北朝鮮危機と日本

最近、当ウェブサイトでは「日本の選択」に関する話題が続いてきたのですが、ここらで久しぶりに、重要な国際情勢の話題を紹介したいと思います。本日はズバリ、「北朝鮮とロシアの関係」です。

北朝鮮はロシアに取り込まれる?

朝鮮半島「6つのシナリオ」を修正します

以前から私は、当ウェブサイトを通じて、朝鮮半島には次の6つのシナリオが考えられると申し上げて来ました(図表)。

図表 朝鮮半島の6つのシナリオ
区分パターンシナリオ詳細
(1)南北朝鮮統一シナリオ①北朝鮮主導で北朝鮮に吸収される(赤化統一)北朝鮮がミサイル開発機器を生き延び、韓国で親北派大統領が誕生し、朝鮮半島は北朝鮮主導で赤化統一される
②米国主導で北朝鮮を吸収する米国が北朝鮮を軍事攻撃し、これにより北朝鮮が崩壊し、韓国が米国の命令により北朝鮮を吸収する
③中国主導で北朝鮮を吸収する米中密約により中国が北朝鮮の体制を崩壊させ、韓国から米軍が撤退し、韓国が中国の後ろ盾を得て北朝鮮を吸収する
(2)南北分断継続シナリオ④南北朝鮮の同時での中華属国化南北朝鮮が現体制を維持したまま、韓国が限りなく中華属国化するシナリオ
⑤南北朝鮮の「クロス承認」韓国は中国の属国となり、日米両国と断交する一方、北朝鮮は日本と米国が国家承認し、中国と断交する
⑥韓国で軍事クーデター韓国で軍事独裁政権が成立し、民政を停止し、韓国の赤化統一や中華属国化を防ぐ

この図表は、まず、朝鮮半島の南北分断が継続するのか、それとも南北統一が実現するのかというシナリオを軸にしつつ、韓国・北朝鮮自身が周辺の大国(とくに中国と米国)とどう関わるかに応じて、6つに整理したものです。

ただ、私自身、意識しつつも敢えてこの6つのシナリオに織り込んでこなかった要素が、1つあります。

それは、「ロシアとの関係性」です。

そして、北朝鮮とロシアの関係を議論して来なかったことは、「朝鮮半島を巡る将来予測」のシミュレーションにおいて、必ずしもシナリオとしては十分とはいえないものです。

たとえば、どこかのゴシップ誌によれば、ロシアは北朝鮮との間で、秘密の地下通路を完成させたという話が出ています。具体的には、「第二次朝鮮戦争」開戦の暁には、独裁者・金正恩(きん・しょうおん)がそのトンネルを通ってロシアに逃げる、というものです。

もちろん、この「トンネル云々」は単なるフェイク・ニュースかもしれません。しかし、ロシアと北朝鮮が無視できないほど密接な関係にあることも無視してはならないでしょう。

そこで、本日は以前から私が提示して来た「6つのシナリオ」に、「もう1つのシナリオ」を加えて、改めて朝鮮半島の未来を議論しておきたいと思います。

北朝鮮とロシアの関係

ロシアは北朝鮮を守っている!

私が「ロシアと北朝鮮は仲が良い」と申し上げたところで、「証拠はないじゃないか!」とおっしゃる方も多いでしょう。

しかし、その証拠はたくさんあります。まず、その典型的な事例が、北朝鮮情勢を巡る「日露のすれ違い」です。その具体例として、日経と産経の報道を紹介しておきましょう。

日ロ首脳、対北朝鮮「緊密に連携」 圧力強化では溝(2017/9/7 23:57付 日本経済新聞電子版より)
日露首脳会談 舞台裏は? 北朝鮮めぐる説得は奏効 プーチン氏から「妖刀」の真意は…(2017.9.17 22:43付 産経ニュースより)

先月7日、ロシア・ウラジオストクで日露首脳会談が行われましたが、両メディアによれば、安倍晋三総理大臣はロシアのプーチン大統領に対し、北朝鮮制裁を巡り圧力を強めるように説得したとしています。

ただ、プーチン氏のウラジオストクでの発言は、

北朝鮮の問題は政治的な手段でのみ解決が可能だ。関係者全てが対話に参加することが必要だ」(日経)

