相変わらず「国の借金」と報じる日経

本日も日本銀行の最新の資金循環統計について触れます。特にわかり辛いのが「政府部門の債務」に関する議論ですが、先日も日本経済新聞あたりが「国の借金」という誤報(というか捏造報道)をしたばかりであり、金融規制の専門家を自称する私としても、こうしたいい加減な記事を看過するわけにはいきません。本日は「統計を客観的で正確に引用すること」に力点を置きつつ、国債の償還に関する議論を行ってみたいと思います。

資金循環統計を読む

日本銀行が四半期に一度公表する、「資金の流れから見た日本経済」を確認する最も基礎的な資料があります。それが「資金循環統計」です。

昨日は『減税こそ日本に必要』の中で、家計金融資産・負債の状況を分析してみましたが、本日は政府債務の状況を分析してみたいと思います。

減少に転じた日本国債発行残高

意外と知られていない話ですが、「国債発行残高」と「政府債務残高」は一致しません。

まず、「政府債務残高」とは、日本国政府自身が借りている債務の残高であり、これに対して「国債」には、「財政投融資基金」が発行している「財融債」が含まれているからです。この「財政投融資基金」が発行している国債などの残高は、不思議なことに、「政府債務残高」にはカウントされていません。

また、国債にも、大きく分けて「普通国債」と「短期割引国債(TDB)」の二種類があり、それぞれ別途計上されています。つまり、

  • 政府勘定で発行する普通国債
  • 政府勘定で発行するTDB
  • 財政投融資基金勘定で発行する財融債

の3種類が、広い意味での国債です。そのことを踏まえたうえで、国債の発行残高の推移を確認しておきましょう(図表1)。

図表1 国債の発行残高(金額単位:億円)
区分2016年12月末2016年9月末増減増減率
国債8,540,4558,675,496-135,041-1.56%
TDB1,174,2621,198,918-24,656-2.06%
財融債1,040,3551,036,9963,3590.32%
合計10,755,07210,911,410-156,338-1.43%

「国債の発行残高は2016年12月末時点で1075.5兆円である」。これが、日本銀行統計上確認できる、「国債の正確な発行残高」です。また、これをグラフでも確認しておきましょう(図表2)。

図表2 国債の発行残高の推移

統計が存在する1997年12月以降、国債の発行残高は、ほぼ一貫して増え続けてきました。しかし、遂に2016年12月末時点で国債の発行残高が減少に転じました。

どうしてメディアがこのことを大きく報じないのか、私には不思議でなりませんが、とにかく客観的事実として、国債の発行残高が3か月前と比べて15.6兆円減少したということは指摘しておきたいと思います。

莫大な国債を何に使っているのか?

では、政府はこれらの莫大な国債を、いったい何に使っているのでしょうか?

そこで重要なのが「バランスシート」の考え方です。政府がお金を借りていることは事実ですが、実は、政府は莫大な金融資産も抱えているからです。そこで、政府が保有する資産、政府が負っている債務を並べて、「金融商品のみのバランス」を作成してみましょう(図表3)。

図表3 中央政府と財政投資基金の合算バランスシート(2016年12月末時点)
区分勘定科目金額(億円)
金融資産現金・預金381,780
株式等412,418
貸出1,383,944
対外証券投資1,171,982
その他の金融資産234,177
金融資産 合計(①)3,584,301
金融負債国債・財融債・TDB10,755,072
借入金544,324
その他の金融負債681,735
金融負債 合計(②)11,981,131
金融資産・負債差額(①-②)▲8,396,830

(【出所】資金循環統計)

つまり、政府は1200兆円弱(②)という莫大な借金を負っている一方で、現金・預金や株式、貸出、対外証券投資(外貨準備?)などの資産も抱えており、その金額は358兆円(①)に達しています。そして、この「金融資産・負債差額」(①-②)の「マイナス840兆円」こそが、「政府部門の純債務」なのです。

資金循環統計のもう一つの特徴

それから、もう一つ重要な特徴があります。それは、この「資金循環統計」に計上されるのは、あくまでも「金融資産のみである」、という点です。

大阪の「学校法人森友学園」が設立を予定している小学校の建設用地の「払い下げ疑惑」で有名になりましたが、日本国政府は日本全国に、莫大な国有地を保有しています。しかし、これらの国有地は、いずれもこの「資金循環統計」には計上されていません。

さらに、全国各地の道路設備や役所の建物、あるいは図書館や公民館といった公共施設も、この「資金循環統計」には上がって来ません。ということは、実質的な政府の資産は、図表3に示した金額(約358兆円)よりも多く、「政府部門の純債務」はマイナス840兆円よりもさらに少ないと見るべきでしょう。

「国の借金」など存在しない

ところが、以上までの議論にも関わらず、相変わらず日本経済新聞を初めとするメディアは、「正確ではない情報」を平気で流しているようです。

「国の借金」って何だ?

