改めて北方領土問題を整理する

今月7日は「北方領土の日」だったそうですが、今月に入り、北方領土関連でいくつかの報道も出ています。そこで、本日は『プーチン訪日から1年:領土問題は時間が解決する』の続編として、北方領土問題を改めて整理しておきたいと思います。

卑劣でヘタレの国・ロシア

ロシア外相「日本は第2次大戦を受け入れよ」

ロシアのラヴロフ外相は12日、ロシア国営テレビのインタビューのなかで、北方領土問題を巡って「第2次世界大戦の結果である」と述べたと報じられています。

北方領土「第2次大戦の結果」=平和条約締結を希望-ロ外相(2018/02/12-06:13付 時事通信より)
「超国家機関は必要なし」 北方領土の共同経済活動でラブロフ露外相が発言(2018.2.12 20:44付 産経ニュースより)

時事通信と産経ニュースの報道を総合すれば、このインタビューは日露両国政府が現在進めている共同経済活動のための協議を巡って、日露双方の法的立場を害さない「特別な制度」ではなく、ロシア側の制度のみで十分だとする姿勢を提示。あわせて、(北方領土問題は)「第2次世界大戦の結果である」とする見解を示した、とするものです。

この報道を巡って、ひととおり、ツイッターや某匿名掲示板での反応を確かめてみたのですが、やはり「(ロシアは)盗人猛々しい!」、「安倍(総理)は北方領土の返還を実現できないヘタレだ」、といった感情的な反発が強いものの、ラヴロフ外相の発言を冷静に分析しようとする意見は少ないようです。

どこまでも卑劣なロシア

北方領土問題を巡っては、いくつかの見方がありますが、私自身の立場を申し上げるならば、「択捉、国後、色丹、歯舞の4島」に限定してロシアに返還請求するという姿勢が、そもそもの間違いです。

まず、「第2次世界大戦によってソ連(現ロシア)領になった」と見るのであれば、日本が敗戦した時点でソ連と条約を結び、ソ連に対して領土を割譲していなければなりません。あるいは、日本が敗戦した時点で、これらの地域はソ連によって占領されていなければなりません。

プーチン訪日から1年:領土問題は時間が解決する』の中でも紹介した、「南樺太と千島列島が占領された時間軸」を再掲しておきましょう(図表1)。

図表1 ソ連による南樺太と千島列島の占領作戦
日時出来事備考
8/9ソ連が「日ソ中立条約」を破って対日参戦
8/11ソ連軍による南樺太占領作戦開始作戦はポツダム宣言受諾公布後の8月25日まで続く
8/14日本、連合国側にポツダム宣言受諾を通告
8/15ポツダム宣言受諾(無条件降伏)の公布「日本軍は戦闘を中止し、武装解除した」とされる日
8/18ソ連軍が千島列島北端の占守(しゅむしゅ)島に侵攻日本軍が勇敢だったこともあり、占領完了は8月24日にずれ込む
8/26ソ連軍が松輪(まつわ)島に侵攻占領完了は同日
8/28ソ連軍が得撫(うるっぷ)島に侵攻占領完了は8月31日
8/29ソ連軍が北方四島への侵攻開始占領完了は9月5日

(【出所】外務省『われらの北方領土 平成22年版』等を参考に、著者作成)

この図表を見て頂ければ分かりますが、日本がポツダム宣言を受諾すると連合国に通告した8月14日の時点で、ソ連軍による南樺太占領作戦は終了していませんし、千島列島に至っては、まだ1ミリたりとも占領していませんでした。

しかも、占領作戦は降伏文書に署名する1945年9月2日以降も続き、北方4島の占領が終了したのは、実に9月5日のことです。これを「火事場泥棒」と言わずして、どう言えば良いのでしょうか?

