【夕刊】「内なる敵・朝日新聞」――鈴置説が朝日を批判

先ほど配信した『【昼刊】「ウン・キムジョン」とシンガポールでの米朝会談』の続きで、もう1つ、重要な話題を紹介しておきましょう。それは、「日本の内なる敵・朝日新聞」です。

「韓国ウォッチャー」の鈴置氏

NBO大人気シリーズの最新版

私は先ほど、『【昼刊】「ウン・キムジョン」とシンガポールでの米朝会談』という記事を配信しました。これは、トランプ大統領のツイートとニューヨークタイムズのくだらない揚げ足取り記事などをまとめたものですが、自分で読み返してみると、「アメリカ版朝日新聞」の報道がいかに低レベルか、改めて痛感します。

一方、日本にも朝日新聞を筆頭に酷いメディアはいくつもありますが、その反面、ごく少数ではありますが、優れたジャーナリストもいて、秀逸な論考を発表しています。その秀逸な論考の典型例が、日経ビジネスオンライン(NBO)の大人気シリーズ『早読み深読み朝鮮半島』です。

米朝首脳会談、6月12日にシンガポールで開催/「北の核」は対話で解決か、戦争を呼ぶのか(2018/05/11付 日経ビジネスオンラインより)

今回のNBOの記事についても非常に優れています。私は日本経済新聞社の回し者ではありませんが、「鈴置説」を読むためだけでも日経IDを取ることを強くお勧めします(日経IDの取得方法については同社ウェブサイトをご参照ください)。

執筆者は日本経済新聞社の元編集委員である鈴置高史氏です。鈴置氏は2018年3月末で日本経済新聞社を退職されたそうですが、「韓国観察者」という肩書きをつけて、いまでもNBOに同連載を続けています。非常にありがたい話です(※この情報は、伏線です)。

ところで、今回の記事では、史上初の米朝首脳会談が6月12日にシンガポールで開かれることが決まったことを受け、米国が「リビア方式での非核化」を要求した際に、北朝鮮がどう対応するかによって、3つのシナリオを置いたものです。

それぞれのシナリオの実現可能性と展開については、ここでは紹介しません。興味があれば、ぜひ、鈴置氏の記事を直接読んで下さい。

今回の「鈴置説」の隠れた意味

ところで、当ウェブサイトとして強い関心を抱くのは、今回の「鈴置説」の隠れた意味です。非常に意味深なくだりが、2つあります。

米国紙の社説も裃(かみしも)を着た存在ですから、さすがに詐欺師とは決めつけない。しかし「金ファミリーが時間と巨額のカネをかけて培ってきたテコを金正恩が手放さない以上、状況は変わらない」と、北朝鮮の言う「非核化」に疑問を呈したのです。

この問題に理解が浅く、トランプ嫌いの多い欧州でも「米国が悪い」との声が起きるでしょう。日本だってそうです。その前兆を朝日新聞で観察できます。

この2つの文章は、一見するとまったく関係ありません。しかし、きちんと読むと、鈴置氏の意図がつながって来ます。それを私の言葉で表現すれば、

朝日新聞こそ、日本で北朝鮮擁護論を仕掛ける悪なるメディアである

ということです。

いわば、北朝鮮は金正恩(きん・しょうおん)の先代の金正日(きん・しょうじつ)時代から、核開発を続けながら、米国など国際社会に対して「核放棄の意思がある」といっては経済支援をせびってきたという「詐欺師」としての歴史があります。

しかし、鈴置説によれば、南北朝鮮は現在、「北朝鮮は詐欺師ではない」という国際的な世論誘導に必死で取り組んでおり、「米朝首脳会談が近づくに連れ、北朝鮮は宣伝攻勢にますます熱を入れる」だろうと予言していますが、この点についてはまったく同感です。

