当ウェブサイトの大人気シリーズといえば、「朝鮮半島を巡る6つのシナリオ」です。これは、私が独立系政治経済評論家という立場から、いわば「ライフワーク」のように取り組んでいるテーマの1つであり、最近だと、ほぼ毎月のようにアップデートを行っています。先月掲載した『中朝首脳会談の思惑と「6つのシナリオ」』からほぼ1ヵ月が経過したことに加え、昨日、南北首脳会談が行われたという事情もあるため、シナリオを現時点でアップデートしておきたいと思います。

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シナリオ再確認

期待させておいて申し訳ございません。結論から先に申し上げておきますと、本稿において「朝鮮半島の6つのシナリオ」を見直すことはありません。ただ、それを議論する前に、まずは前提となるシナリオを確認しておきましょう(図表1図表2)。

図表1 朝鮮半島の将来・6つのシナリオ
シナリオ名 シナリオ概要 前回の実現可能性
①赤化統一 韓国(南朝鮮)が北朝鮮により赤化統一されてしまう 30%
②韓国だけの中華属国化 韓国が中国の属国となるほかは、現状がほぼ維持される 20%
③クロス承認 韓国が中国の属国となり、北朝鮮を日米などが国家承認する 20%
④半島全体の中華属国化 南北朝鮮が統一され、そろって中国の属国となる 10%
⑤北朝鮮分割 北朝鮮をロシアと中国が分割占領し、韓国は中国の属国となる 10%
⑥現状維持 南北朝鮮は、とりあえずはそのまま存続する 10%

(【出所】著者作成)

図表2 朝鮮半島の将来をめぐる「サブ・シナリオ」
サブ・シナリオ 概要 当座の結論
Ⅰ ろうそく革命 朴槿恵(ぼく・きんけい)氏を引き摺り下ろしたときと同じようなデモが発生し、文在寅氏が大統領を引き摺り下ろされる ろうそく革命自体、親北系の団体が主導したと思われるため、親北系の文在寅氏に対するろうそく革命は考え辛い
Ⅱ 軍事クーデター 軍部による軍事クーデターが発生し、憲法を停止し、文在寅氏の身柄を拘束する 現在の韓国軍に国民世論を敵に回してまでそのようなリスクを取る気概があるか不明
Ⅲ 文在寅暗殺 「何者か」が文在寅氏を暗殺し、文在寅政権を物理的に崩壊させる 可能性はゼロではないにしろ、シナリオに織り込むだけの確度はない

(【出所】著者作成)

図表1、図表2に示したのは、私自身が考える、朝鮮半島どうなるかという可能性のシナリオ群です。

「①赤化統一」は韓国が事実上、北朝鮮の属領となってしまうシナリオですが、②~⑤については韓国、北朝鮮、あるいは朝鮮半島全体が中国の版図に入るというシナリオ、⑥が現状維持シナリオです。また、Ⅰ~Ⅲは何らかの理由により文在寅(ぶん・ざいいん)政権が倒れるという「サブ・シナリオ」です。

とくに、昨日の「板門店宣言」(詳細は『【速報】南北首脳会談、拉致もCVIDも「ゼロ回答」』参照)により、韓国は事実上、北朝鮮に対して「降伏」した格好となってしまいました。これに韓国軍の心ある人たちが立ち上がり、軍事クーデターで敢然と文在寅政権を排除する動きにでる可能性は、ゼロtではありません。

私は現時点でこのⅠ~Ⅲについては「可能性が低い」(あるいは「シナリオとして織り込むには確度が弱すぎる」)と考え、「メイン・シナリオ」には置いていません。ただし、これらが実現した場合には、シナリオ①~⑥の可能性がひっくり返る可能性もあるので、注意が必要でしょう。

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赤化統一は文在寅政権の「悲願」?

