通貨スワップ(CCSではなくBSAの方)の議論は、当ウェブサイトの人気コンテンツの1つです。こうした中、グダグダな平昌(へいしょう)冬季五輪の報道に隠れて、重要な報道が出て来ています。自国通貨高に悩むスイスが、韓国の通貨危機に乗じて、さりげなく自国通貨売り介入を正当化することを画策している…のかもしれません。

※本文はお知らせの後に続きます。

【PR】スポンサーリンク・広告



※広告表示の詳細はプライバシー・ポリシーのページをご参照ください。
当ウェブサイトでは現在、1日1~2回、記事を更新しており、「知的好奇心を刺激する最新記事」のサマリーをトップページにて常時30件、タイトルを常時100件、それぞれ表示しています。これを機に、ぜひ、「新宿会計士の政治経済評論」をブックマークに登録してください。

本文の前に:最新記事のお知らせ!

  • 2018/04/23 16:00 【マスメディア論|時事
    【夕刊】内閣支持率調査:不誠実なマスゴミに待っているのは倒産 (5コメント)
  • 2018/04/23 08:00 【マスメディア論|時事
    【速報】野党支持が伸びない毎日新聞世論調査の衝撃 (1コメント)
  • 2018/04/23 00:00 【政治
    個人ブログを信頼する時代へ:もっとブログが増えて欲しい (2コメント)
  • 2018/04/22 00:00 【国内政治
    組織論の本質:反社会的な組織は解体されるべき (1コメント)
  • 2018/04/21 14:00 【時事|外交
    【夕刊】北朝鮮のわかりやすい時間稼ぎ (4コメント)
  • 2018/04/21 00:00 【マスメディア論
    「報道の自由度ランキング」を悪用する日本のジャーナリストの卑劣さ (4コメント)
  • 2018/04/20 17:30 【マスメディア論|時事
    【夕刊】記者クラブ制度は崩壊させた方が良い (3コメント)
  • 2018/04/20 09:20 【時事|韓国崩壊
    韓国自治体長「法は国民感情に勝つことはできない」の衝撃 (8コメント)
  • 2018/04/20 08:00 【マスメディア論|時事
    「朝日新聞対財務省」は記者クラブ制度を破壊する? (3コメント)
  • 2018/04/20 00:00 【マスメディア論
    「ビジネスマン評論家」対「ダブスタ・切り貼りメディア」 (6コメント)
  • 2018/04/19 16:16 【時事|国内政治
    【夕刊】国益を最大化する安倍政権、国益を損ねる野党とマスゴミ (4コメント)
  • 2018/04/19 09:00 【マスメディア論|時事
    【続報】財務次官不祥事は朝日新聞グループに飛び火 (5コメント)
  • 2018/04/19 00:00 【時事|国内政治
    【速報】財務次官辞意報道:「既得権益」の潰し合いを歓迎する (6コメント)
  • 2018/04/18 11:45 【時事|外交
    【夕刊】安倍総理の圧倒的存在感:日米首脳会談の滑り出しは上々 (1コメント)
  • 2018/04/18 09:00 【RMB|時事|金融
    成果に乏しい日中金融対話 (1コメント)
  • 2018/04/18 00:00 【外交
    日米首脳会談とマスゴミの虚報 (2コメント)
  • 2018/04/17 13:50 【時事|国内政治
    【夕刊】財務省スキャンダル:国民の敵同士の潰し合い (6コメント)
  • 2018/04/17 10:40 【時事|韓国崩壊
    盛大なる皮肉:日韓関係悪化の犯人は日本のメディアの虚報? (4コメント)
  • 2018/04/17 00:00 【韓国崩壊
    韓国が「最も重要な隣国」ではなくなったのは当然 (2コメント)
  • 2018/04/16 15:45 【雑感オピニオン
    【夕刊】あらためて「パルク・グエン・ヒェ」を説明します (6コメント)
  • 2018/04/16 09:35 【マスメディア論|時事
    【速報】落ちているのはマス・メディアの支持率ではないか? (5コメント)
  • 2018/04/16 00:00 【経済全般
    労組は労働者の敵なのか? (2コメント)
  • 2018/04/15 13:50 【時事|国内政治
    【夕刊】超絶悲報:パヨクとマスゴミの倒閣運動、大失敗 (21コメント)
  • 2018/04/15 00:00 【マスメディア論
    言論テロを考察する (3コメント)
  • 2018/04/14 21:55 【時事|外交
    【夜刊】米軍によるシリア攻撃と北朝鮮
  • 2018/04/14 10:20 【マスメディア論|時事
    【夕刊】パヨクの暴走は自分たちに跳ね返る (3コメント)
  • 2018/04/14 00:00 【雑感オピニオン
    科学がオカルトに負けてはならない (6コメント)
  • 2018/04/13 21:40 【時事|韓国崩壊
    日本を勘違いする韓国
  • 2018/04/13 11:25 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】どうして日韓で真逆の内容になるのか? (6コメント)
  • 2018/04/13 00:00 【マスメディア論
    テクノロジーの進歩を拒絶するマスゴミの倒産は間近 (2コメント)
  • ↓本文へ

