「北朝鮮攻撃」で問題は解決しない

最近、日経ビジネスオンライン(NBO)に、大人気シリーズ『早読み深読み朝鮮半島』の記事が更新される頻度が上がっています。朝鮮半島問題の専門家である鈴置編集委員からすれば、朝鮮半島有事が近いという、それなりの確証を得ている証拠なのかもしれません。こうした中、当ウェブサイトでも、本日はお約束通り、『「攻撃後」のことを考える方が重要だ』の続編をお届けしたいと思います。

朝鮮半島有事と周辺国

米国から相次ぐメッセージ、いったい誰に向けたもの?

ここ1ヵ月、半島情勢がきな臭くなってきました。

先月末、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席が送った特使が、結局、金正恩(きん・しょうおん)に会えずに中国に戻りました。その後、米国はすかさず、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定しました。

さらに、米国はここに来て、来年2月に韓国・平昌(へいしょう)で開催が予定されている冬季五輪に、代表を送らない可能性を示し始めました。

これについては昨日、日経ビジネスオンライン(NBO)で、鈴置高史・日本経済新聞社編集委員が『平昌五輪「選手団派遣は未定」と言い出した米国』という記事を執筆しています。

鈴置編集委員によると、米国が「五輪不参加」を言い出した理由は、北朝鮮に対して米国が本気であると見せつけることに加え、韓国に対しても、覚悟を迫る狙いがあると指摘していますが、これについては私も全く同感です。

あまり考えたくない話ですが、『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』で述べた、「年内北朝鮮攻撃シナリオ」が実現する可能性は、決して低くないのが現状といえるかもしれません。

そして、米国が開戦にむけ、さまざまなメッセージを出していることは事実でしょう。

では、これらのメッセージ、いったい誰に向けて出しているのでしょうか?

鈴置編集委員はこのメッセージが「北朝鮮向け」であるとともに「韓国向け」であると示唆していますが、それだけではありません。

おそらく、「米国は本気で北朝鮮を攻撃する(かもしれない)」というメッセージは、周辺国―とくに、中国、ロシア、日本―に対して向けられていると見るべきでしょう。

朝鮮半島有事における米中談合は終わっている?

こうした中、今月に入り、中国は朝鮮半島有事に備え始めているとの報道もあります。

中国、北朝鮮との国境に難民収容所建設を計画(2017年12月8日9時55分付 Wow!Korea日本語版より)

リンク先記事によると、「吉林省・白山市長白に、北朝鮮難民のための5つの収容所建設が計画されていると現地メディアが報じた」のだそうです。この報道の信憑性はともかくとして、中国はおそらく、米軍による北朝鮮攻撃の可能性に備えていることは事実でしょう。

実際、米国が北朝鮮への軍事攻撃に踏み切ったとしても、条件次第では中国は中立を保ち、介入しないという確約が取れていると見るべきでしょう。

すでに当ウェブサイトで何度か紹介してきたのが、次の「往復書簡」です。

Reckless game over the Korean Peninsula runs risk of real war(2017/8/10 23:23:40付 環球時報英語版より)
We’re Holding Pyongyang to Account(米国時間2017/08/13(日) 17:37付=日本時間2017/08/14(月) 06:37付 WSJオンラインより)

前者は中国共産党の事実上の機関紙である環球時報(英語版)に掲載された社説で、後者は米国のティラーソン国務長官、マティス国防長官が連名で、ウォールストリートジャーナル(WSJ)に寄稿した記事です。

環球時報は、「北朝鮮が先制攻撃して米国がこれに反撃する」という形であれば、中国は中立を保つと明言。これに対してマティス、ティラーソン両長官は、米国の最終的な外交目的が「朝鮮半島の非核化」にあるのであり、北朝鮮の体制変革には「興味がない」と、はっきり断言しました(詳しいやり取りについては『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』をご参照ください)。

つまり、一連の動きを見ていると、米中は意外としっかり意思疎通できているのかもしれません。

心もとない日本の国家とメディアの議論

ところで、北朝鮮の核開発を巡り、緊張が高まっていることは、日本にとっても決して他人事ではありません。

というのも、実際に米軍が北朝鮮攻撃に踏み切らなくても、それを見越して、多くの難民(あるいは偽装難民や工作員)が日本に漂着するかもしれないからです。

実際、最近になって、北海道や秋田県などで、北朝鮮の船舶が大量に漂着し始めています。そして、私はこれらの船舶に、工作員が乗り込んでいる可能性も、かなり高いと考えています。

しかし、それにも関わらず、日本政府、あるいは国会における議論や対策は進んでいるのでしょうか?