また、日本はサンフランシスコ講和条約で南樺太と千島列島の領有権を放棄していますが、それをソ連の領土に編入することとは、また別の論点です。

ついでに申し上げるならば、当時のソ連は戦時国際法に反し、占領した多くの地域で日本人を拘束し、違法にシベリア送りにし、強制労働に従事させました。

つまり、ロシアのラヴロフ外相が、「第2次世界大戦の結果だ」と言い続けるのであれば、わが国としては、ソ連による南樺太と千島列島の占領作戦の卑劣さ、違法性について、あらためて振り返り、全世界とロシア国内に向けて宣伝すべきでしょう。

卑劣なだけでなく、単なるヘタレ

ところで、日本国内では旧ソ連と現ロシアに対し、何となく「大国で怒らせたら怖い国だ」という認識がありますが、これは正しくありません。

もちろん、面積だけで見たら、確かにロシアは大国です。総務省統計局が公表する『世界の統計2017』によれば、ロシアの面積は約1710万平方キロメートルで、これは日本(約38万平方キロメートル)と比べて約45倍です。

しかし、GDP(名目値)は1.3兆ドル(2015年時点)で、これは日本の約4.4兆ドル(2015年時点)の3分の1以下に過ぎません。

ロシアはその膨大な国土から石油、天然ガスなどの豊富な資源が産出されるのですが、それらの恵まれた資源を活用するわけでもなく、単に国内で取れた資源を外国に転売するだけの国です。

実際、ロシアの通貨・ルーブルと原油価格の相関を取ってみると、ルーブルと原油価格は見事なくらい連動していますが(図表2)、ロシアとは世界最大の国土を有していながら、モノカルチャー経済の国なのです。

図表2 ルーブルと原油価格の相関

(【出所】著者作成。なお、原油とはWTI先物(バレル/ドル)、RUB/USDとは1ルーブルあたりの米ドルの為替相場)

確かにロシアは核武装していますし、軍事技術、宇宙技術を持っていることは確実でしょうが、自動車、家電やPCなどの民生品には見るべきものもありません。

実際、日本から飛行機でヨーロッパに向かう時に、たいていの便はシベリアの上空を飛びますが、窓の外を見てみれば、ロシアには荒涼たる大地がひたすら広がっているだけです。

そして、伝統的にロシア軍は、「絶対に負けないとき」にしか戦いません。

ナポレオンやヒトラーが侵攻してきたときには、仕方なしに武器を取って戦いましたが、1945年の対日戦は、原爆が投下された後になって、敗色濃厚な日本に、やっと火事場泥棒的に軍事侵攻したくらいの国です。

そういう卑劣でヘタレな国に、どうして日本はいまだに千島列島と南樺太を占領されたままなのでしょうか?そのことを、私はもっともっと、強調したいのです。

国際社会における「用露」

日本はロシアにどう接するべきか?

ただし、私は、ときどきロシアの当局者から出てくる

戦争で取られた領土は戦争で取り返せ

といった発言は支持しません。150年前の「帝国主義」の時代ならいざ知らず、現代の国際社会は、現状を法によらずに軍事力で変更することを許さないからです。

もちろん、日本の中には、「日本はロシアに軍事侵攻するだけの準備を整え、機が熟せば、ただちに第2次世界大戦で奪われた南樺太と千島列島を奪い返すべきだ」と主張する人もいるかもしれません。

しかし、仮に日本がそれをするならば、ロシアが2014年3月に、クリミア半島とセヴァストポリ市を編入したときと同じような反発を、日本が国際社会から受けることを覚悟しなければなりません。

ロシアが南樺太と千島列島を日本に返してくれないからといって、日本がそれらを武力で奪い返す、ということはできないのです。

もう1つ、視点を変えてみましょう。

仮に択捉、国後、色丹、歯舞の4島限定が日本に返ってきたとしましょう。その場合、元島民とその子孫の皆さんがこれらの島に移住し、それで生活は成り立つのでしょうか?

