「日本は6%、韓国は20%」―。これは、日本と韓国の根源的な違いを示す数字です。本日は、日韓経済の類似点とともに、根本的な違いを議論するとともに、韓国が少なくとも「経済破綻」と「社会崩壊」のいずれかを避けることができない(場合によっては両方とも避けられない)、という点を議論してみたいと思います。

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    ここからが本文です。

    日韓経済の比較

    日韓両国は「近くて遠い国」だといわれることがあるようですが、似ている部分と全く異なっている部分があります。

    似ている点は、いずれも「外国から資源を輸入して、製品を製造して外国に輸出する」という経済モデルです。しかし、似ても似つかぬ点もあります。それは、「極端な財閥支配」です。本日は、この日韓の経済構造の違いについて、議論してみましょう。

    日韓経済の共通点

    1965年の日韓国交正常化以来、日本は官民を挙げて、韓国を支援して来ました。あるいは援助を受ける側から見ると、韓国はひたすら日本経済を模倣することで経済成長を果たしてきたという言い方もできるでしょう。たとえば、韓国最大手の製鉄会社であるポスコは、日本の新日鉄(当時)から多大な技術供与を受けてきましたし、首都・ソウルの地下鉄1号線は事実上、日本からの技術供与と円借款によって完成しました(ちなみに地下鉄1号線は日本と同じく左側通行です)。

    ということは、韓国は国を挙げて日本を模倣しているため、産業構造も、必然的に日本とは輸出分野で競合する部分がある、ということです。

    たとえば、サムスン電子をはじめとする家電大手も、日本の家電メーカーを模倣することで成長して来ましたし、自動車産業も、韓国最大手の「現代自工」は三菱自工からの技術供与を受けてきました。

    さらに、現代は韓国語で「ヒョンダーイ」(あるいは「ホォンダーイ」)と発音します。「H」の文字をかたどったエンブレム、米国での会社名の発音は、いずれも日本の本田技研工業と極めて類似していて、「ホォンダーイ」は、わざと「ホンダ」と混同させる目的でブランド名を作っているのではないかとすら疑われます。

    いずれにせよ、共通点が多い理由は、韓国が一方的に日本を模倣しているためであり、「日韓両国が緊密な関係にある」という証拠ではありませんので、注意しましょう。

    日韓経済の相違点①市場シェア

    ただ、日韓経済には、似ている点もあるものの、大きな違いがいくつかあります。その一番大きなものは、「市場シェア」です。最大の売上高を誇る企業グループについて、連結売上高と名目GDPを比較した「売上高GDPシェア」を比較してみると、その違いは一目瞭然です。

    売上高で見て日本最大の企業といえば、トヨタ自動車であるといわれています。一方、これに対して韓国最大の売上高を誇る企業といえば、サムスン電子でしょう。具体的に、GDPに対して占めるシェアを比べてみると、トヨタが6%弱、サムスン電子が14%弱であることがわかります(図表)。

    図表 最大企業の売上高・GDP比率比較
    国と企業 連結売上高…① 名目GDP…② ③=①÷②
    日本/トヨタ自動車 28兆4030億円 486兆9390億円 5.83%
    韓国/サムスン電子 201兆8700億ウォン 1,485兆0780億ウォン 13.59%

    (【出所】GDPは総務省統計局『世界の統計2016』図表3-5『支出項目別国内総生産』より2014年の数値を引用。トヨタ自動車は『米国基準業績ハイライト』より2016年3月期決算、サムスン電子は『Earning Release Q4 2016』より2016年12月期決算より引用)

    トヨタ自動車は確かに大企業ですが、同社の連結売上高は日本全体のGDPに比べて6%弱に過ぎません。しかも、日本は連結会計基準が厳格であるため、この「28兆4030億円」という数値は、まぎれもなくトヨタ自動車グループ全体のものであると考えて間違いないでしょう(※ただし、会計基準上、持分法適用関連会社の売上高は含まれません)。

