本日は2本目の記事を配信するつもりではなかったのですが、どうしても1つ、引用しておきたい話題を発見しました。そこで、非常に異例ではありますが、夕刊を配信しておきます(もっとも、「夕刊」と呼ぶには遅すぎるかもしれませんが…笑)

※本文はお知らせの後に続きます。

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さらば、放送法第4条

安倍政権、放送法第4条の撤廃の方向へ

今週の木曜日、共同通信がこんな記事を配信しています。

政治的公平の放送法条文撤廃/党派色強い局可能に(2018/3/15 09:40付 共同通信より)

すでに読んだという方もいらっしゃると思いますが、これは、共同通信が「安倍政権が検討している放送制度改革の方針案が明らかになった」と報じたものであり、共同通信自体がさまざまな新聞に記事を配信しているため、おもに地方紙で取り上げられたものです。

共同通信は「政府の内部文書」を入手したとしつつ、これによると、「規制の少ないインターネット通信と放送で異なる現行制度を一本化」するとともに、「放送局に政治的公平などを義務付けた放送法第4条を撤廃する」ことなどが織り込まれているとしています。

この報道が事実ならば、私は安倍政権の方針を、全面的に歓迎したいと思います。なぜなら、放送法第4条は、有効な罰則を伴っておらず、事実上、有名無実化してしまっているからです。

たとえば、昨年7月の「加計学園騒動」では、前川喜平・前文科省事務次官の国会答弁を、主要な放送局がこぞって取り上げたことが記憶に新しい点です(「放送法遵守を求める視聴者の会」による調査等については、当ウェブサイトでも『テレビの偏向報道はなくなるのか?』あたりで取り上げています)。

これについて私は、以前から、「どうせ実務的に罰則が適用できないような法律だったら、いっそのこと廃止して、もっと新規参入の自由を促す方向に持っていくべきだ」と考えて来たのですが、どうも安倍政権の方向性も、こちらを向いているようです。

ところで、リンク先の共同通信の記事では、

放送局が増えて、より多様な番組が流通することが期待される一方、党派色の強い局が登場する恐れもあり、論議を呼ぶのは必至だ。

と述べています。

この「議論を呼ぶ」という表現、日本のマス・メディアが好んで使う欺瞞です。要するに、自分たちマス・メディアそのものが歓迎していない方向性については、「議論を呼びそうだ」などと言いながら、実質的に自分たちマス・メディアそのものが反対の論陣を張る、という卑劣な方式です。

しかし、この「党派色の強い局が登場する恐れ」とある下りについて、共同通信さんにお伺いしたいのですが、はたして「党派色の弱い局」というものは存在するのでしょうか?私が知る限り、少なくとも在京の地上波放送局については、NHKを筆頭に、「党派色の強い局」しか見当たらないのですが…(笑)

マス「ゴミ」の皆さんは猛反発?

ただ、見方を変えると、マス・メディア(あるいは最近の流行語でいえばマス「ゴミ」)が強く反発するということは、それだけ、マス・メディアにとっては都合が悪い情報だ、ということかもしれません。

(※余談ですが、マス「ゴミ」という表現は、「ゴミのような情報ばかり垂れ流す新聞やテレビ」に対し、インターネット側から自然発生的に登場した、一種の「ネット・スラング」です。)

そう思って記事を検索していたところ、本日の夕方、読売新聞の電子版である『読売オンライン』に、こんな記事が掲載されました。

首相、批判的報道に不満か…民放解体を業界警戒(2018年03月17日 15時16分付 読売オンラインより)

タイトルに「首相が批判的報道に不満」「業界側は民放解体を警戒」などとありますが、なぜ放送法第4条を撤廃したら、「民放解体」となるのでしょうか?

読売新聞は、今回の規制緩和が「『放送法の規制がかからないネットテレビ』などの放送事業への参入を狙ったもの」だと指摘。そのうえで、「政治的中立性の縛りを外せば、特定の党派色をむき出しにした番組が放送されかねない」と強く批判しています。

え?「特定の党派色をむき出しにした番組が放送されかねない」?あまりにもバカらしくて、思わず乾いた笑いが出てしまいます。すでに放送されてますやん!読売新聞さん、そうおっしゃるならば、テレビ放送が「特定の党派色をむき出しにしていないかどうか」を検討する方が先でしょ?

読売新聞は

ネット事業者などに放送事業の門戸を開放すれば、地上波キー局をはじめとする放送事業者の地盤沈下につながる。首相の動きに、放送業界は「民放解体を狙うだけでなく、首相を応援してくれる番組を期待しているのでは。政権のおごりだ」と警戒を強めている。

と述べていますが、別にちゃんとした番組を作っているのならば、新規参入が生じたところで、何も困らないはず。「地上波キー局をはじめとする放送事業者の地盤沈下につながる」というのならば、それは既得権益にあぐらをかいて来た彼ら自身に問題があるということではないでしょうか?