国後島の面積は沖縄本島と、択捉島の面積は東京都と、それぞれほぼ同じです。そして、戦後70年以上、ソ連・ロシアの実効支配を受け、道路も港湾も空港も発電設備も貧弱です。それを、本土から建築資材を持ち込むだけで、すぐに生活できるようになるとは思えません。

最低でも国後島と択捉島に空港を作り、島内交通を整える必要がありますし、金融機関やスーパー、コンビニエンス・ストアなどの生活インフラも欠かせません。

ちなみに沖縄本島の場合、那覇空港から首里城のある首里地区まで、「ゆいレール」というモノレールが走っていますし、東京都の場合は鉄道網が整備されています。

ただし、想定される人口を考えるならば、せいぜい空港から市内までの公共バスを走らせるのが関の山でしょう。

さらに、現在そこに暮らしているロシア人はどうするのでしょうか?

1人残らずロシア本土にお帰りいただくのでしょうか?それとも、日本とロシアの二重国籍を持つ、一種の特権階級となるのでしょうか?

そのように考えていくと、日本の外務省が提唱する、

外交交渉で4島の返還を求める

という方針が、まったく具体性に欠けるだけでなく、返還後のことも何も検討されていないという意味で、大いに問題があることは明らかです。

共同経済活動を支持する条件

つまり、戦後の日本外交は、「ソ連・ロシアに領土を奪われた不幸な日本」という姿を自虐的に眺めるだけだったのです。そして、外務省としても、「北方領土返還」という「お題目」だけを唱えていれば、それで仕事をした気になっていたのではないでしょうか?

ところが、ここに来て、こうした「北方領土返還」という「お題目」だけの外務省の外交に、大きな風穴があきつつあります。

それが、安倍政権の推進する、「共同経済活動」です。

私は安倍政権の間にこの構想が実現するとは思っていませんが、それでも、「仮に日本企業や日本人が北方領土に進出・居住し、経済活動を行った場合には何が問題になるか」を考えること自体は、非常に良いことです。

日露が特別な法的枠組みを作るのか、それともロシアの国内法だけで完結させるのかはともかくとして、「共同経済活動を検討し始めた」という事実をもって、現状の打破に向けて事態が動き始めるからです。

もちろん、この交渉は今後、さまざまな曲折を経ることは間違いありません。

また、共同経済活動の開始にこぎつけたとしても、相手は国際法を平気で破るロシアのことですから、日本企業や日本人は、さまざまなトラブルに直面することでしょう。

しかし、それでも共同経済活動は、現状を打破するうえでは非常に重要な活動です。

私は、ロシアとの間で共同経済活動を議論しながら、ロシアの国力が落ちるまでの時間を稼ぐことが重要だと考えています。

ロシアは未来のない国

ありていにいえば、ロシアは「未来のない国」です。

これに対し日本は「未来のある国」です。

現在のロシアは「掘れば石油が出る」という国土に恵まれていて、大した産業もないのに、国民は身分不相応にも、そこそこ豊かな暮らしを送っています。

しかし、ウクライナ危機でもわかったとおり、「領土が欲しければ外国と交渉せず、実力で奪い取る」というロシアの姿勢は、決して世界から支持されませんし、最終的には経済制裁等を通じ、ロシアが自分で自分の首を絞めているのと同じです。

話はそれだけではありません。

石油に依存した「モノカルチャー国家」は、仮に将来、エネルギーシフトが生じてしまえば、たちまち世界の最貧国に成り果てます(もっとも、これについてはサウジアラビアを筆頭とする中東の産油国も、事情は同じですが…)。

あるいは、生活に困れば、現在の北朝鮮がやっているように、武器を外国に売却して稼ぐ、というビジネスモデルも成り立つかもしれません。しかし、国家を発展させるための真っ当な努力をしない国に未来がないことは、古今東西の真理でもあります。