この問題を国会でまともに取り上げたのは、せいぜい、青山参議院議員による11月30日付の参議院予算委員会での質疑くらいなものではないでしょうか?非常に心もとない気分です。

それだけではありません。

青山議員が指摘したとおり、北朝鮮はさまざまな生物・化学兵器を所持していると考えられます。

なにもわざわざミサイルを撃たなくても、天然痘ウィルスに感染させられた人間を漁船に乗せて、日本に送り込むだけでも、日本がパニックに陥るかもしれません。

昨日、私は580円の左翼雑誌を批判する論考を掲載しましたが、「日本の言論を担っている」と自称しているメディアの議論など、低レベルすぎて始末に負えません。

この期に及んで「憲法第9条があれば日本は戦争に巻き込まれない」などと盲信している日本人は、さすがに少数派だと信じたいところですが、それでも「もりかけ問題」に汲々とするマス・メディアや国会の野党の議論を見る限り、うすら寒い思いがします。

少なくとも、マス・メディアと国会において、北朝鮮有事を巡る議論の状況は、非常にお粗末といえるでしょう。

ただ、日本の場合は、幸いにして、インターネットを中心に、民間で活発な議論が行われています。

実際、当ウェブサイトでも、北朝鮮情勢について解説する記事を掲載すれば、たいていの場合、そこらの「マスゴミ」で見かけるよりも、はるかにレベルの高い議論を見ることができます。

このことに、私は強い希望を感じていることも事実なのです。

順調に迷走する韓国

慰安婦合意TF

では、北朝鮮攻撃が実施された場合、最も影響を受ける国は、どこでしょうか?

それは、言うまでもありません。「南半分」、つまり韓国です。

では、韓国が米国による北朝鮮攻撃を織り込み、適切な準備を行っているのでしょうか?

そのことをうかがいい知るうえで、非常にわかりやすい記事を発見しました。

韓国外交長官、今月の訪日を調整中…慰安婦TFの報告書を考慮?(2017年12月11日13時48分付 中央日報日本語版より)

韓国メディア『中央日報』の日本語版によれば、韓国の康京和(こう・きょうわ)外交部長官(外相に相当)が、今月19日から20日にかけて日本を訪問し、河野太郎外相と会談することで、日程を調整中です。

常識的に考えて、この時期に韓国の外相が訪日するとしたら、その目的は「北朝鮮情勢の協議」にあるはずです。そして、事態が差し迫っていることを考えるならば、今月下旬でも遅いくらいです。

しかし、中央日報の記事を読んで、思わず仰天してしまいました。なぜなら、中央日報の記事は400字詰原稿用紙1枚程度の分量のうち、約4分の3が「慰安婦合意タスクフォース(TF)」の話題に割かれており、残りが平昌五輪に関するものとなっているからです。

中央日報は韓国内では「保守系の大手メディア」なのだそうですが、その「韓国を代表するメディア」であるはずの中央日報がこの体たらく。

そのように考えていけば、康長官の訪日目的は、本当に2015年12月の慰安婦合意をひっくり返すためにあるのでしょう。

日本は平昌五輪に不参加か?

ところで、中央日報の記事には、

また今回の訪日では、来年2月に韓国で開催される平昌冬季オリンピック(五輪)に安倍首相を招請することについても議論すると予想される。

という下りもあります。

しかし、常識的に考えて、安倍総理が平昌五輪への招致に応じるとは考えられません。なぜなら、安倍総理はドナルド・トランプ米大統領と極めて密接に連携しており、おそらくは、米国としての北朝鮮情勢への対応方針についても、かなりの程度、情報を共有していると考えられるからです。

当然、米国が平昌五輪に不参加を表明すれば、日本もそれに追随するでしょう。

こうした中、同じ中央日報には、こんな記事も掲載されています。

日本のゆるキャラ、平昌冬季五輪を応援(2017年12月11日12時00分付 中央日報日本語版より)

