北朝鮮問題を巡り、日本にできること

北朝鮮情勢が再び緊迫化してきました。本日は、いくつかの記事・書籍を基に、北朝鮮情勢について議論しておきましょう。

着々と戦争準備を進める米国

日本経済新聞社・鈴置編集委員の最新記事

朝鮮半島問題の専門家として、人々から圧倒的な支持を集めている論客といえば、なんといっても、日本経済新聞社の鈴置高史編集委員でしょう。その鈴置委員が日経ビジネスオンライン(NBO)に連載されている『早読み深読み朝鮮半島』の最新記事が昨日、掲載されました。

中国にも凄んで見せたトランプ(2017年8月9日付 日経ビジネスオンラインより)

(※なお、この「続編」の記事は、本日、公表されるそうです。それが今から楽しみでなりません。)

このシリーズは、秘密情報等を一切使わずに、客観的に確認できる情報(報道や高官発言等)だけをもとに、鈴置編集委員が議論を組み立てているものです。余談ですが、ここまで一貫して、鋭く当を得た記事を書くことができる鈴置委員は、本当の意味でのプロフェッショナルのジャーナリストなのだと思います。

記事の内容については、私が敢えて要約することはしません。是非、リンク先の記事を直接、お読みください。なお、記事を読む際に日経への読者登録が必要になりますが(※今のところは無料)、この『早読み深読み朝鮮半島』に加え、ジャーナリストの福島香織さんの『チャイナ・ゴシップス』シリーズ、最近だと松浦晋也氏の秀作『介護生活敗戦記』シリーズ(2017年8月8日付記事にて完結)については、わざわざ読者登録をしてでも読む価値があります。私は日経の回し者ではありませんが、是非、日経オンラインへの読者登録をお願いします。

北朝鮮情勢がどれだけ緊迫しているのか

いずれにせよ、鈴置編集委員の見解をそのまま繰り返すだけだと、私の文章には付加価値は生まれません。そこで、本日は北朝鮮情勢について、私なりの「味付け」をしてみたいと思います。

北朝鮮情勢がどの程度、緊迫しているかを判断するためには、米軍の動きを見るのが手っ取り早いです。というのも、米国は着々と、戦争の準備を進めているからです(図表)。

図表 不気味な米国の動き
項目措置の内容備考
米国市民の北朝鮮渡航禁止9月1日以降、米国市民の北朝鮮への渡航を原則禁止とする措置を、8月2日付で米国務省が公表人道支援、赤十字活動などの目的があり、特別の許可を受けた場合には、北朝鮮への入国は引き続き可能
米軍基地の移転在韓米軍が7月11日時点で龍山(りゅうざん)から平沢(へいたく)に移転した平沢はそれまでの龍山と比べ、軍事境界線からさらに南に離れることになる
セカンダリー・サンクション6月末に、米国の金融当局は中国の但東銀行に対し、北朝鮮の兵器開発プログラムの資金提供に関与したとして、同行に対し、米国の金融システムから締め出すとの制裁を発動した北朝鮮と取引を行った当事者に対する「間接的な制裁」という意味で、セカンダリー・サンクションと呼ばれる手法

かりに米国が北朝鮮攻撃に踏み切るとした場合、おそらく、米国は電撃的に北朝鮮を攻撃することになるはずです。電力不足の北朝鮮のことですから、月明かりがなければ、夜間は真っ暗になってしまいます。したがって、新月の夜に攻撃が加えられる可能性もあります。ちなみに、2017年8月以降の新月は、次のとおりです。

  • 2017年8月22日(火)
  • 2017年9月20日(水)
  • 2017年10月20日(金)
  • 2017年11月18日(土)
  • 2017年12月18日(月)

米軍や米国人に犠牲が出ても攻撃をするのか?