北朝鮮を追い詰めてはならない」(産経、ただし文在寅=ぶん・ざいいん=韓国大統領への発言)

というもので、いわば、圧力により北朝鮮に核放棄を迫る安倍総理の姿勢の違いが浮き彫りになっている格好です。

客観的事実として、先月は国連安保理決議の中で、北朝鮮に対する石油・石油関連製品などの輸出制限などが全会一致で盛り込まれていることは確かです。しかし、複数のメディアの報道(米WSJ等を含む)によれば、とくにロシアが、北朝鮮を追い詰めすぎるような制裁決議案に反発し、米国がロシア(と中国)に対し、相当に譲歩したともされています。

それだけではありません。

ロシアのウラジオストクと北朝鮮の羅津(らじん)港を結ぶ定期便が、今年5月に開設され、かつては新潟港にも頻繁に出入りしていた北朝鮮の貨物船・万景峰(まんけいほう)号が、ウラジオストク港に姿を現しています。

万景峰号がウラジオ入港 ロシア-北朝鮮間に航路新設(2017/5/18 11:21付 日本経済新聞電子版より)

「真綿で首を絞められるような経済制裁」に苦しむ北朝鮮にとって、ロシアとの定期航路開設は、干天の慈雨のようなものでしょうか?

日本や米国が国際社会に働きかけ、北朝鮮の外交官の追放や北朝鮮出身の労働者の締め出しなどに努力しているにも関わらず、また、せっかく中国が北朝鮮の制裁に(限定的ながら)協力的であるのに、ロシアがこうした努力を無に帰している格好です。

なぜロシアは北朝鮮を守るのか?

私にいわせれば、ロシアが北朝鮮を守ることは、一種の「諸刃の剣」(もろはのつるぎ)です。

北朝鮮が核兵器の開発に成功し、核保有を周辺国に認めさせれば、米国が北朝鮮攻撃に踏み切るリスクが極めて低くなることは間違いありません。

しかし、それと同時に、北朝鮮製の核・大量破壊兵器がイスラム系のテロリストの手に渡れば、その兵器が欧州や米国だけでなく、ロシアでも炸裂する可能性があります。チェチェンを初め、ロシアは国内に独立運動を多く抱えており、将来的に自爆テロリストがモスクワで北朝鮮製の小型核を炸裂させるような事態すら発生しかねません。

さらに、北朝鮮が核武装に踏み切れば、NPT体制は完全に崩壊し、日本が米国の同意を得て核武装に踏み切る可能性もあります。あるいは、ロシアが一番嫌がる「全面的なミサイル防衛(MD)システム」を構築され、MDで核兵器を封じ込められてしまう事態も考えられるでしょう。

では、なぜロシアはそこまでのリスクを冒してまで北朝鮮を守ろうとするのでしょうか?

1つ目の仮説は、米軍(あるいはNATOや日米同盟など)と陸上で向かい合うことを嫌がっている、というものです。

現在、ウクライナがNATO入りを目指していますが、仮にウクライナがNATOに入ってしまえば、首都・モスクワから500km圏内にNATO加盟国が出現してしまいます(もっとも、すでにロシア西部にあるバルト3国がNATO加盟国であるという事情はありますが…)。

こうした中、北朝鮮の領域が韓国に飲み込まれ、米軍のテリトリーに入ってしまえば、ロシア極東部で「米軍の支配地」と国境を接することになりかねません。

ただ、北朝鮮とロシアの国境は20km程度に過ぎないため、ロシアがそこまで「北朝鮮の米国化」を警戒すると考えるのは不自然です。

そして、私が考える2つ目の仮説は、単にロシアが国家戦略を立てるのに失敗している、というものです。

どうも私の目から見て、ロシアの大戦略には不可思議なものが多々あります。せっかくの資源国であり、また軍事大国であるにも関わらず、金融面では米英日欧が牛耳る市場にまったくアクセスできていませんし、せっかくの軍事技術も家電などの民生品に転用することに失敗しています。