そうであるならば、日本は北方領土の返還要求を取り下げず、共同経済活動などの形で「実を取る」戦略に転じるのが賢明でしょう。つまり、領土問題は実質的に棚上げし、共同経済活動などを通じて日露対話を少しずつ進めていく、という手法です。

いや、もう少し正確に言うならば、ロシア側に対して「共同経済活動への期待を持たせる」だけでも良いのです。

先ほど申し上げたとおり、ロシアは平気で約束を破る国です。共同経済活動を開始したら、いろいろと難癖をつけて来て、日本企業から資産を没収するくらいのことは平気でやるでしょう。

そうであるならば、テーブルの上では「共同経済活動を検討し始めましょう」とばかりにロシアと握手しつつ、水面下では欧州連合(EU)や米国と結託して、ロシアを金融・経済面で困らせる、というくらいのことをしても良いはずです。

用露構想:ロシアであっても都合よく使う図太さを!

つまり、ロシアとは表面上仲良くしながらもロシアを経済的に困窮させ、国力を弱らせていけば、いずれ、熟したリンゴが自然落下するように、北方領土問題も日本に有利な形での解決を図ることができるのです。

これを私は「ロシアを用いる」という意味で、「用露(ようろ)」とでも言いたいと思います。

先ほど私は、「ロシアに戦争を仕掛けて、南樺太と千島列島を軍事的に奪還すること」は「望ましくない」と申し上げました。

現代の国際社会が侵略戦争を禁じている点もさることながら、私がそう申し上げる理由は、それだけではありません。

ロシアは国際法を平気で破る危険な国ですが、それと同時に「ヘタレの国」であり、現状を維持する限り、ロシアが北海道に攻め込んでくる可能性はほぼゼロと見て良いでしょう。

つまり、日本にその気がなければ、日露両国間で戦争が発生する可能性は皆無に近いのです。

そして、「日本にその気がなくても戦争を仕掛けてくる国」が、日本の周囲には確実に存在していることも事実です。その筆頭は中国ですが、最近では北朝鮮や韓国も、日本に対して敵対的な行動をとりつつあります。

そうであるならば、まずは中国に対する牽制という意味で、ロシアとの関係を改善しておくことは日本にとって悪いことではありません。

もちろん、いきなりロシアに対して最大限の経済支援を与えるような愚を犯してはなりませんが、それと同時に、ロシアを有事の際の敵に回さないことが重要です。

また、逆にロシアとしても、中国から感じる「人口圧力」を緩和する手段として、日本との関係改善が望ましいといえます。

そう考えたら、現状をとりあえず棚上げし、ロシアと限定的な関係の改善を図るのは、日本の安全保障上は望ましいとすら言えます。

日本は賢く立ち回るべき

ただし、この議論の大前提にあるのは、「日本は未来永劫、発展していく国である」、という観点です。

そして、この大前提を妨害している組織が、日本には少なからず存在しています。

その1つは、戦後の日本外交を失敗に導いてきた利権官庁である外務省ですが、それだけではありません。消費税の増税などにより、日本の経済回復の腰を折ってきた財務省は、日本国民の敵です。

また、従軍慰安婦問題や南京大屠殺問題など、さまざまな捏造と報道犯罪を仕掛けてきた組織である朝日新聞社、共産主義革命により日本社会の破壊を目論む日本共産党なども、日本社会の敵でしょう。

何より、「外国から攻め込まれても国を守ってはならない」とする、日本国憲法第9条第2項を無効化しないことには、何も始まりません。

つまり、現在の日本の状況では、北方領土返還、日本人拉致事件、竹島不法占拠事件などを包括的に解決するだけの条件が整っていないのです。

こういう状況で、拙速な北方領土問題の解決を図ることには、私は反対です。

また、早ければ今年にも国会で発議される憲法改正の動向にも、私としても深い興味を抱かざるを得ないのです。その意味で、戦後日本の全ての問題は、つながっているのだと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 関澤 より:

