当ウェブサイトでは先日、「韓国崩壊」というタグを準備し、迷走する韓国を議論する専用のテーマを新設しました。そして、『「韓国崩壊」を冷静に議論する』の中で、韓国の将来としては、「①赤化統一」、「②中華属国化」、「③軍事クーデター」の3つしか残されていないと指摘しました。ただ、先日は「①」「②」の違いについて、きちんとした違いを議論する時間がないままで終わってしまいました。そこで、本日は、このうち「赤化統一」と「中華属国化」について、改めてシナリオに分けたうえで、考察を試みてみたいと思います。

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    ここからが本文です。

    「韓国崩壊」を議論する意味

    私は自分自身の母親が在日韓国人二世(生前に日本に帰化済み)であったという事情もあるのでしょうか、若い時分には、「自分こそが日韓両国の友好関係の懸け橋になる!」といった意気込み(あるいは幻想)を抱いていた頃もありました。ただ、その後、自分自身で経験し、勉強し、様々な知見を得るようになってからは、むしろ、韓国と仲良くすること自体が日本にとってのリスク要因であると認識するに至りました。

    当ウェブサイトを見て頂いている方ならお気づきだと思いますが、私は韓国人の血を引いているくせに、自分自身のことは「愛国的な日本人」だと認識しており、この「独立系ビジネス評論サイト」も、「日本をより良い国にしたい」という思いから運営しています。

    ところで当評論サイトでは先日、「韓国崩壊」というタグを設定しました。これには、二つの目的があります。

    一つは、韓国社会が不安定化・崩壊した場合、私たちの国・日本に対し、直接的な脅威が発生するからであり、それを議論すること自体が私たち日本にとって有益だからです。その意味で、韓国社会がどうなろうとしているのかについては、私たちにとっても非常に興味深いテーマです。

    そして、もう一つの目的は、韓国という失敗した社会を「他山の石」にすることです。私たちは韓国を「失敗した社会だ」と言って笑い飛ばすべきではありません。日本だって、2009年8月に衆議院議員総選挙で、新聞やテレビなどのマス・メディアが「政権交代」を煽り、民主党への政権交代が発生し、危うく日本が滅びかけたことがあったではないですか?

    民主主義社会において、国の最高権力者を選ぶのは、国民です。その意味で、一人ひとりの国民が冷静で賢明な判断を下さなければ、愚かな政治家が最高権力者になってしまう可能性だって否定できません。この点、幸いなことに、最近の日本ではインターネットが急速に普及しており、インターネットの掲示板では活発な議論も交わされていますし、また、ちょっとした知識があれば、誰だって情報を発信することができる時代になりました。

    私が情報発信をする動機も、実は、「インターネット空間の議論を通じて、日本をより良い国にしたい」という気持ちにあるのです。

    竹島の日騒動

    本日の「本論」では、「韓国社会の転覆・崩壊」について議論したいと思うのですが、その前に、少しだけ時事ネタにも触れておきましょう。

    昨日は島根県が制定した「竹島の日」でした。日本政府は、昨日行われた、島根県が主催する「竹島の日」式典に、務台俊介内閣府政務官を派遣しました。しかし、毎年、閣僚級は参加していません。どうして日本政府は閣僚を参加させないのでしょうか?そのことが不思議でなりません。

    それはともかくとして、一つ、不思議なニュースを発見しました。韓国人が式典会場の外で、式典に抗議したらしいのです。

    日韓の民族団体と警察もみ合い 式典会場近く一時騒然2017.2.22 13:06付 産経ニュースより)
    韓国議員らが「竹島の日」にまたも文化テロを計画 いつまで傍若無人を許すのか 下條正男・拓殖大教授2017.2.21 06:00付 産経ニュースより

    この情報を取り上げているのは、現時点では産経ニュースくらいしかなく、しかも、産経ニュースの短い記事では、状況はよくわかりません(少し待てば、動画サイトあたりに詳しい情報が上がるかもしれませんが…)。ただ、記事本文や写真のキャプションから判断する限りでは、どうやら毎年、韓国人が日本に観光ビザで入国し、島根県でデモ活動に参加しているようなのです。

