韓国を待つ未来は「中華属国化」か「赤化統一」しかない―。これが私の以前からの持論です。ただ、ここ数日、米軍による北朝鮮攻撃のリスクが急激に意識され始めています。そこで、本日はこの議論についてのアップデートを行い、あわせて「日本にとって北朝鮮危機とは、国防面で自立するまたとないチャンスだ」と申し上げたいと思います。

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    改めて振り返る、私人が情報発信をする意味

    私がこのウェブサイトを開設した理由は、既存の新聞やテレビなどの「マス・メディア」の報道に、強い不満を感じていたからです。前職時代に金融危機(いわゆるリーマン・ショック)が発生し、世界的に金融規制や金融商品会計基準が大きく変動する中で、

    「不勉強な新聞記者やテレビ局員らの発信する情報に依存していては、物事を見誤る」

    との危機意識から、最低限、自分が必要な情報は自分自身により集めるようにしようと考えたのです。ただ、自分自身で情報を集め始めるようになると、今度は新聞やテレビの報道の低レベルさが気になり始めました。私にとって大きな衝撃だったのは、やはり2009年8月の衆議院議員総選挙で自民党が敗北し、明らかに主義・主張が支離滅裂な集団である民主党が圧勝したことです。

    この事件をきっかけに、私は「素人集団」が国の方向性を決めていくことの危険性を痛感しましたが、その反面、私自身は政治家でもなく、ジャーナリストでもありません。「一介の社会人である自分に何ができるのか?」などと思い悩む日々が続きました。

    しかし、冷静に考えてみると、確かに私は政治家でもなく、ジャーナリストでもありませんが、「金融規制の専門家」で、かつ、「現役のビジネスマン」です。「何か事件が起きた時に現場で取材をする」ということはできませんが、「政府・官庁などが日々発信する膨大な情報」を読み解くことは、私にとってお手の物です。なにより、規制を正確に理解し、批判するためには、法律の条文を読み込むことが求められますが、こうした技能は、「政府・官庁の発表を読み込み、整合性や矛盾の有無を探る」という作業に、そのまま応用できるのです。

    私はこうした技能を生かし、現在、「独立系ビジネスマン」という立場から、新聞・テレビには絶対に発信できない情報を配信しようと努力しています。どうか、ウェブサイトの内容につき、忌憚なきご意見をお寄せくださると幸いです。

    北朝鮮問題を「独立系評論サイト」的に読む

    唐突な大使帰任は朝鮮半島有事への備えか?

    さて、日本政府は4月3日、一時帰国措置中だった長嶺安政駐韓大使、森本康敬釜山総領事の両名を、韓国に帰任させることを決断しました。両名は昨年暮れに釜山の日本総領事館前に「慰安婦像」が設置されたことを受け、1月6日に日本政府が打ち出した「対抗措置」の一環として、1月9日に一時帰国していました。両名の韓国への帰任措置は、およそ3カ月弱ぶりのことです。

    ただ、それにしても、「このタイミングで」、大使らの帰任措置が決定されるのは、極めて不自然です。大使帰任については私自身も当ウェブサイトで、昨日までに次の3つの記事を配信しました。

    詳しい内容についてはリンク先をご確認ください。もともと大使らの一時帰国措置の契機は「慰安婦像問題」にあったはずですが、私の主張の要点は、「慰安婦像問題」が霞むほど、現在の朝鮮半島情勢が極めて緊迫している、ということです。その証拠の一つが、英フィナンシャル・タイムス(FT)紙が4月3日に報じた、ドナルド・トランプ大統領に対する独占インタビューです。トランプ氏は北朝鮮情勢に関する質問に対し、次のように答えました。

    Are you going to talk about North Korea and a way forward there?

    Yes, we will talk about North Korea. And China has great influence over North Korea. And China will either decide to help us with North Korea, or they won’t. And if they do that will be very good for China, and if they don’t it won’t be good for anyone.

    How ambitious do you want to be with China? Could we see a grand bargain that solves North Korea, takes American troops off the Korean peninsula and really changes the landscape out there?

    Well, if China is not going to solve North Korea, we will. That is all I am telling you.

    このことは、下手をすると、朝鮮半島全体が焼け野原になりかねないほどの状況だ、ということです。菅義偉(すが・よしひで)官房長官は4月3日午後の記者会見で、大使らの帰任措置の目的について、「邦人保護に万全を期す」ためなどと述べていますが、これは日本政府が

    「韓国に在住する日本人の生命と財産が脅威にさらされかねない状況にある」

    と懸念しているということの証拠ではないでしょうか?