    対露制裁が続き、ヨーロッパでも再武装が始まっている今こそ、ロシアの卑怯さ残虐さを世界に示して国際世論の喚起し、ロシアが譲歩せざるを得ない状況にすることが、対北朝鮮、中国戦略上も有効に思うのですが、如何でしょうか。
    まずは、国内の周知とマスゴミ解体からでしょうか

    1. むるむる より:

      流石にそれを今やると完全に中国とロシアが付いちゃうんで今それやるのは危険でしょ。
      せめて中国の脅威が無くなってからロシアに対して動くなり、プーチン亡き後にロシアの混乱を助長させるとかで十分です。

      私の曽祖母は北方四島に住んでいたらしくソヴィエトが攻めて来たため止む無く着の身着のまま北海道に逃げて来たらしいので個人的にはロシア人にも同じ目に合わせてやりたいもんですが現状ではロシアと中国の不協和音を助長させるだけで我慢しましょう。
      領土問題が消えたと連中に思わせなければいい訳ですから。

  2. 匿名 より:

    北方領土問題もGHQの占領政策の影響を受けていますし、自民党の中も吉田、鳩山で分裂していました。
    いまだに利権が整理されていないです。国内の意見が総論賛成・各論反対ではブログ主のような戦略が国内で簡単に覆されています。鈴木宗夫氏が独自に外交を展開し、佐藤優氏が外交を展開するけれど、そこに政権としての使命的なものを感じません。第一ロシアとの関係性のゴールが見えません。
    冷戦時は米追従でしたし、ソ連崩壊後も強気には交渉出来なかった。
    憲法9条の問題もあるでしょうが、戦後からの自民党内でのロシア外交が分裂しており未だに整理されていないのではないかと思います。安倍総理のロシア外交は、鳩山外交の流れなのか、アメリカ追従の流れなのか、なにを軸として纏まっているのか、外務省と官邸の外側では、何を考えているのか全く意味不明状態です。

  3. 匿名 より:

    なぜ沖縄に基地があるにも関わらず、米軍は北海道に基地を置かず三沢までに留めているのか。
    私は不勉強なので理由が判っておりません、ただ米国は終戦後ソ連を刺激することは避けたのではないか。
    またはヤルタでなんらかの密約があったのか。中立条約を破棄した後、ソ連軍は南樺太と北海道東部に上陸したようです。北海道本島は、日本陸軍の残った勢力で撃退したとの事ですが、終戦後数日間撤退まで戦闘は続いていたらしい。つまり北海道までソ連の侵攻は密約されていたのではないか。ポツダム宣言受諾で密約が反故になったのではないか、そんな空想が行き来します。明治期にロシアが対馬を占拠したあと、イギリスが交渉して退去させたけれど、アメリカが北方領土に対してソ連に交渉出来なかったのは、東欧やドイツなどアメリカはソ連と交渉しなければならなかったからなんでしょう。朝鮮半島と同じく日本の戦後がまだ終っていませんね。

  4. めがねのおやじ より:

