【速報】従来より踏み込んだティラーソン米国務長官

やや異例ですが、本日も2本目の記事を掲載します。

2+2会合の高い成果

FTが報道すること自体、日本の存在感の上昇を意味する

本日は「速報」として、英国のメディアであるフィナンシャル・タイムス(FT)の電子版のトップに掲載された、日米2+2会合の話題を紹介します。

Tillerson says US is prepared to use force against North Korea(日本時間2017/08/18付 FTオンラインより)

※FT電子版は契約していないと閲覧できない場合があるほか、リンク先の記事は英語(しかもわざわざまどろっこしい表現を使った読みにくいイギリス語)ですので、ご注意ください。

リンク先のFTの記事を簡単に要約すると、

  • ワシントンで開催された日米両国の防衛・外交閣僚会合で、レックス・ティラーソン米国務長官は北朝鮮に対して武力を行使する用意があると明言した。
  • 米国は現在、北朝鮮の核開発やミサイル実験に対処するための国際的な合意を取り付けることに苦慮している。
  • 日米4閣僚は、北朝鮮を交渉の席に着かせるためには、北朝鮮にとって90%の貿易高を占める中国の協力が不可避だとの認識で一致した。

などと報じています。

私がこの記事に注目した理由は1つあります。それは、小野寺五典防衛相、河野太郎外相についても、記事本文で名前が明示されているからです。

今までの時代だと、日本の首相の名前が英米メディアで報じられることなど、滅多にありませんでした。しかし、安倍晋三政権が成立して以来、英米メディアでは日々、「安倍晋三」(Shinzo Abe)という名前を見かけるようになりました。そして、今回は安倍総理ではなく、その配下である閣僚級の2人が、名前とともに、発言が大々的にFTに報じられたというのが大きなポイントでしょう。

FTは「日本の国防上の役割を高め、日米協力を強化する」とする小野寺防衛相の発言を報じていますが、FTがこれを報じたということ自体、日本の存在感が、以前と比べて著しく高まっている証拠でしょう。

ティラーソン氏の発言踏み込む/武力行使の可能性高まる

昨日『【速報】緊迫する朝鮮半島情勢』では、米国、中国、韓国それぞれの立場について、ポイントとなる報道を紹介しました。

そして、昨日も引用したとおり、米国の立場を説明したWSJの記事 “We’re Holding Pyongyang to Account“の中で、ティラーソン国務長官、マティス国防長官は連名で、北朝鮮に次のように呼びかけています。

North Korea now faces a choice. Take a new path toward peace, prosperity and international acceptance, or continue further down the dead alley of belligerence, poverty and isolation. The U.S. will aspire and work for the former, and will remain vigilant against the latter.(朝鮮は今、岐路に立っている。それは、国際社会と協調して平和と繁栄に向けた道を歩み始めるか、それとも今の敵対的な路線を継続し、貧困と孤立の果ての死を選ぶか、だ。わが国は貴国が前者の道を進むことを望み、その実現を目指しているが、貴国が後者の道を取る可能性についても警戒し続けている。)

この発言を思い出しつつ、先ほどのFT記事を読んでみると、ティラーソン氏の「米国は北朝鮮に対し、武力行使の準備ができている(Washington is prepared to use force against North Korea)」とする発言は、WSJの寄稿に沿ったものであるとともに、さらに踏み込んだものでもあります。おそらく、日本の2閣僚が訪米し、マティス長官、小野寺大臣、河野大臣の3名に「背中を押される」形で、従来よりも姿勢を強化したものであるとの見方もできるでしょう。

いずれにせよ、北朝鮮情勢については改めて目が離せなくなりました。

予告:改めて「韓国の6つの将来」を議論します

こうした中、私には当ウェブサイトで議論しようと思っていた複数のテーマがあったのですが、朝鮮半島情勢の緊迫を受けて、改めて私の守備範囲である「朝鮮半島処分」について議論してみたいと思います。ただし、この問題は「常に動いているテーマ」でもあるため、正確に捉えるのがなかなか難しいという事情もあります。そこで、改めて私の持論に基づいて、近日中に「韓国の6つの将来」を議論したいと思います。どうかお楽しみに!

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. ムルムル より:

    短命政権連発してた時代と違い長期政権のありがたみがよく分かりますのう

    さて今夜もここが更新するまで寝られないんだぜ( ^∀^)
    更新されるまで起きてる奴は私だけじゃないと思いたい……

  2. めがねのおやじ より:

    いつもありがとうございます。
    韓国の文が米北対立について「中立」と言った。信じられない言葉です。これは実質、足引っ張ると同じ、敵性国家である。米国日本とは与しない。北鮮側であり、同じくどちらが先制攻撃するかで、条件付で「中立」と言った中国との同盟入り。本当に中国人朝鮮人は信用出来ないですね。これを韓国国民はどう思ってるか聞きたいところですが、案外、同民族と宗主国なので安堵、諦め、安定の気持ちかもしれません。
    米国はギリギリまで中国と交渉し、中国が北に石油等止めて、金書記に体制の保証を付ければ、在韓米軍撤収のカードを出すでしょう。とすると半島は一応、2か国並立でシナの属国。シナにとっては面倒臭い厄災2か国ですが、紅旗飜る領土増えてOKかも。でもゆくゆくは半島は1国に統一。
    日本は日本海が現実的なシーレーンで、海軍力、制空権の空軍力増強が急務です。

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