    「大統領権限代行に会う」?

    では、昨日の便で韓国に帰任した長嶺大使は、具体的に何をするのでしょうか?

    おそらく、真っ先に行うことは、黄教安(こう・きょうあん)首相(大統領権限代行)に会い、日本政府からの何らかのメッセージを伝達することでしょう。

    実際、菅官房長官も記者会見の中で、大使が大統領権限代行と会うことためのスケジュールを調整中であると述べました。つまり、「慰安婦像に対する対抗措置」としての一時帰国を唐突に切り上げ、大統領権限代行に面会しなければならないほどの事態が発生した、ということです。このように考えると、先ほどの仮説ともあわせて、「朝鮮半島有事が間近に迫っていると日本政府が判断している」という仮説にも、俄然、説得力が増してくると思います。

    つまり、今回の帰任措置は、「日本政府が慰安婦像問題の解決をしなくても良いという意思表示」ではなく、むしろ「慰安婦像問題が霞むほどの脅威」という、差し迫った課題に対処する目的だと考えるべきなのです。ただし、黄首相が長嶺大使と面会するかどうかはわかりませんが…。

    日韓スワップの再開は「考えていない」

    そして、私が「今回の措置は韓国に対する譲歩ではない」と考える根拠が、この菅長官の記者会見の中に、もう一つあります。それは、菅官房長官が「日韓スワップ協定」の再開を否定したことです。

    日本政府が1月6日に打ち出した措置の中には、大使や総領事の一時帰国措置だけでなく、「日韓ハイレベル協議の延長」や「日韓スワップ協定の中断」なども含まれています。特に日韓スワップ協定については、深刻な外貨不足に陥っている韓国にとっては、それこそ「喉から手が出るほど」必要です。そして、仮に昨日の大使らの帰任措置が「韓国に対する譲歩」であったならば、日本側は通貨スワップ協定に関する協議についても、同様に再開を申し出ているはずです。

    しかし、菅官房長官は記者会見で、日韓スワップについて次のように断言しました。

    「現時点において少なくとも日韓スワップ取極の協議を再開する考えは持っておりません。」

    つまり、日本政府が駐韓大使らの帰任措置を決めた理由は、明らかに日本側の独自の判断によるものであり、「慰安婦像問題を棚上げしてまで韓国との関係を修復するため」ではありません。総合的に考えるならば、今回の帰任措置は「韓国における政情が著しく不安である中で米軍による北朝鮮爆撃のリスクが極めて高まっていることを受けた邦人保護の必要性」という、「日本側の個別の判断」にあると考えるのが自然な発想でしょう。

    タイトなスケジュール①THAAD配備

    ここで、事実関係を整理しておきましょう。まず、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)についで、です。

    THAADは米国が韓国に対し、繰り返し配備を要求し続けてきたのですが、韓国は中国に配慮するあまり、THAAD配備をのらりくらりと拒絶し続けてきました。しかし、2015年12月28日に日韓両国間で「慰安婦合意」が成立。「反日」を理由にTHAADを拒絶することができなくなった韓国は、2016年7月8日に、在韓米軍とともに「2017年12月までにTHAADを配備する」ことで合意したと発表しました。

    その後、米国で政権交代が発生。今年2月にマティス国防長官が韓国を訪問した際、米韓両国政府はTHAAD配備を大幅に前倒しすることで合意しました。

    ただ、中国はこの在韓米軍へのTHAAD配備に猛反発。中国国内のテレビ局から「韓流スター」を締め出したり、THAAD配備予定地を提供したロッテが経営する店舗の閉鎖を命じたり、と、様々な嫌がらせを仕掛けて来ています。それだけではありません。中国国内で販売される韓国旅行パッケージの取扱いの中止や、韓国製品の輸入の通関差し止めなどにエスカレートしています。

    なぜ中国はTHAADの配備をここまで嫌がるのでしょうか?