    < 毎日の更新ありがとうございます。
    < 「ロシア」「ソ連」と聞くだけで、私はやはりイマイチ良いイメージがないですね。でも今の「ロシア」は、国力低下で、かなり存在感が薄くなった印象です。しかしウクライナの一件のように、狙えば強欲に領土を取り返そうとします。
    < 米軍がなぜ三沢までで北海道に駐留基地がないかについては、当時スターリンは北海道の半分を寄越せとゴネましたが、米国のトルーマン大統領が拒否しました。日本列島の分割統治は他に英、中華民国からも要望がありましたが、すべて米国中心のGHQ支配になりました。その為、当初は北海道にも連合軍部隊は居り、駐留米軍は演習地域やのちの自衛隊との共同使用地域も現存しているはずです(使われていません)。
    < これまで何十年も「四島返還」を外務省、日本政府はロシアに申し入れましたが、そんなもの聞く耳持つ相手ではありません。ただ、ロシアのことをよく観察するとウラル山脈から東側は、荒涼たる大地が広がるだけ。せめてあそこを8つぐらいの国に分けてそれぞれで一本立ちさせないと、それこそ「何も生み出さない土地」のままです。
    < ロシアはもう一期プーチンが大統領を続けようが、無為無策の国、衰退国です。領土拡張の野心ばかりで、世界から非難を受け、経済制裁を喰らっている。ここで日本は「まず二島返還」ではなく、千島列島、樺太に共同進出し、『取られるだけ』ではない経済活動、開発を行ない、日露で盛り立てて行こうと誘うのが良いと思います。
    < 大変難しいことだと思います。平気で約束を破るし、猜疑心は強いしですが、世界各国から制裁を受けている事、対中が主敵の日本としては、背面にロシアが協力関係にいる、と言うことは、大変大きな中国へのプレッシャーにもなります。新宿会計士様のネーミングによると『ヘタレ』の国(関西系です。気にしないで下さい)ですから、膨大な資源持ちつつも、資源を転売するだけのモノカルチャー。日本が北朝鮮、韓国、中国など『悪の枢軸国』に辛酸なめさせられたように、慎重にかつ用露で対応、すぐに結果を求めなければ、ロシアとの関係は枢軸国よりは改善されると思います。
    < この際、二島返還、四島返還などと遠慮せず、50年後100年後には千島列島から樺太、コマンドル諸島までを「共同経済活動」地域として戦略を立てて共同開発に参画する。いずれロシアは国力が更に落ちる、その時に米領のアリューシャン列島と結んで北極側環太平洋首飾り構想なんてどうでしょうか。
    < 失礼しました。

  5. 歴史好きの軍国主義者 より:

    軍国主義者です。
    以下は知的好奇心のネタに俎上に載せますが、読者諸氏の99%以上にとって「妄言」となります。
    皆様には笑いと寛容の心で読んでいただければ幸いです(笑)
    -ここから-
    結論から書きますと、私は北方領土4島の扱いに関しては

    日本は北方領土4島とも「現状を尊重して返還請求を即時放棄すべき」という考えです。

    同じ考えは日本でヒトケタ居るか、もしくは唯一私だけかもしれません。

    ロシアについての分析は管理人様の記事の通りで全く同意しますが、
    ロシアが大国として存在している理由としては多数の戦略核兵器によってMAD(相互確証破壊)が成立する(仮説)と思われているからです。

    MADの柱は2つあり、1つはシベリアの逃げられない陸地に設置したICBMと移動可能で秘匿できる潜水艦によるSLBMですが、ロシアの戦略原子力潜水艦は主にオホーツク海に展開しているといわれます。

    オホーツク海から太平洋に日米の監視を潜り抜けてでるのが困難だからだそうです。

    このオホーツク海の西南を蓋しているのが国後・択捉の両島です。

    ここを日米に渡すと対潜水艦兵器の進入を許してSLBM搭載の潜水艦の把握・攻撃を許してしまいます。
    皆様の誰も「自分の家の玄関の鍵を壊してお住まいの方はいない」と思います。

    過去はどうあれ、今は地政学上、北方領土はロシアにとって「玄関の重要な鍵です」。

    4島返還は「プーチンでも絶対無理」です。

    慰安婦問題の韓国の認識同様、「実現は現実的ではありません」。

    国後・歯舞諸島の2島返還はかつてアメリカが「小笠原・沖縄を人質にとってつぶしました」。
    これもありません。
    従って「返還要求自体を放棄」して「余力を別のことに使う」のが最も良い。
    管理人様がツイートされていた通り「棚上げしかない」と思います。
    そのように思います。

    蛇足ですが、仮に4島返還が実現した場合ですが、北方領土の用途としては数兆円使っても「ロシア人全員」に退去いただき、国後・択捉の全てを米軍が使うでしょう。

    ロシアへの喉の匕首の費用なら数兆円は安いものです。間違いなくロシアの息の根を止められます。

    ソースは忘れましたが同様の懸念をロシア高官が言及していた記事を見た記憶があります。

    以上です。失礼しました。

    1. むるむる より:

