【夕刊】朝鮮日報の「てのひら返し」

日曜日ですが、ちょっと時間が空いたのに加え、珍しい「社説」を発見したので、ちょっとした記事をお送りしたいと思います。

珍しく納得した朝鮮日報社説

朝鮮日報社説、韓国政府をメッタ切り

本日は日曜日でもあるため、本来は「夕刊」を更新するつもりはなかったのですが、ちょっと時間が余ったので、この話題を紹介しておきたいと思います。

【社説】韓国の国政、最大のリスクは無能・無責任な韓国政府(2018/01/13 09:01付 朝鮮日報日本語版より)

(※朝鮮日報は数日経過するとリンクが読めなくなりますので注意してください。)

なんと、韓国を代表する保守(?)メディアの『朝鮮日報』が、ここに来て、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領率いる韓国政府を「無能、無責任」と批判しはじめました。

同じ「保守メディア」(?)である『中央日報』が、昨年5月の文在寅政権発足以来、政権に擦り寄る報道ばかりを垂れ流してきたのと比べると、やや意外感もあります。

私自身の文責で内容を要約すると、だいたい次のようなことが記載されています。

  • 最近の韓国政府は、政策を発表しては、すぐに方針を撤回することが相次いでいる
  • たとえば仮想通貨取引所の閉鎖は発表からわずか7時間でひっくり返した
  • 年末には教育部が「全国5万カ所の幼稚園や民間の保育園における放課後の英語指導を禁止する」と発表したが、これも今に至るまで未定なのか禁止なのか猶予なのかさえはっきりわからない
  • 大学修学能力試験の見直しも今すぐ実行に移すかと思われたが、これもすぐにしぼんでしまった
  • 経済副首相が「税金を上げる考えは全くない」と公言した2ヵ月後、政府は国会に増税に関する法案を提出した
  • 児童手当の支給対象に所得上位10%が含まれるかどうかも未だに決まっていない
  • 米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)を巡っては、結局、米中双方に疑念を抱かせるサンドイッチ状態になってしまった
  • 日韓慰安婦合意も白紙化すると見せかけて実際にはそこまで踏み込まず、日本政府と元慰安婦の双方から批判されている

朝鮮日報は、とくに仮想通貨取引所の閉鎖騒動について、「韓国政府の無能さと無責任さを世界に知らせたようなものだ」と手厳しく批判していますが、「無能さと無責任さ」という意味では、別にこの問題に限られません。私が『慰安婦合意という「地雷」を踏んだ韓国大統領』でも主張したとおり、慰安婦問題や北朝鮮核問題などに対する対応でも、まったく同じことがいえます。

その政権を選んだのは、だ~れだ!?

私が韓国メディアの記事に納得することは滅多にないのですが、不覚にも、今回の朝鮮日報の社説には、深く同意してしまいました。

朝鮮日報社説は

政府はどう考えてもおかしな政策への批判には完全に耳を閉ざし、間違いがあっても自らの非を認めない。文大統領の言葉を借りれば「まぶたも動かさない」ということだ。ところが自らの支持者たちがわずかな咳でもすれば政府は風邪を引いてしまう。今国政の最大のリスクは政府そのものになっている。

との文章で締め括られています。「自らの支持者たちがわずかな咳で政府は風邪を引く」という下りについては、何が言いたいのか、ちょっと意味がよくわかりませんが、「(韓国の)国政の最大のリスクは政府そのものである」という主張については、韓国メディアにしては珍しく正鵠を得ていると思います。

ただ、それと同時に、朝鮮日報にも申し上げたいことがあります。それは、「そんな政府にした責任」の一端が、貴紙にもある、ということです。なぜなら、韓国は民主主義国家であり、文在寅政権が発足したのも、ほかでもない貴国の国民が文在寅氏を多数決で大統領に選んだからです。

そして、文在寅政権に対する支持率は、(調査主体によっても異なるものの、)おおむね7割以上を維持していると聞きます。

ということは、朝鮮日報は自分たちの国民を「無能で無責任」だと批判したのと同じことではないでしょうか?