    ここからが本文です。
    記事を気に入っていただけたら、是非、共有またはクリックをお願いいたします。
    このエントリーをはてなブックマークに追加 政治・社会問題へ

    韓国のBSAの現状アップデート

    スイス、韓国と通貨スワップ(BSA)締結へ

    スイスの中央銀行であるスイス国民銀行(SNB)は韓国の中央銀行である韓国銀行(BOK)との間で、初めての通貨スワップ協定(BSA)を締結すると発表しました。

    Currency swap agreement between the Swiss National Bank and the Bank of Korea (2018/02/09付 SNBウェブサイトより)

    協定締結予定日は2018年2月20日で、上限額は100億スイス・フラン、11.2兆韓国ウォンです。

    これにより、韓国が海外の中央銀行と締結する通貨スワップ協定は、現在のところ、次のとおりです(図表1)。

    図表1 韓国が外国と締結していると「主張する」通貨スワップ協定(BSA)
    相手国 交換条件 米ドル換算額
    オーストラリア 100億豪ドル/9.0兆ウォン 7,813,110,399
    マレーシア 150億リンギット/5.0兆ウォン 3,790,942,175
    インドネシア 115兆ルピア/11.0兆ウォン 8,447,807,243
    スイス 100億フラン/11.2兆ウォン 10,645,092,612
    中国(※) 3600億元/64.0兆ウォン 57,242,804,897
    合計額 100.2兆ウォン 87,939,757,328

    (【出所】著者調べ。ただし、米ドル換算額はWSJのマーケット欄から米国時間2月9日引けベースで換算しており、また、中国人民元の換算についてはCNHではなくCNYを用いている)

    つまり、韓国は100.2兆ウォンのBSAを締結した格好になっています。

    消えた45億ドル

    ただし、図表1で注意しなければならない点が、3点あります。

    1点目は、「消えた45億ドル」の問題です。

    図表1の合計欄は、韓国ウォン・ベースでは100.2兆ウォンです。そして、米ドル・韓国ウォンの為替相場は2月9日引けベースで1ドル=1,084.36ウォンであるため、100.2兆ウォンを米ドルに換算すれば約924億ドル(=92,404,736,434ドル)です。

    しかし、図表1の米ドル換算額の合計欄を見て頂くと、その合計額は約879億ドル(=87,939,757,328ドル)に過ぎません。

    924億ドルと879億ドルだと、金額として45億ドル近い差額が生じている計算です。

    どうしてこのような差額が生じるのでしょうか?

    その理由はとても簡単です。図表1は、「相手国通貨を米ドルに換算している」からです。つまり、韓国ウォンを米ドル換算した金額(①)と、相手国通貨を米ドル換算した金額(②)に、大きな違いが生じているのです(図表2)。

    図表2 韓国が保有するBSAを正確に換算したらどうなるか?
     相手国 韓国ウォン(①) 相手国通貨(②) 差額(②-①)
    オーストラリア 8,299,826,626 7,813,110,399 -486,716,227
    マレーシア 4,611,014,792 3,790,942,175 -820,072,617
    インドネシア 10,144,232,543 8,447,807,243 -1,696,425,300
    スイス 10,328,673,134 10,645,092,612 316,419,478
    中国 59,020,989,339 57,242,804,897 -1,778,184,442
    合計額 92,404,736,434 87,939,757,328 -4,464,979,107

    (【出所】著者調べ。ただし、米ドル換算額はWSJのマーケット欄から米国時間2月9日引けベースで換算しており、また、中国人民元の換算についてはCNHではなくCNYを用いている)

    韓国のメディアは得てして、「米ドル換算900億ドルを超えるスワップを持っている」と自慢気に報じる傾向があります。

    しかし、個別のBSAを締結した時点と比べ、韓国ウォンが米ドルに対して軒並み上昇しているためでしょうか、韓国ウォンを米ドルに換算すれば、スイス・フランとのBSAを除いて、いずれも金額が多めに換算されてしまうのです。