つまり、ロシアはもともと、戦略を立てるのがあまりうまくない国だ、というものです。

もちろん、こうした仮説は非常に一面的なものに過ぎませんし、いずれの仮説も「ロシアが北朝鮮を全力で擁護する理由」の説明としては弱いことも事実です。

ただ、だからといって、現実にロシアが全力で北朝鮮を擁護しているという点は否定できません。

ということは、私たち日本としても、ロシアが北朝鮮を守るという前提で、戦略を組み立てる必要があるのです。

「もう遠慮なくロシアを経済制裁したら?」

こうした議論をしていくと、論者の中には、「じゃあ、いっそのことロシアを経済制裁したらどうだ?」という発想を持つ人も出てきます。

部分的には、ロシアへの経済制裁は有効です。

しかし、もともとロシアは、西側諸国(とくに日本)とは、それほど密接な経済的関係を持っていません。

資本不足に悩むロシアが日本の資本を必要としていることは事実ですが、ただ、もともと日露間の経済関係は希薄であるため、日本がロシアへの投資を禁止する措置を打ち出したからといって、ロシア経済が打撃を受ける、というものでもないのです。

もちろん、欧州とロシアはそれなりに深い関係を持っています。そして、ウクライナ領だったクリミア半島とセヴァストポリ市を「併合」した2014年以降、欧州がロシアに対して経済制裁を加えていることも事実です。

しかし、日本が外交力を使って、欧州連合(EU)に対し、「北朝鮮を支援するロシアを、日本に代わってEUが経済制裁してくれ」とお願いすることは、非現実的です。確かに日本とEUは事実上の同盟関係にありますが、EUとしては遠く離れた北朝鮮の事情で、日本の代わりにロシアを制裁してやるという義理もありません。

このように考えていくと、ロシアというファクターは、北朝鮮問題において、非常に厄介であることがわかります。

日本と経済関係が密接な中国や韓国と異なり、ロシアに対しては日本が経済制裁を加えるということが非現実的であるからです。

また、現在の日本にとっては、中国への牽制が重要であるため、外交上、ロシアとの関係を決定的に損ねる訳にはいかないという事情もあります。これが、北朝鮮情勢を巡る大きな問題点なのです。

「7つ目」のシナリオとは?

北朝鮮のニーズは「緩衝地帯」

さて、冒頭に示した「6つのシナリオ」を、簡単に振り返っておきましょう。

シナリオは大きく、(1)朝鮮半島が統一される場合、(2)朝鮮半島の分断が続く場合、に分けられます。

(1)のシナリオについては、朝鮮半島の統一を「誰が」主導するかによって、①北朝鮮が主導するパターン、②米国が主導するパターン、③中国が主導するパターン、の3つがあります。

一方、(2)のシナリオについては、④南北朝鮮が分断したまま、同時に「中華属国化」するというパターン、⑤米韓同盟が破棄され、北朝鮮が中国と「断交」し、南北の同盟関係が逆転するという「クロス承認」パターン、そして⑥は、韓国の軍部が立ち上がり、現在の極左政権をクーデターにより追放するというシナリオです。

従来の私の見解では、最も可能性が高いのは②のシナリオ、つまり米国が北朝鮮攻撃に踏み切り、北朝鮮という国家が崩壊し、韓国が「なし崩し的」に北朝鮮の面倒を見させられる、というシナリオです。

また、その次に可能性が高いと考えていたのは、④のシナリオ、つまり南北朝鮮が現体制を維持しつつ、少しずつ「中華属国」として中国に取り込まれていく、というシナリオです。

そして、3番目に可能性が高いのは、①のシナリオ(赤化統一)です。北朝鮮が現体制のままで存続するという前提条件が必要ですが、それと同時に現在の韓国社会が、精神的にも軟弱な構造をしており、米韓関係の崩壊に加えて「北の核」という一押しで、北朝鮮に飲み込まれてしまうというものです。

ほかにも、⑤北朝鮮の現体制が米国(や日本)との交渉を通じて生存し、米国(や日本)は北朝鮮の体制存続を認めたままで、むしろ中国やロシアに対する牽制として利用するという「逆転シナリオ」についても、可能性はそれなりにあると考えていました。

これに対し、今年3月10日に、当時の朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領が憲法裁判所から罷免判決を受けたことで、可能性が限りなくゼロになったのが⑥のシナリオ(軍事クーデター)です。また、最近の中朝関係を見ていると、中国と北朝鮮が、あたかも「戦争前夜」であるかのように仲違いしているため、③のシナリオ(中国が北朝鮮の体制変更に積極的に関わるというシナリオ)は考え辛いのが実情です。

ロシア・ファクターが加わると…?