文在寅政権の成立

ところで、これらのシナリオのうち、「①赤化統一」シナリオは、当ウェブサイトではかなり以前から予想していたものです。とくに、罷免された朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領に代わり、昨年5月の韓国大統領選で文在寅氏が当選したことを受け、この赤化統一シナリオの可能性が高まったと考えています。

私は昨年5月の時点で、この文在寅という人物については、その言動から考えて、かなりの「親北派」であると見ていましたが、予想に違わず、親北路線を打ち出してきました。

たとえば、同氏が韓国大統領に選任された昨年5月頃といえば、米中首脳会談の直後のことです。ドナルド・トランプ米大統領は2017年4月、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席との首脳会談で、北朝鮮核問題解決にあたって「100日の猶予」を与えたと伝えられています。

米国としては、北朝鮮核問題の解決をいったん中国に委ねた格好となったのですが、日本、米国が一致団結して中朝関係の進展を見守っている最中であるにもかかわらず、早速、韓国は日米韓3ヵ国連携を乱す行為に出ます。

最初の南北会談呼びかけ

驚くことに、文在寅政権は2017年7月、北朝鮮に対して軍事会談と赤十字会談を提案しました。日米両国が北朝鮮に対する圧力を最大化することで合意していたにも関わらず、です(『予想通り本性を現した韓国』参照)。

ただし、このときは北朝鮮側がこの呼びかけに応じず、軍事会談、赤十字会談ともに実現しませんでした。北朝鮮が韓国の呼びかけを無視した理由は、おそらくこの時点で北朝鮮側は、まだ余裕を感じていたからでしょう。

しかし、北朝鮮はその後、核実験や複数のミサイル発射実験を強行。これを受けて、2017年9月11日と11月29日には国連安保理が北朝鮮に対する制裁を可決しています(図表3)。

図表3 北朝鮮に対する制裁
時点 制裁の概要 備考
2017年9月11日 ●北朝鮮への原油輸出は現行輸出量を上限とする

●北朝鮮への石油精製品輸出は年間200万バレルを上限とする

●北朝鮮へのコンデンセートと天然ガス液の輸出を禁止する

●北朝鮮からの石炭、鉛、海産物などの輸出を禁止する

国連安保理決議としての北朝鮮制裁はこれで9回目。また、これに先立つ8月の国連の経済制裁では、北朝鮮の輸出の約3分の1にあたる約10億ドル分の禁輸が決議されている
2017年12月22日 ●北朝鮮への石油精製品輸出を年間50万バレルに制限する

●北朝鮮の海外出稼ぎ労働者の24ヵ月以内の本国送還

年間50万バレルという制限により、北朝鮮への輸出量は約90%削減されることになる

(【出所】2017年9月12日 08:02付 ロイター通信2017年12月23日 05:07付 ロイター通信などを参考に著者作成)

2回目の南北会談呼びかけ

こうしたなか、文在寅政権は2回目の南北協議を呼び掛けます。

これは、2018年2月の平昌冬季五輪開催を控え、「五輪を通じた南北協力」という名分で、北朝鮮に対して対話を呼びかけたものであり、驚くことに、文在寅政権は五輪期間中の米韓合同軍事演習の延期を米国に呑ませるなど、徹底的に北朝鮮に譲歩を行ったのです。

その結果、1月9日には南北高官級協議が実現。平昌五輪で北朝鮮は、2月9日の開会式には金正恩の妹である金与正(きん・よしょう)らを、2月25日の閉会式には金英哲(きん・えいてつ)を送り込んできました。

余談ですが、開会式で安倍晋三総理大臣とペンス米副大統領が仏頂面で北朝鮮当局者らと同席しているシーンが全世界に流されましたが、安倍総理がこの絵のために訪韓したのだとすれば、実に強運の持ち主です。

それはさておき、平昌五輪直後の3月に入り、今度は韓国政府の高官らが平壌(へいじょう)を訪問。これにより、北朝鮮は韓国当局者を通じて口頭で米朝首脳会談を提案。トランプ米大統領がこの提案に応じたことで、異例の米朝首脳会談が実現するかもしれないとされています。