「ゆるキャラおたく」を自称する私としては、到底、許せない記事です。

というのも、日本各地の「ゆるキャラ」の皆さんが、平昌五輪の応援に駆り出されているからです。

私は前職時代から地方出張が多く、訪れた地方で「ゆるキャラ」談義に花を咲かせることを、何よりの楽しみにしてきました。今回、中央日報が報じた内容が事実であれば、私が愛する「ゆるキャラ」の皆さんが、明らかに政治利用されたということです。

この記事に対し、私個人としては、ひたすら嫌悪感しかありません。

ただ、この記事からわかることは、韓国が平昌五輪を開催し、成功させることに、もはや手段を選ばなくなっている、という事実です。

平昌五輪はチケットの売れ行きが芳しくないという報道も目にしますし、いくつかの会場の工事が進んでいないという噂もあります。さらには、メイン会場を含め、多くの会場は安普請だと指摘するウェブサイトもあり、中には観客席の足場が脆く、大量の観客が入ると崩落するのではないかとの指摘もあります。

いずれにせよ、何が何でも日本人を平昌に呼び込もうと躍起になっている様子がうかがえますが、普段から日本を侮辱しておきながら、困った時には日本にすがるというこの隣国に対し、嫌悪感を抱く人はいたとしても、「大好きだ」と思う人は少数派に違いありません。

韓国版の鳩山由紀夫

ところで、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領は、今月13日以降、3泊4日の日程で、中国を「国賓訪問」するそうです。

これに関連して昨日、同じ『中央日報』日本語版に、こんな記事が出ていました。

近づく韓中首脳会談、THAADをめぐる溝は埋まらず(2017年12月11日08時11分付 中央日報日本語版より)

韓国が悩むのにも理由があります。というのも、韓国は高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の配備を決めたことで、中国から過酷な経済制裁を喰らったからです

韓国としては、THAADの撤去を言い出せば、米国から米韓同盟を切り捨てられかねないという悩みがあります。しかし、THAADを配備したままだと、中国から苛烈ないじめを受けることになります。

これこそ、典型的なジレンマでしょう。

仮に私が韓国の「友人」であれば、謹んで、こう進言します。

「中国から経済制裁を喰らっても大丈夫なように、中国との関係を薄めなさい」、と。

中国の反発を押し切って、THAADを配備し、米国のミサイル防衛(MD)に参加し、さらには国防面で日本との協力を進めることが、韓国が「自由海洋同盟国家」として生き残るうえでの、ほぼ唯一の方法だからです。

現状で、韓国は中国に対し、「三不」を表明してしまいました。これは、「▼THAADを追加配備しない、▼MDに参加しない、▼日米韓3ヵ国軍事同盟を結ばない」、という、一種の約束です。

ここまで表明してしまった以上、韓国はもっと踏み込んで、

▼現在稼働しているTHAADの撤去、▼米韓同盟の破棄と中韓軍事同盟

を表明させられるかもしれません。

そんな文在寅氏を、韓国国内では「韓国のファビウス」に例えるという議論が出ているようです。

【中央時評】文在寅は韓国のファビウスになるだろうか(1)(2017年12月08日15時31分付 中央日報日本語版より)

※「ファビウス」とは:クィントゥス・ファビウス・マクシムス。紀元前220年頃のローマの執政官。第二次ポエニ戦争でカルタゴのハンニバルを苦しめ、「ローマの盾」と評された。

しかし、私に言わせれば、文在寅氏をファビウスに例えるのは、歴史に対する冒涜です。

文在寅氏を政治家で例えるならば、さしずめ「韓国版の鳩山由紀夫」、ではないでしょうか?

北朝鮮攻撃で問題は解決しない!