本日提示するシナリオは、「⑦南北現状維持・膠着シナリオ」です。

私が以前から提示していたシナリオだと、⑥を除き、南北朝鮮の体制か、それとも南北朝鮮と周辺国の同盟関係に、それぞれ何らかの変化が生じることを前提としていました。とくに、米韓同盟が崩壊すれば、赤化統一は免れないと考えていますが、何らかの事情で辛うじて米韓同盟が維持された場合には、北朝鮮の現体制の崩壊は不可避だと考えていたのです。

ただ、私は本日、この考えを撤回したいと思います。

具体的には、ロシアが北朝鮮を支え、南北の現状が維持、膠着するというシナリオです。

ただし、このシナリオの場合、「ロシアが主導して南北統一する」ということはあり得ません。現状、ロシアは韓国に対し、影響力を行使することはできないからです。

もちろん、「ロシアの支援により北朝鮮の現政権が命脈を長らえ、その結果、北朝鮮が主導して韓国を赤化統一する」という可能性はあります(この場合はシナリオ①に収斂します)。しかし、このシナリオのポイントは、ロシアの支援により北朝鮮の体制崩壊が限りなく遠のき、米国は韓国から撤収せず、南北がにらみ合う状況が膠着化するという、非常に困った状態のことです。

この場合、韓国の「戦略的価値」は維持されるため、韓国は日米陣営に所属していながら、いままでどおり日本に対してさまざまな嫌がらせを仕掛けて来るでしょう。もしかすると、日韓通貨スワップの再開なども米国の「要請(あるいは命令?)」により実現するかもしれません。

正直、日本にとってはあまり考えたくないシナリオです。

ただ、それと同時に、このシナリオは日本にとって、必ずしも悪い結果をもたらすものではありません。その1つが、「核武装議論」です。

現在のNPT体制下では、日本の核武装は認められません。しかし、北朝鮮が核武装に踏み切った以上、対抗上、日本も(限定的ながら)核武装を行うことを、少なくとも米国、英国、フランスの3ヵ国からは認められるかもしれません。

当然、うまくやれば、国連常任理事国への道も開かれます(※もちろん、「うまくやれれば」、ですが…)。

中国はそれを許さない?

ただし、ロシアが実質的に庇護する「核武装国・北朝鮮」の出現は、「ある国」を強く刺激します。

それは、中国です。

経済評論家の上念司さんによれば、北朝鮮という体制自体、中国の「瀋陽軍区」と密接な関係にあるとしていますが(※真偽不詳)、中国が北朝鮮に大きな利害を有していることは間違いありません。

その1つは、何といっても「緩衝地帯」という側面です。

北朝鮮自体は小さな国ですが、実は、中朝国境の長さは1000km近くに及びます。中国にとって、満州(中国政府が「東北地方」と呼ぶ地区)の南辺を米軍の勢力下にある韓国と接することになるのは、絶対に看過できません。

ただ、それだけではありません。

満州には朝鮮族も多数、暮らしており、北朝鮮と満州は経済的な結びつきも強く、それだけに、北朝鮮がロシアと「近付き過ぎる」のも、中国にとっては面白くない話なのです。

金正恩体制下で中朝関係は過去最悪にあるとも言われますが、ここで「瀋陽軍区」が北朝鮮との関係を強化することができれば、朝鮮半島にはまた違った未来が訪れるのかもしれません。

(ただし、7つのシナリオのいずれであっても、南朝鮮=韓国が主体的に朝鮮半島の未来を決めることはできないという点に変わりありませんが…。)

小池新党どころじゃない!

こうした中、日本では安倍総理が解散総選挙に踏み切りました。

私なりに解釈するならば、北朝鮮情勢を巡り、これまで以上の地殻変動が予想される中で、このタイミングで国民の信を問うというものです。

ところで、この解散に「大義」はあるのでしょうか?