もちろん、現段階で米国政府が米国市民に対し、渡航禁止措置を打ち出した対象国は、前出のワシントンポストによれば、北朝鮮だけです。「南朝鮮」(South Korea、つまり韓国のこと)への渡航については、特段の制限は加えられていません(ちなみにわが国でも、現時点では『外務省海外安全情報』のページ上、韓国には何ら注意勧告は出されていません)。

そして、仮に米国と北朝鮮との間でドンパチが始まった場合、韓国在留米国人に犠牲が出る可能性も高く、さらに、同盟国である日本に対しても、難民が押し寄せることは間違いありません。

こうした中、米国のリンゼイ・グラハム上院議員が、ドナルド・トランプ大統領の非常に気になる発言を紹介しています。

Sen. Lindsey Graham: Trump Says War With North Korea an Option(米国時間2017/08/02 5:54付 NBCニュースより)

(このリンクは鈴置編集委員の記事にも示されていたものです。)

グラハム議員はNBCのインタビューに対し、こう答えています。

If there’s going to be a war to stop [Kim Jong Un], it will be over there. If thousands die, they’re going to die over there. They’re not going to die here. And He has told me that to my face.“(仮訳)「トランプ氏は私に向かって、こう言った。『【金正恩(きん・しょうおん)を】止めるための戦争が発生したとしても、それはあちらで行われる。数千人の犠牲が出るにしても、それはあちらでの話だ。こちらで犠牲者が出るわけではない』、と。

このトランプ氏の発言が真実かどうかはわかりません。また、真実だったとしても、トランプ氏の見解が正しいとは限りません。しかし、少なくともトランプ氏自身は、犠牲者が出たとしても、北朝鮮攻撃をためらわない、という意思を明確に示している、と見るべきでしょう。

中国は愚かな国だ

中国がなぜ、北朝鮮を放置しているのか?

一方、鈴置編集委員の記事の中には、私たち日本人が不思議に感じている、「なぜ中国は北朝鮮の核開発を止めようとしないのか」という点についても解説しています。

鈴置編集委員の解説(8月9日付記事の4ページ目以降)を、私自身の言葉で置き換えると、だいたい次のような趣旨です。

  1. 北朝鮮制裁により北朝鮮経済が混乱すれば、難民が中国になだれ込むのは確実であり、中国の国益を損なうことになる
  2. 中国が本気で北朝鮮を制裁した結果、北朝鮮が核開発等を放棄すれば、むしろ米国が北朝鮮に救いの手を差し伸べ、北朝鮮が「米国側の国」になってしまうかもしれない
  3. 北朝鮮が米国にまで届くICBMを配置すれば、米国の「核の傘」の威力が衰え、韓国が動揺し、中国となるかもしれない

私も、この3つの理由に、だいたい賛成します。中国としては、北朝鮮の体制を崩壊させず、生かさず殺さずの状態で、米国をミサイルで脅すくらいがちょうど心地良いのです。

さらに、この3番目の理由については、似たようなことを指摘している識者がいます。米国のシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザーを務めるエドワード・ルトワック氏が、『自滅する中国』の中で、中国が北朝鮮に資金的援助を加えている目的を、次のように述べているのです。

中国は金の使い方をよく心得ているように見える。なぜならこうすることで、北朝鮮を確実に鎖につないでおけるからだ。もちろんこの「鎖」というのは、北朝鮮がこれまで通り、時々攻撃的になってくれれば有効になるものだ。人を咬まない犬に鎖をつけても意味がないからだ。(同P229)」

ここでいう「犬」とは北朝鮮であり、「鎖」とは石油や外貨収入などの経済的利益、「人」とは韓国(や日本、米国など)のことです。

策士、策に溺れるとはこのことだ

こうした見解は、ある意味で正しいとみてよいでしょう。しかし同時に私は、中国がいくら北朝鮮を「緩衝地帯」として置いておこうと考えているにしても、さすがに核・大量破壊壁開発を放置するのは、やり過ぎだと考えています。というよりも、むしろ中国のためになりません。

先日、『日本人が賢くなることが全ての解決策』の中の『中国、ロシアは何をしている!?』という節でも主張しましたが、中国当局が北朝鮮の核兵器開発を放置していることは、やがては中国自身に跳ね返っていくことになるからです。

北朝鮮がICBMを開発していることは事実ですが、何も本気で米国を攻撃するつもりはないと見て良いでしょう。私の見立てですが、北朝鮮には目的が2つあります。1つは米国と対等に交渉するためであり、もう1つは、開発した兵器を外国に売却するためです。

このうち1つ目については、とくに北朝鮮にとっては、イラクの指導者・サダム・フセインが米国に排除されたことが「悪夢」として刷り込まれていても不思議ではありません。しかし、核・ミサイル・大量破壊兵器を「切り札」として持っておけば、米国と対等に交渉ができる、と北朝鮮が思っていることは、ほぼ間違いないとみてよいでしょう。