経済ニュースを読んでいると、ときどき、「国の借金」という表現を目にすることがあります。

国の借金、過去最高の1066兆円 16年末(2017/2/10 20:42付 日本経済新聞 電子版より)

日経によると、「国の借金」とは、国債と借入金、政府短期証券(TDB)のことを指すのだそうです。そして、日経はこの「2016年12月末の国の借金は1066兆4234億円である」としたうえで、

  • 「国の借金は膨らんでいる」
  • 「国民1人当たり約840万円の借金を抱えている」

と報じています。こうした報道を見ていると、経済の素人から見て、「日本の財政は本当に深刻だ」と思うのは当然でしょう。ここで、上の資金循環統計のデータから見ても、政府債務残高は減少しており、「国の借金は膨らんでいる」の下りに関しては、明らかな誤報です。

私は日経をはじめとするメディアが、このような報道を行うこと自体、社会に対する背任行為だと考えています。というのも、こうした「国の借金」、「国民1人当たり約840万円の借金」という考え方が、完璧に間違っているからです。

そもそも、国債・借入金・TDBは、「政府債務」であって「国の借金」ではありません。借りている主体は「日本国政府」であって、貸し付けているのは機関投資家です。あたかも「国民(家計)が借金をしている」かのように誤認させる報道は、一種の捏造報道と批判されても仕方がないでしょう。

国家と自然人の最大の違い

確かに、日本の中央政府が負っている債務は非常に大きいです。日経がいう「国の借金」とやらは1066兆円少々だそうですが、日本の年間GDPは約500兆円ですから、「国の借金」はGDPの約2倍です。これについてメディアの報道を読んでいると、「年収約500万円の人が、1000万円の借金を抱えているようなものだ」という表現を目にすることもあります。

しかし、こうした議論も極めて不適切です。なぜなら、「国家と自然人の大きな違い」を完全に無視しているからです。自然人であれば、寿命が尽きるまでに借金を返さなくてはなりません。しかし、国家の場合は「寿命」がありません。ということは、「いつまでにお金を返さなければならない」という決まりはない、ということです。

同じ事例は企業で考えてもわかるでしょう。たとえば、製造業の多くは銀行などから多額の借金をしていますが、「借金が多すぎるからこの企業は倒産する!」などと表現すれば、その人間はアナリストとして失格です。企業財務分析実務では、「負債株式比率(デット・エクイティ・レシオ=DER)」や「レバレッジ比率」などの指標を用いて企業の健全性や収益性を判断することが一般的であり、「借金が多すぎればその会社は倒産する」という単純なものではないからです。

それが、どうして政府債務を議論する時には、「国の借金が国民1人当たり約840万円だから問題だ!」となってしまうのでしょうか?私には日経をはじめとするメディアが、このようにインチキの情報を流し続けること自体、日本国民を愚弄しているとしか思えないのです。

政府債務を圧縮する方法

ところで、政府債務が多すぎれば、金利が上昇してきたときに、利払いの負担が増えてしまいます(ただし、現在の日本のように、明らかに資本市場に資金が余っているような場合、国債の利回りは上昇しませんが…)。その意味で、政府債務が無制限に増えて良いというものでもありません。

では、具体的に政府債務を圧縮するための方法としては、どのようなものがあるのでしょうか?ここで、典型的なものを5つ列挙してみましょう(図表4)。

図表4 政府債務を圧縮する5つの方法
手段概要備考
増税税率を引き上げるいわゆる増税。日本が消費税を増税した事例などがある
緊縮財政政府歳出を抑制するギリシャのように公務員の削減や年金カットなどを行う
政府資産の売却政府が保有している資産の民間への払い下げ国営企業の民営化は株式の民間放出と同じである
インフレーション貨幣価値を引き上げることで債務の価値を削減するインフレには経済成長を伴う場合(良いインフレ)とスタグフレーション(悪性インフレ)がある
法律による債務減免法律により国債価値を削減するアルゼンチンは国内法により債務再編を行った