    その理由は、THAADが軍事バランスの変化をもたらしかねないからです。THAADがカバーする地域には北朝鮮だけでなく、部分的に中国も範囲に含まれています。現状の報道によると、THAAD配備が完了するのは4月中と見られていますが、現在の中国は何としてもTHAAD配備を中止させようと躍起になっているのです。

    タイトなスケジュール②韓国大統領選

    もう一つ、重要な要素があります。それは、5月9日(火)に予定されている韓国大統領選です。

    現在の情勢では、盧武鉉(ろ・ぶげん)政権下で政権幹部を務めたこともある文在寅(ぶん・ざいいん)氏が当選する確率が極めて高いと見て良いでしょう。これまでに報道された文在寅氏の主張を簡単にまとめると、

    • 日本との「慰安婦合意」は見直す(あるいは破棄する)
    • THAAD配備は撤回する
    • 金剛山観光事業や開城(かいじょう)工業団地などを再開する

    というものです。しかも、韓国の憲法の規定上、前任大統領が罷免された場合、大統領選により当選した者が、即日、大統領に就任することとされています。ということは、この危険な政治思想を持つ者が、5月9日に韓国大統領に就任する確率が極めて高い、ということです。

    ギリギリの米中首脳会談

    つまり、今週末の米中首脳会談は、「THAAD配備」という中国にとっての脅威と、「親北派大統領誕生」という米国にとっての脅威が目前に迫る中で開かれる、という点に注意が必要でしょう。

    そして、トランプ大統領のいう「中国が協力するシナリオ」と、「中国の協力が得られないシナリオ」について、もう少し具体的に展開してみると、考えられるパターンとしては次の3つがあると思います(図表1)。

    図表1 北朝鮮処分のパターン
    選択肢 概要 備考
    ①中国が金正恩体制を除去 何らかの形で金正恩(きん・しょうおん)を除去することで米中両国が合意すること 金正恩本人が第三国に亡命するシナリオなどが考えられる
    ②米国が北朝鮮に武力侵攻 米中両国が合意に失敗した場合、米国が単独で北朝鮮攻撃に踏み切ること 中国が米国の北朝鮮攻撃を「容認する」と合意した場合に限定される
    ③現状維持 北朝鮮の体制を維持したまま、北に核放棄を交渉する 北朝鮮に米中日露を加えた「5カ国協議」を再開する、など

    図表1の中で実現する可能性が一番高いと考えられるパターンは、①でしょう。なぜなら、②については中国が、③については米国が、それぞれ容認しないと見られるからです。また、米国としては「米国本土に脅威を与える核やミサイルを北朝鮮に放棄させること」が戦略目標ですので、金正恩とミサイルの脅威さえ除去されれば、別に「斬首作戦」にこだわる必要もないからです。

    何より、中国は北朝鮮に対し、かなりの影響力を行使し得る立場にありますから、何らかの「米中間のバーター取引」が成立すれば、中国が金正恩体制の除去と核兵器の没収に踏み切ることはあり得るでしょう。では、この場合、朝鮮半島はどうなってしまうのでしょうか?

    高まる朝鮮半島動乱の可能性

    来週からの2週間が勝負?

    私は、韓国で大統領選が行われる5月9日(火)を前に、朝鮮半島で何らかの動きがある可能性が、極めて高いと見ています。なぜなら、

    • 5月9日に韓国で大統領選が行われる
    • ⇒大統領選に間に合うよう、米軍は4月中にTHAAD配備を完了させようとする
    • ⇒4月中のTHAAD配備を阻止すべく、中国は北朝鮮に圧力を掛ける

    という流れが予想できるからです。

    まず、米国には韓国の大統領選でいかなる候補者が勝利したとしても、後任大統領が「THAAD撤回」を主張することができなくなるよう、THAAD配備を「既成事実化する」狙いがあると見るべきでしょう。事実、最有力候補者である文在寅氏は「親北派政治家」であると見られており、文氏が大統領に当選するとしても、大統領選以前にTHAAD配備が完了してしまえば、「撤回」は言い出し辛くなります。

    しかし、中国としては、THAADを配備されてしまうのは何としても避けたいところです。そこで、米国に対し、「中国の責任で北朝鮮の核放棄を実現する」と表明し、THAAD配備を先延ばしさせる、ということも考えられます。

    そういうわけで、北朝鮮情勢が急に動く可能性があるのは、今週(4月7日)の米中首脳会談後、THAAD配備の当初の完了期限である4月中までの、わずか2週間程度の期間でしょう。

    中華属国としての統一朝鮮の実現も?

    仮に、「北朝鮮処分」が「中国の手による金正恩体制除去」のパターンとして実現した場合には、どうなるのでしょうか?

