他の野党を含めた質疑時間の采配や解任動議、内閣不信任案などで、かなりの優越的な地位を得ることができます。

また、自民党田中派のように、自民党内にも腐敗した勢力が出現します。もしかすると、最盛期の社会党は自民党の腐敗した派閥などと結託し、官房機密費などの資金を得るなど、金銭的にも相当に不透明な利益を得ていたのかもしれません。

いずれにせよ、ここで重要なことは、「政権を取るつもりがなく」、「野党第1党でいること」自体が、社会党の存在目的になっていたのではないか、という仮説です。

実際、1993年に宮澤内閣が崩壊し、自民党が下野したことで「非自民連立内閣」が成立するや、社会党は政権与党に入り、その無能さを露呈。細川連立政権は1年も持たずに崩壊し、その後は曲折を経て、社会党の村山富市を首班とする、「自民・社会・さきがけ連立政権」なるものが成立しました。

村山富市元首相は、社会党の委員長でありながら長年の同党の方針をあっさり放棄し、「自衛隊は合憲」と認めたこともさることながら、阪神・淡路大震災での村山政権の無能な対応ぶりを見ていると、やはり社会党という政党は政権を握ってはならない政党だったのでしょう。

民主党は社会党のダミー政党?

その後、社会党は政党名を「社会民主党」に変更したものの、「自社さ連立政権」への参加と「自衛隊合憲判断」「原発容認」「消費増税」などの度重なる方針変更、公約違反の数々から参議院議員通常選挙などで惨敗。

このままでは衆院選でも惨敗するということから、1996年10月の衆院選直前に結党された「民主党」に丸ごと参加すると決定したものの、民主党・鳩山由紀夫が持ち出した「排除の論理」によって合流案が立ち消えとなり、社民党は選挙前と比べて勢力が半減。以降は弱小政党としての道を歩み始めます。

「衆院選直前に新党に丸ごと参加する」、「相手の新党からは排除の論理により合流を拒絶される」という展開、ちょうど21年後の2017年10月の衆院選でも、当時の民進党が、小池百合子東京都知事の主導する「希望の党」に「丸ごと参加する」と決定し、「排除の論理」で拒絶された件と瓜二つです。

社会党は1996年10月の衆院選後に社民党、民主党、新社会党などに分裂しましたが、民進党も2017年10月の衆院選前後で民進党、希望の党、立憲民主党などに分裂しました。その意味で、民主党や民進党などの組織は、社会党の悪いDNAをそのまま引き継いでいるように思えてなりません。

立憲民主党の狙いとは?

ここから、立憲民主党には一貫した戦略がある、という仮説が導かれます。それは、立憲民主党が昔の社会党の「先祖がえり政党」だ、ということです。つまり、政権獲得を目的とせず、むしろ急進的な主張を唱えることで、ごく一部の急進左翼層(非共産党支持層)を支持基盤とする、ということです。

当然、支持基盤も旧社会党の労組などを引き継いでいますし、基本的な国会戦略も「政権与党の足を引っ張ること」に特化することになります。その意味で、立憲民主党が「もりかけ問題」ばかり追求する戦略に出たことは、ある意味で予想されたことだと思います。

ただし、日本全体で労組の組織率が急激に低下し始めていることも事実でしょう。実際、立憲民主党の未来を予想させるような話題が、次の産経ニュースの記事です。

JR東労組の脱退者3万3千人に 先月から千人増(2018.6.28 13:24付 産経ニュースより)

JR東日本労働組合から組合員の脱退が相次いでいるという話題については、『労組は労働者の敵なのか?』などでも触れましたが、立憲民主党の有力な支持基盤であるはずの労組が、急激に力を失い始めているのです。

要するに、立憲民主党とは旧社会党の「先祖がえり政党」であり、過去の遺産を食いつぶしていくだけの政党なのだと理解すると分かりやすいと思います。

国民民主党は脱皮できるか?

このように考えていけば、国民民主党は立憲民主党ほどの「極端な層」の支持を訴求するような政党ではありません。良くいえば「穏健派」、悪くいえば「中途半端」な政党です。共同代表を務める玉木雄一郎氏自体、獣医師関連団体から100万円という巨額の政治献金を受けていた人物でもあります。

その意味で、国民民主党も、立憲民主党に負けず劣らず、「人材」ならぬ「人罪」の宝庫です。初鹿明博、青山雅幸の両議員のような性犯罪者が所属する立憲民主党ほどではないにせよ、「タマキード事件」の主犯である玉木雄一郎議員を筆頭に、怪しい政治家がたくさん所属しています。

私は個人的に、国民民主党も立憲民主党と同類の政党だと思っていますが、それでも、仮に国民民主党が「立憲民主党と同じことをやっていたのでは支持率が伸びない」と気付いたのだとすれば、そのこと自体は歓迎すべきことだと思います。

