【昼刊】新潟県知事選の与党系候補の勝利に想う

新潟県知事選で与党系候補が勝利しました。このことについて、簡単に概要を眺めておきましょう。

新潟県知事選とポピュリスト政治家

新潟県知事選、与党系候補が勝利

新潟県の米山隆一前知事の辞職に伴い、昨日行われた県知事選挙で、自民・公明両党が推す花角英世(はなずみ・ひでよ)氏が辛勝しました。

【新潟県知事選】与党系の花角英世氏が勝利、野党共闘候補破る 参院選に弾み(2018.6.10 23:45付 産経ニュースより)

米山前知事は「反原発」などを掲げ、日本共産党や自由党などの支持を受けて2016年10月の県知事選で当選したものの、出会い系サイトで知り合った20代の女性に金品を渡していたなどとして、「道義的責任」を取る形で、4月27日に辞職したものです。

知事の辞任といえば、2014年2月に東京都知事に選ばれ、2年後に「政治とカネ」の問題で辞任した、舛添要一前東京都知事の例を思い出しますが、この手のポピュリズム政治家が知事に選ばれ、不祥事で辞めていくというパターンには、いい加減にうんざりします。

また、ポピュリズム政治家という意味では、築地市場の移転を妨害している小池百合子東京都知事や国会に怪文書を提出した中村時広愛媛県知事も、相当のくせものではないかと思います。地方公共団体レベルでこの手のポピュリストが出てくることについて、日本国民は深刻に受け止めるべきでしょう。

与党にとっては「辛勝」、重く受け止めよ

それはさておき、産経ニュースは記事タイトルに「与党系候補が勝利」「野党系候補破る」「参院選に弾み」などと掲載し、また、記事本文でも

9月の自民党総裁選での安倍首相(党総裁)の3選にも追い風になるとみられる

などと記載していますが、そう単純なものではありません。

まず、野党5党(日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社会民主党、自由党)が推す池田千賀子氏は、敗れたとはいえ50万票を超える支持を得ていて、花角候補との得票差は、わずか4万票弱です。

候補者3人と得票数(敬称略)
  • 花角 英世(546,670票)
  • 池田千賀子(509,568票)
  • 安中 聡 (45,628票)

池田千賀子候補の陣営については、さまざまな選挙違反を行っていたのではないかとの疑惑が渦巻いています。しかし、警察当局は日本共産党系候補の選挙違反についてきちんと摘発したことがないため、今回のさまざまな疑惑も、このままうやむやに終わるのかもしれません。

本当に情けない話です。

今回の県知事選で与党系候補が勝利したことは、本当に運が良かっただけの話であり、しかも辛勝だったという点については、決して慢心してはなりません。

安倍政権に想う

さて、繰り返しになりますが、私自身は安倍政権を100%、無条件に支持する、というスタンスを取っていません。安倍政権が掲げるさまざまな政策のなかで、私には賛同できるものとできないものがあり、賛同できないものの最たるものは消費増税です。

言い換えれば、安倍政権の政策には国民のためになる政策と、そうではない、国民に対して背信的な政策がある、ということであり、そのバランスが「国民に対して背信的な政策」に傾いたと思ったら、私は遠慮なく、「安倍政権不支持」、「安倍政権倒閣」を、ウェブサイトを通じて呼びかけたいと思います。

今のところは、北朝鮮による日本人拉致問題や核開発問題に対するハンドリング、憲法改正のリーダーシップなど、私の目から見て評価できる部分が多いため、安倍政権を支持しているに過ぎません。

ただ、それと同時に、この困難な環境において、難しい日本のかじ取りを委ねることができる政治家は、安倍総理しかいない、というのも事実でしょう。その意味で、辛勝であるとはいえ、新潟県知事選で与党系候補が選挙戦を制したことは、良い兆候であると見て良いと思います。

折しも予定では明日、シンガポールで米朝首脳会談が行われます。その結果次第では、日本はさらに難しいハンドリングを強いられるかもしれません。安倍政権には引き続き気を引き締めて、国難に対処してもらいたいと思います。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. poponta より:

    お疲れ様です。
    前知事の自爆での選挙は左派にとって、いい条件ではありませんでしたがそれ以上に連日ワイドショーでの安倍・麻生バッシング、保守にとっては大変厳しかったと思います。大手メディアが相変わらずなびくなかでも選挙を重ねるごとに有権者の意識、見方が変化しているのを感じます。一般人ですら変化を感じている状況、大手メディアは実数で掴んでいるはずです。このまま進んで行けばジリ貧は目に見えています、正義を掲げている報道とは言え背に腹は変えられない、世の中の変化に乗じて旗を替えるところが出てくるでしょうか? 一番に日章旗新聞だったら・・・すいません、妄想でした。

  2. 非国民 より:

    自民党は勝つには勝ったが辛勝だね。前米山知事は原発反対だけで知事になれた状況。前回の知事選では最初、森前長岡市長が立候補するということだったので、新潟県民はほとんど「森で決まり」と思っていた。ところが米山がでてきて「原発反対」と言ったとたん、風向きががらりと変わってまさかの米山知事誕生。新潟県における原発アレルギーは相当なものだ。今回は原発を争点から外したので自民党は勝てたが、さてこれから花角新知事はどうするかだな。一気に原発推進となると「裏切り者~」と恨まれそう。新潟県はどちらかというと野党系が強い。ま、一つの要因は自民党系にろくなのがいないことだ。うちの選挙区に自民党系の議員がいるんだが、これが評判が悪いんだ。どうも仕事をあまりしないらしい。田中角栄みたいに夜中まで仕事をしなくていいから、普通レベルの仕事をしてほしいよ。

  3. 清明 より:

     新潟や長野は、野党が統一候補さえ立てられれば、負け知らずの金城湯池の選挙地なのでございますよ。
    それもあってか、知事選前の野党統一候補支援者の驕り高ぶった発言を見聞きしましたが、保守候補の敗北は織り込み済みと言わんばかりの印象でございました。
    モリカケ問題で追い込まれた安倍政権に止めを刺す選挙だとの位置付けでございましたね。

     そして極め付けが池田千賀子候補支援にはせ参じ、安倍批判のアジ演説をした佐高信氏と山口二郎氏ではないでしょうか。
    聴衆はきっとこんな二人の演説(アジ)聞いて、ドン引きした事でしょう。
    知事選なのに安倍批判が余りにお下劣で、聞くに堪えない安倍氏への誹謗中傷のオンパレード、これでは池田氏支援どころか池田氏支持者引きはがしをしているにすぎません。
    そのことに当人たちは気付かないだけでなく、自分たちの言葉に酔いしれているのです。
    これでは池田千賀子氏が負けるのもむべなるかなでございます。

     花角氏が勝利し本当に良かったと胸をなでおろしております(わらい

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告