    おそらくこの場合、「中国による北朝鮮処分」が成功すれば、北朝鮮は「親中国家」となります。

    現在の北朝鮮は、中国とある程度親しい関係にあるものの、たとえば中国人民解放軍は北朝鮮国内に駐留しておらず、北朝鮮は軍事的には中国からの独立を保っています。しかし、仮に中国が北朝鮮に介入し、無事に金正恩の除去に成功した場合、北朝鮮は事実上の中国の属国となります。

    また、中国が北朝鮮処分に応じるとしたら、少なくとも中国は米国に対し、バーターで「THAAD配備の中断」を要求するはずです。そして、韓国で親北左派政権が成立した場合、米韓同盟も無傷ではいられなくなります。下手をすれば、早ければ5年以内に、米韓同盟自体が消滅することになるでしょう。

    もっとも、北朝鮮の軍事的リスクが消滅すれば、米軍も韓国に大掛かりな部隊を駐留させておく必要などありません。最低限の装備を残し、米軍の本隊は韓国から撤兵することも選択肢に入るでしょう。

    中国としても、韓国から米軍が撤兵してしまえば、朝鮮半島の統一も容認できます。そこで、最悪の場合には、中国が後見人となる「統一朝鮮」が実現する可能性すらあるでしょう。

    もっとも、この場合の「統一朝鮮」とは、現在の韓国の体制を維持するものではありません。むしろ、南北朝鮮が両国ともに「中華属国」として、一国家二制度という「高麗連邦」を形成する、という代物になるでしょう。

    米軍の侵攻時には朝鮮半島も無事では済まされない

    一方、私には実現の可能性が低いと思うシナリオが、「米軍による北朝鮮侵攻」です。ただ、可能性は低いものの、米軍は過去に地政学的に微妙な場所にある国(イラクやアフガンなど)に侵攻した前例があります。中国の了解を取らずに、電撃的に北朝鮮に侵攻する可能性は、決してゼロではないでしょう。

    ただ、この場合、北朝鮮側も「捨て身の反撃」を試みるはずです。当然、日本や米国本土でも、潜伏する北朝鮮の工作員が人口密集地帯で毒ガスを撒くなどのテロを行う可能性もありますが、最大のリスクにさらされるのは韓国でしょう。韓国の首都・ソウル市は、北朝鮮との国境から直線距離で最短40km未満の場所にあります。そうなると、韓国にも相当の人的・物的損害が生じることは避けられないでしょう。

    私のこの仮説が正しいとすれば、朝鮮半島情勢は相当に切迫しています。現段階で駐韓大使が韓国に帰任したことについては、積極的には評価し辛いにせよ、やむを得なかったと見ることができるでしょう。

    「現状維持」はあり得るのか?

    さて、朝鮮半島がこのような状況となっている中で、「現状維持」はあり得るのでしょうか?

    具体的には、再び北朝鮮を交渉のテーブルに着席させ、米中だけでなく日本やロシアを巻き込んだ多国間協議を行う、という考え方です。

    結論からいえば、その可能性は極めて低いでしょう。なぜなら、ワシントンのシンクタンクを中心に、1994年の6か国協議については「誤りだった」との認識が広がっているからです。それだけではありません。北朝鮮に対して下手な「時間稼ぎ」を許すと、北朝鮮は核兵器の小型化を進めるとともにミサイル性能をどんどんと向上させ、やがて米国全土を射程に収めることは、ほぼ確実だからです。

    ただし、この「現状維持」シナリオが仮にも実現した場合、韓国には「赤化統一シナリオ」が待っています。具体的には、5月9日の大統領選で親北派が当選し、核兵器を所持している北朝鮮が主導して、韓国は「高麗連邦」入りする、というシナリオです。

    そして、こうしたシナリオは、日本をはじめとする周辺国にとっても多大な脅威です。なぜなら、北朝鮮が韓国の経済力と工業生産力を手に入れることにより、兵器開発が加速することになるからです。

    その意味でも、韓国社会がここまで左傾化・弱体化している中で、わが国の安全保障という観点からも、「現状維持」は非常に危険な選択肢なのです。

    韓国の運命は自力で決められない

    以前から私は、韓国社会には「中華属国化」か「赤化統一」のいずれかが避けられないと見ています。しかし、ここ数日の動きを加味するならば、韓国を待つ未来を予測する場合には、もう一つ、「北朝鮮リスク」を織り込む必要がありそうです。つまり、米中両国の動向次第で、韓国は完全に消滅してしまうのです(図表2

    図表2 改めて考える、北朝鮮のシナリオと韓国の未来
    北朝鮮のシナリオ 概要 韓国の未来
    「北朝鮮お取り潰し」シナリオ 中国が北朝鮮の金正恩体制を崩壊させ、北朝鮮が中華属国化する 南北朝鮮がそろって中華属国化し、中国の後ろ盾を得たうえで南北統一する
    「米軍北朝鮮攻撃」シナリオ 米国が北朝鮮の軍事攻撃に踏み切り、南北朝鮮が揃って焦土となる 焦土となった北朝鮮に米国が進駐し、米国の後ろ盾を得たうえで南北統一する
    現状維持シナリオ 米国、中国ともに北朝鮮に介入せず、その結果、南北朝鮮が併存する 北朝鮮主導での南北統一(高麗連邦)、韓国の中華属国化のいずれかは避けられない

