せっかくの日米首脳会談を前に、日本のマス・メディアによる馬鹿げた偏向報道が日本の国益を破壊するところにまで来ているということを、私たち日本国民は知らなければなりません。

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偏向報道という「慢性病」

「安倍政権6月危機説」を嬉々として報じる愚かなメディア

安倍晋三・内閣総理大臣は、日本時間の4月17日、米国に向けて出発しました(滞在予定は20日まで)。安倍総理はフロリダのリゾート「マー・ア・ラゴ」でドナルド・トランプ大統領と2日間にわたって首脳会談を行う予定です。

これに関し、「政府インターネットテレビ」で公表されている、昨日午前中の内閣官房長官記者会見を視聴して、私は思わず呆れてしまいました。内外情勢がこれほどまでに逼迫しているにも関わらず、菅義偉(すが・よしひで)官房長官に対する質問は、森友学園、加計学園、防衛省日報問題、あるいは財務省事務次官のセクハラ疑惑など、正直、「国益」とまったく関係のないものばかりだったからです。

ただ、マス・メディアが腐敗していて、どうしようもない状況にあるという意味では、外国も同じなのかもしれません。これについて、米ワシントンポスト(WP)が、まことに見当外れな記事を掲載しています。

A grumpy Trump welcomes Japan’s weakened leader(米国夏時間2018/04/17(火) 00:59付=日本時間2018/04/17(火) 13:59付 WPより)

「grumpy」とは「気難しい、無愛想な」という意味で、「Japan’s weakened leader」とは、「相次ぐ私学スキャンダルで支持率が急落している安倍総理」という主張でしょう。WPまでが日本のメディアの虚報を信じるという点にも呆れますが、「反トランプ」のWPとしては、「危機にある日本の総理を気難しいトランプ氏が出迎える」というという構図で捉えようとでもしているのでしょうか?

しかも、WPは記事の末尾で、小泉純一郎元首相が雑誌に語ったとされる、「安倍政権は6月の国会会期末に総辞職する」とする「内閣危機説」を堂々と掲載する始末です。

ちなみに、この「6月危機説」は、英ガーディアンなども報じています。

Japan’s Shinzo Abe tipped to resign in June as cronyism scandals take toll (英国夏時間2018/04/16(月) 06:43付=日本時間2018/04/16(月) 14:43付 the Guardianより)

正直、マス・メディアの劣化は日本だけでなく、諸外国でもまったく同じなのかもしれないな、と感じてしまいます。

シリア復興支援目的の「アラブ軍創設」と「資金拠出」

ただ、すべてのマス・メディアの報道が「信頼に値しない」というわけではありません。

日本時間の昨日、米メディアのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版に、興味深い記事が掲載されました。

U.S. Seeks Arab Force and Funding for Syria(米国夏時間2018/04/16(月) 21:18付=日本時間2018/04/17(火) 10:18付 WSJオンラインより)

シリア情勢を安定させるために、なんと、米国のトランプ政権が「アラブ軍」の創設を検討している、というのです。WSJはこれを「米国当局者らの話」として伝えています。

WSJの報道によると、「今月、外交担当大統領補佐官に就任したばかりのジョン・ボルトン氏がエジプトの情報機関トップに対し、アラブ軍構想の可否について、電話で打診した」と米政府高官が明らかにしたのだそうです。

また、「funding」という英単語は「資金源」という意味ですが、WSJの記事はトランプ政権がアウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦などに対し、シリア北部復興を目的とした資金の拠出を検討しているとも伝えています。

もちろん、多国籍平和維持軍に加え、復興基金ないしは国際開発銀行を設立するのは、戦乱からある国・地域を復興させるための定石のようなものです。その意味で、別にWSJの報道に対して、特段の違和感はありません。

私がこの記事に注目した理由は、米国が「安定化・復興支援の枠組み」を密かに検討している対象地域が、シリアだけであるとは思えないからです。もっといえば、私たちのすぐ近所、つまり北朝鮮について、すでに米国が同様のシナリオを検討している可能性があると思います。

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トランプ政権の「朝鮮半島処理」

北朝鮮情勢をどう見るべきか?