    しかし、通貨スワップ協定(BSA)は「いざという時に、韓国が相手国の通貨を借りて、市場で米ドルに両替して通貨防衛に使う」ためのツールです。ということは、その正確な金額は、「韓国ウォンの米ドル換算額」ではなく、「相手国通貨の米ドル換算額」で計算すべきです。

    したがって、私は図表1の「米ドル換算額」を約879億ドルと表示しているのです。

    中国とのBSAは、正式には失効済み

    図表1で注意しなければならない点の2点目が、中国との通貨スワップ協定(BSA)については、昨年10月10日で失効済みである、という事実です。

    公式には、中韓スワップは延長されませんでしたし、現時点においても中国人民銀行(PBoC)はウェブサイト上、中韓スワップを延長したとは表明していません。

    ところが、韓国政府は10月13日になって、一方的に「延長で合意した」と口頭で発表しました(このあたりの騒動については『人民元 狂喜乱舞も落ち着いて 日本に擦り寄る韓国哀し』あたりにまとめてありますので、ご興味があればご参照ください)。

    こうした事情もあって、当ウェブサイトでは一応、中国人民元との通貨スワップ協定(BSA)も「韓国が外国と締結している(と一方的に主張している)BSA」の金額に含めているのですが、こんなに当てにならないスワップを含めるのは果たして妥当なのか、議論が残るところでしょう。

    問題はそれだけではありません。韓国にとって、中国とのBSAの金額が多すぎるのも、非常に心もとない点です。

    というのも、BSAの米ドル換算額でみれば、中国とのスワップが全体の65%を占めてしまっているからです(図表3)。

    図表3 韓国のBSAの国別シェア
    相手国 米ドル換算額 シェア
    オーストラリア 7,813,110,399 8.88%
    マレーシア 3,790,942,175 4.31%
    インドネシア 8,447,807,243 9.61%
    スイス 10,645,092,612 12.10%
    中国 57,242,804,897 65.09%
    合計 87,939,757,328 100.00%

    (【出所】著者調べ。ただし、米ドル換算額はWSJのマーケット欄から米国時間2月9日引けベースで換算しており、また、中国人民元の換算についてはCNHではなくCNYを用いている)

    つまり、韓国が「保有する」と自称しているBSAのうち、全体の65%が、「公式には存在しないことになっているスワップ」なのです。

    これは非常に怖い話です。全体で879億ドルものBSAがあると思っていたのに、いざという時になって、中国が「そんなスワップ協定、締結した覚えはない」としらを切れば、韓国としては「泣き寝入り」せざるを得ないからです。

    また、BSA全体の7割近くを1ヵ国が占めているという状況も異常ですが、こうした状況は、中国にとっては非常に有利な状況です。

    なぜなら、中国としては韓国が自国の言うことを聞かない時に、「あのBSAは無効だぞ」とヒトコト脅せば、韓国を金融面で縛ることができてしまうからです。

    実際に使い物になる金額は185億ドル

    もっとも、中国人民元建てのBSAが、いざという時に使い物になるかといわれれば、それは大いに疑問です。

    なぜなら、人民元自体、国際的な金融市場で使い物になる通貨ではありませんし、また、人民元を入手したとしても、それを中国の国外に持ち出すことは困難ですし、持ち出した人民元を米ドルに両替するには、市場の薄い香港や東京、ロンドンあたりに持ち込まねばならないからです。

    あるいは、中国人民銀行が認めれば、中国人民元を中国本土市場で米ドルに両替して持ち出す、ということができなくもありません。しかし、中国当局がわざわざそれを許すのかどうかは中国当局のさじ加減であり、結果的に人民元建てのBSAは使い物になるのかどうかがわからないのです。

    ただ、人民元建て以外のBSAのうち、マレーシア、インドネシアとのスワップにも同じような問題があります。なぜなら、どちらの通貨も、原則として「その国でしか米ドルと両替できない通貨(ソフト・カレンシー)」だからです。

    たとえば、韓国が通貨危機に陥った時には韓国はマレーシアから150億リンギットを引き出し、インドネシアから112兆ルピアを引き出し、それらを外為市場で米ドルに両替する必要があります。しかし、いずれの通貨も市場が薄く、一気に米ドルに両替しようとすれば、両国とも通貨が暴落し、韓国の通貨危機が連鎖してしまうのです。

