【夕刊】元大統領が不幸な末路を辿る国

やっぱり逮捕されました。あの国のトップは不幸な末路を辿るようです。

李明博の自業自得

元大統領が悲惨な末路を辿る国

韓国の李明博(り・めいはく)元大統領が逮捕されました。

【社説】李明博元大統領も結局逮捕…国民はみじめ(2018年03月23日08時48分付 中央日報日本語版より)

大統領職経験者が逮捕・収監されたのは、全斗煥(ぜん・とかん)、盧泰愚(ろ・たいぐ)、朴槿恵(ぼく・きんけい)の各前・元大統領に続き4例目です。ただ、それ以外の大統領にしても、一部の大統領権限代行などを除けば、その多くが暗殺されたり、亡命したり、クーデターにより退任させられたりするなど、不幸な末路を辿っています(図表)。

図表 韓国の歴代大統領(敬称略)とその末路
大統領(敬称略)在任期間顛末
李承晩(り・しょうばん)1948年7月~1960年4月建国時の大統領であり、事実上の独裁者として実権を振るうも、最後は退任してハワイへ亡命
許政(きょ・せい)1960年4月~8月【最初の「大統領権限代行」で、事実上、実権なし】
尹潽善(いん・ふぜん)1960年8月~1962年3月間接選挙により選出されるも、軍事クーデターにより退任
朴正煕(ぼく・せいき)1962年3月~1979年10月軍事クーデターにより実権を握り、事実上の独裁者として君臨するも、在任中に暗殺される
崔圭夏(さい・けいか)1979年12月~1980年8月大統領権限代行、のちに間接選挙により選出されるも、軍事クーデターにより退任
朴忠勲(ぼく・ちゅうくん)1980年8月~9月大統領権限代行
全斗煥(ぜん・とかん)1980年9月~1988年2月軍事クーデターにより実権を握り、事実上の独裁者として君臨後、憲法改正により退任。のちに死刑判決を受け、特赦
盧泰愚(ろ・たいぐ)1988年2月~1993年2月大統領退任後に政治資金隠匿やクーデターなどを追及され懲役刑を受ける(のちに特赦)
金泳三(きん・えいさん)1993年2月~1998年2月次男が斡旋収賄で拘束される
金大中(きん・だいちゅう)1998年2月~2003年2月北朝鮮への不正送金を巡り政権下の幹部らが有罪判決を受ける
盧武鉉(ろ・ぶげん)2003年2月~2008年2月側近・親族が相次いで贈賄容疑で逮捕され、本人はその後、投身自殺
李明博(り・めいはく)2008年2月~2013年2月2018年3月22日夜に逮捕
朴槿恵(ぼく・きんけい)2013年2月~2016年12月2017年3月に憲法裁判所から罷免判決を受け、その後、本人が収監される
黄教安(こう・きょうあん)2016年12月~2017年5月大統領権限代行
文在寅(ぶん・ざいいん)2017年5月~現職

(出所)著者作成

これを、どう考えるべきでしょうか?

李明博元大統領には同情できない

もちろん、韓国のことを「法治主義を理解しない未開国だ」などと蔑(さげす)むことは簡単です。実際、この国では法治主義が機能していないのではないかと疑わしい事例も数多く発生していますし、法治が貫徹していないのに大統領に権限が集中すれば、そのこと自体、汚職・不正の温床となるからです。

ただ、議論がここで終わってしまっては面白くありません。

ここで私が注目したいのは、とくに1988年の民政移管後、韓国の大統領には2つの系統が存在する、ということです。それは、「親北系」か、そうでないか、という違いです。

具体的には、金大中(きん・だいちゅう)、盧武鉉(ろ・ぶげん)の両元大統領と、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領は、バックグラウンドが「親北系の活動家」という点で一致しています。実際、南北首脳会談もこの3つの政権で実現しています(※現政権については会談が予定されている状況)。

これに対し、とくに李明博、朴槿恵の両元大統領の場合は、北朝鮮とは距離を置いていました。私はこの両名を「保守系」と呼ぶには抵抗があるのですが、少なくとも対北朝鮮政策について見る限り、敵対的とまではいかないにせよ、距離を置いていたことは事実です。

ところで、当ウェブサイトの「ウリ」は、物事を考察する際、「相手の立場」に立ってみることにあります。ここで、「韓国という国自体の幸せを考えるならば、韓国が何をすべきか(あるいは何をすべきだったか)」という点について考えてみましょう。

韓国は米国から1948年に独立した国であり、政治・経済体制としては米国や日本を見習っています。少なくとも1988年以降は、三権分立と大統領直接選挙を達成しており、(その実情はともかくとして形の上では)法治主義、民主主義の国です。

また、経済面では資本主義・市場経済国であり(※ただし、金融面ではかなり未成熟ですが)、OECDに加盟し、「G20」の一角を占める、世界に冠たる輸出大国です。このような国が、さらに発展していくためには、日米などと「価値同盟」を結び、関係を強化することが望ましいと言えます。

では、李明博元大統領時代に、韓国はいったい何をやったのでしょうか?