ただ、意外と知られていないのが2つ目の目的です。北朝鮮産の武器を欲しがる国は、世界にたくさんあります。あるいは、「国」ではなく、ISILのようなテロ組織であっても、これらの武器を有効活用しようと思うでしょう。

私は北朝鮮が開発に成功した「水爆」と称するものは、現実には水爆ではなく、原始的なプルトニウム型原爆ではないかと見ています。しかし、別に北朝鮮にとっては、破壊力の高い水爆を開発する必要などありません。逆に、核爆弾の小型化に成功すれば、その小型核爆弾をテロリストに売却することで、北朝鮮はお金を設けることができるからです。

北京で小型核兵器が炸裂する?

たとえば、イラク、シリア、トルコにまたがって暮らすクルド人にとっては、独立国家を作ることは民族としての悲願です。あるいは、ISILにとっては、イスラム革命を名目に、米国や西欧に対する自爆攻撃を仕掛けるかもしれません。つまり、北朝鮮のような無法国家が小型核弾頭の開発に成功し、その小型核弾頭がテロリストらの手に渡れば、まさに、全世界にとってはテロの悪夢が現実のものとなるのです。

こうしたテロの標的となるのは、なにも米国、欧州諸国だけではありません。地域経済大国(たとえばサウジアラビア)、国内に独立派を抱える国(たとえばインドネシア、ロシア、インド)などにとっては、こうしたテロの脅威にさらされています。

そして、アジアで最もテロリストのターゲットとなる国といえば、実は、中国なのです。

ウイグルとチベットでの非人道的な独立運動の弾圧は、もはや有名ですが、中国国内には他にも、香港やマカオなどの先進的な経済地域で、少なくない住民が独立を望んでいますし、内モンゴルや朝鮮族居住区域などでは独立運動が顕在化していないものの、潜在的には分離独立の危険性をはらんでいます。

イスラム系のテロリストを甘く見るべきではありません。彼らは武器さえ手に入れば、北京で小型核兵器を炸裂させる程度の自爆テロをためらいません。そうなれば、2001年9月11日に米国を襲った「同時多発テロ」を遥かに上回る惨事が発生しかねません。

その意味で、中国が北朝鮮の大量破壊兵器開発を放置していることは、愚かだと言わざるを得ないのです。

日本にある「意外な武器」

非武装中立という幻想

さて、翻って日本はこの危機にどう対処すべきなのでしょうか?

まず、日本列島が地理的に朝鮮半島と非常に近い距離にあるという関係は重要です。朝鮮半島有事が発生した際には、北からも南からも、大量の難民が日本に流れ込んでくるでしょう。

次に、日本国内には北朝鮮の工作員が潜伏していると見て間違いありません。金正恩の指示により、これらの工作員が東京で化学兵器を使用すれば、日本も大混乱に陥ります。

さらに、朝鮮半島が混乱した場合に、北朝鮮に拉致されたままの日本人をどうやって救出・保護するのか、あるいは南朝鮮に居住する数万人の邦人の安全をどうやって確保するのか、という問題が残っています。

そして、北朝鮮が仮に崩壊した場合であっても、その「戦後処理」として、日本がどう関わるのか、という点についても無視できない論点です。

昔、日本の左翼界隈の知識人らが、「日本は専守防衛の名のもとに、最低限の武装に留めるべきだ」、あるいは酷い場合には、「日本は非武装中立を志すべきだ」、といった迷言を吐いていました。しかし、こうした構想は、迷言どころか幻想であり、日本の安全保障を論じるうえで、迷惑ですらあります。

現実に即した議論が必要であるのに、それらの議論が全く進まない大きな理由は、マス・メディア(とくにテレビ局)による「もり・かけ疑惑」のでっち上げなどにあります。本当に日本のワイドショーや多くのコメンテーターは、日本の将来を議論するうえで、迷惑な存在でしかありません。

戦争できない日本の2つの武器

しかも、現在の日本は、憲法第9条第2項の制約のもとで、「国権の発動たる戦争」を行うことができません。日本政府の公式見解とは、「専守防衛の考え方を取るならば、その実力組織としての自衛隊は合憲だ」、とするものですが、こうした考え方にも無理があることは間違いありません。