    (※余談ですが、インドネシアについては日本との間で227.6億ドルを上限とするBSAを締結しており、韓国がインドネシアからスワップを引き出せば、インドネシアはただちに日本からスワップを引き出すとみられます。つまり、インドネシアを介して、日本は間接的に韓国を支援してしまっている格好です。このあたりについては、日本の財務省がきちんと、「韓国が通貨危機の時に連鎖的にインドネシアが通貨を引き出すことはできない」とする協定にしてくれていることを期待したいところですが、心もとない点でもあります。)

    つまり、韓国が諸外国と保持しているBSAのうち、3本はソフト・カレンシー建てのスワップであり、いざという時に使い物にならない代物です。

    ということは、いざというときに使えるBSAは、100億豪ドル(約78億米ドル)、スイス・フラン(約106億米ドル)の2つの通貨建てのもの(合計約185億米ドル)に限られるのです。

    CMIMとBLAは使えない

    一方、図表1に示したBSA以外にも、韓国は、スワップ協定を保持しています。それが「チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定(CMIM)」と、カナダの中央銀行であるカナダ銀行(BOC)との間で締結した「為替スワップ(BLA)」です(図表4)。

    図表4 CMIMとBLA
    区分 相手国 金額
    CMIM 日本、中国、ASEAN諸国など 384億米ドル
    BLA カナダ 無制限

    (【出所】日本の財務省『CMIM貢献額、買入乗数、引出可能総額、投票権率』およびBOCウェブサイトより著者作成)

    ただ、CMIMについては、韓国はむしろASEAN諸国に支援を与える側であり、韓国がこれを引き出すとなれば、ASEAN諸国に頭を下げて回る必要があるため、プライドだけはエベレストよりも高い韓国当局者にそれができるとも思えません。これに加えて、上限額(韓国の場合は384億ドル)の30%を超えて米ドルを引き出す場合には、国際通貨基金(IMF)が介入して来ます(いわゆるデリンク上限)。このため、CMIMについては、韓国にとっては事実上、使い物になりません。

    さらに、カナダとの為替スワップ協定(BLA)とは、あくまでも民間金融機関同士の資金融通に使われるスワップであり、中央銀行同士の通貨融通に使われる通貨スワップ協定(BSA)ではありません。韓国が通貨危機を脱するために、カナダ銀行からカナダ・ドルを無制限に引き出して使う、ということはできないのです。

    BSAとCCSとBLAは全くの別物

    なお、「為替スワップ(BLA)」と書くと、「誤訳だ」というお叱りを受けることがありますが、これは誤訳ではありません。

    誤解を与えないように申し上げておきますと、国際金融の世界における「通貨スワップ(BSA)」と「為替スワップ(BLA)」、デリバティブの世界における「通貨スワップ(CCS)」と「為替スワップ(先物外国為替売買取引)」は、それぞれ全く別のものです。

    私は以前、『【速報】カナダ・韓国間の為替スワップは通貨スワップではない!』という記事を執筆した際に、

    「為替スワップ」と一般にマーケットで呼ばれるものは、FWDと言って、足元で通貨を交換し、満期日にそれぞれの通貨の「将来価値」の価格で再交換する取引です。

    という明らかに誤ったコメントを頂いたことがあるのですが、このコメント主様は、BSAとCCSとBLAと先物外国為替売買取引の四者の違いをわきまえず(もっといえば為替スワップと為替フォワードの違いも理解せず、また金融商品会計も理解せず)、生半可な知識でコメントを書いてしまった点にあるのでしょう。この四者の違いについては『総論:通貨スワップと為替スワップとは?』にまとめていますので、詳しく知りたい方はご参照ください。

    スイスとのBSAは妙手だ

    スイスと他の通貨の違い

    前置きが非常に長くなりましたが、ここから先は、スイスと韓国がBSAを締結したことについて、その経済的な意味を考えてみたいと思います。

    結論から言えば、悪手が続く韓国銀行にとっては、珍しく非常に良い手を打ったと思います。

    実は、外国為替市場におけるスイス・フランの取引高は、決して多くありません。

    国際決済銀行(BIS)が3年に1度公表する統計によれば、市場シェアは米ドルとユーロに続いて日本円が世界で3位となっており、これに英ポンドが続きますが、スイス・フランの比率は5.1%に過ぎません(図表5)。

    図表5 外為市場の取引高(OTCデリバティブ等を含む)
    通貨 2013年 2016年
    米ドル(USD) 87.0% 87.6%
    ユーロ(EUR) 33.4% 31.3%
    日本円(JPY) 23.0% 21.6%
    英ポンド(GBP) 11.8% 12.8%
    豪ドル(AUD) 8.6% 6.9%
    スイス・フラン(CHF) 5.2% 5.1%
    加ドル(CAD) 4.6% 4.8%
    人民元(CNY) 4.0%
    その他 26.4% 25.9%
    合計 200.0% 200.0%