攻撃の在り方は「限定空爆」

さて、当ウェブサイトで、すでに何度か申し上げてきた内容を、ここで改めて繰り返しておきたいと思います。

私は、米軍が1年以内に北朝鮮攻撃に踏み切る可能性が、50%程度に高まっていると考えており(『北朝鮮攻撃の確率は50%に上昇した』参照)、その具体的な候補日としては、直近では今月18日前後ではないかと見ています(『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』参照)。

ただし、仮に米国が北朝鮮攻撃に踏み切ったとしても、「斬首作戦」、つまり金正恩(きん・しょうおん)を除去するような全面攻撃に踏み切ることは、かなり難しいと見ています。なぜなら、軍事オプションを行使するなら、北朝鮮と国境を接する中国に事前の了解を取っておくことが必要ですが、中国はそこまでの許可を米国に与えていないからです。

先ほど紹介した「往復書簡」を読むと、中国が米国の軍事オプション行使を容認するとしたら、あくまでも「北朝鮮の挑発に米国が報復する場合」に限られると見るべきであり、実際、ティラーソン、マティス両長官も、「北の核武装解除」という目的が達せられるなら、それで満足すると表明しているからです。

それだけではありません。

北朝鮮問題を議論する際には、「ロシア・ファクター」についても無視してはなりません。

仮に、米国が「斬首作戦」に踏み切った場合は、ロシアがその作戦を妨害して来る可能性があります。具体的には、ロシアが金正恩の一時的な避難先となり、それと同時に金正恩の影武者が北朝鮮の各所に出没することで、「斬首作戦」をベトナム戦争なみに泥沼化させるなどの作戦が考えられます。

以上から、米国が軍事作戦に臨む場合であっても、その作戦は、「北朝鮮の非核化」という、米国の国家戦略に資するうえでの最低限のもの(つまり限定空爆、あるいは「サージカル・アタック」)に留まると見るべきでしょう。

攻撃後のことを考えるべき

つまり、米国が北朝鮮攻撃に踏み切ったとしても、それは「明らかなミサイル基地」を叩くための限定的な軍事作戦に留まると見るべきであり、また、金正恩体制を直接、倒すだけの威力はないと考えられます。

そして、北朝鮮攻撃だけでは、核開発問題、日本人拉致問題、北朝鮮における人権侵害問題など、さまざまな問題を本質的に解決することはできません(これについては『「攻撃後」のことを考える方が重要だ』でも触れました)。

それだけではありません。

すでに現段階でも、北朝鮮から多数の不審船が漂着している状況にあります。

北朝鮮戦後には、より多くの漁船(あるいは漁船に見せかけたテロリストの船舶)が押し寄せてくる可能性も懸念されます。

さらには、近年、韓国から観光ビザで入国する人が急増しています。

訪日韓国人観光客、訪韓日本人観光客より3倍多い(2017年12月11日17時02分付 中央日報日本語版より)

こうした状況を放置しておけば、単なる観光目的だけでなく、有事の際には避難目的の入国者もかなりの程度、発生するかもしれません。

少なくとも韓国人に対する観光ビザ免除プログラムについては、1回あたりの滞在可能日数を、現状の90日間から、直ちに15日間程度にまで短縮するとともに、年間の入国可能回数にも制限を設けるべきでしょう。

殺人憲法や事なかれ主義を考え直す好機に!

ただ、私は今回の北朝鮮有事については、日本が生まれ変わる好機になると考えています。

いままでのエセ左翼は、「憲法第9条があれば戦争にならない」と言い張ってきました。しかし、今回の北朝鮮の核危機は、憲法第9条が存在していても防げなかったのです。

この「9条教」という考え方の欺瞞に、より多くの日本人が気付くようになれば、日本は憲法第9条第2項という名の「殺人憲法」と、敢然と決別することができるのです。

さらには、日本の外務省の無為無策ぶりには腹が立つばかりですが、第2次安倍政権が成立して5年弱が経過する中で、日本外交も少しずつですが、こうした事なかれ主義的な外交から脱却しつつあります(『少しずつ好転しつつある日本外交』参照)。

北朝鮮危機を契機に、こうした動きが加速することを期待したいところです。

また、北朝鮮攻撃により、北朝鮮で金正恩体制が崩壊するのかどうかは、議論が分かれるところですが、仮に北朝鮮の体制が崩壊しなかったとすれば、日本は別途、拉致被害者を取り返すために、改めて北朝鮮攻撃を加えることを検討すべきでしょう。