    これが事実だとしたら、どうして外国人が日本国内で政治活動を行うことが放置されているのでしょうか?私には全く理解できません。もちろん、日本では、日本国民が政治的な主張を行うこと自体は自由です。しかし、外国人の政治活動については、無制限には認められません。

    「マクリーン事件」というものがあります。これは、1978年(昭和53年)10月4日に最高裁の大法廷が下した判決で、

    (外国人に対する)政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶものと解するのが、相当である

    とするものです。判例上も、「外国人には政治活動の自由が認められないことがある」と示されているのです。ましてや、日本においてこれまで、好ましくない活動を何度も行ってきた外国人に上陸許可を与えるべきではありません。法務省は「ヘイトスピーチ規制法」に必死になるのではなく、日本国内で騒擾(そうじょう)を行おうとする外国人に入国許可を出さないなど、「日本の国益」を守るように動くべきでしょう。法務省の「事なかれ主義」には、心底呆れ返るばかりです。

    外交で行き詰る韓国

    さて、前置きが長くなりましたが、本日の本論は、ここからです。初めに、韓国外交が行き詰っているという点を、改めて振り返っておきましょう。

    交易上は日本との関係が大事!

    あらゆる国を議論する場合、重要な観点は2つあります。それは、「地政学的な位置付け」と「経済的立場」です。

    まず、地政学的に見ると、朝鮮半島の東には日本が、西には中国が、北にはロシアが、そして南には台湾があります(図表1)。

    図表1 韓国や北朝鮮の位置関係

    この位置関係は、極めて重要です。なぜなら、これを踏まえることで、韓国がどの国と仲良くしなければならず、どの国と深入りしてはならないかが、よく分かるからです。そして、韓国が「海洋国家」として貿易を大事にするならば、日本との関係こそが、死活的に重要です。

    韓国は日本を真似し、「貿易立国」として発展してきた国です。具体的には、アラブ諸国などの産油国からエネルギーを、ブラジルやインドネシアから鉄鉱石などを買ってきて製品を作り、それを外国(欧米諸国など)に売ることで儲けています。

    そして、貿易をするためには、原材料・製品を輸送する手段が必要です。これには、大きく分けて①陸路、②海路、③空路、のいずれかしかありません。ただ、「③空路」については輸送コストが高いので、現実的には「①陸路」か「②海路」に依存する必要があります。

    日本の場合は陸路で国境を接している国はないため、このうち「①陸路」を使うことはできません。しかし、「②海路」については、太平洋に面していて、横浜港や神戸港などから簡単に製品を出荷することができます。

    ところが、韓国の場合、交易的に見るならば、外国と貿易をするためには、中国やロシアと陸路でつながるか、それとも海路で日本列島か台湾などをすり抜けて太平洋や南シナ海に出る必要があります。ただ、韓国自身は北朝鮮と分断されているため、中国、ロシアとは陸路でつながっていません。韓国にとって、世界各地に出掛けるためには、日本との関係は死活的に重要であるはずなのです。

    言い換えれば、仮に日本が本気で韓国を経済制裁しようと思えば、海上封鎖をしてしまえば良いということです。実際、北朝鮮は日本からの経済制裁により、一時期、経済は青色吐息という状況に陥りました。日本が技術・経済大国であるという事情もありますが、地政学的要因も併せて考えるならば、日本が本気で海上封鎖に踏み切れば、朝鮮半島を容易に干上がらせることができます(もっとも、現在の日本政府に、そこまで思い切ったことをやる意思があるとは、私には思えないのですが…)。

    経済面での中国依存を強め過ぎた!

    一方、中国との関係についてはどうでしょうか?