この疑問に対しては、最大野党・民進党が空中分解したという事実が答えになっていると思います。つまり、今までの「政府の足を引っ張る」というだけの政治姿勢では、国民の理解が得られないということを、当の本人たちが一番よく理解していたのです。

ただし、私の中で「恐れていたこと」が発生したのも事実です。民進党の瓦解が急激すぎ、「ゴキブリの巣からまだ元気なゴキブリが逃げ出す」かのごとく、政界を挙げての「政党ロンダリング」が行われようとしています。

その「逃亡先」は、他でもない、小池百合子東京都知事が発足させた、通称「希望の党」です(私に言わせれば「小池ファーストの会」であり、「自分ファーストの会」であり、「欲望の党」、あるいは「絶望の党」でもあります)。

(なお、昨日夕方、枝野氏が民進党を離党して、新党を立ち上げると報道されたようですが、おそらくは泡沫政党ですので、当ウェブサイトでは話題として取り上げません。)

日本国民が2009年8月時点のような酷い選択を取るとは考えたくありませんが、現在の情勢で見る限り、自民党・公明党の連立与党は確実に議席を減らすでしょうし、「雰囲気に流される人たち」が「欲望の党」に投票することも避けられそうにありません。

こうした中、私にできることと言えば、「現在の日本は小池百合子氏の政治ごっこに付き合っている局面ではない」と、声を大にして主張し続けることしかありません。

当ウェブサイトをご覧になられた読者の皆様も、どうか周囲に対し、「テレビの報道に惑わされるな」、「現在の日本は岐路に立たされている」、ということを、強く強く訴えかけて頂きたいのです。

これが、私の心からのお願いなのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 山紀有 より:

    今度の解散の「大義」についてですが、個人的には大いにあると考えてます。
    もちろん私自身も、政府やメディアとも無縁なので、ほとんど妄想レベルの話なので恐縮です。
    以下の妄想に何の根拠・ソースも無いことをご了解ください。

    今回の解散の話が最初に流れた時、安倍首相は外遊中でした。
    これは、海外に滞在してる間に解散の観測気球を上げて反応を探ったとの見方もできますが、一度解散風が吹くと首相でも止められないとはよく言われることです。
    少なくとも首相本人が解散するかどうかの判断の為に観測気球を上げるというのは考えにくい話で、つまり解散の決断が既にあった上で予告編あるいは環境作りをする為のものだった見るのが妥当だと思います。

    では安倍首相に解散を決断させた事案とは何だったのか?
    それは、【 米朝開戦 】が年末から来年にかけてのいずれかの時期にあるという、相当程度高い確度の情報に接したからではないでしょうか?

    いざ開戦してからでは、それこそ解散は無理です。
    それどころか、開戦のスケジュールがズレ込めば、最悪の場合米朝戦時下での任期満了に伴う総選挙という致命的な政治空白を生みかねません。
    ゆえに今まさに解散を決断しなければならなかった。
    これは、弱ってる野党につけ込んだなどというケチな話どころか、これまでの歴代内閣の解散と比しても破格の意義を持つまさに「大義」と言えます。

    ただし、こんな事は「大義なき解散」などといくら批判されようと、当然ですが首相の口から大っぴらに言えるものではありません。
    「北朝鮮の脅威」というところまでは言えても、或いはあるかもしれないという前置き付きでの「開戦」までは言えるでしょうが、現実に具体的に開戦時期にまで踏み込んだ発言を日本の首相がすることは不可能です。

    もちろんこれは最初に申し上げたように、すべて予想というより妄想の類の話です。
    まるっきり見当外れかもしれません。
    ただ、このタイミングでの唐突で不自然ともいえる解散について、かなり腑に落ちる説明になりそうだと感じてます。

    そして、おそらく大抵の日本人もこの程度の想像はしてると思います。
    たぶん、メディアや野党の人間も含めて。
    野党が触れないのは、あえて政権を擁護するような話をする必要がない、本質的な想像力の欠如で上記の可能性にまで想像が至ってない平和ボケの政治家が結構いるというあたりの合わせ技でしょうか?
    メディアの場合、同じく安倍憎しの左メディアがあえてしない部分と、そもそもガードの堅い機密情報の類ですからどこからも裏取りが出来ないというのも大きいのかもしれないとか想像してます。

    この妄想の答え合わせは、現実に開戦した時か、なにがしかの要因で開戦が回避された場合は安倍首相の回顧録を待つしかないでしょうね。
    以上、駄文失礼しました。

    1. こうきち より:

      確かにこのタイミングでの解散は不思議な感じはしていました。11月にトランプ氏が訪日される予定なのに万に一つの可能性として政権転落も有り得る解散総選挙を打つのは変だなとも思ってましたが、アメリカから開戦時期の情報が入っているなら、さもありなんですね。なるほど、妄想ではないかもしれませんね。
      非常食と身を守る術の準備しとかなきゃ。