ただ、その一方で、日本には超強力な武器が2つあります。

そのうちの1つは、金融です。

日本のお金「日本円」は、世界中で自由に取引できる、いわゆる「ハード・カレンシー」であり、世界の中でも最も強い部類に入ります。そして、日本の通貨・証券決済システムは、世界の中でも最も安定しており、アジアにおける利便性も非常に高いのです。

そして、もう1つの武器とは、言論です。

日本は言論が自由な国であり、最近では、偏向報道ばかり繰り返すマス・メディアに代わって、インターネット上のメディアが、それこそ雨後の竹の子のごとく、出現し始めています。かくいう私自身も、いくつかのウェブ・チャンネルの熱心な視聴者であるとと同時に、この「独立系ビジネス評論サイト」を主宰しており、ささやかながら、自らも情報発信をする立場となりました。

そして、この「地球上最強の金融システム」と、「世界で最も洗練されたインターネット言論空間」は、日本が抱える2つの武器なのです。

金融は、北朝鮮を金銭面から締め上げるツールとして機能します。以前も『地球最強の通貨・円と北朝鮮</id=”su-post-3288″>』や『「金融を使った北朝鮮制裁」論の補足</id=”su-post-3293″>』の中で提案しましたが、北朝鮮と少しでも取引したことのある企業や個人を「反社会的勢力」として認定させるシステムを作れば、少なくとも日本国内の金融システムを使って北朝鮮を支援することはできなくなります。

そして、世界で最も洗練されたインターネット空間における、自由闊達な議論を通じて、日本人は「何が日本にとって最善の選択肢なのか」を、国民レベルで共有していくべきなのです。

したがって、私は現在の北朝鮮情勢については、決して楽観できないと考えている一方で、悲観もしていないのです。私は私自身にできることを、一生懸命にこなすのみだと考えています。そして、当ウェブサイトというプラットフォームも、こうした自由闊達な議論の場の1つとして、社会の役に立てれば嬉しいと思っているのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 非国民 より:

    世界ウイグル会議に100億円ほど秘密資金を提供すれば、彼らは勝手に北朝鮮に行き、勝手にミサイルを北京に撃ち込むかもしれない。通常弾頭で十分だと思う。中国は一人っ子政策で跡継ぎが一人しかいない。子供が死ねば老後は悲惨だ。習金平が軍を鼓舞するのも軍が戦闘員として機能していないからね。実際、殺し合いになれば人民解放軍は戦闘意思がなくなるだろう。腐敗しきった国に忠誠を誓うのはわずかだと思う。日清戦争において日本の軍事力ははるかに脆弱だったが、勝ってしまった。当時の清国は女真族政権でいわゆる外国政権。忠誠を誓う兵隊はほとんどいない。今は一人っ子政策で人間の価値が高まったうえに、軍隊が利権の巣窟でしかも政府はワイロ漬け。まともに戦える組織ではなくなった。ちょうどイスラム国もシリアを追われどこかに行かざるを得ない。その点、中国の新疆ウイグル自治区はいいんじゃないかな。さすがに北京にミサイルが撃ち込まれたら中国は北朝鮮を始末しないわけにはいかないだろう。

    1. 非国民 より:

      非国民は戦争になれば、とてつもなく危ない任務をしたいのだが、年齢の関係でたぶんだめ。友達も多くがあの世なのでこの世に未練なし。自爆テロもOKよ。爆弾で体がバラバラなら葬式も不要だしね。北朝鮮と戦争になったら志願兵で行きたいけど、定年間近の人間に兵隊の口はたぶんないわな。最近は職場でも年寄扱いされてへこむ毎日。

      1. 夕刻の寿司 より:

        「自分が何を憎み、何を愛するかも実感できず、それぞれの嗜好に耽溺していた自閉症三人組にも、あるとき殺意が芽ばえた。殺人こそは他者との対話の究極の形と信ずる〈心優しきテロリスト〉に変貌した彼らの、八方破れの心情と行動」

        これが出版社のキャッチですが、未読なら是非、再読だとしても今でしょ
        野坂昭如の『てろてろ』です

  2. spaceman より:

    先日あるネットメディアで、夏野剛という人が加計報道のフェイク性を指摘しつつ、「新聞を情報源にしている60代以上は負組だ」というようなことを言っていました。この夏野という人がどういう立場の人かは存じませんが、この話を聞いてちょっと思うところがありました。