    一方、韓国では、サムスン電子グループだけでも、連結売上高は韓国の名目GDPの13.59%に達しています。そして、このサムスン電子グループ自体、「サムスン財閥グループ」の一部門に過ぎません。実際には、サムスン財閥全体にはサムスン電子以外にも「サムスン電機」や「サムスンSDI」などの大企業が含まれていますし、さらには「サムスン生命」などの金融機関も存在するようです。これらの企業を含めれば、企業集団全体の売上高が韓国の名目GDPに占める比率は、軽く20%を超えるとの報道もあります(ただし、サムスン・グループ自体が連結財務諸表を公表していないため、実態は不明ですが…)。

    日韓経済の相違点②ガバナンス

    日韓経済のもう一つの重大な相違点は、ガバナンス(企業統治体制)にあります。

    日本の大企業では、創業者一族が代々社長を継ぐという事例は、ほとんど見られません(もちろん、ないわけではありませんが…)。

    たとえば、トヨタ自動車の場合、現在の社長の豊田章男氏は、創業者一族である豊田家の出身者ですが、渡米してMBAを取得し、米国での金融機関勤務を経て、「平社員」としてトヨタ自動車に入社したという経歴の持ち主です。つまり、創業者一族であるというだけの理由で社長になれるというほどの甘いものではない、ということです。

    また、トヨタ自動車の上位10位以内の大株主も、株式会社豊田自動織機や株式会社デンソーを除けば、いずれも日本トラスティ・サービス信託銀行(JTSB)や日本マスタートラスト信託銀行(MTBJ)、資産管理サービス信託銀行(TCSB)などの「資産管理専業信託銀行」や保険会社などの機関投資家が上位に来ており、少なくとも豊田家は大株主リストに入っていません。

    トヨタ自動車以外にも、日本を代表する大企業といえば、たとえば金融機関であれば三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングスや大和証券グループ本社などがあります。しかし、これらの金融機関は、いずれも同族経営ではありません。

    さらに、日産自動車やソニー、パナソニックなどの錚々たる企業も、いずれもパブリック・カンパニーであり、むしろ同族企業である方が例外です。

    しかし、これに対して韓国では、国を代表する大企業は、軒並み「同族経営」です。2年前の報道ですが、韓国では財閥オーナーの子供は30代前半で役員に昇格しているのだとか。

    韓国財閥オーナーの子供は平均28歳で入社し3.5年で役員昇進(2015.01.09 07:15付 ハンギョレニュース日本語版より)

    リンク先の「ハンギョレニュース」日本語版によると、韓国の30の大財閥では、「財閥総帥一家の3〜4世は平均28歳で入社し、32歳にもならないうちに役員に昇進」しているのだそうです。

    「ナッツ姫事件」「幽霊船事件」の異常さ

    このニュースが掲載されたのは、ちょうど、「ナッツ・リターン事件」が発生した直後です。

    「ナッツ・リターン事件」とは、2014年12月5日に、大韓航空の副社長でもあった、当時40歳の女性が、客としてファーストクラスに搭乗した際、ナッツの盛り方に腹を立ててチーフ・パーサーに降機を命じたという、前代未聞の事件です。当該機はニューヨークのJFKを飛び立とうと、滑走路に向かっていた最中でしたが、この女性副社長の命令により、チーフ・パーサーを降機させるために空港ビルに引き返しました。

    しかし、通常、航空機の運航権限は機長にあり(これは万国共通)、この女性副社長が行ったことは、れっきとした犯罪行為です。しかも、米国でなされた行為でもあったため、欧米諸国からも広く注目を集めることとなりました。「ナッツ・リターン事件」とは、欧米メディアから命名された事件名です。

    ただ、なぜこの著しく社会常識に欠ける40歳の女が、韓国を代表する「ナショナル・フラッグ」でもある大韓航空の副社長という要職にあったのでしょうか?おそらくその理由は、彼女が大韓航空の親会社である韓進(かんしん)財閥の会長の娘だったからでしょう。