ただ、私は北朝鮮側がこの韓国側の提案に乗った理由は、やはり国連安保理制裁などがかなり効いているためではないかと見ています。昨年7月時点で北朝鮮が韓国の提案を無視したこととあわせて考えるならば、なおさらそう思うのです。

韓国の立場も苦しかった

以上、客観的な事実と状況証拠を積み上げていけば、まず文在寅政権が発足直後から北朝鮮に対して宥和的な姿勢を示し続けていたこと、北朝鮮側も国連安保理制裁に困窮し、韓国を突破口にしようとしたことが確認できたと思います。

ただ、もう1つ疑問点があります。なぜ韓国は北朝鮮に手を差し伸べたのでしょうか?

それは、「文在寅氏本人が北朝鮮のシンパである」、と説明されることが多いのですが、それだけではありません。これはあくまでも私の理解ですが、韓国も随分と苦慮していたのです。

まず、米国との関係では前任の朴槿恵政権時代から、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の配備を巡り、長年、対立を続けて来ました。米国としては米韓同盟を維持する前提条件がTHAADの配備だったわけですが、韓国は中国を刺激することを恐れ、THAADに及び腰だったのです。

結局、2015年12月の日韓慰安婦合意にを契機に日米韓3ヵ国軍事協力が唐突に進み始めるのですが、中国側は「THAAD制裁」を発動。中国人観光客の急減、在中の韓国企業に対する営業妨害などに苦しみます。

つまり、米国の顔を立てれば中国との関係が悪化し、中国の顔を立てれば米国との関係が悪化するというジレンマに陥ったのです。この苦境は文在寅政権になってからも続き、文在寅氏は昨年12月に中国を「国賓訪問」した際に、「ひとりメシ」を余儀なくされるなど、中国からは徹底的に冷遇されました。

しかも、文在寅氏は2015年12月の「日韓慰安婦合意」についても破談にしようと画策、これにより、日本との関係も悪化させました。要するに、文在寅、朴槿恵の両政権は、日本、中国、米国という、韓国にとって最も重要な3ヵ国との関係を悪化させたのです。

「共依存」の南北朝鮮と「韓国への経済制裁」の可能性

北朝鮮は国連安保理制裁により、韓国は朴槿恵・文在寅両政権の失政により、それぞれ、外交的には非常に厳しい立場に立たされていました。いわば、南北朝鮮はお互いがお互いを必要としていたわけであり、今回の南北首脳会談も、お互いがそれをうまく利用した、というのが実情に近いでしょう。

今回、金正恩は自ら歩いて軍事境界線を越えるという「パフォーマンス」(私に言わせれば「茶番」)を演じました。これに対し文在寅大統領も「三軍儀仗」で応じ、金正恩を会談場所まで案内するという、同様の茶番に付き合った格好です。

これによって南北の恒久平和が確定すると素直に考えるのは、発想としてはあまりにも甘すぎます。むしろ私が想像しているのは、今回の首脳会談を契機に「核のCVID」(※)があいまいになってしまい、結果的に韓国が日米から強い不信感を持たれてしまう、という展開です。

(※)CVIDとは「完全、検証可能、不可逆的な方法による廃棄(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)」の略。

南北首脳会談に先立ち、日本の菅義偉(すが・よしひで)官房長官は南北首脳会談に至るまでの「韓国政府の努力を称賛する」としつつも、「拉致・核・ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けた前向きな議論を期待している」と述べました。

<南北首脳会談>日本政府「韓国の努力を称賛…拉致・核・ミサイルについて前向きな議論を期待」(2018年04月27日10時46分付 中央日報日本語版より)

要するに、拉致・核・ミサイルの包括的な解決ができないのなら、南北首脳会談など意味がない、という主張です。日本政府の立場はこれに尽きます。

しかし、『【速報】南北首脳会談、拉致もCVIDも「ゼロ回答」』で触れたとおり、実際の「板門店宣言」は拉致問題、CVIDの両者について「ゼロ回答」に終わりました。

これは非常に深刻です。なぜなら、核問題をめぐっては、韓国が完全に北朝鮮の主導下に入る、と宣言したことと同じだからです。こうなって来ると、日米など国際社会は、北朝鮮の核のCVIDを実現するためには、北朝鮮に対する制裁では足りないことになります。