  2. 埼玉県民 より:

    毎日拝読させていただいております。
    現代メディアに高橋洋一先生の考察が載っておtりますので、紹介させていただきます。
    「豊洲」で迷走した小池都知事が、北の有事に対応できるハズがない
    http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53059
    タイトルは小池ネタのようですが、トランプ訪中が北朝鮮の戦後処理を決定するヤルタ会談になるという考察です。 聡明な高橋先生にしてもロシアの意図が読みきれないようです。戦後処理を決めるということは、戦争があるということが前提となります。 正しく国難が起きることが予想されます。安倍首相に一定以上の議席を確保していただくことが国益に極めて合致すると考えます。

  3. poponta より:

    北朝鮮-ロシアのラインは大変重要でプーチンにしてみればすぐ動けるようくさびを打っておかなければならないところで確実に事をおこしていますね。トランプ大統領は北朝鮮の核ミサイル問題も解決しなければならないところですがそれ以上に気を使っているのがイランの問題ですね。イランがやるとすればイスラエル、その動きを察知したイスラエルは当然のように先制攻撃で事をおこします。ISだけでなくアラブ全体の騒乱になりかねません。最優先でイランを抑え込むためにも北朝鮮を叩いてイランにプレッシャーをかける、もうこのスケジュールは決まっているのかもしれません。となれば南朝鮮や日本の都合はどうでもいいですね、お茶を濁す程度の圧力で終わるはずがありません。アメリカとしても戦局を分けることは避けたいです、やりたくてどうしょうもないイスラエルを抑えるためにも北朝鮮を先にたたけばイラン戦は時間がかせげます。と言う事を思えば日本の総選挙、大いに意味がありますね、色がはっきりした立憲なんだら党とそのメンバー、公認目当ての旧民進党の連中と持参金目当ての希望の党を清算する。次期、危機突破内閣に期待したいです。でも戦時内閣はやっぱりイヤですけど。

  4. めがねのおやじ より:

    いつも更新ありがとうございます。
    会計士様の⑦のご意見を読ませていただきました。
    直接米国領土を攻撃できると煽った北朝鮮に対して、米朝戦争が起きそうです。11月にトランプ大統領の日中韓歴訪が予定され、特に日本とは最終的な打ち合わせをすると思う。また中国は党大会がある。年末辺り米国が仕掛けて北朝鮮を殲滅する。②のパターンでは南鮮が統一となりますが、在韓米軍基地が爾後撤収されれば、南鮮に政治軍事とも統治能力が無いのは明白で、また混乱の中、半島全体がシナの属国化しそうです(但し中国は半島の扱いに大変な苦労・エネルギーを使う)。また半島は長い期間混乱します。在韓米軍は在日本米軍の強化となる。
    そこまでは見込んでないにしても、今回の解散総選挙は、少なくとも米国の軍事行動を見据えた北朝鮮および半島に関する「日本の国難に対する姿勢」が大義だと思います。安倍首相はそこまでは言及しなかっただけ。またもし半島国が核保有を継続するなら、日本の核化も米英仏は認めるでしょう。

  5. 宇宙戦士バルディオス より:

     ロシアは、基本的に「自分から攻めていくと、非常に弱い国」です。
     昔から、ロシアは攻められると強いが、最初から攻めて行くと、普通は負けました。それも、ケチョンケチョンに。ナポレオン戦争に、日露戦争、第一次世界大戦に、ポーランド干渉戦争、冬戦争、第二次世界大戦でもモスクワ目前まで攻め込まれてやっと逆転(それでも、その後もスターリングラードまで延々と負け続けだが。)、アフガンも止めときゃいいのに、山国に機械化部隊突っ込んでボロ負け。遂にソ連が崩壊する遠因となった。
     こういうトラウマがあるから、国境の外に少しでもバリアーが欲しいという感覚があるのでしょう。
     ソ連は、基本的に弱い者いじめの戦争しかできない国だった。こんな国に敗北主義に陥って、「ソ連には軍事的にかなわないから」と、敗北主義的平和主義に陥っていた反戦平和運動家が沢山いた。多くの場合、同時に憲法9条を賛美していました。

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