    朝鮮半島は歴史的に、歴代の中華帝国の柵封(さくほう)体制のもとで、圧政下に置かれてきました。李氏朝鮮時代には、清国から過酷な支配を受けていたのですが、近代に入り、日本に併合されて以降は、太平洋を通じて外国との交流が始まったのです。

    韓国は1948年に米国から独立しましたが、1992年に中国と国交を正常化するまでは、米国や日本との強い関係を保ってきました。朝鮮半島はロシア・中国と接していますが、朝鮮半島北部には北朝鮮が存在するため、陸路を遮られており、韓国は直接、中国やロシアと陸路で往来することができなかったからです。

    しかし、韓国は愚かにも、1992年に中国と国交正常化して以降、日本との関係を疎かにし、中国との関係を強化するように、国家戦力の舵を切ったのです。私はこれを、「先祖がえり」のようなものだと思っています。

    そして、韓国は経済面での中国傾斜を強めています。総務省統計局が公表する「世界の統計2016」(図表3-2)によると、韓国の名目GDPは1.4兆ドル程度ですが、韓国のGDPに占める貿易依存度(同図表9-3)は2014年時点で77.9%(うち、輸出依存度が40.6%、輸入依存度が37.3%)と高く、さらに貿易相手国(同図表9-6(2))は、輸出、輸入ともに中国がトップです(図表2)。

    図表2 中国依存度が高い韓国のGDP
    項目 数値 備考
    名目GDP 1,410,383百万ドル 数値は全て2014年のもの
    貿易依存度 77.9% うち輸出依存度40.6%、輸入依存度 37.3%
    輸出総額 573,075百万ドル うち中国 145,328百万ドル(約25%)
    輸入総額 525,557百万ドル うち中国 90,071百万ドル(約17%)

    1.4兆ドルのGDPのうち、輸出総額が5,731億ドルと40%以上を占めているというのも異常な貿易依存体質ですが、中国からの輸入は901億ドル(つまりGDPの6%)、そして中国に対する輸出に至っては、実に1,453億ドル、つまりGDPの10%に達している状況にあります。

    このことから、現在の韓国は、経済的には中国に「命綱」を握られてしまっている状況にあります。軍事面で米国に全面的に依存しているくせに、経済面では中国に深く依存してしまっているのです。

    軍事面では対米依存

    さらに、経済と並んで重要な柱である国防については、驚くことに、韓国は自力で防衛できる体制にありません。38度線を挟んで、恐怖の独裁国家・北朝鮮と国境を接しているにもかかわらず―、です。

    戦略家で米戦略問題研究所(CSIS)の元上級顧問であるエドワード・ルトワック氏は著書『自滅する中国』の中で、韓国について1章を割き、同国を次のように分析しています。

    • 「韓国は北朝鮮の挑発に対処しておらず、驚くべきことに、かなり大きな被害を受けた場合でも何も反応していない」(P227)
    • 「中国は金の使い方をよく心得ているように見える。なぜならこうすることで、北朝鮮を確実に鎖につないでおけるからだ。もちろんこの「鎖」というのは、北朝鮮がこれまで通り、時々攻撃的になってくれれば有効になるものだ。人を咬まない犬に鎖をつけても意味がないからだ。」(同P229より)
    • 「韓国の安全保障の責任逃れをしようとする姿勢は、「日本との争いを欲する熱意」という歪んだ形であらわれている」(同P233)
    • 「(日本という)韓国に全く脅威をもたらさない国を最も苛立たせる」(同P234より)
    • 「(韓国の)こうした現実逃避は、国際政治に携わる実務家たちの力や、同盟国としての影響力を損なうものだ。さらにいえば、これによって実際に脅威をもたらしている国に威嚇されやすくなってしまうのだ」(同P234より)

    ルトワック氏の分析を読む限り、韓国は、どうも「自国にとっての最大の脅威」である北朝鮮よりも、「自国に絶対に脅威をもたらさない国」である日本への敵愾心を抱いています。そして、安保面では米国への依存体質から自立できておらず、そんな米国では韓国の「安保タダノリ」への不満が強まっているようです。