ここで5つの方法を列挙しましたが、このうちの1つめの方法「増税」、2つ目の方法「緊縮財政」は、いずれも国民に負担を押し付ける方法です。

放漫財政で散々無駄遣いをしてきたような国は、国民がそれによって潤ってきたのですから、当然、その国の国民が負担すべきでしょう。実際、2010年以降、債務危機で国際社会を揺るがしてきたギリシャを含めた南欧諸国の場合は、政府債務がGDPの2倍近くに達している場合もあります。このような場合、その国の国民の負担で政府債務を圧縮するのが筋でしょう。

しかし、一方で国民に負担を押し付けずに政府債務を圧縮する方法もあります。これは、政府資産の売却です。

例えば、日本国政府は2016年12月末時点で231兆円もの資産を保有しています(図表5)。

図表5 日本国政府が保有している資産(2016年12月末)
項目金額(億円)
現金・預金381,780
(うち外貨預金)136,761
貸出128,499
株式等412,418
対外証券投資1,171,982
その他対外債権債務119,893
その他97,927
金融資産合計2,312,499

(【出所】資金循環統計速報値)

余談ですが、外貨預金(13兆6761億円)と対外証券投資(117兆1982億円)、その他対外債権債務(11兆9893億円)を合計した142兆8636億円の範囲は、おそらくその多くが外貨準備(142兆5115億円)と重なっていると考えて良さそうです(著者私見)。日本のような「ハード・カレンシー国家」が、142兆円もの外貨準備を抱えていること自体、大きな問題ですが、「国の借金(?)」とやらを問題にするのであれば、この外貨準備を圧縮するだけで、かなりの債務削減につながるはずです(ただし、短期的に米国債などの全額を売却することは不可能ですが…)。

良いインフレと悪いインフレ

さて、図表1を改めて眺めてみると、政府債務を圧縮する方法が、他に2つ残されていますが、そのうちの一つが「インフレ」です。

インフレとは「物価の上昇」(または「貨幣価値の下落」)を意味する経済現象です。たとえば、去年、米5キロが1000円だったのに、今年2000円に上昇すれば、「年間インフレ率は100%だ」と表現されます。日本の場合、この「年間インフレ率」が低迷していることが大きな問題です。「インフレ」の逆は「デフレ」、つまり「物価の下落」です。人々が「モノの値段はもっと下がる」と思えば、不要不急の商品を買わずに貯金しておこうと思います。これが「デフレ」の悪い点です。

日本銀行は現在、「お金をたくさん増やす」金融政策を取っています。といっても、「増やすお金」は日銀券ではなく「マネタリーベース」であり、具体的には金融機関の日銀当座預金残高が増加しています(図表6)。

図表6 日銀当預残高と中央銀行の資産残高

余談ですが、日本銀行がこれほどまでに緩和政策を行っているにもかかわらず、日本の「デフレ脱却」は道半ばです。

それはともかく、インフレが生じれば、同じ債務額であっても、債務負担が減少します。たとえばGDPが500兆円の国が1000兆円の債務残高を持っている場合と、GDPが1000兆円の国が1000兆円の債務残高を持っている場合では、債務負担は全く異なります。

日銀が掲げる「2%インフレ目標」が実現したらどうなるでしょうか?仮に「2%インフレ」という状況が30年間続けば、物価水準が約2倍になります。つまり、2%インフレを維持した状況であれば、政府債務残高が現在の水準を維持していたとしても、30年後には実質的な債務を半減することができるのです。

そして、インフレには「良いインフレ」と「悪いインフレ」があります。「良いインフレ」とは経済成長を伴ったインフレ、「悪いインフレ」とは経済成長を伴わないインフレです。

1980年代のブラジルやアルゼンチン、2000年代のジンバブエ、現在のベネズエラのように、明らかな経済政策の失敗からもたらされるインフレは「悪いインフレ」ですが、現在の日本が目指しているのは「デフレの克服の結果」としてのインフレです。この両者は似て非なるものです。

「国家によるデフォルト」の選択

政府債務を圧縮する方法は、もう一つあります。それが「国家によるデフォルトの選択」です。

歴史上、鎌倉王権や室町王権が出した「徳政令」が有名ですが、これは「借金を棒引きにする命令」です(余談ですが、私は個人的に、北条平氏が支配した鎌倉王権や足利源氏が支配した足利王権は、いずれも徳政令により人々からの信頼を失ったことが滅亡の遠因になったと考えています)。