    新聞だけを情報源にしていたって、朝日だけを情報源にしていたって、報道のおかしさには気づきます。若い人ならともかくとして、60代以上で新聞を読む人は、すでに数十年も新聞を読んできたはずです。そこに書かれてきた記事を時系列で思い起こすことができるはずです。

    例えば慰安婦問題。
    強制連行の記事が出たのが1982年、同じ年に宮沢官房長官が謝罪。河野談話が1993年。村山談話が1995年。そのあとも歴代首相たちは、何らかの形で謝罪やそれに近い言葉を述べてきました。安倍首相でさえ第一次内閣のときには談話で慰安婦に言及しています。謝罪を続けて、こんなにも長い時間を経て、それでもなお一向に解決しない。「これは何かおかしいぞ」と思わなければ変です。しかも、朝日は吉田証言に関する謝罪騒動もありましたしね。

    北朝鮮にしても、中国にしても、長らく新聞に接してきた人なら、2000年以降だけでも状況が大きく変化していること、それが「日本の責任ではない」ことはわかるはずです。中国のGDPとともに軍事力が急拡大し、江沢民あたりから明らかに日本に接する態度、世界に接する態度が変化してきていることに気づかなければ逆に頭がおかしいというべきでしょう。

    そして、この「変化」が今後も続いていくことは容易に想像できるはずですから、日本も今のままでいるわけにはいかない、──いや、そこまはいかなくても、このままでいいんだろうかという疑問ぐらいには逢着するはずなのです。

    ちなみに、私の家はずっと朝日新聞でした。私自身すでに数十年朝日に接しています(最近はほとんど読まなくなりましたが)。仕事上日経新聞も読んでいます。毎日や産経などに接するのはネットを通じてのみです。

    最近はネットから情報を得ることが多くなってきましたが、私自身が朝日新聞や日経新聞だけでは「何か肝心なことがわからない気がするな」と感じて、本格的に政治経済や国際関係の書物を当たり始めたのは15年ほど前のことです。読書好きではありましたが、それまでそっち方面には興味がなかったのです。

    それで自分が賢くなったのかどうかは未だにわかりませんが、一つの媒体の情報だけではけっして真実にたどり着けないことは、いやというほどよくわかりました。これは大昔大学で研究していたときと同じです。情報に渇えるというか──情報というものは、紙媒体にせよネットに行動するにせよ、自分で掘って掘って掘って真実を探すしかないのです。

    よく言われているように、朝日新聞が「反日」なのかどうかは、正直なところ私にはわかりません。けれども、彼らが「良識主義的偽善者」であることは間違いないと思います。この「良識的偽善」の押し付けが、逆に日本を「右傾化」させているのです。カギカッコ付きで書きましたが、実際にはこれは右傾でもなんでもありません。あくまでも実利主義というか現実主義が顕現したに過ぎないのだと思っています。

    前にも書いたかもしれませんが、私自身はネットによる多様な情報が一般大衆に深く浸透しているということには懐疑的です。スマホだけでは十分なネット情報は得られませんし、パソコンの保有率は日本では低下してきています。しかし一方で、大衆というのは、マスコミが考えているほど「バカ」ではないのだということも信じています。ある情報を持った人は口コミでも広めることが出来ますから、ネットに「諦めずに情報を公開していく」こと──これが大切なのだと思います。

  3. めがねのおやじ より:

    いつも更新ありがとうございます。
    米国首脳の発言、「例え北朝鮮を狙うとしても、向こうの事。犠牲者が出ても北朝鮮の話」という言い方は、気になりますね。核施設、発射ミサイル基地、管制基地、空海軍基地は全て把握してるので、何百発、何千発のミサイルで破壊する。移動式ミサイルは空母搭載警戒機、攻撃機で事足りる。平壌の金正恩と家族、高官の居住区、労働党本部を急襲して手向かう者は、除去する。これは空からの海兵隊援護と、特殊部隊数百名でイケるか。多すぎても邪魔。これだけの事を出来るのは米軍だけだ。精度はともかく、アラスカ、グアム、ロサンゼルス、ワシントンにICBMが届くというなら、米国はほっておけない。BC兵器なら更に恐ろしい。中国は言うこと聞く暴れ者の小国、と思っていたが、甘やかし過ぎた。もうどちらの陣営も要らない。カネの無い北には石炭、鉄鉱石等輸出禁止は痛すぎるね。
    米国の通告はまず念入りに日本、直前に中国でしょう、
    戦後処理は米国、日本と中国との会談、南鮮は外しだ(笑)。難民は半島内に閉じ込めだろう。また最貧民国に戻る。なお、日本の活動は後方支援と補給、日本・米国民間人保護ですね。あと、撃ち漏らした北ミサイルの迎撃も重要だ。朝鮮内で多少動乱に巻き込まれるかもしれない。第1種軍装でお願いします。Dデイは9月か10月か。私はこの想定を期待しているのではない。でも、収まるところは、このあたりが有力ですね。頑張れ、日本!