    北朝鮮お取り潰しシナリオ

    例えば、中国が主導する「北朝鮮お取り潰しシナリオ」では、中国の手により北朝鮮の現行体制が崩壊し、それにより北朝鮮のミサイルの脅威が取り除かれます。ただし、バーターとして米軍は韓国から撤退し、韓国の中華属国化が加速。やがて中国が後ろ盾となる格好となり、南北朝鮮が統一される、というシナリオです。

    この場合、韓国は世界の最貧国水準である北朝鮮を抱えこむことになりますし、また、日米両国と今まで通りの関係を維持することはできなくなるでしょう。ということは、南北揃って自由貿易圏から締め出され、世界の最貧国レベルにまで生活水準が落ちる、ということです。それと同時に「統一朝鮮」は中国の衛星国となります。私は、このシナリオが現状、もっとも実現の可能性が高いものだと考えています。

    焦土シナリオ

    次に考えられるのが、中国が米国による北朝鮮侵攻を許した場合のシナリオです。当然、北朝鮮の捨て身の反撃により、韓国も無事では済まされないでしょう。

    ただ、本当に困るのは、米軍による軍事侵攻後です。おそらく、「北朝鮮お取り潰しシナリオ」と異なり、韓国の国体自体は維持されます。しかし、米国が北朝鮮から撤兵した後には、やはり世界の最貧国レベルである北朝鮮の面倒を見るのは韓国です。

    要するに、後ろ盾となっている国が米国なのか、中国なのかという違いがあるだけで、韓国にとっては北朝鮮という世界の最貧国を引き取らねばならないという点は共通しているのです。

    しかも、長期的には韓国に対する中国の影響力の増大を避けることはできません。韓国は、一時的に米国の同盟国に留まることはできても、やはり長い目で見れば中華属国化するのではないでしょうか?

    赤化統一シナリオ

    さて、一番困るシナリオは、北朝鮮情勢を巡って「現状維持」となることです。

    この場合、北朝鮮は核兵器・ミサイルを放棄しないでしょうし、また、5月9日の大統領選で親北派が勝利するのはほぼ確実でしょうから、韓国は北朝鮮主導で統一されてしまうことになりそうです。

    3シナリオの共通点は「韓国の意思を無視した南北統一」

    いずれのシナリオにも、共通点が2つあります。それは、

    • 「韓国が主体的に関われない」
    • 「南北統一が実現する」

    という点です。特に南北統一については、中国が主導するか、米国が主導するか、北朝鮮が主導するかという違いしかありません。もはや韓国は自分で自分の運命を切り開くことすらできなくなっていると見るべきでしょう。

    危機は日本にとってもチャンスだ!

    ただ、ここまで深刻な危機が訪れているにもかかわらず、相変わらず日本のメディアはトンチンカンなニュースを流していますし、日本の国会も森友学園問題に忙殺されているようです。

    私は、「野党に質問時間を多く渡す」という国会の慣例については、即刻廃止すべきだと思います。なぜなら、私たち日本国民は、あくまでも自民党などの政権与党に多数を与えたのであって、民進党や自由党、社民党、共産党などの野党に対し、多数を与えていないからです。これが民意であり、国会は慣例よりも民意を尊重すべきです。

    また、総務省は放送法を守らないテレビ局に対し、放送法違反で停波を命じるなどの勇気を持つべきでしょう。

    しかし、実は当ウェブサイトを含めた「インターネット上のオピニオン・サイト」では、ずいぶんと前から、「森友国会」については野党やマス・メディアの怠慢だと批判されて来ましたし、いま議論すべきは「森友問題」ではなく「北朝鮮問題」だと主張されています。いかにマス・メディアが愚劣であっても、今の日本には、自由に意見表明がなされる空間が、すでにインターネットに実現しているのです。

    その意味でも、今回の北朝鮮危機は、考え様によっては日本にとってのチャンスでもあります。日本は、今こそ「憲法第9条第2項」という、国民の生命も財産も守らない「殺人条項」を排除する勇気を持つべきです。

    私は、声を大にして、そのことを主張したいと思います。

    ※本文は以上です。

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    著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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