      ご存知だとは思いますが知らない方もいるため説明します、現在ロシアは北極海航路の開拓を進めています。
      アジアからヨーロッパに物を運ぶのであれば基本的にはインド洋を抜けて地中海から大西洋となる訳ですが、このルートと北極海航路の航路日数は同じと言われています。しかし冬の間は使えず気象・海象データや安全性などの様々な理由からリスクが高いと捉えられており利用は伸び悩んでいます。

      しかしその北極海航路に目をつけた国があります、そう中国です。現在中国とヨーロッパの経済的な結びつきが強まり中国とヨーロッパ間の貿易量は増加傾向にありますが、中国の海洋進出に伴い周辺諸国が強い反発を持って居る為南シナ海から南下するよりも北上する案が同時進行で進められています。
      当然中国から北極海航路を利用する為には入口の日本や朝鮮半島などを通過する為、中国による北海道支配と朝鮮半島政策は連動していると考えた方が宜しいかと思います。なにせ北海道の土地を買い漁っている他国の中に朝鮮総連がいる以上間違い無い筈です。

      以上のことも踏まえた上で私は対ロシア政策を考えるべきだと思います。
      個人的にはロシアの政情不安や経済破綻を画策する一方で(新宿会計士様の言う通り)、中国に北極海航路の主導権を奪われない様にロシアと航路開発や利用に協力する方が良いかと思われます。そうすればその中で北方領土の新展開も見えてくる筈です。

      1. 歴史好きの軍国主義者 より:

        むるむる様
        駄文にコメント賜り、ありがとうございました。

        >中国から北極海航路を利用する為には入口の日本や朝鮮半島などを通過する為、中国による北海道支配と朝鮮半島政策は連動していると考えた方が宜しいかと思います。なにせ北海道の土地を買い漁っている他国の中に朝鮮総連がいる以上間違い無い筈です。

        >以上のことも踏まえた上で私は対ロシア政策を考えるべきだと思います。
        >個人的にはロシアの政情不安や経済破綻を画策する一方で(新宿会計士様の言う通り)、中国に北極海航路の主導権を奪われない様にロシアと航路開発や利用に協力する方が良いかと思われます。そうすればその中で北方領土の新展開も見えてくる筈です。

        なるほど、そのような観方も有るのですね。
        参考になりました。ありがとうございました。

    2. むるむる より:

      書き忘れしましたが北極海航路の中でアメリカとロシアが対立するのかも未だに白黒付いていないので少なくとも米軍に北方領土に出張らせる案には私は反対です。

    3. 歴史好きの軍国主義者 より:

      2島返還は色丹島と歯舞諸島でした。
      国後島は間違いです。
      失礼しました。

  6. 非国民 より:

    北方4島は寒いし、昔住んでいた人には大事かもしれないがそれ以外の日本人にはいらないものだろう。ロシアのようなあまり付き合うとよくない国は領土問題があれば援助してくれとはあまり言ってこないだろう。日本としてはロシアは永遠に資源を供給してくれる国であればよい。ロシアはかなり頑張っているがこれはプーチンだからだろう。プーチンが政敵を葬ってくれるおかげでロシアの有能な人材はいなくなる。プーチンが死ぬか病気になって活躍できなくなる時こそ日本にとってよい時となる。日本としてはロシアに有能な人材がいたら反プーチンになるようにうまく誘導するのがよい。
    ロシアと中国はこれは簡単には仲良くなれない。仲良くなるとロシア国境地帯は中国に経済的に乗っ取られる。既成事実が積み重なって表向きロシア領だが、実質中国領となってしまう。
    プーチンにはまだまだ頑張ってもらって、ロシアから人材がいなくなるように仕向けるのがよい。

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