    この「韓進グループ」といえば、昨年秋口に経営破綻し、世界中の海運物流に大迷惑を掛けた、あの「韓進海運」の親会社でもあります。韓進海運は経営難に落ちった際に、親会社である韓進グループが株式を売り抜け、さらには韓国内の取引銀行が追加融資を断り、最終的には韓国政府も支援を渋っているうちに資金繰りショートを発生させ、経営破綻しました。それだけではありません。韓進海運の船舶が世界の港湾に接岸できないため、乗客や荷物を載せたまま、酷い場合には数週間、海上をさまよったという事件も発生しています。

    乗員乗客も「下船できない」 韓進海運破綻で日本にも影響が…(2016/9/18 16:00付 J-CASTニュースより)

    乗客や荷物を載せたまま海上をさまようとは、まるで幽霊船のようですね(なお、韓進海運事件については、当ウェブサイトでも過去に何度か取り上げています。詳しくは『韓国の経済危機と金融』、『国単位で信頼を失うということ』などもご参照ください)。

    経済破綻か社会崩壊か?

    以上を踏まえて、韓国が直面する最大の課題に触れておきましょう。

    財閥を解体すれば経済が破綻し、財閥を温存すれば社会は崩壊に向かう―。これが、現在の韓国が直面する、経済面での最大の課題です。

    サムスン副社長の逮捕・起訴の衝撃

    すでに多くのメディアで報じられている通り、その韓国最大の企業・サムスン財閥では、サムスン電子副会長でもある李在鎔(り・ざいよう)容疑者が朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領の友人である崔順実(さい・じゅんじつ)容疑者に対して資金を供与したとして、身柄を拘束され、2月28日には贈賄罪で起訴されました。

    サムスン司令塔「解体」に韓国激震! 「巨大グループが回るのか」懸念の声も(1/2ページ)(2017.03.02付 zakzakより)

    この件について、産経系のメディアであるzakzakは、サムスン財閥が「グループの司令塔」である「未来戦略室」を解体すると発表したと報じています。そのうえでzakzakは、「司令塔としてグループ戦略を統括してきた未来戦略室の解体により、この巨大グループが機能するのか?」という点を問題視しています。しかし、サムスン財閥自体が不透明な一族の持株構造により支配されているという構造が変わらない以上、「グループの司令塔」など、形を変えていくらでも存続できるため、この点は大した問題ではないでしょう。

    本当の問題は、やはり今回の事件を契機に、次期政権がサムスンとの関係を見直す可能性がある、という点にあります。

    次期大統領の最有力候補は極左

    現在の韓国経済にとって最大のポイントは、次期大統領候補である文在寅(ぶん・ざいいん)氏が、極端な親北系の極左政治家である、という点にあります。

    日本では、同氏は2015年12月28日の「日韓慰安婦合意」の見直しを公約に掲げていることで知られていますが、それだけではありません。北朝鮮を支援する「開城(かいじょう)工業団地」プロジェクトや「金剛山(こんごうざん)観光事業」を再開すると言明していますし、中国との経済関係も、現在の朴槿恵政権以上に強化しようとするでしょう。

    当然、韓国の財閥も、弱体化を余儀なくされるものと考えられます。

    韓国の財閥の強みは、同族経営による迅速な意思決定にあります。ただ、それと同時に、同族経営ゆえに、「ナッツ・リターン」事件や「韓進海運幽霊船」事件などの不祥事を頻発させる国でもあります。こうした極端な財閥支配構造を変革することは、韓国社会・韓国経済にとっては、長い目で見れば、必要な措置であることは間違いありません。

    ただ、次期大統領が極左政治家であるという事情に照らすなら、こうした社会変革は、あまりにも急進的なものになる可能性もあります。特に、韓国のGDPに対して20%を超える売上高を有するとみられるサムスン財閥の経営が混乱すれば、その混乱は韓国経済全体に波及します。

