【速報】朴槿恵氏に有罪判決

少し異例ですが、本日も3本目の記事を配信します。朴槿恵(ぼく・きんけい)韓国前大統領に対し、有罪判決が下ったそうです。

同情できない朴槿恵氏の境遇

「ろうそく革命」は韓国民主主義の汚点

「ろうそく革命」――。

これは、2016年9月以降、朴槿恵(ぼく・きんけい)韓国大統領(=当時)の辞任を求めて、韓国国内で広がった市民運動のことです。私も「コリア・ウォッチャー」の1人として、この事件は見逃せません。なぜなら、この事件以降、韓国の民主主義は機能不全に陥ったと考えるべきだからです。

韓国国内ではこの「ろうそく革命」を巡って、「平和的な革命だ」といった論調が見られることも事実です。私が見たところ、左派系と見られる『ハンギョレ新聞』あたりが、この「ろうそく革命」を大絶賛していますが、中道・右派系のメディアを見ても、あまり表立った批判は見られません。

しかし、実態は、民主主義を歪めた事件だと見るべきでしょう。実際、2016年12月には国会が朴槿恵氏の弾劾訴追を決議し、2017年3月に憲法裁判所から罷免判決が下り、翌月に朴氏は収賄容疑などで身柄を拘束されています。

この一連の流れを見る限り、社会の同調圧力を受けて、国会も裁判所も検察も、よくわからない罪状で大統領権限を停止し、罷免判決を下し、そして訴追までてしまったという意味で、韓国の民主主義の汚点であり、韓国が法治主義国家であることを辞めた瞬間であるとすら思えるのです。

朴槿恵氏に有罪判決

そして本日、その朴槿恵氏に、一審で有罪判決が下りたようです。

韓国メディア『ハンギョレ新聞』(朝鮮語版)による速報ベースであり、求刑通り懲役30年が申し渡されたのかどうかを含め、詳しい情報はまだ出ていません。ただ、韓国の裁判所は、朴槿恵氏が大統領府の機密文書47件を、元秘書官を通じて民間人である友人に漏洩した疑いを事実認定したそうです。

判決内容についてはきちんと読めていませんが、ある程度は予想した結末ではあります。朴槿恵氏側が控訴、上告をするのかどうかは、現時点ではわかりません。ただ、憲法裁判所が朴槿恵氏に罷免を言い渡すような国ですので、法治が期待できると考える方が不自然でしょう。

残念ながら、朴槿恵氏は控訴審、上告審でも有罪を宣告され、収監される可能性が高いと見るのが妥当ではないでしょうか。

朴槿恵氏の罷免は果たして法的に正しかったのか?

ただ、私自身、この朴槿恵氏という政治家の現在の惨めな立場について、あまり同情できません。

彼女は2013年2月に大統領に就任しましたが、それ以来、韓国にとっては最大の友邦であるはずの日本を徹底的に冷遇。一方で、韓国を属国化しようと、虎視眈々と狙っている中国に、みずから飛び込む形で、同盟国である米国を怒らせたという人物です。

古今東西、どんな国であっても、軍事的な安全保障と経済的な繁栄・発展こそが、国としてのもっとも大切な目的です。韓国にとっては軍事面で国を守ってくれる米国、経済・金融面で韓国に技術を移転し、韓国を支えてくれる日本こそが、最も大切にしなければならない国だったはずです。

しかし、あろうことか、日米韓3ヵ国とまったく価値観が異なる、共産党一党軍事独裁国家である中国を、あきらかに日本より優遇したうえで、中国と米国と両天秤にかけたような態度を取ったことで、朴槿恵政権時代に韓国の外交的な立場は極度に悪化しました。

高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備を含めた、軍事協力を巡る米韓間の意見対立が表面化しただけではありません。米韓FTAを締結しておきながら、為替介入を常態化させることで貿易条件を不公正に操作していることも、米国の怒りに火を注いでいます。

また、日本との関係を巡っても、朴槿恵氏の在任中を通じて日本国民の対韓感情は悪化し(※1)、安倍政権は韓国を「価値を共有する国」から「戦略的利害を共有する国」、さらには「単なる隣国」へと、段階的に格下げしました(※2)。

  • (※1)もっとも、日本国民の対韓感情の悪化は、前任者である李明博(り・めいはく)元大統領の侮日行動にも起因する部分があるので、純粋に朴槿恵氏だけの責任とは言い切れませんが…。
  • (※2)安倍総理の国会演説については、『韓国とは価値も利益も共有せず』もご参照ください。

もし、朴槿恵氏が日本との関係を大切にし、日韓関係の崩壊を食い止めようと努力したのであれば、私も朴槿恵氏には同情したかもしれません。ただ、正直、朴槿恵氏だろうが、現在の文在寅(ぶん・ざいいん)氏だろうが、「反日」という意味ではまったく同じです。