さらには、韓国の文在寅政権が北朝鮮との協力を深めようものならば、日本独自に南北朝鮮双方に対する経済制裁の発動も検討する必要が出てくるはずです。

いずれにせよ、近いうちに可能性が高まってきた、米国による北朝鮮攻撃とは、単なる「きっかけ」に過ぎません。

日本にとっては平和・安全保障上の危機であるとともに、戦後初めて訪れる自立のチャンスでもあるのです。

そのことを私は「社会人評論家」の立場から、強く訴えかけていきたいと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 普通の日本人 より:

    朝鮮通信使は、中国皇帝に対する朝貢使節と同様であったにもかかわらず、日本に文化を伝えたなどとのたまう教授がいる。慰安婦にしても、徴用工にしても、今の韓国の生活レベルからすれば、劣悪のように映る。しかし、その時代、いかに韓国が不衛生で貧しい社会であったかということをきちんと認識すれば、韓国側から文化を伝えることはないし、慰安婦や徴用工は韓国から進んで携わったことが理解されよう。
    日本政府は、民間団体なども活用し、朝鮮通信使や徴用工に関し説明する際、イザベラハートの「朝鮮紀行」などの文献のハングル翻訳などを通し、当時の韓国の悲惨な貧しさを世界に示してほしい。

  2. 右派 より:

    更新お疲れ様です。

    ムンジェインがファビウス!?と二度見してしまいました。ファビウスと言えば戦略的な優位を背景に、一か八かの決戦を回避して敵の疲弊を待つ大局観ある軍人で、ムンジェインとは真逆の存在なのですが……。 現在の韓国のどこに戦略的優位があるのでしょう。

    ファビウスが現在の韓国にもし生を受けていたら、まずは戒厳令から始めるのではないでしょうか。国民情緒法とろうそくデモに振り回されるのは真っ平御免のはずです。それでも暗殺のリスクが伴いますが……

    ただ現在の状況はそれほど悪くないと思います。韓国が醜態を晒せば晒すほどアメリカの目は冷たくなり、極東の最前線と化した日本への依存度は強化されます。在韓米軍が撤退すれば、大陸への重石は日本だけ。そしてアメリカは防衛費を削減したがっています。

    アメリカの役割を一部代替する形で、日本の防衛力が強化され、自衛隊の立場が引き上がり、対等に近い日米関係(まだ対等とは行きませんが)に大きく前進する事ができるでしょう。

    官邸は腹を括っているように見えます。後は国民が腹を括るだけでしょう。日本が今や最前線になった事。そしてアメリカにかつてほどの力がない事を承知して、日本の防衛においては自衛隊こそが主であり、アメリカは従であると認識すれば、この国は戦後レジームから抜け出せる筈です。

    その時こそ、親米でない真の保守と、パヨクでない真の左翼との間で実りある議論ができるでしょう。

  3. 左翼 より:

    右派さんへ。

    >親米でない真の保守と、パヨクでない真の左翼との間で実りある議論

    全く同感ですね。今の日本はネトウヨとパヨクの争いで、ややパヨクが劣勢ですが、保守勢力の方が論理的説得力を獲得しているが為に、日本では保守政党が年々強くなっています。しかしこれは世の中が右傾化しているからと言うよりも、我々左翼の怠慢です。いや、マトモな理論左翼が日本から消滅してしまったという方が正確でしょうかね?

    インターネットのブログサイトでは、ここのブログみたいに左翼でも自由に書き込める所もありますが、保守勢力の方が(異なる意見を取り入れましょう)みたいな余裕がある気がします。

    因みに左翼イコール自動的に護憲、ではありません。私はどちらかというと護憲派ですが、左翼思想と憲法は自動的に繋がるものでは無いのです。世の中のマスコミや左翼政党が護憲だから、仕方がないのかも知れませんけどね。

  4. Tonny より:

    世界史的な観点からみると21世紀の世界は、「パクスアメリカーナの終焉」として語られるのではないでしょうか。

    ここ最近の中東におけるアメリカ合衆国の動きをみていると、「軍縮」「対外不干渉」への動きの一環としての動きが加速しているように思います。(メディアはなぜか「軍拡」と言っていましたが・・・)
    アメリカ合衆国が混乱を作り出すわけではなく、混乱していた地域をアメリカ合衆国を力で抑えていたのをやめるから混乱が顕在化するのが正しい認識でしょう。欧州(特に英国)はアメリカに責任を「押し付けて」いたのに自分たちでまた面倒を抱えないといけないことに対する反対のように見えます。
    それはトランプ大統領独自の思想というわけではなく、ワシントン以来の「孤立主義」への回帰ですし、この流れが今後も継続すれば、北朝鮮の問題が解決すれば東アジアからも米軍は撤退を始めるでしょう。