少なくとも私は、野田佳彦首相(当時)を騙し、2011年10月に700億ドルの日韓通貨スワップ協定を締結し、その翌年、2012年8月に竹島に上陸し、天皇陛下を侮辱した、この李明博という男が、日本との友人であるはずなどないと思います。

しかし、国防的には、李明博政権時代の2010年には北朝鮮による「天安艦」撃沈事件や延坪島を砲撃事件などが発生しているにも関わらず、李明博政権は北朝鮮に敢然と反撃することもしませんでした。さらには2011年に日本大使館前に慰安婦像が設置されたときも、李明博政権はこれを放置しました。

まことに申し訳ないのですが、私は李明博元大統領に、まったく同情する気になれないのです。

「次」は文在寅か?

さて、私の見立てでは、朝鮮半島は北朝鮮に赤化統一されるか、それとも中国の属国になってしまうか、そのいずれかは避けられないと考えています。そうなれば、「大韓民国」という国も、現在のままで存在し続けるとは限りません。

もちろん、「高麗連邦南朝鮮自治区」となるのか、「中華人民共和国韓族自治区」となるのかはわかりません。ただ、仮に文在寅政権の「次」まで韓国という国が持ったとして、「次」が右派政権だったら、文在寅氏自身が逮捕・拘束されるかもしれません。

そして、私は元大統領の逮捕・拘束などが続く理由については、韓国の政治体制というよりも、この国の歪んだ価値観そのものという病理にあると見ているのです。

日本の近所には、中国、韓国、北朝鮮、ロシア、と、本当に世界の問題国が固まっているものだと呆れてしまう今日この頃なのです。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

     < 更新ありがとうございます。
     < 昨夜、遅い時間に一報を知りましたが、ああやっぱりという事しか頭に浮かびませんでした。
     < 一言で言うと、幼稚な韓国政治ですね。まともな自由主義国、民主主義国とは違います。大統領に上り詰めると、あらゆる権力を持つ、誰も諫言できない、本人も国家の代表、尊敬される人物であるべし、という理性的判断、行動ができない。南米やアフリカ、中東等未開国では、一人の大成功者(スポーツ選手、芸能人、政治家、ビジネスマン等)が出ると、親戚縁者が群がって余禄を貰おうとする。1人で100人の面倒を見るのもよくあることです。
     < 朝鮮人はそれに近くプラス他人(一族以外)に非常に排他的、攻撃的だ。『私には縁がない』といあの国の人の言い方は、『引き上げてくれる人がない』という意。なにしろいつも、そういう身分になりたいと邪な気持ちを持ち続けている。更に加えて、『やられたら恨みを必ずやり返す』という性根。保守(先進国でいう保守ではないが。親米派)と親北派(労組、リベラル、学者、弁護士等)の泥仕合はいつもの事です。そしてここが茶番なのだが、死刑、懲役30年、禁固20年という判決が出ても、全うせず出獄できるシステム。大赦、恩赦、特赦の連発、更に体制が変われば仮釈。国民は「どうせ出て来るだろ」と冷めた眼で見ています。
     < 李明博には全然同情する気はないし、私腹も肥やしている。為政者として全く下品な人、行儀の悪い人です。李明博はご存知の方も多いでしょうが、大阪市生野区出身で終戦後しばらくして南朝鮮に帰ったんですよ。その出自を韓国ではほぼ絶対言わなかった。『日本生まれ』という致命的な戸籍が残っているからです。『半日』が広まったら、タダで済みませんもん。
    < さて、次の番は文大統領ですね。任期中に粛清されるか、労働矯化所行きか、投獄かは分かりませんが、マトモな死に方はできそうにないです。任期持たないと思います。そもそも、民主主義とか法治主義とか三権分立とかが理解されてない国、独裁者による「右向け右!」のやり方の方が国民情緒に合っているのでは?救いようがない。どうぞ北に吸収なり、中国の属国になり、また150年前のふりだしからスタートしてくだされ。
     <失礼します。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告