    (【出所】国際決済銀行(BIS)が公表する“Triennial Central Bank Survey”。なお、BISが集計対象としているのは「通貨ペア」であるため、合計すれば100%ではなく200%となる)

    このため、韓国が通貨危機に陥り、スイスから100億フランを引き出して外為市場で売り浴びせたとしたら、スイス・フランの価値が急落してしまうのではないか、と懸念する人もいるかもしれません。

    ところが、スイス・フランには別の深刻な悩みがあるのです。それが、「通貨が上昇し過ぎる問題」です。

    ユーロ圏に浮かぶスイス・フランの問題

    この問題については、当ウェブサイトでは『企業会計のセンスで中央銀行を議論するWSJ』という記事のなかで、おりしも先月取り上げたばかりです。

    SNBは2011年9月に、1ユーロ=1.20フランを上限とする為替ペッグ制を導入したものの、『国際収支のトリレンマ』という経済学の鉄則に逆らったため、2015年1月に為替ペッグ制度の放棄に追い込まれただけでなく、スイス・フランが暴騰したという事件を発生させました。

    ユーロ圏があまりにもグダグダであるという問題があるため、ユーロ圏に浮かぶ「小島」であるスイス・フランは、絶えずユーロ圏からの資本流入に晒されています。そして、輸出依存度が日本の倍以上あるスイス(※)は、自国通貨高に苦しんでいて、むしろ自国通貨高が抑制される方向に行くことが政策課題なのです。

    (※総務省統計局『世界の統計2017』の図表9-3によれば、2014年の輸出依存度は32.2%で、日本の14.9%の倍以上です。)

    さらに、スイス・フランは通貨の世界では豪ドルを上回る伝統的なハード・カレンシーであり、「金よりも堅い」と言われることもあるほど、日本円と並ぶ安全通貨とされています。

    SNBは韓国の破綻を望んでいる!?

    そんな堅い通貨運営をするスイスが、なぜよりにもよって、10年に1度通貨危機を起こす韓国とBSAを締結することにしたのか、疑問に思う方は多いでしょう。

    その答えとは、

    韓国が通貨危機に陥れば、SNBとしては韓国救済を名目に、堂々と為替介入ができるから

    ではないでしょうか?

    私の予想では、平昌(へいしょう)冬季五輪が3月18日に閉幕すれば、その後、近いうちに朝鮮半島で何らかの有事が発生する可能性が再び高まって来たと考えています。そうなれば、かなりの確率で、韓国から資本逃避(キャピタル・フライト)が発生し、韓国ウォンは暴落します。

    オーストラリアの100億豪ドルに加え、スイスの100億フランが引き出されることは、ほぼ間違いないと見てよいでしょう。

    そして、両者はあわせて米ドル換算で200億ドルにも満たない額であり、韓国が必要とする短期ファンディングの金額にぎりぎり届くかどうかという水準です。それに、結果的に、オーストラリアとスイスは紙くずと化した韓国ウォンを掴まされる、という可能性だって否定できません。

    ただ、「毒を喰らわば皿まで」、ということわざもあります。

    スイス国民銀行は、いっそのこと、韓国に対するBSAの規模を、100億フランといわず、その5倍の500億フラン、いや、10倍の1000億フランにしたら良いかもしれません。そうなれば、韓国が勝手に

    最大1000億フラン相当のスイス・フラン売り、米ドル買い

    という為替介入を、堂々と行ってくれるからです。

    …というのは冗談としても、老獪なSNBのことです。

    今回のSNBの判断に、こうした「韓国の通貨危機に乗じた自国通貨売り介入」への期待があると考えるのは、あながち「考え過ぎ」ではないのかもしれません。

    ※本文は以上です。

    記事の転載、引用、記事へのコメントは、ガイドラインに従い、ご自由になさってください。また、気に入っていただければ、是非、クリック、あるいはSNSなどでシェアして下さい。
    このエントリーをはてなブックマークに追加 政治・社会問題へ

    お勧め記事一覧/スポンサーリンク・広告

    ウェブサイトからのお知らせ

    記事本文下に関連記事も表示しております。なお、コメントは「関連記事」の下に入力可能です。注意事項「当ウェブサイトへのコメントについて」を踏まえたうえで、ご自由にコメントをなさってください。頂いたコメントには必ず目を通します。また、最近、拝領したコメントに返信できないことが多いのですが、この場を借りてお詫び申し上げます。
    なお、当ウェブサイトでは、現在、1日1~2回、記事を更新しており、最新記事はトップページにて常に30件表示しています。これを機に、ぜひ、「新宿会計士の政治経済評論」をブックマークに登録してください。