もっといえば、状況次第では、北朝鮮だけでなく韓国をも「制裁対象」にする必要が出て来たといえるでしょう。

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読めない「2つのファクター」

ロシアの不気味な沈黙

ところで、韓国が北朝鮮との赤化統一路線を突っ走っていることは、いまさら否定する話ではないかもしれません。ただ、それと同時に腑に落ちないのは、周辺国がこれをどう考えているのか、今ひとつ見えてこない、という点です。

そもそも朝鮮半島問題を議論するときには、韓国と北朝鮮の思惑だけを考えても意味がありません。北朝鮮を作った国はソ連であり、韓国を作った国は米国であり、北朝鮮に経済支援を与えているのは中国であり、韓国に経済支援を与えているのは日本です。

ということは、朝鮮半島問題を論じる場合には、日米中露(とくにロシア)の存在を無視することはできないはずです。たとえば、米国と日本は以前から韓国、北朝鮮の双方と深くかかわっており、米朝首脳会談が6月に行われる(※)ほか、日朝首脳会談についても開催される可能性があるとされています。

(※ただし私は、米国が核兵器のCVIDに、北朝鮮が核兵器の段階的放棄に固執する限り、結局は米朝首脳会談が開かれず、現状のにらみ合いが続く可能性もあると見ています。)

それだけではありません。「犬猿の仲」だった習近平・中国国家主席と金正恩は先月、突如として首脳会談を行いました。中国側が北朝鮮を招いたのか、北朝鮮側から中国に訪問を申し入れたのかはわかりませんが、事実として金正恩が3月下旬に訪中しているのです。

ところが、こうした朝鮮半島の非核化という議論のなかで、ロシアの動きがほとんど見えないのです。

確かに、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は昨年9月のウラジオストクでの「東方経済フォーラム」では、安倍総理からの「北朝鮮に対する国際社会全体での最大限の圧力」という方針に賛同せず、この限りでは北朝鮮の味方をしているようにも見えます。

しかし、それと同時に昨年9月、12月の国連安保理決議では、北朝鮮制裁を巡り棄権せず賛成しており、この限りでは北朝鮮の味方をしていないようにも見受けられます。いったいロシアの立場は、北朝鮮の核開発を支援しているのか、していないのか、そのどちらなのでしょうか?

深く関わったり、関わらなかったりする

実は、古今東西、外交の世界では、何か国際問題が発生した時に、大国はみずから積極的に首を突っ込む場合と、あえて様子見を決め込む場合があります。おそらく、今回のロシアの行動も、「自国の国益を最大化するために、カードはできるだけ温存しておく」、という考え方ではないでしょうか?

ロシアは、2014年3月に、当時はウクライナ領だったクリミア半島やセヴァストポリ市を自国領土に編入しました。もともと、これらの地域にはロシア人が多数居住していたという事情もあり、住民投票で9割の賛同を得たとされているものの、国際社会側はこれに反発。

ドイツを中心とする欧州連合(EU)がロシア批判の急先鋒となり、これに米国が乗っかる形で、西側諸国のロシア包囲網が形成されています。

これに加え、今年3月14日には、ロシアが英国に住むロシアの元スパイの殺人未遂事件に関与したとして、英国政府は駐英ロシア外交官23人を国外追放にすると発表。これにはおもに西側諸国の多くの国が追随しました(『【緊急速報】西側諸国がロシア外交官追放:日本に漁夫の利?』参照)。

さらに、米国は以前からシリアのアサド政権をロシアが強力にバックアップしていると批判しています。米英仏3ヵ国はアサド政権が化学兵器を自国民に対して使用したとして、4月13日にはシリアに対する限定攻撃を実施していますが、これも西側諸国とロシアの「代理戦争」のようなものかもしれません。