そうなってくると、日本国内で「詐欺師・北朝鮮」のお先棒を担いでいる朝日新聞が、日本国内で北朝鮮のプロパガンダを垂れ流すはずです。

実際、4月27日の南北首脳会談を、朝日新聞(東京本社版)は1面トップで、『「完全非核化」 米なお強硬』、『南北会談「評価」でも圧力維持』などと報道。あたかも「北朝鮮が非核化にむけて譲歩しているのに、米国が強硬姿勢を変えないことが諸悪の根源だ」とでも主張しているかのようです。

鈴置氏はこの朝日新聞の記事を、

朝日新聞はこの1面トップの記事により「トランプこそが平和を乱す悪い奴だ」とのイメージを日本に広めたのです。

と批判していますが、私に言わせれば、批判としてはまだまだ弱いと思います。

鈴置氏自身、日本経済新聞社の編集委員という立場にあったため、いわば、「裃を着た存在」でした。もっとも、日本経済新聞社を退職された時点で、すでに公式には「裃」を脱いでいるはずなのですが、今回の記事では、まだ「裃」を着て、非常に間接的に朝日新聞を批判しています。

しかし、もっとダイレクトに、

朝日新聞こそ詐欺師の片棒を担ぐメディアである

と断言していただいても良いのではないかと思います。

内なる敵は、朝日新聞

朝日新聞といえばフェイクニュースですが、つい先日も、こんなフェイクニュースを流していました。

4千万円の宮内庁オープンカー、走行困難に 使用は2回(2018年5月1日08時39分付 朝日新聞デジタル日本語版より)

記事を執筆したのは中田洵子記者です。内容としては、当時の総理府が約4千万円で購入し、1990年の天皇・皇后両陛下の「即位の儀」後のパレードと、1993年の皇太子殿下御成婚に際して使われたロールスロイス社製のオープンカーが「走行困難になっている」、というものです。

記事では宮内庁車馬課が「すでにメンテナンスのための部品が手に入らず、久しくエンジンをかけていない」と述べたとしており、また、「時々職員が車体を磨いているが、車検も通しておらず、公道を走れる状態にない」としています。

しかし、車検を通していない理由は、おそらくコスト削減であり、また、ロールスロイス社製のオープンカーに「メンテナンス部品が手に入らない」という下りも、おそらくはフェイクでしょう。というのも、「クルマ好きによるクルマ好きのためのブログメディア・CLICCCAR」というウェブサイトに、こんな記事があったからです。

宮内庁のロールスロイス・コーニッシュは本当に修理できない?(2018/05/03 12:25付 clicccarより)

リンク先の記事によれば、この朝日新聞の報道にうちて、

真っ先に意見を聞いてみたのはロールスロイスを専門に扱っている『シーザートレーディング』の宮本代表。「この件でいろいろな人から連絡を受けています。結論から書くと、1990年と1991年のコーニッシュは生産台数が多く、部品もロールスロイスの中で最も豊富に出回っています」。

とあり、一発で中田洵子記者の記事が「フェイク」だと論破されます。

これに対し、中田記者側は

メーカー側にも確認しましたら、「弊社ではメンテナンスできないが、状態によっては修理できる他社の工場を探すことができるかもしれない。ただ、責任は負えません」とのことでした。2018/05/03 03:12付 ツイッターより

と反論したつもりになっていますが、まったく反論になっていません。

今朝の『朝日新聞200万部時代の実現に向けて』でも報告したとおり、現在、朝日新聞の実売部数は、公称の600万部弱ではなく、400万部、いや、下手をするとそれすら割り込んでいる状況ではないかといわれています。

この件でもわかるとおり、朝日新聞はいまや簡単に論破される、中田洵子記者のような低レベルな記事を乱造する、立派なフェイク・メディアに成り果てているのです。おそらく、朝日新聞はこれから、ごく一部のコアなファン層を騙すためだけに、新聞を刊行し続けるのでしょう。