    そう考えると、70年ほど日本が直接戦争に巻き込まれなかったのは、憲法9条の存在のおかげではなく、「パクスアメリカーナ」の仕組みで安全保障をアメリカに「押し付けて」いたのと周辺国の状況によって「たまたま」そうだったということでしょう。

    欧州も日本もパクスアメリカーナ終焉後の世界に備えないといけないでしょう。

  5. poponta より:

    お疲れ様です。
    文大統領のおつかいで康外交部長官が来日するようであれこれと画策しているようですね、慰安婦合意を破棄するための前振りで・・・日本政府の誠意ある返答がなかった、よって合意を遂行できないので破棄する。文大統領は国賓として訪中し、きっちり躾けられてたくさんのご褒美(習主席からレッドチーム正式加入にサインさせられ)貰って凱旋帰国する。中国はどのような形で決着つこうが東アジアでの覇権を手にする、そのための担保はとっている、策をめぐらして駆け引きしていると思います。米国の排除、日本の孤立化が狙いですね。それにしても各国の嘘のつきあい騙し合いは凄いと思います、一寸先は闇で日本が外されたり裏切られたりの最悪の状態にならないよう日本政府に期待したいです。

  6. めがねのおやじ より:

    < 毎日の更新ありがとうございます。
    < 北朝鮮への限定攻撃は、米中では意思疎通が出来ていると思います。「北が先制攻撃すれば」と報道されていますが、もう一度してもしなくても、すでに太平洋、日本海に向けて撃っている。「先制〜」はクリア出来ているとみます。今年、特に秋以後、北朝鮮籍の木造ボロ船が多数漂着しているのは気になるところです。金正恩の漁獲戦闘だけなのか、天然痘ウィルス等の伝播を考えてるのか。餓死した漁船員に病原菌がなかったのか、怪しいですね。
    < でもあの辺はヒトが少ないから24時間体制で見張ることはできないんですね、日本海側は。ずっと見張っている訳にいかない。これが都心なら1人半径500mずつでウォッチもできるが、海岸線の暗所部分も多く、田舎ではそうもいかない。せめて定点観測カメラは途切れず日本海側には必要です。昔からたくさん拉致されたので。
    < 康長官はノコノコ、日程を早めてまで何しに日本に来るんでしょうか。今更売春婦像合意のTFの結論か?それを更に後ろにズラして、来たという事実だけで、五輪に日本を参加させた後、売春婦合意は民意が反映されないからダメ〜破棄とか言い出しそうです。どうせ合意破棄だろうし韓国から言い出せ、その代わり一切日本は今後北体制が攻撃され、韓国が助けを求めても関知しない、で行きましょう。邦人保護のみ。また不人気の平昌に、ゆるキャラを使うのも許せない!韓国に渡るだけで穢れる。貴方らは全然可愛くないキャラを抱いていなさい。五輪は最悪、日本は参加しなくてもいいと思います。
    < 会計士様ご指摘のように中央日報は、文大統領を古代ローマのファビウスに例えてますね。朝鮮人はこういう誇大妄想、大風呂敷を広げるのが好きですね。自分(朝鮮)をやたらと大きく見せたい(笑)。阿呆やね。だから国名も「大韓民国」と勝手に呼んでいる。英語ではSouth Koreaだ。あーコリャコリャと。弱い動物と一緒でよく吠えるが、さらに頭が妄想好きで、自分達は偉大な民族だなんて思っているからタチが悪い。
    < さて、北に文大統領が人道的支援をするなら、北南とも日本は(もちろん米国もだが)経済制裁、北へは限定攻撃、日本は攻撃支援と米軍ダメージの補助戦力という名目で攻撃参加するべきです。12月18日がどうなるのか、少し愉しみ。また北の行方は分割統治か南はいつ保護国化か考えていますが、まだ変数多いのでコレだッと言えません。
    < 失礼いたしました。

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