私たち日本人にとって、最も興味があるのは、ずばり、「米国が北朝鮮を攻撃するかどうか」、という点でしょう。可能性としては、とりあえずは次の4つを挙げておきましょう。

  • (A)米国が北朝鮮の体制を崩壊させるべく、全面攻撃に踏み切る。
  • (B)米国が北朝鮮のミサイル発射能力を破壊すべく、ピンポイント攻撃に踏み切る。
  • (C)米国は北朝鮮攻撃に踏み切らず、現状のにらみ合いが続く。
  • (D)米国は北朝鮮と和解する。

このうち(A)のシナリオについては、考え辛いものです。私がそう考える根拠は、2つあります。

1つ目は、「イラク戦争」です。2003年、米国は当時のブッシュ政権下でイラク戦争に踏み切り、サダム・フセイン体制をあっという間に倒すことに成功しました。しかし、国連安保理決議を経ずにイラク攻撃に踏み切ったことで、米国は国際社会から孤立。

さらに、その後の復興支援において、米国は多大な駐留経費を負担しただけでなく、相次ぐ自爆テロなどにより、米軍にも大きな犠牲が生じました。米国は「イラクの教訓」が生きているならば、「イラク式の攻撃」を行う可能性はそれほど高くないと見ています。

また、2つ目の理由は、地政学的な問題点です。地図を広げてみればわかりますが、イラクやシリアはロシアと国境を接していませんが、北朝鮮は中国と1300キロ、ロシアとも20キロほど国境を接しています。米軍が北朝鮮に軍事侵攻すれば、ロシアと中国が軍事介入してくるかもしれません。

私がロシアのプーチン大統領の立場だったとすれば、米国が北朝鮮に軍事侵攻したと知った瞬間、北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)本人を急遽、ロシア領内に亡命させるでしょう。金正恩がロシア領内から北朝鮮人民に徹底抗戦を呼びかければ、戦争は長引くかもしれません。

あるいは、私が習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席の立場だったとすれば、事前の了解なく米国が北朝鮮に軍事侵攻すれば、ただちに「治安介入」などと称して、人民解放軍にも北朝鮮への侵攻を命じるはずです。

したがって、米国がイラク式に北朝鮮を攻略するという(A)のシナリオは、非常に非現実的であると考えるのです。

最悪のシナリオは現状維持とミサイル開発進展

一方で、両極端、すなわち「最悪のシナリオ」としては、(D)に挙げた「米朝和解」が挙げられます。これは、米国本土に届くICBMを放棄する代わりに、北朝鮮がこれまで開発した核兵器の保有を認めるとするもので、このシナリオが実現すれば、日本はただちに、北朝鮮による軍事攻撃のリスクにさらされます。

それだけではありません。

日本が北朝鮮に対抗するために、小型戦術核を主体とする核武装に踏み切ったならば、そこから全世界に核拡散の流れが生じます。治安維持で実力行使を公言するフィリピンのドゥテルテ大統領のような人物が核の発射ボタンを握れば、フィリピンから中国に向けて核兵器が発射されるかもしれません。

トランプ氏が「核拡散は世界の終りにつながる」という当たり前の事実を知っていれば、(D)のような愚かな決断をすることはないと考えたいところです。

ただ、(C)、つまり現状のにらみ合いが続き、北朝鮮が時間稼ぎをしている間に、核・ミサイル開発が進んでしまうことも、リスクとしては考えておかねばなりません。

限定空爆は実現するのか?

ところで、(B)に挙げた「限定空爆」シナリオについてはどうでしょうか?

実は、米国が北朝鮮攻撃を行うチャンスは、昨年、何度かありました(たとえば『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』参照)。しかし、米国は北朝鮮攻撃のチャンスをみすみす逃しただけでなく、韓国が北朝鮮のエージェントとして動くのを許容しました(『理解に苦しむ韓国の「運転席」理論』参照)。

このように考えていけば、米国が韓国を好きにさせていたことも不自然ですし、果たして米国は本当に北朝鮮の核問題という脅威を除去する意思を持っているのか、やや疑問に感じる点でもあります。

ただ、米国が北朝鮮攻撃を見送った背景には、さまざまな事情があったに違いありません。たとえば、「レックス・ティラーソン前国務長官やH.R.マクマスター前大統領補佐官が軍事行動に強硬に反対した」といった観測を目にすることもあります(※もっとも、ティラーソン氏やマクマスター氏が軍事行動を反対したという、確たる証拠はありませんが…)。

この点、私は米国が限定空爆に踏み切る可能性については、意外と高いと見ています。先ほど申し上げたとおり、中国の同意を得ない北朝鮮攻撃については、中国が容認しないでしょう。しかし、それと同時に、限定空爆程度であれば、中国が容認する可能性は十分にあります。

というよりも、実は、昨年8月の段階で、中国は限定的な攻撃を容認していました。中国共産党の機関紙・環球時報は、「北朝鮮が先制的な攻撃・挑発を行い、これに対して米国が反撃するならば、中国としては中立を保つ」と宣言していたのです。