このように考えていくと、日本という国が韓国という国に辟易としていて、隣国で何があろうが、正直、

日本に迷惑が掛からないならどうでも良い

と考えている人が増えてしまうのも仕方がないのかもしれません。

新時代の日韓関係

私のいつもの持論です。日本にとっての韓国は隣国関係であり、本来ならば仲良く手を取り合い、ともに未来に向けて発展して行けるような関係を構築することができるのが一番良いことです。

しかし、残念ながら韓国側には、「日本に対して永遠に謝罪させ、韓国が格上、日本が格下であることを叩きこむ」といった、無礼極まりない認識が一般化していて、少なくとも「日本と仲良く手を取り合う」という発想がないことは確かです。

韓国が日本を友好国だと思っているのなら、大使館前に変な銅像を設置したり、日章旗を焼いたり、旭日旗を「戦犯旗」と侮辱したり、盗んだ仏像を返さなかったり、竹島を不法占拠したり、全世界の地図から日本海の名称を消そうとしたりはしないはずです。

もちろん、私たち日本の側にも戦略的忍耐は必要ですが、それにも限界はあります。私は日韓両国が「価値と戦略的利害を共有する特別な関係」ではなく、「ただの隣国」という関係になるべきだと考えています。

いや、韓国と不毛な歴史争いをするくらいであれば、日本と価値を共有する米国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、インド、英国や、それら以外のTPP加盟諸国、さらには戦略的利害を共有し得るASEAN諸国との関係を強化し、ともに発展していくほうが、はるかに生産的です。

海は広く、海の向こうに日本がお付き合いすべき友邦はいくらでも存在します。「大陸ではなく海を見るべきだ」――。少なくとも私は、そう考えているのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 3本目の発信ありがとうございます。
    < 本日、朴前大統領は収賄と職権乱用で懲役24年の判決を下されました(AFP)。求刑が30年でしたから、ほぼ満額回答ですね。本人は出廷せず、この辺りが魔女狩りの韓国らしい。言わばなんでもあり、裁く方も品格無し。大企業から日本円で70億円が賄賂と認定されたそうです。
    < 私も会計士様と同じく、朴が『まだマシだった』とか、同情は無いです。就任後、徹底的に日本を蔑み、世界中で悪口を触れ回り、安倍首相を無茶苦茶冷遇した。日韓会談で、前も書きましたが『日本がもっと譲歩するなら昼飯出す』と、言い放った。安倍首相は決然と大使館が利用する高いだけの不衛生な焼肉屋に行った。日本国の首相ですよ!分かってるのか?それに訪日も嫌がった。安倍首相は嫌でも行った。
    < これで二審がどうなるか分かりませんが、報道では、覆る可能性は低いと。さて、次のお楽しみは、大阪市生野区生まれのネズミ男、李のおっちゃんや(笑)。反日度は同じぐらいだから、やはり30年は臭いメシ喰って欲しいな。
    < 韓国最後の大統領、労組弁護士出身、文も懲役何年か楽しみです。ひょっとして、途中で消されるかも。つまらぬ裁判ですが、今日は少しだけ溜飲が下がりました。
    < 失礼します。

  2. 非国民 より:

    政権が変われば恩赦ですぐにでてくるのでは。法の下の平等など韓国には存在しない。

  3. 歴史好きの軍国主義者 より:

    いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有難うございます。

    (問い)
    捏造証拠で不法逮捕した被告人から逮捕中に集めた証拠で被告人を有罪に出来る。
    ○か×か答えよ。

    (答え)
    ○←正解!!

    世界中の司法試験で上記の問題を今までの模範解答と変えないといけませんね。
    前例出来ましたので。

    1. 歴史好きの軍国主義者 より:

      URL表記忘れていました。

      捏造タブレットのネタ元です。
      ご参考に。

      「タブレットPCは私は使った」 ロウソク勢力の政府転覆工作の道具

      http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=83633&thread=01r01

      朴槿惠前大統領弾劾の引き金となったJTBCが暴露した「タブレットPC」が、崔順実氏の所有ではなく、「2012年に朴大統領候補の選挙運動に使用されたもの」という決定的な証言が出された。これにより、朴前大統領の弾劾政変から1年ぶりに、事態は新たな局面を迎えることになった。
      証言者は、12年の第18代大統領選挙の時に朴槿惠候補のSNS業務を担当していたシン・ヘウォンさんで、8日に国会で開いた記者会見で「JTBCが報道したタブレットPCは、崔順実のものではなく、かつて大統領選挙キャンプで使用したもの」と証言した。

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