このように考えていくと、ロシアとしては下手に北朝鮮問題で動かない方が得策だと判断している、ということかもしれません。北朝鮮の核放棄交渉において、米中両国では「手詰まり」状態になった場合、ロシアが仲介に乗り出し、米中両国に「恩を売る」という形を狙っている、という発想です。

当然、ロシアの目的は、ウクライナ問題に伴う西側諸国からの経済制裁の解除にあります。こうした外交交渉のため、ロシアは「北朝鮮カード」を切らず、手札として温存しているのだと考えると、すっきりと説明が付くのです。

日本の本来の立場は対等

さて、日本国内のマス・メディアや自称有識者たちは、北朝鮮核問題をめぐり「日本の存在感がない」と批判します。おそらくこれは安倍政権に対する「ためにする批判」であって、実態を見ずにとにかく「安倍を叩け」という代物であり、まともに傾聴する価値はありません。

実は、今回の北朝鮮危機において、安倍総理の果たしている役割は絶大です。トランプ米大統領にダイレクトに「入れ知恵」していることは明らかですし、また、G7、G20、国連などの場で強い発言力を有していて、北朝鮮制裁は日本がグイグイと引っ張った格好となっています。

先ほども昨年12月の国連安保理制裁のなかで「北朝鮮の労働者の追放」という項目があることを確認しましたが、これはもともと日本の河野太郎外相が言い出したことです(たとえば訪問先のカタール(9月9日)やクウェート(9月10日)などで北朝鮮労働者の問題に言及しています)。

このように、安倍晋三政権は従来の日本政府の事なかれ主義外交から決別し、日本の国益のために、非常によくやっていると私は高く評価しています。ただ、それと同時に、やはり日本は米国と離れて単独で動くことはできません。

なぜでしょうか?

答えは簡単。憲法第9条第2項という制約があるからです。日本は北朝鮮による拉致犯罪の被害国でもありますから、普通の国であれば、軍隊と警察を北朝鮮に送り込み、北朝鮮の独裁者らの身柄を拘束したうえで、強制捜査を行うはずです。

しかし、日本は憲法第9条第2項が存在するため、北朝鮮(や中国、韓国)は「日本を相手に犯罪行為を働いても、絶対に反撃して来ない」とタカを括っているのです。「6ヵ国協議」においても、日本が交渉の当事者というよりも、「カネだけ出すスポンサー」と成り果てていたことは記憶に新しい点です。

これは非常に悔しい話です。本来の日本は、ロシア、中国、米国と対等に、この問題を巡って口を出す権利がありますし、責務もあります。それなのに、韓国、北朝鮮ごときと対等に扱われてしまうのは、ひとえに日本国憲法第9条第2項という制約にあるのです。

ここまで申し上げれば話は早いと思います。

「朝鮮半島の将来のシナリオ」を議論するうえで、「読めない2つのファクター」のうち、1つはロシアであるということについてはご理解いただけると思います。しかし、「もう1つのファクター」とは、実は、私たちの国・日本なのです。

憲法改正と憲法第9条第2項の無力化に成功すれば、日本は中国、ロシアと対等にこの問題で交渉するプレイヤーとなることは間違いありません。「もりかけ・セクハラ・日報問題」による6野党による国会での審議拒否は、まさに日本の足を引っ張るために、野党とマス・メディアが仕掛けた「報道テロ」です。

6野党とマス・メディアの後ろで糸を引いているのは中国共産党か、金正恩か、はたまた韓国政府なのか。いずれにせよ、6野党とマス・メディアが日本の敵であることは間違いないと見て良いでしょう。

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結語

文在寅政権発足以来、韓国が急激に赤化統一路線に舵を切っているのではないかと疑われるような事態が、続々と生じていることについては、いまさら指摘するまでもありません。ただ、昨日の南北首脳会談によって、赤化統一の可能性はどの程度高まったのでしょうか?改めて、私見を述べておきます。