  4. mko より:

    すでに、金 正恩氏は「影武者」で、本物はスイスへ移住していると、来店したお客様が申しておりました。

    就任直後と今では、耳の形が違うとか・・・
    眉唾であるとは思いますが、違うとも言い切れません。

    なので、北朝鮮がアメリカの爆撃を受けても、本人は痛くも痒くもない・・・との事

    さて、グアムへ向けてのミサイル発射はあるのか!!

    そういえは、民進党の玉木さん(香川2区)が、四国・中国にはPCA3の空白地帯なので、早急な対応を求めたそうですが、小野寺防衛相に「数に限りがある」と、一蹴されたようですが・・・

    もし、北朝鮮がグアムへ発射した場合、四国の上空と通るといったとたんこれじゃなねぇ~

    もちろん戦争は反対だけど、国防強化は賛成と言わざるおえないのが、今の世界情勢。
    それを綺麗ごとだけをならべて防げるものなら、とっくに防げてますよね。

  5. むるむる より:

    北朝鮮からの核攻撃の危機が起きているのにメディアや野党が防衛庁批判や憲法9条改憲反対に終始して大幅な軍備増強も出来ない時点でお察し。
    ここまで来ても危機意識のレベルを国民全体で共有できないなら正直日本が核攻撃されても自業自得だなと思う。個人的には今すぐにでも憲法改正して軍隊創設・交戦権も可能にして日米安保を強化しつつ米国追従は終わらせ可能なら日本も核武装すべきでしょう。
    あーほんと今の状況にヤキモキする、念の為塩と砂糖、電池辺りでも買いだめしますか。

  6. 左翼 より:

    少し前に気付いたのですが、ここのブログ主、やたら現実的ですよね。ネトウヨさんってできもしないことを遠くから吠えてる感じなのが多いですが、ここのブログは(〜のためにできること)とか(もどかしいけど〜が必要)とか、とにかく本質を突いていると思います。

    私はここのブログ主と違う主張を持ってますけど、ここのブログ主の主張の首尾の一貫性は凄いと思います。

  7. unagimo3 より:

    これだけ北の情況が緊迫しているにも拘わらず、今日も国会では下らない神学論争をやっている国です。
    残念ながらミサイルが落ちなければこの国の人たちは目が醒めないと思います。 唯一の救いは安倍さんが
    首相でいることです。日本は法治国家ですので貴方も憲法の制約があるために戦争が出来ないと仰って
    いますが、憲法を守って国が滅んでよいはずがありません。仮令憲法違反であろうが、事後承諾であろうが
    国と国民を守るために自衛隊の発動をすると思います。無論自衛隊だけでなく一般人にも死者も
    出るでしょう。その後解散と憲法の改正の国民投票ということになると思います。 荒唐無稽の論だと
    思われるかもしれませんが、もう自体はそこまで進んでいるのではないかと危惧します。
    もし北がミサイルを日本に撃った場合、日本が憲法で制約されているから動けないなどと
    いう事態になると思いますか ? 1970年代に三矢研究と言うのが問題になりましたが、同様な
    作業は研究は進んでいると考えるのが常識です。

    今までは、北はあくまでも米国に自国の体制維持を保証してもらいたいのであるから米国に攻撃をかける
    ことは絶対しないと思っていたのですが、今の情況は北は完全に箍が外れています。
    考えるのもおぞましい結論ですが、、

    こんな悲観論を書いておきながら、悪あがきのようですが、今日本がシナを通じて本気で北を
    締め上げる方法は、日本が米国から核を借用することを国会で議論を始めることです。無論米国が
    簡単に認めないでしょうが、日本が核武装の議論を始めればシナは相当本気に北を締め上げると
    思います。たぶんこの動きはシナにとっては、サードの脅威どころではないと思います。

    今日も寝苦しい夜が続きそうです。

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