    地政学的矛盾に立脚する韓国

    以上から、韓国は、交易面では日本に、経済面では中国に、軍事面では米国に、それぞれ完全に依存し切っています。

    仮に日本が海上封鎖をすれば、韓国は主な貿易ルートを失いますし、中国が経済制裁をすれば、韓国経済は大打撃を受けます。さらに、米国が米韓同盟を破棄すれば、軍事的にはいつ北朝鮮に攻め込まれても不思議ではない状況が生じます。しかも、韓国はそれぞれの国をそれぞれ固有の問題で激怒させている状況にあります(図表3)。

    図表3 隘路に陥る韓国外交
    相手国 韓国にとっての意味 現在の状況
    日本との関係 海上交通の要衝であり、経済・技術面でも韓国に多大な支援を行ってきた相手国でもある 慰安婦問題により日本国民を激怒させ、慰安婦像設置を受けて大使が長期間、一時帰国中である
    中国との関係 近年急速に発展した経済大国であり、輸出高が韓国のGDPの10%を占める国でもある 高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の朝鮮半島への配備に反発し、「限韓令」なども発動される
    米国との関係 軍事面で韓国を守ってくれる最大の同盟国でもあり、経済的にも重要な相手国でもある アジアインフラ開発銀行(AIIB)出資などで、温厚な人柄で知られる前任のオバマ大統領が激怒した

    そんな韓国が、この窮地から脱するためには、まず韓国国民自身が冷静に、「どこの国が韓国にとって一番大事か」という点をきちんと認識することが必要です。

    客観的に見て、現在の韓国にとって必要なことは、軍事的な米国との同盟関係の維持と、経済的な対中依存の是正、さらには日本との関係の再構築です。しかし、現在の韓国は、ことごとく、これと「真逆」のことをやっているのです。

    「赤化統一」と「中華属国化」

    では、このままでは、韓国はどうなってしまうのでしょうか?これを解き明かすキーワードが、「赤化統一」と「中華属国化」です。

    大統領選のフロントランナー・文在寅氏とは?

    韓国では今年、早ければ4月、遅くともおそらく12月に、朴槿恵(ぼく・きんけい)現大統領(※職務停止中)の後任者を選ぶ大統領選挙が行われます。そして、最有力候補者は、文在寅(ぶん・ざいいん)候補です。

    この文在寅氏という人物は、故・盧武鉉(ろ・ぶげん)元大統領の元側近であり、前回(2012年)の大統領選でも朴槿恵氏と接戦の末に敗れたという有力政治家でもあります。その文在寅氏が、韓国のKBSと聯合ニュースが2月6日に共同で実施した世論調査の結果、3割程度の支持を集めて、他の候補者を圧倒している状況です(図表4)。

    図表4 現時点の「有力候補者」(敬称略)
    候補者 支持率 政治的スタンス
    文在寅 ぶん・ざいいん 29.8% 反日・反米・従北
    安熙正 あん・きせい 14.2% やや反日か。対米・対北・対中姿勢は不明
    黄教安 こう・きょうあん 11.2% 保守系(朴政権下で大統領権限代行)
    安哲秀 あん・てっしゅう 6.3% 反日。対米、対中、対北姿勢は不明
    李在明 り・ざいめい 6.3% 過激な反日的な言動などから、韓国メディアは「韓国のトランプ」と表現

    前国連事務総長だった潘基文(はん・きぶん)氏が大統領選への出馬を辞退したことを受けて、現在の大統領代行である黄教安(こう・きょうあん)氏を除けば、有力候補者はいずれも政治的スタンスとしては反日であろうと考えられます。

    ただし、同じ反日であったとしても、文在寅氏のスタンスは、非常に明快です。というのも、彼の政治スタンスは、単なる反日ではなく、「反米・従北」とセットだからです。

    「慰安婦合意を撤回せよ」

    あくまでも報道ベースですが、現在のところ、次期大統領選の有力候補者らは、揃いも揃って「日韓慰安婦合意の撤回」を主張しています。

    昨日も『むしろ日本は慰安婦問題で孤立している!』の中で触れたとおり、私は「日韓慰安婦合意」自体、日本が「行ってもいない軍による強制連行」を行ったかのような前提で成立した合意であり、安倍政権・岸田外相の致命的な外交ミスだと考えています。ただ、それと同時に、韓国がこの慰安婦合意を撤回するとしたら、そのことは韓国自身にとって、大変な事態を招くことになります。