図表4 朝鮮半島の6シナリオ・2018年4月版
シナリオ名 シナリオ概要 前回の実現可能性
①赤化統一 韓国(南朝鮮)が北朝鮮により赤化統一されてしまう 30%→据え置き
②韓国だけの中華属国化 韓国が中国の属国となるほかは、現状がほぼ維持される 20%→据え置き
③クロス承認 韓国が中国の属国となり、北朝鮮を日米などが国家承認する 20%→据え置き
④半島全体の中華属国化 南北朝鮮が統一され、そろって中国の属国となる 10%→据え置き
⑤北朝鮮分割 北朝鮮をロシアと中国が分割占領し、韓国は中国の属国となる 10%→据え置き
⑥現状維持 南北朝鮮は、とりあえずはそのまま存続する 10%→据え置き

(【出所】著者作成)

正直、私は昨日の南北首脳会談について、私自身の予想から外れる内容を見出すことができませんでした。このため、結論としては、この「6つのシナリオ」については2018年3月版から据え置くことにしたいと思います。

実は、「韓国が北朝鮮を統一する最後のチャンス」だったという言い方ができます。というのも、金正恩は文在寅氏のことを信頼し切っていましたから、文在寅氏が突然変節し、金正恩の身柄を拘束しようと思えばそうできたからです。

くどいようですが、上記シナリオの①を除いて、南北朝鮮自身が南北朝鮮の将来を決めるというパターンは考えられません。朝鮮半島の将来を議論するには、中国ファクター、米国ファクター、ロシアファクター、そして日本ファクターなどを勘案することが必要です。

米国は北朝鮮がCVIDの意思を明確に示さない限り、米朝首脳会談に応じないでしょう。

そして、現状で北朝鮮はCVIDに応じることはないでしょう。金正恩は自身の身の安全とカネ儲けのために核放棄に応じることはありませんし、仮に北朝鮮にCVIDを強要したければ、中国・ロシアの支援が必須です。

しかし、中国・ロシアが何の見返りもなしに、CVIDを斡旋するとも思えませんし、トランプ政権がそれに向けて動いている節もありません。

よって、「6月の米朝首脳会談自体、開かれない可能性も非常に高い」という観測についても、維持したいと思っています。

さらに、昨日の「板門店宣言」において、南北朝鮮両国はロシアを激怒させた可能性があります。ロシアが北朝鮮を見放す可能性が出てきた、ということであり、あとは中国の了解さえあれば、北朝鮮に対する軍事侵攻という可能性もあります。