もっといえば、朝鮮日報は韓国のマス・メディアの一翼を担う組織でもあります。この社説には、これまでの韓国の世論を形成してきた主体としての自覚が足りません。

民主主義政府は民度を超えられない

古今東西、ありとあらゆる民主主義国に言えることが1つあります。それは、民主主義国においては、その国の政府は国民のレベルを超えることができない、ということです。

現在の日本の安倍政権が、少なくとも直近1年間を通じて、朝鮮半島問題では大きな失態を犯していないこと、朝日新聞を初めとするマス・メディア(あるいは「マスゴミ」)各社の「もりかけ」捏造報道事件にも関わらず、昨年10月の総選挙で自民党が圧勝していることなどは、日本の有権者のレベルが意外と高いことの証拠でしょう。

一方、韓国において、政権交代が発生するたびに、日韓関係や米韓関係が徐々に悪化してきた理由は、やはり、韓国という国の政治体制というよりも、もっと根源的なところに問題があるように思えてならないのです。

それが何なのかは、本日は敢えて申し上げません(といっても、明言してしまっているようなものですが…)。

いずれにせよ、私は、この隣国が日韓関係とともに壊れていくのを、ただ眺めるだけでなく、「他山の石」として未来に向けて活用していくことこそ、日本にとって必要なことだと思うのです。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. poponta より:

    お疲れ様です。
    朝鮮日報の文政権批判ですがろくな政策を出さず公約違反の連続もあってさすがにというところもあるのでしょうが、右寄りのメディアではありましたがここもご多分に漏れず朴叩きの文ヨイショの片棒を随分とかついでいましたね、馬鹿さ加減は他社も五十歩百歩ですが。朝鮮日報としてはちょっと鼻の利く(たいした鼻じゃないですけど)編集者がいて文政権の経済政策・外交政策の失態連鎖が今後も続く、北朝鮮参加予定の平昌オリンピックが低調で失敗の評価になる、北朝鮮の挑発活発化・トランプ大統領の強硬路線復活で文政権の融和策が飛んでしまう、慰安婦問題での手詰まりを読んで他社に先んじて文政権に対して距離をおいたの一番名乗り(大手では)を上げたかったということかなとも思っています。とりあえず2018年文政権にとって終わりの始まり大賞の1号は朝鮮日報に贈呈します。さて次に続くところはどこでしょう?

  2. 何となく より:

    朝鮮日報は日本が絡まなければ、朝日新聞よりよっぽど冷静な記事を出してると思います。国民の価値観が教育と宗教によって大部分が形成され、その後のメディアの情報によりより精錬されていくことを考えれば韓国の現状は当然なのでしょうね。
    外交問題・歴史認識だと必ず周辺国である日本が絡みますので、反日教育と過度な反日メディア報道により冷静な判断が出来ないのは仕方ないのだと思います。
    反日教育が無ければ、韓国はマトモになると思ってます。事実大学進学率は日本より遥かに高いですし、海外移民や活動を見ればグローバル社会適合性は日本以上だと認めざるを得ませんので、、、
    また甲乙という価値観は日本からすれば閉口しますが、競争社会である資本主義においては悪とはいえません。良く言えば日本には無いハングリー精神ですし、、、
    故に、日韓両国は隣にある不幸から絶縁する必要はなく、お互いの価値観が相容れ無い事を理解した上で、適切な距離をおく事が重要なのだと思います。人間なんだから同じってトンデモ理論で絶対正しいとする左翼が無理やりくっつけるのが、1番問題だと思います。

  3. めがねのおやじ より:

    < ま〜日曜日も夕刊発行なんて、おトクなサイトです!今日はきっちりノーマークでしたハイ。
    < この記事昨日読みました。仮想通貨取引所の事を特に厳しく書いてますね。閉鎖発令して反発が起こると7時間で撤回したと。取引やってる記者が書いたのでは?また、幼稚園保育園の英語教育を廃止したものの、まだ微妙とか(よそ事乍ら、どうせハードな受験戦争があるんだから、小さい時ぐらいノビノビさせろよ)。THAADも三不したが米中でサンドイッチ、日韓慰安婦合意は日本政府と被害者(嘘婆ですよ)の両方から非難受ける。
    < 国家業務遂行能力ゼロですな、文大統領以下与党は。無論野党も能無しですが。誰ですか、日本の民進党の方がマシだ、なんて。んー確かにそうかも、、僅差で民進党がまだマシかも。中国か台湾か国籍不明の方や男女交際が優先の方や、差別反対の方や土建屋とグルの方ら多数を除けばね。あ、護憲だから全員ダメだわやっぱり。
    < しかし、「文政権は無能無責任」とまで言って大丈夫なのかな?何でもすぐに特別監査院やら秘密警察みたいな部隊がしゃしゃり出てくるのに、発禁になりませんか(笑)。文氏はリーダーになってはいけない人、それを選んだ民衆が阿呆やったと、いう話です。歴代の中で金泳三、金大中、盧泰愚、盧武鉉、李明博、朴槿恵、あららほとんど全員だね。よりも下位、最下位の大統領。
    < いずれも甲乙つけがたいレベルだから、民度も世界ランク150位ぐらいかと思われます。後ろ、いません。
    < 失礼いたしました。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告