Reckless game over the Korean Peninsula runs risk of real war(2017/8/10 23:23:40付 環球時報英語版より)

もっといえば、米中両国が「談合」し、米国の限定空爆を契機に中国が北朝鮮情勢に介入し、中国が北朝鮮に傀儡政権を打ち立ててしまう、という可能性もゼロではないでしょう(※やや無理がある考え方かもしれませんが…)。

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日米首脳会談は雑音を排して

マス・メディアの偏向報道は国益を損ねる

ところで、最近、日本国内では、安倍政権に対する「言論テロ」まがいの攻撃が相次いでいます。そして、一部メディアの調査では政権支持率が「危険水域」とされる30%の大台を割り込む状況となっており、こうした「政権危機説」が全世界に伝播しています。

先ほども紹介したWP、ガーディアンなどのメディア報道を読むと、「日本の政権は私学スキャンダルにより瀕死の状態にある」、「小泉元首相が、安倍総理が6月に退任すると述べた」、といった報道が踊っており、そのこと自体、外国首脳から見て安倍政権が危機にあると勘違いされる要因です。

つまり、マス・メディアによる言論テロは、いまや国益を棄損するレベルにまで達しているのです。

この問題については、そろそろ私たち日本国民が本腰を入れて考えなければならないといえるでしょう。

安倍晋三の「意思」を信じたい

ただ、日米首脳会談を巡っては、私自身としてはそれほど心配していません。

たしかにトランプ政権が打ち出した「貿易戦争」の相手国に日本は含まれていますし、トランプ氏は在日米軍の駐留負担を問題視して来たことも事実です。しかし、それと同時に、安倍総理の「自由と民主主義を守る」という一貫した姿勢は、トランプ氏が共有するものです。

「安倍氏とトランプ氏の個人的関係が良好である」という理由ではなく、日米が利害を共有しているということに加え、トランプ氏自身もフェイク・ニュースの被害に遭っているという事情を考えるならば、トランプ氏としても、あまり変なことを決断することはしない、と信じたいところです。

何より、安倍総理の次の発言を見ると、あれだけマス・メディアによる酷い攻撃に遭っていながら、安倍総理がここで力強く正論を繰り返していることに、希望を感じます。

米国訪問についての会見(2018/04/17付 首相官邸HPより)

安倍総理の発言のうち、私が関心を抱いた項目を抜粋・要約しておきます。

  • 北朝鮮の問題、経済の問題について日米の連携を確認し、強固な日米同盟の絆を発信したい
  • 北朝鮮による完全、検証可能、そして不可逆な方法による核・ミサイルの廃棄の実現に向けて、最大限の圧力を維持していくことを確認したい
  • 米朝首脳会談を前に、拉致問題解決に向かって前進するよう、トランプ大統領とすりあわせをしていきたい
  • 経済については、自由で公正な貿易・投資を通じて、インド太平洋地域の経済の成長を日本と米国がリードしていくという共通認識の上に立って意見交換をしていきたい

いずれも正論です。強固な日米同盟はアジア・太平洋地域の安定の鍵であり、日米首脳会談は極めて重要なものです。トランプ氏にはさまざまな観点から懸念も多いのですが、私は日米首脳会談に深く注目したいと思います。

※本文は以上です。

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    「折込チラシ」という新聞業界の経営基盤が崩壊する! (4コメント)
  • 2018/06/20 00:00 【雑感オピニオン
    記事評:説得力のない「筋論の日本、量の中国」という単純比較 (1コメント)
  • 2018/06/19 17:05 【時事|国内政治
    【夕刊】米朝首脳会談の結果、安倍政権支持率が上昇した理由 (4コメント)
  • 2018/06/19 11:00 【時事|韓国崩壊
    【昼刊】民間団体調査で日韓好感度逆転の衝撃
  • 2018/06/19 07:00 【マスメディア論|雑感オピニオン
    ビジネスマンが読み解く「リテラシー」の重要性 (8コメント)
  • 2018/06/19 00:00 【時事|韓国崩壊
    慰安婦問題の落とし前 (4コメント)
  • 2018/06/18 17:00 【時事|外交
    【夜刊】菅官房長官の発言を曲解する輩 (5コメント)
  • 2018/06/18 14:45 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】米韓同盟の消滅が見えてきた (1コメント)
  • 2018/06/18 11:30 【時事
    【昼刊】叩き続けなければ浮上する政権支持率 (1コメント)
  • 2018/06/18 00:00 【時事
    朝日新聞よ、また偏向報道か
  • 2018/06/17 12:00 【時事|外交
    【夕刊】非核化コストと北朝鮮に対する経済支援を同一視する愚 (4コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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