    なぜなら、慰安婦合意は2015年12月に、当時のオバマ政権・バイデン副大統領が仲介する形で成立したものだったからです。そして、米国では既に政権は交代しましたが、米国の戦略は一貫しており、仮に韓国が慰安婦合意を撤回すれば、米韓同盟自体にヒビが入ることにもなりかねません。

    つまり、慰安婦合意を撤回すれば、韓国側から日韓関係、米韓関係に致命的な打撃を与えることになるのです。図表3で示した通り、韓国は既に、日本と米国の両国を激怒させています。そして、今月の安倍総理の訪米により、日米関係はかつてないほど強く密接に結び付きました。こういう状態で、慰安婦合意を破棄すれば、少なくとも日本との関係は終了しますし、米国からも極めて強い不信を招くことになるでしょう。

    中国との関係・北朝鮮との関係

    ところで、韓国で朴槿恵大統領の後任政権が成立し、「日韓慰安婦合意」を破棄した場合、日韓関係や米韓関係が悪化することは間違いないでしょう。最悪の場合、日米両国が韓国を「見放す」可能性すら生じてきますが、そうなったらそうなったで、その後、韓国は中国、北朝鮮との関係を、どのように構築していくのでしょうか?

    実は、このあたりは識者の見解も別れているようです。私は先日、『「韓国崩壊」を冷静に議論する』の中で、「中華属国化」とは韓国が軍事的にも経済的にも中国の傘の下に入ることであり、「赤化統一」とは、事実上、北朝鮮が主導する形での統一国家が成立することだと考えています(詳しくは『「中華属国化」と「赤化統一」の違い』をご参照ください)。

    ところが、つい先日、この記事を配信した日の前後に、北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)の異母兄で前国王・金正日(きん・しょうじつ)の長男の金正男(きん・せいなん)氏が殺害されたとの報道が入って来ています。

    私は、「殺害された」とされる男が、本当に金正男なのか、それとも中国が準備した金正男の「影武者」なのかは判断できません。ただ、中国は金正男を、北朝鮮の体制を崩壊させた後で送り込むための「傀儡要因」として囲っていたと考えています。そう考えるならば、今回、北朝鮮の刺客が金正男を殺害したとする情報が事実ならば、中朝関係が悪化することは間違いないでしょう。

    赤化統一の場合の2つのシナリオ

    文在寅政権下での「赤化統一」はあり得る

    軍事的にも経済的にも、韓国は北朝鮮に対して圧倒的な優位にあります。そんな状況で、「北朝鮮が主導する朝鮮半島の統一」(赤化統一)は、あり得るのでしょうか?

    私は、十分に可能性があると考えています。

    まず、文在寅氏が韓国の後任大統領に選出された場合、同政権は「日韓慰安婦合意」などを撤回し、日本や米国との関係が急激に悪化すると見ています。ただ、盧武鉉政権下で政府高官を務めた経歴を持つ文在寅氏は、経済的・軍事的苦境を脱するために、おそらく、北朝鮮との関係改善に乗り出すでしょう。具体的には、中断されている南北共同プロジェクトである開城(かいじょう)工業団地関連事業や金剛山(こんごうざん)観光の再開などを通じて、北朝鮮に外貨をもたらす政策です。

    また、文在寅氏が大統領に選出された場合、既に韓国社会の思想的土壌は、北朝鮮によって相当、汚染されていると見るべきです。民主主義国家では、国民が愚かな意思決定を行えば、簡単に滅亡します。別に、北朝鮮が韓国を吸収統合するために、軍事力は必要ありません。特に韓国は民主主義国家ですから、国民に親北思想を植え付ける工作が進めば、容易に親北政権が誕生するのです。

    そしてこの場合、さらに2つのシナリオがあり得ます。

    シナリオ①日本にとって最悪の「統一朝鮮の北朝鮮化」

    このうち、日本にとって最悪のシナリオとは、「統一朝鮮」が現在の北朝鮮のような立場となり、韓国ではなく「日本を」恐喝することです。このことは、日本にとって悪夢ともいえます。当然、拉致問題も解決しません。