また、アルゼンチンは2001年の国債デフォルト以降、ドル建てで発行した国債を国内法により減免する措置を導入しましたが、そんな法律を策定したところで、国際的な市場で通用するはずなどありません。案の定、2014年6月にはアルゼンチン政府の決定を無効とするヘッジファンドの訴えを米国・ニューヨーク連邦地裁が認め、アルゼンチンは「第二次デフォルト」に追い込まれたのも記憶に新しいところです。

また、日本は1945年の敗戦後、巨額の国債を償還したものの、同時に国債償還額に相当する課税を行い、事実上、国債の価値をゼロにしてしまったことがあります。これも広い意味では「国家によるデフォルトの選択」です。

日本の財政は危機的状況にない!

現在の日本は危機的状況にありません。

まず、昨日も『減税こそ日本に必要』で指摘しましたが、家計の金融資産残高、純資産残高がそれぞれ1800兆円、1400兆円を超えており、いわば、日本国内では「使われていないお金が溢れている状況」にあります。

そして、家計金融資産の半額以上が現金預金であるという状況にありますが、裏を返せば預金取扱金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、ゆうちょ銀行など)や保険会社・年金基金が、その莫大な資金を運用しなければならない、という状況にあります。しかも、国内で運用しきれないからこそ、巨額の外債運用などが行われているという状況なのです。

私は現在の国債の発行残高が多すぎるとは全く思いませんが、もし国債の残高を圧縮したいのであれば、増税や緊縮財政によってではなく、経済成長を伴ったインフレにより達成すべきでしょう。

繰り返しになりますが、日本にとっての処方箋は増税ではなく減税です。「増税原理主義者」の財務官僚や経済学の知識を持たないいい加減な経済新聞に騙され、「財政再建が必要だ」と誤解することは避けなければなりません。

私はそのことを、これからも発信し続けたいと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 通りすがり より:

    森永卓郎氏は、2016年3月に発表された「連結財務書類」に記載されている2014年度の国の業務と関連する事務・事業を行なう独立行政法人などの財務状況を見ると、負債から資産を差し引いた日本の純債務は439兆円にすぎないと言っています。

    また、日銀が保有する国債は、政府にとって事実上、返さなくてよい借金だと主張して、この日銀の保有国債は約400兆円なので、実質的には国には借金は殆どないと主張しています。日銀保有の国債の考え方は、人それぞれですが、これも考え方の一つかなとも思いました。

    森永卓郎氏の主張は他のエコノミストと違って主張が場当たり的でなく一貫しているので、聞いていて理解しやすいです。ただ、この間、金融緩和でただお札を刷るだけではなく、刷った金で外国債を買えば、もっと効果的に円安を誘導できると言ってたので、これは為替操作をしろと言っているように聞こえて、金融緩和と円安対策に関しては混同してるのかなと感じました。でも、招かれる放送媒体の求めるように、その場その場で主張が変わるエコノミストよりは主張が分かり易いと感じています。

  2. 匿名 より:

    捏造報道している新聞屋こそ倒産の危機でしょう。
    発行部数は水増しで正確さに欠ける新聞屋

  3. 日本橋経理マン より:

    流石は公認会計士の書いた分析ですねー。やっぱり今日の記事見たく前提条件をはっきりさせて、客観的な数字で説明し貰えると非常に分かりやすいです。世の中には某インチキ日経新聞見たいに良い加減な情報ばかり載せる新聞もあるみたいだしそれに投稿するエコノミストも、良い加減でその場凌ぎの人も多い様ですね。やっぱり我々が賢くならないといけないってことですかねー。

  4. より:

    不勉強ですみませんが、なぜ家計資産が日本政府の債務より多くあると危機ではなくなるのでしょうか? 確かに日本国全体で見れば資産の方が多いのかもしれませんが、だからと言って政府だけでもし負債を返せなくなった時に家計側がすんなり肩代わりするとは思えません。
    また、財政健全化のためには増税ではなく経済成長によるインフレを目指す方が好ましいのはわかりますが、今まずっと目指しながらうまくいってないインフレだけで解決できるのでしょうか。増税はもっと状況悪化したときの手段で、今はまだ経済とインフレ政策だけ目指せる余裕がある、ということでしょうか。
    反論のような投稿で恐縮ですが、純粋に気になったので質問させていただきました。もしお時間ありましたら解説頂けるとありがたいです。