放送法第4条はあってなきが如し

ところで、地上波のテレビは、すでに政治的中立性を無視しています。その証拠が、当ウェブサイトでもときどき引用する、「社団法人日本経済研究センター」が実施した有権者へのアンケート調査です。

経済政策と投票行動に関する調査 「子ども手当支持」は3割、政策には厳しい目(2009年9月10日付 社団法人日本経済研究センターウェブサイトより)

これは、民主党への政権交代が実現した2009年8月の衆院選直後に行われたもので、リンク先資料の7ページ目には、「投票に際して最も重視したことを判断するための情報源」と実際の投票行動の関係を調べた図表が掲載されています。

これをもとに、情報源の別に、比例区でどこの政党に投票したのかという答えを合わせたところ、次のような状況です(図表)。

図表 情報源と比例区投票先の関係
情報源 自民党 民主党
①テレビ(410人) 15.6% 55.6%
②新聞・雑誌(228人) 20.6% 48.2%
③インターネット(84人) 34.5% 28.6%
④候補者・政党(143人) 31.5% 33.6%
⑤選挙公報(98人) 22.4% 38.8%
⑥家族・友人(53人) 9.4% 41.5%

(【出所】(社)日本経済研究のレポートP7を参考に著者作成)

ここで注目すべきは、「投票行動を①テレビ(ニュース番組、ワイドショーなど)や②新聞・雑誌の情報で決めた」と答えた層の、民主党投票率の高さです。ほかの4つの層と比べて、この2つの層の民主党への投票率は、明らかに高いことがわかります。

このように考えていくと、当時のマス・メディアの報道は、明らかに常軌を逸していたと断言できます。いや、今でもマス・メディアの報道は「常軌を逸している」のかもしれません。むしろ、単純に、有権者が賢くなって、マス「ゴミ」の報道に騙されなくなっているという方が実情に近いと思います。

放送法第4条と独占はセット

私は、放送法第4条という、「意味のない条文」についてはさっさと廃止し、より自由競争を促す方向に持っていくべきだと考えています。

このように申し上げると、ときどき、当ウェブサイトにも、「どこの馬の骨ともわからない人間が記者会見場に紛れ込むのはまずいのではないか?」といったご意見を頂くことがあるのですが、民主主義社会においてはそのような心配は無用です。

いままでの日本では、マス・メディアに対しては「性善説」に立ってきました。つまり、「新聞・テレビはきちんとした情報を流してくれるから、一般国民は、新聞・テレビが流す情報を安心して受け取って良い」という暗黙の前提条件です。

ただ、NHKを除けば、新聞社もテレビ局も、基本的には民間企業です(共同通信は株式会社組織ではなく一般社団法人ですが、「公的機関」ではありません)。いや、NHKですら、国民の監視の目が行き届かない団体であり、これを「公的機関」と呼ぶのは問題でしょう。

そのように考えていけば、まずテレビ局やラジオ局に対しては、放送免許という形で「参入障壁」が存在しているものの、放送法第4条で「政治的公平」を義務付けることで、この「参入障壁」の存在を正当化して来たのです。

なお、新聞については、テレビ局の「放送法第4条」に相当する法的規制は存在しません。これは、形のうえでは、新聞業には誰でも新規参入できるからでしょう。しかし、当ウェブサイトでも何度も論じてきたとおり、現在の日本のテレビ局は、参入障壁に守られていながら、放送法第4条を守っていません。

そうであるならば、法規制としては次の2つしかあり得ません。

  • 放送法第4条に厳罰を設け、テレビ局に政治的公平を守らせる。
  • 放送法第4条などを廃止する代わり、テレビ局の新規参入を容易にする(例:電波オークションなど)。

当ウェブサイトでもときどき引用する、「放送法遵守を求める視聴者の会」という組織の主張は、前者でしょう。しかし、当ウェブサイトの主張は、後者です。有名無実化した条文ならばさっさと廃止すべきです。

いや、私自身、むしろテレビ局が放送法第4条を積極的に死文化していることが、業界の自殺行為だと見ています。すでにインターネットという、放送局の存立基盤を脅かす社会的な情報プラットフォームが出現し、インターネットにつながる人の数はますます増えています。

放送法第4条があろうがなかろうが、どのみち、地上波テレビが信頼を失い、見なくなる人が増えるのは時間の問題です。しかし、ここで放送法第4条を廃止し、テレビとネットの融合を図れば、多チャンネル時代が実現し、なかには生き残っていける地上波テレビ局もあるでしょう。

――↓本文は以下に続きます↓――

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「もりかけ問題」の正体

私には昨年以来、首尾一貫した仮説があります。それは、「もりかけ問題」の正体とは、ずばり、既得権益を失いつつあるマス・メディアによる、最後の「報道テロ」だ、というものです。

昨年7月を思い出してください。加計学園「問題」により、既存メディアが実施する世論調査では、安倍政権の支持率が軒並み低下し、まさに「政権崩壊直前」の水準になった社もありました。しかし、10月に行われた衆議院議員総選挙では、自民党が事実上、圧勝を果たしました。

つまり、昨年7月の「加計学園騒動」は、テレビ、新聞などのマス・メディア(あるいはマス「ゴミ」)が国民世論を支配する力を失った、非常に象徴的な事件だったといえるのです。

マス「ゴミ」のみなさんは、性懲りもなく、今度は「森友学園事件」を蒸し返し、これにより政権妨害に出ていますが(実際、麻生副総理はG20への参加を見送りました)、これなど、マス「ゴミ」と野党と官僚が、共謀して、国民が選んだ政権を倒そうとしていると批判されても仕方がありません。

国民に選ばれていない、「野党、官僚、マス・メディア」の「既得権益の3点セット」が政府を妨害するという構造は、すでに国民から見抜かれてしまっているのです。その意味で、彼らには、あまり日本国民を舐めないでもらいたいものです。

いずれにせよ、この放送法第4条の問題については、当ウェブサイトでも、折に触れて取り上げていきたいと思います。

※本文は以上です。

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