    【最新記事100件】
  • 2018/04/23 16:00 【マスメディア論|時事
    【夕刊】内閣支持率調査:不誠実なマスゴミに待っているのは倒産 (5コメント)
  • 2018/04/23 08:00 【マスメディア論|時事
    【速報】野党支持が伸びない毎日新聞世論調査の衝撃 (1コメント)
  • 2018/04/23 00:00 【政治
    個人ブログを信頼する時代へ:もっとブログが増えて欲しい (2コメント)
  • 2018/04/22 00:00 【国内政治
    組織論の本質:反社会的な組織は解体されるべき (1コメント)
  • 2018/04/21 14:00 【時事|外交
    【夕刊】北朝鮮のわかりやすい時間稼ぎ (4コメント)
  • 2018/04/21 00:00 【マスメディア論
    「報道の自由度ランキング」を悪用する日本のジャーナリストの卑劣さ (4コメント)
  • 2018/04/20 17:30 【マスメディア論|時事
    【夕刊】記者クラブ制度は崩壊させた方が良い (3コメント)
  • 2018/04/20 09:20 【時事|韓国崩壊
    韓国自治体長「法は国民感情に勝つことはできない」の衝撃 (8コメント)
  • 2018/04/20 08:00 【マスメディア論|時事
    「朝日新聞対財務省」は記者クラブ制度を破壊する? (3コメント)
  • 2018/04/20 00:00 【マスメディア論
    「ビジネスマン評論家」対「ダブスタ・切り貼りメディア」 (6コメント)
  • 2018/04/19 16:16 【時事|国内政治
    【夕刊】国益を最大化する安倍政権、国益を損ねる野党とマスゴミ (4コメント)
  • 2018/04/19 09:00 【マスメディア論|時事
    【続報】財務次官不祥事は朝日新聞グループに飛び火 (5コメント)
  • 2018/04/19 00:00 【時事|国内政治
    【速報】財務次官辞意報道:「既得権益」の潰し合いを歓迎する (6コメント)
  • 2018/04/18 11:45 【時事|外交
    【夕刊】安倍総理の圧倒的存在感:日米首脳会談の滑り出しは上々 (1コメント)
  • 2018/04/18 09:00 【RMB|時事|金融
    成果に乏しい日中金融対話 (1コメント)
  • 2018/04/18 00:00 【外交
    日米首脳会談とマスゴミの虚報 (2コメント)
  • 2018/04/17 13:50 【時事|国内政治
    【夕刊】財務省スキャンダル:国民の敵同士の潰し合い (6コメント)
  • 2018/04/17 10:40 【時事|韓国崩壊
    盛大なる皮肉:日韓関係悪化の犯人は日本のメディアの虚報? (4コメント)
  • 2018/04/17 00:00 【韓国崩壊
    韓国が「最も重要な隣国」ではなくなったのは当然 (2コメント)
  • 2018/04/16 15:45 【雑感オピニオン
    【夕刊】あらためて「パルク・グエン・ヒェ」を説明します (6コメント)
  • 2018/04/16 09:35 【マスメディア論|時事
    【速報】落ちているのはマス・メディアの支持率ではないか? (5コメント)
  • 2018/04/16 00:00 【経済全般
    労組は労働者の敵なのか? (2コメント)
  • 2018/04/15 13:50 【時事|国内政治
    【夕刊】超絶悲報:パヨクとマスゴミの倒閣運動、大失敗 (21コメント)
  • 2018/04/15 00:00 【マスメディア論
    言論テロを考察する (3コメント)
  • 2018/04/14 21:55 【時事|外交
    【夜刊】米軍によるシリア攻撃と北朝鮮
  • 2018/04/14 10:20 【マスメディア論|時事
    【夕刊】パヨクの暴走は自分たちに跳ね返る (3コメント)
  • 2018/04/14 00:00 【雑感オピニオン
    科学がオカルトに負けてはならない (6コメント)
  • 2018/04/13 21:40 【時事|韓国崩壊
    日本を勘違いする韓国
  • 2018/04/13 11:25 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】どうして日韓で真逆の内容になるのか? (6コメント)
  • 2018/04/13 00:00 【マスメディア論
    テクノロジーの進歩を拒絶するマスゴミの倒産は間近 (2コメント)
  • 2018/04/12 21:45 【時事|韓国崩壊
    河野外相訪韓、「成果なし」こそ最大の成果
  • 2018/04/12 09:00 【時事|経済全般
    【夕刊】祝・レアアース発見!自前資源と脱中国を考える (4コメント)
  • 2018/04/12 00:00 【韓国崩壊
    新版「日韓関係のトータル・ソリューション」を考察する (1コメント)
  • 2018/04/11 20:30 【時事|国内政治
    【速報】愛媛県知事に「パフォーマンス」と見抜かれる野党6党 (7コメント)