果たして国民民主党は立憲民主党と「決別」することができるのか、そして脱皮することができるのか――。

私自身は「ゴミの山が宝の山に変わることは絶対にありえない」と思いますし、その意味で国民民主党が「まともな政党」に脱皮することは「絶対に無理」だと思っていますが、それでもやってみなければ分かりません。一応、今後の展開については生暖かく見守りたいと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. きゃん より:

    いつも楽しみに拝読しております。冒頭の「~生暖かく見守りたいと思います。」のくだり、思わず笑ってしまいました。この件に関して作家の百田尚樹氏が「支持率が1%から0%になって焦っているだけで、1%に戻ったら同じことを繰り返す。」とツイートされていますね。いずれにせよ、テロ政党立憲の妨げにはなっているようなので、私も生暖かく見守ろうと思います。

  2. 激辛大好き より:

    久しぶりの呆れコメントを申します。
    私の町に新しくスーパーが出来、既存のスーパーと良いライバル関係になってます。両店ともサービス向上に努めてもらえれば住民として嬉しいことです。利用できる店が一つしかなければ、住民はサービスに不満があっても使わざるを得ません。このことは日本の政治にも言えます。自民党しか政権を任せる政党がないことは日本国民にとって不幸なことです。私は保守的な考えを持っており、自民党政権を容認してきましたが、まともな野党、二大政党を待ち望んでもいます。
    二大政党論は小沢一郎などが主張してましたが、彼らは数合わせに走り、政策のすり合わせもなく野党を結集しただけだった。新進党、民主党の政権ができても、政策の不一致、経済無策を克服できず、めぼしい成果を上げることもなく瓦解した。小沢一郎などの無定見の政治屋は利権に走り、松下政経塾上がりの政治家も行政能力に疑問を呈しただけだった。
    下野後の野党の振る舞いは、信頼するに程遠いものだった。社会党時代から反自民こそ言うが、政策を掲げて選挙に臨んだことはほとんどなく、これは今も続いている。アベノミクスとは異なる経済政策を言うこともなく、ただモリカケ問題だけを追求するだけだ。こんな姿では国民の支持率が向上することなどありえないのだが、このことを野党政治家は認識していない。
    どうして野党政治家には合理的な経済政策を言い出せないのか。私は野党の支持者とブレーンの質が悪いからだと思っている。野党の支持層の一つが労組ですが、彼らは既得権維持しか考えず、規制緩和に概して反対だ。労働形態の流動化は国際的な流れですが、労組は消極的で今の野党政治家は阿る言動しかできない。また山口次郎を顧問に入るようでは野党のブレーンには人材がないとしか言いようがない。
    思えば、社会党時代から野党のブレーンにはろくな人物がいなかった。「中国、ソ連の核実験は良いが、アメリカのは良くない」と原水爆反対の集会で堂々と言い放って国民を唖然とさせた。三池炭鉱ストを率いた学者には経済の合理性を理解してなかった。経済合理性は労働組合では悪と受け取られていた。野党支持者は社会主義に理想を求めるあまり、現実の世界を見ることが出来なかった。ソ連崩壊しても社会主義を放棄もできず、またより合理性のある経済政策も考案できなかった。これが社会党時代から続く悪しきDNAではないでしょうか。
    合理的な経済観念を持てないこと、これが社会党時代から続く野党政治家のDNAです。

    1. 非国民 より:

      確かに、日本の不幸はまともな野党がないことですね。国鉄のストライキが昔ありましたが、経済合理性は完全無視でしたね。移動手段が国鉄しかなかったら経済合理性は無視できるのでしょうが、トラックとかが伸びてきていずれは淘汰されてしまいますから。国鉄民営化でいくつかの会社に分割したのも、北海道のような鉄道がほぼ採算がとれないところは積極的に鉄道網を廃止することなのではと思っています。その点、中国は儲からない会社はどんどん潰す方針のようで、これはこれでたいしたものだと思います。今後、儲からない会社は地方の銀行でしょうが、儲からない銀行経営者は積極的にクビにするような法案を野党は提出したらいいのではと思います。従業員はどんなにがんばっても経営者が無能なら儲からないわけですし、従業員には経営には口出しできないですから。野党は労働組合が主体ですから、会社が儲からなければ経営者に交代してもらっても全然痛みはないですし、新しい経営者で会社が儲かればいずれは従業員に還元されるわけですからね。野党も経済合理性を旗印にやっていったらと思います。過労死しないと儲からない会社なんて存在意義はないですし、高度プロフェッショナルを自民党がいうなら、野党は利益を生み出せない上場企業の会社の役員は辞任するか報酬ゼロでがんばってもらう高度経営者法案でもつくれば国民の支持は得られると思います。それで、東芝のような上場企業なのに粉飾決算するような役員は刑事罰にするような政策を提言したらどうでしょうか。労働組合からみて役員が刑事罰になろうが、報酬ゼロだろうが、全然関係ないですから。

  3. 清明 より:

    ゴミ政党がいくら衣替えしてみたところで、中身がゴミで反日臭強すぎては誰も近寄らないよ(わらい

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