いずれにせよ、鈴置氏ももう日本経済新聞社を退社されたのであれば、これからはどうか遠慮なく、「外なる敵・北朝鮮と韓国」、「内なる敵・朝日新聞」の闇をどんどんとえぐってほしいと期待しています。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 夕刊の配信ありがとうございます。
    < 何度も言いますが、朝鮮人とは面倒くさい民族ですね〜。まず北朝鮮。ここは核開発を止める気など、さらさらありません。25年以上かけてここまで来たのに、止めるはずがない。『今は核を手放さず、米国の空爆を如何に防ぐかに心血を注いで』(鈴置氏)いる状態。
    < となると、米朝会談で決まりそうなのが、「対話の継続」か「米国の軍事行動か経済制裁・軍事的演習等圧迫」です。でも対話はトランプ大統領もポンペオ長官も安倍首相も断じて呑まないです。今まで5回も北に騙されて来ました。
    < また韓国が今年になって極端な宥和政策で北に寄り添ってます。平昌五輪も板門店宣言もすべて和解ムードを演出、自由主義陣営の網を切っている。南北統一を狙ってるのか。しかし今の北暗黒統治を許したままでの『終戦和平統一』は無い。そして米国を悪者に仕立て上げ、強硬姿勢の日本も非難する。いつまで経っても独り立ち出来ない韓国、ここも今では裏切り者です。世界の評価が日米悪し、にならないよう知らしめて欲しいものです。
    < 最後に朝日新聞のロールスロイスの記事は、30年前の部品ならたいがいストックしてますよ。いかにも皇室が無駄使いしている、メンテせずに国税を浪費しているような印象操作ですが、最悪部品が無くて、その車でないと困るなら、日本のメーカーに頼んで部品を金型から起こし、作ればいいのです。それぐらい世界に冠たる日本車なら、可能です。高くつくけどね。要らん雑文記事だわ。 以上。

  2. ヒロ より:

    私の知人に朝日新聞を愛読している人がいます。理由は自分とは異なる意見が書いてあるのをみて、自分の考えが正常であることを確認できるからとか。一応、普通の人にも役立ってはいますね。

    ロールスロイスに限らず、クラッシックカー(30年もたてば、その領域でしょう)の領域に入れば、メーカーではなくマニアの世界で部品や修理先を探すものでは? メーカーに聞けば、部品の保管義務の期間も過ぎてるし、直営以外で修理したものに保証するわけがないし、当たり前の回答だと思います。誰でもわかることをわざわざ記事にするセンスのなさ。

    私個人的には、こういうのは国民の一大イベントなのでその都度購入しても良いと思います。くだらない経費を削れば、国家予算でそれくらいナントカなるでしょう。今ならトヨタが国産のいいオープンカーを作ってくれるでしょうし。

    ただ、ここは「いつまでも大切に使う」という陛下のお考えは何より尊いと思いますし、可能であれば、今上天皇が乗られたオープンカーで新しい天皇陛下の即位のパレードを拝見したいですね。

    1. ふと気になって。 より:

      ヨコから失礼。ロールスロイスの修理部品が手に入らないという中田旬子の記事がウソだったって話しじゃないですか?ネットでとても話題ですよ。さすがフェイクの朝日新聞の記事だってね。

      1. ヒロ より:

        論点ズレててごめんなさい。
        都合の良いところだけ切り取って、都合の良い解釈するのが得意な新聞ですからね〜。
        いつものことというか・・・。
        それより来年の天皇陛下の即位の時、この車使えるのかな、っという方が気になってしまいました。

  3. 雪だるま より:

    ロールズロイスが、顧客でもない中田絢子記者にマトモな答えをするかね?
    このロールズロイスからの返答も軽くあしらわれてるって感じないのかな?それを真に受けるかね?
    それか取材もしないでお得意の捏造か?