  • 2018/04/11 10:00 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】韓国に必要なのは「遺憾の意」ではなく「経済制裁」 (2コメント)
  • 2018/04/11 00:00 【RMB|金融
    AIIBの現状整理・2018年4月版 (2コメント)
  • 2018/04/10 21:00 【時事|外交
    【夕刊】外交交渉が通じる中国、外交カードを理解しない韓国 (2コメント)
  • 2018/04/10 08:15 【マスメディア論|時事
    【速報】いい加減にしろ!朝日新聞による報道テロ (3コメント)
  • 2018/04/10 00:00 【韓国崩壊
    韓国の外交官は日本に受け入れないという選択 (3コメント)
  • 2018/04/09 17:04 【金融
    【夕刊】「有事の円買い」と理屈に合わない「輸出立国論」 (7コメント)
  • 2018/04/09 00:00 【マスメディア論
    インターネットは情報の切り取りを許さない (1コメント)
  • 2018/04/08 12:00 【時事|経済全般
    【夕刊】韓国のリーガル・リスクは高すぎる (6コメント)
  • 2018/04/08 00:00 【マスメディア論
    田原総一朗氏の「火消し」も手遅れ (3コメント)
  • 2018/04/07 15:15 【時事|国内政治
    【夕刊】山本真千子氏を「容疑者」として逮捕してはどうか? (3コメント)
  • 2018/04/07 00:00 【マスメディア論
    埼玉県民様から:「日本の広告費2017」を読む (8コメント)
  • 2018/04/06 15:20 【時事|韓国崩壊
    【速報】朴槿恵氏に有罪判決 (4コメント)
  • 2018/04/06 09:00 【時事|国内政治
    【夕刊】野党の存在意義はないですね (4コメント)
  • 2018/04/06 00:00 【政治
    外貨準備最新状況アップデート (2コメント)
  • 2018/04/05 15:15 【時事|国内政治
    【速報】江田憲司議員のツイートは議員辞職相当 (3コメント)
  • 2018/04/05 09:00 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】外貨準備:韓国はいつものウソをつく (8コメント)
  • 2018/04/05 00:00 【外交
    危ないのはむしろ韓国外交 (1コメント)
  • 2018/04/04 13:10 【マスメディア論|時事|外交
    【夕刊】森友問題は形を変えた北朝鮮のテロ? (2コメント)
  • 2018/04/04 00:00 【韓国崩壊
    韓国経済新聞が報じた「3つの苦境」とは? (2コメント)
  • 2018/04/03 10:30 【時事|国内政治
    【夕刊】政策のない政党をあなたは支持しますか? (4コメント)
  • 2018/04/03 00:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    韓国で猛威を振るった「KIKOオプション」 (3コメント)
  • 2018/04/02 14:00 【時事|国内政治
    【夕刊】「もうお終い」なのはむしろマスゴミの方 (6コメント)
  • 2018/04/02 00:00 【韓国崩壊
    ナッツ姫が韓国という国の信頼を破壊する (3コメント)
  • 2018/04/01 10:10 【マスメディア論|時事
    【夕刊】エイプリルフールとメディアのダブル・スタンダード (3コメント)
  • 2018/04/01 00:00 【国内政治
    また始まった、民進党の政党ロンダリング (8コメント)
  • 2018/03/31 09:00 【マスメディア論|時事
    【夕刊】発想の転換:「テレビが映らないテレビ」 (4コメント)
  • 2018/03/31 00:00 【雑感オピニオン
    論点補足:料理でウソをつくのは不誠実 (4コメント)
  • 2018/03/30 12:55 【マスメディア論|時事
    【夕刊】敗北認めぬマスゴミに倒産という鉄槌を! (2コメント)
  • 2018/03/30 00:00 【外交
    中朝首脳会談の思惑と「6つのシナリオ」 (3コメント)
  • 2018/03/29 10:15 【時事|金融
    【夕刊】為替介入について理解しない中央日報の不見識 (7コメント)
  • 2018/03/29 00:00 【外交
    外交とはかくあるべき:「漁夫の利」について考える (2コメント)
  • 2018/03/28 09:00 【時事|外交
    【夕刊】明らかな悪意を伴った誤訳記事 (2コメント)
  • 2018/03/28 00:00 【外交
    動き出した北朝鮮情勢 (2コメント)
  • 2018/03/27 20:30 【時事|外交
    【緊急速報】西側諸国がロシア外交官追放:日本に漁夫の利? (4コメント)