  5. 通りすがり より:

    あさん
    横からですいません。
    この前の記事にも書かれていたように、家計資産が日本政府の債務より多いことは、国民私財で政府の借金を肩代わりできるということでなく、日本人の家計資産が多いことは、日本にはそれだけ市場に回せる資金が潤沢にあるということだと理解しています。ただ、国は度重なる消費税などの増税を繰り返して、結果として日本人の財布の紐をますます固くする方向に向かい景気がなかなか上昇していません。なので、景気対策として消費税減税は大切だということだと思います。前回の増税前もオリンピック景気で景気が上昇しようとしていたところを、消費税増税で水をかけられた格好だったと記憶しています。

    また、日本は国民の私財が多い結果、国債は殆ど日本人が買っています。そのため、外国人投資家の動きで日本国債がデフォルトしないという強みもあります。

    この記事では、マスメディアは日本の負債部分だけを抜き出して、借金が多い借金が多いと煽るけど、実際の日本の借金は負債と資産のバランスで語らねばないということを述べています。スレ主さんは金融の専門化なので金融商品としての資産を明示してくださいましたが、スレ主さんも指摘しているように国には他の資産があり、森永卓郎氏は資産と負債のバランスを考えると、国の実質の負債は400兆円強だと言っています。その他に日銀保有の国債は借金としてカウントする必要は無いとも言ってますが、この辺りはそれぞれの人の受け取り方だと私は理解しています。

    横から、失礼しました。

    1. より:

      返信ありがとうございます! 丁寧に解説いただいたおかげで、筆者様の主張が理解できました。大事なのは減税を通した消費者心理の改善、ということですね。
      そこで新たに質問なのですが、
      ○増税より減税をすることで消費が刺激され税収が増えるという予想はどの程度たしかな事なのでしょうか?
      ○なぜ財務省は国の借金が深刻であると宣伝するのでしょうか?(自分達の権限強化のため?)
      ○国にかなりの資産があるとのことですが、その資産を売却して負債の返済に充てることはできないのでしょうか?

      初心者の質問が続いて恐縮ですが、筆者様や通りすがり様にお時間ありましたらご教授頂けると幸いです。

      1. 通りすがり より:

        あさん

        返信ありがとうございます。

        私は経済に関して専門ではないので、消費税を減税すれば税収が上がるかどうかは断言できないので、その道筋に関するスレ主さんの見解を聞いてみたいですね。

        ただ、スレ主さんもおっしゃってますが、インフレが進めば実質的な借金が減るという効果があると思います。また、日経平均株価と国の一般会計税収を比べると相関はあるので、景気が良くなれば税収が上がるということは確かなようです。消費税減税の直接的影響ではなく、景気が良くなるという視点に立てば、景気が上がると税収は伸び、経済成長率が上がれば実質的な借金が減るということは疑いようはないと思います。

        そして、今までの消費税増税は全く税収の増加には貢献していなかったのは確かです。それは消費税の増税が法人税減税とセットになっていたからです。財務省幹部の実績づくりと経団連の意向を重視して、消費税の増税と法人税の減税をセットでおこなっていたんだと理解しています。その結果、法人税を下げても、会社は内部留保にまわすだけで、職員の給与にはあまり転化さずデフレへと進みました。結果として消費税を上げても、トータルとしての税収も上がらず、景気は傾くだけの結果だったと理解しています。

        日本はバブル以降、所得税の最高税率を下げたり、法人税の減税を進めたりしてきました。これらの影響は税収減に大いにつながっていると思います。なので、私も実際に税収を上げるには、景気の押し上だけでなく何らかの増税は必須だと思っています。ただ、消費税率を上げることは直接景気の失速に繋がる可能性が高いので、経済成長率が十分高い時期以外にはおこなうべきではないと個人的には思います。

        最初にも言いましたが、私程度では消費税を減税すれば税収が上がるかどうかは分かりません。ただ、結果だけを見て解釈するに、これまでの消費税増税は税収増には結び付いていないことは確かだと思います。

  6. 本当の公認会計士より より:

