【速報】「国民大多数が受け入れず」―韓国外交当局

本日2本目の配信です。今回の「速報」は、「韓国終了のお知らせ」なのでしょうか?

予想通り慰安婦合意の蒸し返し

韓国新政権、日本に新たな謝罪と賠償を求める!

全く予想通りですが、韓国側が2015年12月28日の「日韓慰安婦合意」を守らない前提で、こんな「公式見解」を出してきました。

慰安婦合意で韓国新政権が初の公式見解 「現実認め賢く克服を」(2017/05/29 15:46付 聯合ニュース日本語版より)

韓国メディア『聯合ニュース』の日本語版が本日夕方に配信した記事によれば、「韓国の外交当局者」が本日記者団に対し、日韓慰安婦合意については「韓国国民の大多数が受け入れられない」と述べたのだそうです。

この「外交当局者」が具体的に誰なのかについては、記事からは明らかではありません。ただ、聯合ニュースの記事タイトルは「韓国新政権が初の公式見解」と報じているため、報道が正しいならば、これを述べたのは少なくとも韓国政府の高官級以上であろうと考えられます。

記事によれば、この外交当局者はシチリアのG7サミットで安倍晋三総理大臣が国連のグテレス事務総長と会談したこと(※)に関連し、

国民の大多数が情緒的に受け入れられていない現実を認め、両国が共同で努力し、問題を賢く克服していくことを望む

と述べたとのことです。

(※なお、このあと深夜に更新する記事では、このグテレス氏と安倍総理の会談内容をベースに、安倍総理が国連に対して「かなりの注文」を付けたのではないかとの考察を提示する予定です。)

それは韓国の内政問題です

『聯合ニュース』日本語版によると、この「国民の大多数が情緒的に受け入れられていない現実」という発言は、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が11日の安倍総理との電話会談で述べた表現を「公式化したもの」(?)だとしています。

このあたりの表現については意味がよくわかりませんが、ここで重要なポイントは、日韓慰安婦を「韓国側から」再交渉、あるいは破棄するという動きが本格化することになりそうです。

理屈の上では、慰安婦合意も「政府と政府の間の国際的な約束事」です。そして、「慰安婦合意について韓国国民が情緒的に受け入れられない」のであれば、それは韓国の内政問題であって、日本の外交問題ではありません。なぜなら、いったん両国政府が合意して、しかも日本側はその合意に基づき10億円のお金を支払ったのですから、日本としてはこれ以上、何もできることがないのです。

したがって、韓国国民がそれに納得できないということであれば、「問題を賢く克服していく」努力は「両国が共同で行う」のではなく、「韓国が」行うべきです。

日本が韓国に謝らなければならないこと

ただ、私は「日本はこの問題に関し、完全に責任がない」とは思いません。なぜなら、韓国国民を納得させる責任は、本来であれば韓国政府側にあるはずですが、歴代の日本政府(とくに外務省)が、直接、韓国国民を納得させようと努力して来たからです。

日本政府としては「良かれ」と思ってやっているのかもしれませんが、これは二重の意味で大きな間違いです。

ひとつは、日本国政府は日本国民のためにあり、日本の国家公務員は日本国民に対してのみ奉仕すべきであって、日本国民ではない人たち(つまり韓国国民)のために奉仕してはなりません。私たち日本国民は国家公務員を血税により食わせてやっているのですから、歴代日本政府・外務省が行って来た、「韓国国民を納得させるための仕事」とは、日本国民に対する背任にほかなりません。

そして、もうひとつ、忘れてはならない点があります。日本政府が「韓国国民を納得させようと努力すること」は、実は、韓国に対する内政干渉、あるいは主権侵害になるのです。韓国国民は慰安婦合意に反発するのであれば、日本政府に対してではなく韓国政府に対して文句を言うべきであり、逆に、自国民の不満を解消する責任は日本政府ではなく韓国政府にあります。

日本政府は韓国国民・韓国政府の意向を「忖度」し、韓国のために「良かれ」と思ってやっているのかもしれませんが、そうすることで結果的に韓国政府を甘やかせ、韓国政府にとっては「何か問題があれば日本と共同で対処すればよい」という態度に繋がっているのでしょう。

日本政府は韓国政府を「突き放す」ことができるか?

実は、2015年12月の「日韓慰安婦合意」自体も、韓国が主張する「慰安婦強制連行」というウソを、あたかも事実であるかのように認め、それに対して10億円を支払ってやるという解決をしたことも、こうした「忖度」の一種とみるべきでしょう。その意味で、私は日本の外務省を中心に、「もう一回だけ、韓国に譲歩すれば良い」と考える人種が存在するのではないかと懸念しているのです。

また、日本ではマス・メディアが「韓国に対し、謝るべきところは謝るべきだ」などと主張してきたという事情もあります。こうした主張は、従軍慰安婦問題を「捏造」した朝日新聞だけでなく、一見すると中道、あるいは右派に属する(と見られている)日本経済新聞や読売新聞などでも、ときたま目にします。

さらに、新聞やテレビでよく目にする自称知識人・自称有識者らや、与党・自民党に所属する議員にも、韓国に対して宥和的な意見を持つ人物は存在しています。

幸いながら、インターネット論壇を見る限りでは、「日本が韓国に配慮して、日韓慰安婦合意の再交渉に応じるべきだ」とする見解は少数意見です。その意味で、日本政府の官僚・政治家・メディア・自称有識者と比べて、日本の一般国民の感覚は、遥かに健全です。