ただし、このあたりについてはロシアや中国の出方を見る必要がありますので、本稿ではシナリオの修正については見送りたいと思います。

※本文は以上です。

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    ラオスのダム新設棚上げ、まじめにやっている日本には大迷惑 (7コメント)
  • 2018/08/08 10:00 【マスメディア論|時事
    「安倍叩きネタ」が切れた途端に上昇する内閣支持率の不思議 (2コメント)
  • 2018/08/08 05:00 【時事|韓国崩壊
    堂々と「ツートラック外交」を主張する韓国メディアの不見識 (6コメント)
  • 2018/08/07 16:00 【時事|国内政治
    朝日の調査ですら、8割の人が野党には期待しないという事実 (5コメント)
  • 2018/08/07 10:00 【政治
    自由と繁栄の弧:ASEAN外交で米国に先行する日本の活躍 (5コメント)
  • 2018/08/07 05:00 【マスメディア論|時事
    なぜか新宿会計士の政治経済評論が政治部門でPV数1位に (5コメント)
  • 2018/08/06 14:00 【RMB|時事|韓国崩壊
    ラオスのダム決壊、遅まきながら事故調査委が立ち上がるか? (6コメント)
  • 2018/08/06 10:20 【時事|韓国崩壊|外交
    韓国に対する「セカンダリー制裁」が現実味を帯びてきた (2コメント)
  • 2018/08/06 05:00 【時事|外交
    米国の戦争犯罪、なぜ原爆は広島市に投下されたのか? (8コメント)
  • 2018/08/05 10:00 【日韓スワップ|金融
    数字で見る外貨準備 韓国の外貨準備高の8割はウソなのか? (2コメント)
  • 2018/08/05 05:00 【政治
    ラオスのダム決壊事故の続報はなぜ出てこない? (16コメント)
  • 2018/08/04 10:00 【時事|外交
    ユネスコ世界遺産登録は、今からでも謹んで返上した方が良い (5コメント)
  • 2018/08/04 05:00 【時事|国内政治
    安倍3選は確実としても、それで問題が解決するわけではない (3コメント)
  • 2018/08/03 16:00 【マスメディア論|時事
    フェイク・ニュース「韓国がダム決壊を鹿島建設に責任転嫁」 (2コメント)
  • 2018/08/03 10:00 【韓国崩壊
    北朝鮮から経済支援を強要される韓国政府の自業自得 (4コメント)
  • 2018/08/03 05:00 【政治
    立憲民主党に杉田水脈氏のことを責める資格はない (2コメント)
  • 2018/08/02 16:00 【日韓スワップ|金融
    韓国メディアの報道は通貨危機の危険度を知るバロメーター (2コメント)
  • 2018/08/02 10:00 【時事|国内政治
    野党連携から国民民主党が外れたことに希望を感じる理由
  • 2018/08/02 05:00 【時事|韓国崩壊
    ラオスのダム決壊が日本のせい?「韓国の世論操作」説 (10コメント)
  • 2018/08/01 16:00 【時事|外交
    サンフランシスコ市の慰安婦像問題と戦う吉村市長を支持する (4コメント)
  • 2018/08/01 10:00 【時事|韓国崩壊|金融
    「家計債務は破綻寸前」?数字で見る韓国経済破綻の危機 (3コメント)
  • 2018/08/01 05:00 【マスメディア論
    インターネットに完敗する新聞、視聴者が高齢者に偏るテレビ (4コメント)
  • 2018/07/31 17:10 【マスメディア論|時事
    「国民の敵」同士が結託して、審議拒否に見苦しい言い訳 (2コメント)
  • 2018/07/31 10:00 【時事|国内政治
    国民民主党、「もりかけ国会」の異常さにいまさら気付く? (7コメント)
  • 2018/07/31 05:00 【時事|国内政治
    事実確認のの大切さ、議論することの大切さ(自戒を込めて) (13コメント)
  • 2018/07/30 16:45 【時事|雑感オピニオン
    海外で本物の日本料理を探す冒険を楽しむのもまた人生
  • 2018/07/30 10:00 【マスメディア論|時事
    原文を読んだうえで、それでも杉田水脈氏の不見識を批判する (24コメント)
  • 2018/07/30 05:00 【時事|外交
    ラオスのダム決壊事故は、「セウォル号事件」の再来なのか? (10コメント)
  • 2018/07/29 05:00 【時事|国内政治
    杉田水脈議員の「LGBTは子供を作らない」発言の不見識 (16コメント)
  • 2018/07/28 00:00 【政治
    有権者よ野党議員の「バカッター」を読もう、そして考えよう (2コメント)
  • 2018/07/27 16:30 【時事|外交
    共同通信が報道した「日韓新共同宣言」構想、その背景は? (11コメント)