    うーん。「新宿会計士」って書いてますけど、この人、本当に公認会計士なのかな?日本の財政が厳しい状況にあるのは常識ですし、毎日きちんと新聞を読んでいたら誰だってわかることだと思いますよ。それじゃ公認会計士さんだったら聞きますけど、「売上高債務比率」ってご存知?日本のGDPは500兆円ちょっとで、国の借金が1000兆円だったら、民間企業でいえば売上高の2倍の借金を抱えているようなものですよ。しかも正味の税収は50兆円くらいしかない…。財務分析のプロなら「年収の2倍以上の借金を抱えている状態」がどれほど危ないかくらい、わからないのかしらん?あと、今の日本のGDPの債務比率は財政危機になったギリシャよりも高いんですよ。プロなら「山ほど借金してたら返せない」ってわかるもんだと思いますけどね。

    1. より:

      本当の公認会計士様の主張に対してコメント致します。

      ○筆者様は「多くの新聞が財政危機を伝えているが、本当は財政危機ではない。新聞は鵜呑みにしてはならない」と伝えているのに対し、あなた様は「新聞を読めば誰でも財政危機だとわかる」と返信しており、筆者の主張が踏まえられておらず議論の対象になりません。

      ○さすがに売上高債務比率くらいは筆者様は知っていると思います(会計初心者の私でもわかりますから)。そして文中で「年収500万の人が1000万借金しているようなもの」と同じ目的の例えを出した上で、レバレッジ比率等の話を出して借金は多ければ多いほど悪いと決めつけることはできないと主張しています。あなた様の主張は上と同じく筆者の主張が踏まえられていないため議論できません。

      ○正味の税収が50兆円しかないと書かれていますが、それが何に対してどう少ないのか、何故問題なのかが書かれていないため伝えたいことがわかりません。あなた様の中では自明なのかもしれませんが、それを書いてくださらないと話が噛み合わず空中戦になってしまいます。

      ○債務比率がギリシャより高いのは事実ですが、他の状況を勘案すればギリシャよりずっと健全である、というのが筆者様の主張です。例えるなら、あなた様が「小学生の子供より車のローンを組んだサラリーマンの方が借金多いからビンボーで生活大変だ!」と言ってるのに対し、筆者様は「でもお互いの立場や収入状況を勘案するとサラリーマンの方が裕福と言えるのでは」と言っているようなものです。

      以上を見るに、あなた様の主張はどうも根拠の提示がなく、一般的な主張の再掲のみであり、また筆者の主張を踏まえられていません。もう少し冷静に筆者の記事を読まれてからコメントされた方がよろしいのではと思いました。

  7. 一児のパパ より:

    >管理人さんへ
    某会社に勤めています。以前からこのサイトを見ていて面白いなあと思っています。

    その2月の日経の記事、私も読みましたよ。「国の借金は過去最高」って良く報じられますしね。でも「ちゃんと統計書を読んで見たら日経の報道は間違いだった」って、なかなか痛快ですね。客観的な数字が書いてあるから、私の様なサラリーマンにとってはとても参考になります。

    >あさんへ
    増税するより減税すれば経済成長して税収が増えるっていうのは「確かなこと」というよりも、たまたま現在の日本の状況に照らしたら「少なくとも増税は間違いだ」ということじゃないですかね?

    財務省が国の借金が深刻だと宣伝するのは、税務利権を拡大したいからでしょう。財務省って国税庁も支配してますからね。

    国にかなりの資産があるとのことですが、だからといって「売却して負債を圧縮することができる」というだけの話で、「本当に売却すべきだ」という話ではないと思います。特に外貨準備は売れば一気に売れば米国の債券市場にも為替相場にも影響が出ると思いますし、「いざとなったら売れる」というだけの話だと思います。

    >本当の会計士さんへ
    あなたこそ本当に会計士さんですか?

    管理人さんの記事の文中の中でで全部論破されている話ばっかですね(笑)「政府の借金」(NOT 国の借金)は個人の借金と同列に扱うなって書いてあるじゃないですか(笑)

    まぁうちの会社に来てる会計士さんも「日本国債は絶対にデフォルトする」とか言ってるし、意外と会計士さんは経済の事をしらないのかもしれませんね。東芝の件もありますし(笑)

  8. Shinjukuacc より:

    通りすがり 様
    匿名 様
    日本橋経理マン 様
    あ 様
    本当の公認会計士 様
    一児のパパ 様

    コメントを賜り大変ありがとうございます。
    当ウェブサイトでは「最近ついたコメント」を表示する機能を設けているのですが、皆様からコメントを拝領したことを受けて、「最近ついたコメント」の表示件数を増やしております。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
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