    財閥を温存すれば格差も固定する

    しかし、韓国の財閥を温存すれば、それはすなわち、韓国国内の社会格差が解消しない、ということでもあります。

    現在、韓国では中産階級以下の家庭に生まれてしまうと、収入が少なくて、非常に苦労するのだそうです。韓国では、こうした状況を「ヘル朝鮮」と自嘲しているのだとか。

    以前も触れたとおり、米ワシントンポスト(WP)は昨年、韓国では若者を中心に、自分の国のことを「ヘル朝鮮」と呼び、いつかは脱出したいと考えている人が増えている、と報じています。

    Young South Koreans call their country ‘hell’ and look for ways out(2016/01/31付 WPより)

    このWPにすら取り上げられたこともあるという「ヘル朝鮮」とは、いったいどういう状況なのでしょうか?様々なメディアの報道を総合すれば、

    • 過酷な受験競争により、幼いころから勉強漬けの若者たち。
    • 苦労して大学に入ったら、次は過酷な就職競争が待っている。
    • 運よく大企業に就職できても、昇格できなければ40代でリストラに遭う。
    • 生活するために飲食店などを起業するが、たいていは失敗する。
    • 年金制度も充実していないため、老後は極貧状態で過ごさねばならない。

    そういう、社会全体が不幸になるいびつな仕組みのことを、「ヘル朝鮮」と表現するそうです。そして、極端な社会格差の原因となっている大きな原因のひとつは、財閥による極端な経済寡占状態にあります。

    韓国の極端な輸出依存立国・財閥大国という経済構造が加速したのは、自称「経済大統領」だった李明博(り・めいはく)政権時代のことですが、朴槿恵政権はこうした社会格差を是正するでもなく、ひたすら問題を放置しました。

    このまま財閥による支配構造を温存すれば、韓国社会は崩壊するでしょう。

    しかし、極左政権が成立し、財閥を急速に解体することになれば、逆に韓国経済は破綻します。

    社会が崩壊するのが良いか、経済が破綻するのが良いか。早晩、韓国はこの二択を迫られるのではないかと、私は見ています。

    政治、経済、社会全てで行き詰る

    いずれにせよ、現在の韓国は、政治、経済、社会のすべての面で、今までの問題が噴出し、行き詰まりを見せています。

    政治面では、つい先日も『【続】破滅に向けて突き進む韓国社会』で議論したとおり、赤化統一、中華属国化、軍事クーデターなどの選択肢を突きつけられています。経済面では、財閥の解体に伴う経済破綻か、財閥温存による社会の崩壊か、そのいずれかを突きつけられている状況にあります。その意味で、この国は120年前の「独立派・事大派」の争いや、「両班」と呼ばれた特権階級と庶民の社会格差という問題から、一歩たりとも進歩していないようにしか見えません。

    私個人的には、母親(故人)が在日韓国人二世であった(※生前に日本に帰化済み)という事情もあり、若い頃は、「日韓両国は仲良く手を取り合い、未来に向けて発展していくべきだ」、「自分こそが日韓友好の懸け橋になりたい」、などと考えていた時期もありました。若気の至りとはいえ、今となっては恥ずかしい限りです。

    しかし、その後、自分なりにさまざまな知見を得て、到達した結論は、「日韓友好は成立しない」、というものでした。それだけではありません。日本と韓国が、ともに発展することはできず、それどころか、韓国が発展するためには日本が不幸にならなければならないという「相克関係」にあることを発見してしまったのです。

    もちろん、自分の深層心理のどこかには、「嫌いな国・韓国が滅びれば嬉しい」という、素直な感情があることは事実ですが、現実はそう単純なものではありません。韓国の滅亡の仕方次第では、日本にも悪影響が及ぶ可能性だってありますし、酷い場合には朝鮮半島から武装難民が押し寄せてくる可能性すら議論しなければならないからです。

    その意味で、私は韓国に対する「好き」「嫌い」を超えて、韓国社会がどのように発展し、あるいはどのように崩壊するかを議論することは、日本の針路を議論していることと、究極的には同じなのだと考えています。引き続き、このテーマについては追いかけていきたいと考えておりますので、どうか今後ともご愛読いただけると幸いです。

    ※本文は以上です。

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