  • 2018/07/27 10:00 【時事|国内政治
    今度は「文部科学省の現役高官が飲食容疑で逮捕」の不自然さ (1コメント)
  • 2018/07/27 05:00 【マスメディア論|時事
    CNN記者のホワイトハウス締め出し事件とメディアの異常さ (5コメント)
  • 2018/07/26 10:00 【マスメディア論|時事
    日本共産党と朝日新聞社の主張は究極的にはまったく同じ (9コメント)
  • 2018/07/26 05:00 【時事|韓国崩壊
    韓国企業が関わるラオスのダム決壊事故に見る中央日報の報道 (7コメント)
  • 2018/07/25 10:45 【時事|韓国崩壊
    日韓慰安婦合意の蒸し返しと韓国政府にとっての不都合な事実 (10コメント)
  • 2018/07/25 05:00 【マスメディア論|外交
    北朝鮮の日本人拉致犯罪に対する、共同通信の筋違いな分析 (3コメント)
  • 2018/07/24 16:15 【時事|国内政治
    内閣官房長官、「パチンコのギャンブル性をなくす」と明言 (5コメント)
  • 2018/07/24 10:00 【マスメディア論|時事
    中央日報日本語版を読んで、メディア・リテラシーを磨こう! (7コメント)
  • 2018/07/24 07:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    文在寅さん、支持率100%に向けて是非頑張ってください
  • 2018/07/24 00:00 【時事|お知らせ
    お知らせ:記事配信スタイル変更につきまして (6コメント)
  • 2018/07/23 16:00 【マスメディア論|時事
    【朝日新聞批評】民主主義を根腐れさせるのはむしろ朝日新聞 (4コメント)
  • 2018/07/23 10:00 【マスメディア論|時事
    新聞・テレビを鵜呑みにしていると内閣不支持となるのは当然? (7コメント)
  • 2018/07/23 07:00 【マスメディア論|国内政治
    モリカケで弁護士が「賄賂なくても大問題」と支離滅裂な主張 (7コメント)
  • 2018/07/23 00:00 【時事
    立憲民主党、「政策よりも選挙が大事だ」とつい認めてしまう (3コメント)
  • 2018/07/22 00:00 【マスメディア論|時事
    故・松本龍元復興相の言動を、きちんと振り返り記録すべきだ (5コメント)
  • 2018/07/21 10:00 【マスメディア論|時事
    アカウントBAN運動は言論封殺であり、天に唾する愚行だ! (7コメント)
  • 2018/07/21 00:00 【雑感オピニオン
    3年目の御礼:インターネットの無限の可能性と直接民主主義 (4コメント)
  • 2018/07/20 16:00 【金融
    ドイツと韓国:輸出依存度が高い国が共通して抱える問題点 (1コメント)
  • 2018/07/20 11:00 【マスメディア論|時事
    (朝日新聞社説批判)君が代判決巡り新しい屁理屈表現を開発 (7コメント)
  • 2018/07/20 07:00 【雑感オピニオン
    私たちが思うほど単純ではない「LGBT」とセクハラの議論 (11コメント)
  • 2018/07/20 00:00 【マスメディア論|時事
    災害報道の共同通信の新人記者は被害者ではなく立派な加害者 (5コメント)
  • 2018/07/19 16:00 【マスメディア論|時事
    BANされた翌日に急上昇1位!痛快極まりないユーチューバー (4コメント)
  • 2018/07/19 11:00 【時事|外交
    「日本が1兆円の北朝鮮支援」と勝手に決めつける韓国メディア (7コメント)
  • 2018/07/19 07:00 【韓国崩壊
    予想通り、韓国では朴槿恵政権時代に戒厳令が検討されていた
  • 2018/07/19 00:00 【時事|韓国崩壊
    韓国の主張は北朝鮮そっくり。日韓の「特別な関係」は終了へ (3コメント)
  • 2018/07/18 16:00 【マスメディア論|時事
    言論に「言論弾圧」という手段で対抗する極左勢力の愚劣さ (2コメント)
  • 2018/07/18 09:50 【マスメディア論|時事
    (朝日新聞社説批判)朝日新聞の責任、加計・森友を忘れるな (4コメント)
  • 2018/07/18 07:00 【国内政治
    ギャンブル依存症とパチンコ問題の「現実的な」解決策とは? (11コメント)
  • 2018/07/18 00:00 【時事|国内政治
    安倍晋三総理大臣に対する菅直人元首相の「危機管理批判」 (2コメント)
  • 2018/07/17 16:00 【時事|国内政治
    「カジノ」批判の野党、パチンコ弊害については無視ですか? (9コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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