    もし、宮内庁がロールズロイスに問い合わせれば、話は変わるでしょう。自分を正当化する為のロールズロイスにとっては何の得にもならない新聞記者と、天皇陛下エンペラーがお乗りになる車を管轄する宮内庁では、ロールズロイスの対応が変わるのは当然でしょう。

    ロールズロイスとしても、メンテナンスして完璧に走れる状態にして、皇太子殿下の天皇陛下即位でパレードに使用されれば、天皇家の歴史にもロールズロイスの歴史に刻まれる。部品がなければ世界中のコネクションを使って部品を探すだろうし、どうしてもとなれば、ロールズロイスで作る可能性もある。逆に何も対応しなければ、顧客がロールズロイスの事をどう見るか?信用問題になるでしょう。日本のエンペラーのお世話をする官庁のお願いを断った!なんて伝わったらね。量産自動車メーカーとは訳が違うのだから。

    ウィキペディアの情報は嘘か真かはわからないが、一応こんな事が書かれていた。
    壊れたとロールズロイスに連絡して、ヘリコプターで修理に来て、修理後黙って帰った。後日修理費の請求が全然来ないので、ロールズロイスに問い合わせたら、
    ロールズロイスは壊れません。そのような事実はございません。
    その一言で終わったらしい。

    打倒安倍政権などとうつつを抜かし、肝心要が見えない新聞記者さん。
    ロールズロイスの歴史、車の価値、所有者の満足度など、勉強してから記事を書いたら如何でしょうか?

    長文失礼しました。

  4. 団塊A より:

    ロールスロイスは、朝日新聞の嘘捏造でブランドを毀損されたと謝罪と損害賠償の訴えを起こさなきゃなりませんね。
    朝日新聞社の記者が、ロールスロイス社へ出向いて自己紹介のうへ
    「天皇陛下のロールスロイスをメンテナンスして、また、パレードに使用できるようにできますか」

    質問していない限りすべてが嘘捏造です。

    電話で自己紹介したとしても誰でも朝日新聞社の記者と言えますからね、オーナーでもないどこの誰かも分からぬ相手の電話に30年前のロールスロイスのメンテナンスについて、まともに答えるバカはいませんよ。

  5. 匿名 より:

    「豆朝日新聞」を創刊して、世間を驚かしてやろうと計画している。
    大きさは新書判大、紙は上質、色は薄クリーム、たったの二ページ、一枚である。活字は新聞活字、表だけでなく裏にも印刷するから原稿用紙五枚ぶんはいる。およそ天下に五枚で書けないことはない。万一五枚で足りなければ四ページにして二つ折りにする。特大号である。そして都内の地下鉄の券売機の前に置く。無料である。

    わが豆朝日新聞では、その日の大朝日新聞の説に反対の説を述べる。大朝日はこう言うがわが豆朝日はそうは思わぬと、一々反駁して完膚ないまでに論破するのである。

    自称熱烈な支持者が計画した幼稚園の建設用地を、時の首相が格安で手配した疑惑は深まったと書くと、本社用地を国から格安で取得した新聞社があるやに聞くが、その顛末を国民は知りたいと書く。
    獣医学部の新設にあたって時の首相が理事長たる友人に便宜を図った疑惑がますます深まったと書くのを読んだら、学部新設を阻止したい獣医師会が石破、福山、玉木各氏に配った献金の意図を国民は知りたいと書く。

    地下鉄銀座駅には二百部三百部置く、たちまちなくなる。朝日の社員が持ち去るのである。また補充する。また持ち去る。

    こうしてわが「豆朝日」は評判になるだろう。悪事は千里を走るというが、豆朝日もまた地下鉄に乗って走るのである。かくてひと月もたたないうちに東京中次いで日本中このうわさで持ちきりになる。

    それなのに、これだけの騒ぎを新聞はひと言も報じられないのである。テレビも同じく触れられないから、あれは一つ穴のむじなだとわが豆朝日は書く。

    さて、この続きは山本夏彦『「豆朝日新聞」始末』でどうぞ。

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