  • 2018/03/27 09:00 【時事|国内政治
    【夕刊】「膿を出す」のは財務省だ (6コメント)
  • 2018/03/27 00:00 【経済全般
    敗れつつある韓国の観光戦略と平昌五輪 (1コメント)
  • 2018/03/26 11:00 【時事|国内政治
    【夕刊】安倍政権は今こそしっかり前を向くべき (1コメント)
  • 2018/03/26 00:00 【雑感オピニオン
    日本は別にずる賢くならなくても良い (3コメント)
  • 2018/03/25 12:00 【時事|国内政治
    【夕刊】どうしてゴミ野党議員が横行するのか? (2コメント)
  • 2018/03/25 00:00 【韓国崩壊|外交
    ボルトン氏が「強硬派」でも対北政策は変えられない (10コメント)
  • 2018/03/24 10:20 【時事|経済全般
    【夕刊】トランプ政権の鉄鋼アルミ制裁を数値で検証する (6コメント)
  • 2018/03/24 00:00 【マスメディア論
    通信と放送の融合・補足論点 (3コメント)
  • 2018/03/23 16:25 【マスメディア論|時事|国内政治
    【緊急速報】安倍政権支持率、ニコ動調査でも下落! (3コメント)
  • 2018/03/23 10:30 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】元大統領が不幸な末路を辿る国 (1コメント)
  • 2018/03/23 00:00 【金融
    齟齬を来す米国の金融・財政政策 (2コメント)
  • 2018/03/22 12:00 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】転覆しつつある韓国の現状を見つめる (5コメント)
  • 2018/03/22 00:00 【金融
    通貨と国債の関係を考える (4コメント)
  • 2018/03/21 12:00 【時事|外交
    【夕刊】北朝鮮と「善意」について考える (3コメント)
  • 2018/03/21 00:00 【日韓スワップ|金融
    韓国紙「韓国の外貨不足額は1200億ドル」 (7コメント)
  • 2018/03/20 10:15 【時事|国内政治
    【夕刊】国会質疑が面白い! (6コメント)
  • 2018/03/20 00:00 【金融
    「国の借金」解説(2017年12月版) (6コメント)
  • 2018/03/19 11:11 【政治
    【速報】家計資産は1880兆円時代に (8コメント)
  • 2018/03/19 10:00 【時事|国内政治
    【夕刊】危機にこそ本領は発揮される (3コメント)
  • 2018/03/19 00:00 【政治
    「上念貴明」への警告 (2コメント)
  • 2018/03/18 12:30 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】櫻井よしこ氏の議論に「反論」する (4コメント)
  • 2018/03/18 00:00 【外交
    「日本人に対する」民族ヘイトを許すな! (2コメント)
  • 2018/03/17 21:00 【マスメディア論|時事
    【緊急速報】放送法第4条撤廃を支持する (4コメント)
  • 2018/03/17 00:00 【韓国崩壊|外交
    ハリス司令官の発言の裏にある米朝の意図 (6コメント)
  • 2018/03/16 09:00 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】中央日報の「勘違い記事」に見る韓国の危険性 (2コメント)
  • 2018/03/16 00:00 【韓国崩壊
    滅亡に向かう韓国との関係をマネージする (2コメント)
  • 2018/03/15 09:40 【時事|雑感オピニオン
    【夕刊】本職ジャーナリストによる優れた論考 (2コメント)
  • 2018/03/15 00:00 【雑感オピニオン
    日本の左翼の限界と非科学的議論の危険性 (14コメント)
  • 2018/03/14 09:00 【時事|外交
    【速報】ティラーソン国務長官更迭の影響を読む (7コメント)
  • 2018/03/14 00:00 【国内政治
    「議員の生活が一番」を徹底するとどうなるか? (3コメント)
  • 2018/03/13 21:00 【時事|韓国崩壊
    【ショートメモ】韓国の徐薫氏来日の意味 (7コメント)
  • 2018/03/13 11:25 【マスメディア論|時事
    【夕刊】野党さん、なぜ支持率が上がると思ったのですか? (2コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

    【PR】スポンサーリンク・広告



    ※広告表示の詳細についてはプライバシー・ポリシーのページをご参照ください。