慰安婦に関する日韓合意の再交渉「反対」81.9% 文在寅大統領誕生で「合意守られるか懸念」76.4%(2017.5.15 22:20付 産経ニュースより)

その意味で、現在の日本政府にとって必要なことは、少なくとも慰安婦問題を巡っては韓国政府を「突き放す」ことであり、私たち日本国民も、「国民の声」として、日本政府に対して慰安婦合意の再交渉に「NO」を突きつけねばならないのです。

韓国側からの合意破棄はOK

ただし、私は本気で、心の底から2015年12月の「日韓慰安婦合意」が素晴らしいものだったとは、まったく考えていません。むしろ逆に、日韓慰安婦合意は日本人の祖先にありもしない罪をなすりつけたものであると考えており、その意味で、岸田文雄外相は万死に値します。

ただ、あくまでも結果論ですが、慰安婦合意が韓国側の都合で破棄されるなら、それはそれで良いことです。なぜなら、再び日本が「慰安婦問題は朝日新聞の捏造であり、韓国国民の日本人に対するヘイト犯罪だ」と主張するチャンスが到来するからです。

その意味で、この問題については引続き、私としても興味深く見守り続けたいと思います。

予告:明日は安倍総理のサミットについて

さて、先週末の安倍総理のG7サミット出席について、既存メディアはそれほど大きく取り上げていませんが、実は非常に大きな成果がいくつもありました。そこで明日の記事では、おもに「外交面」から、この非常に有意義なサミットについて、その概要と「有意義な理由」について、取りまとめておきたいと思います。

どうかお楽しみに!

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 愛国保守 より:

    うん。慰安婦問題はかんkっこくの国内の内政問題だと思います。というかどうして日本政府と共同で責任を負う必要があるのか、その発想に至るのがわからない。ちなみに私は岸田の慰安婦合意は「まじふざけんな!」と思いましたし今でも思っていますし、10億円を払った時も怒りましたが、今日の会計士さんの意見を見て少し意見を変えます。なるほど、10億円を払ったことは韓国が日本に逆らえなくなる効果があったのですね。こないだ他のコメント主さんがブログ主さんが過去におっしゃった「払っといて正解だった」というブログ記事を紹介してましたが(ttp://shinjukuacc.com/20160728-01/)、まったく同感です。

  2. 右派 より:

    更新お疲れ様です。

    韓国は欲をかきすぎました。本来なら日韓合意は韓国の勝利の筈だったにも関わらず、駄々をこね、さらに多くを求め、覆すのが難しいと知るや、負けた負けたと騒いで、勝利を敗北に変えてしまいました。敗北を勝利と喧伝する例は歴史上数あれど、その逆は寡聞にして存じません。本当にあの国は勝負事に弱いのだなと思います。

    合意破棄まで秒読みといった昨今ですが、恐らく韓国からそれを言い出す事はないでしょう。それをやれば日韓関係は完全断絶し、米韓関係にも消えない傷が残ります。こうもり外交に依然として未練を残す彼の国は、米中露日の間を泳いで器用に利益だけ掠めとるのを諦めていないと思われます。

    ただ、あの国の国民は学んでしまいました。気にくわない政権はろうそくデモで引き摺り下ろせると言う事を。そして、ムンジェインはその事をよく知っています。今は国内向けに対日強硬。国外においては曖昧にして話題を避けると言う態度を続けるでしょうが、いずれ日本相手の弱腰姿勢を糾弾する勢力が出てくる。

    その時、どうなるか本当に見ものです。

    1. 愛国保守 より:

      右派さんの意見に全く賛成。勧告は欲を出し過ぎたのでしょう、やって良いこととそれ以外の違いが付いていないと思います。ただ、右派さんの言う通り、韓国側から合意破棄するのはないと思います。韓国にその勇気はないでしょうしね。ただ、国民の反発が強くなり過ぎたときにムンジェインがどうするか。国民の支持の方が大事だど感じるポピュリストだから破綻に向けてまっしぐらなのかな?と思います。

  3. めがねのおやじ より:

    「国民の大多数が情緒的に受け入れられないのて、両国賢く議論を尽くすべきだ」との韓国政府の発表がありました。今まで過去30年以上この売春婦問題で、日本は南鮮のために出来るだけの償い謝罪をしてきました。怪しい著述家のありもしない作文を、朝日新聞が鵜呑みにし記事に仕上げてキャンペーンをやった。それが南鮮の大きな対日カ
    ードなり、骨までしゃぶってきた。ところが2015年12月に日韓が合意し、10億円を日本が拠出。でも今に至るまで南
    鮮は動こうとしない。この問題、日本は失策続きでなんとか謝罪する形で、右派には総スカンを喰らって結んだわけです。ところが、最後の最後で南鮮が痛恨の選択ミス、愚
    民を抑えられず、合意破棄と言ってきた。9回ツーアウト満塁3点差で逆転ホームラン、さらに後続が続いて一挙10点!
    てな感じです。南鮮は、いつも最悪のタイミングで、最悪のチョイスをする(嘲笑)。国民の多くが情緒的に賛成で
    きないのはアッチの国内問題、日本はすべて履行した。大統領、政府の決定事項よりも、民意が勝るなんて、民主国家ではない。一度味をしめた愚民は、またやるだろう。
    また文降ろしのローソクデモが夏過ぎから始まるかと思う
    と、滑稽だ。さあ、今年一杯体制がもつかな?必見だー!

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