    現在の北朝鮮は、中国の影の支援も受けながら、主に韓国を恫喝しています。しかし、北朝鮮が韓国を吸収する形での南北統一が実現してしまえば、今度は、「統一朝鮮」は日本を軍事的に恫喝する可能性があるでしょう。特に、「一発ぐらいなら誤射かもしれない」とばかりに、核ミサイルを日本列島に向けて発射するかもしれません。

    このため、日本としては、かりに文在寅政権が成立した場合、同政権の出方次第では、韓国を対象に経済制裁を加えなければならなくなる可能性に注意が必要です。さらに、憲法第9条第2項の撤廃と国軍の整備は、焦眉の急といえるでしょう。

    シナリオ②周辺国を恫喝するパターン

    「朝鮮半島赤化シナリオ」において、もう一つ考えられるパターンは、統一朝鮮が日本だけでなく、周辺国のすべてを恫喝するというパターンです。ただ、このパターンが実現する可能性は、それほど高くないと考えています。やはり、統一朝鮮も、中国との関係を悪化させることは恐れるからです。

    ただ、たとえば統一朝鮮が、「日本との関係を好転させつつ中国に核ミサイルを向ける」、などのバリエーションもあるかもしれません。いずれにせよ、仮にこのようなシナリオが実現してしまった場合には、日本はいったん中国との緊張関係を緩和し、ロシア、米国を巻き込んで朝鮮半島の非核化に乗り出すことが必要でしょう。いずれにせよ、厄介なシナリオです。

    親中政権の誕生と2つのシナリオ

    本来あるべきところに戻る

    一方、日本にとっての「セカンド・ベスト」シナリオとは、親中政権の誕生です。

    文在寅候補以外の候補者のすべてが、政治的なスタンスを明らかにしている訳ではありません。ただ、「反日」「反米」だが「反北」でもある、という候補者が当選すれば、それはすなわち「親中政権」という可能性が高いといえます。

    なぜこのシナリオが「セカンド・ベスト」(あるいは「不幸中の幸い」)なのでしょうか?その理由は、朝鮮半島が「中華属国化」し、「本来あるべきところに戻る」からです。しかし、この場合も、考えられるシナリオは2つあります。

    シナリオ③韓国主導の統一朝鮮

    今度は、シナリオ①②と逆に、韓国が主導する形での統一朝鮮の誕生、というシナリオです。

    仮に、―あくまでも「仮に」、ですが―、韓国で親中政権が誕生し、米韓同盟が消滅し、韓国が中国との軍事同盟を結んだらどうなるでしょうか?この場合、中国としては北朝鮮を維持しておく必要がなくなります。なぜなら、韓国が完全に中国の軍門に下るからです。

    先ほども説明しましたが、朝鮮半島は日本、ロシア、中国に挟まれており、しかも北朝鮮は現在、日本から厳しい経済制裁を食らっています。中国が北朝鮮の経済的支援(特に幹部クラスに下賜する嗜好品などの供給)をやめれば、北朝鮮の体制は、長く続かないでしょう。

    そこで、中国が北朝鮮から核を取り上げ、国家を転覆させ、韓国に統一させることで、「韓国主導の統一朝鮮」が出来上がる、という寸法です。この場合は、日本にとっても悪いシナリオではありません。拉致問題の解決も期待できますし、厄介な朝鮮半島の面倒を見る必要もなくなるからです。なにより、統一朝鮮と中国が同じ陣営となることで、日本にとっての「仮想敵」が可視化する、という効果も得られるからです。

    シナリオ④クロス承認シナリオ

    最後に考えられるシナリオは、韓国が日米両国と関係を断絶して「中華属国化」する一方、日本と米国が北朝鮮を承認するという、「クロス承認シナリオ」です。

    このシナリオも、日本にとっては悪いものではありません。なぜなら、韓国は中国の手に落ちてしまいますが、北朝鮮を日本と米国が「飼い慣らす」ことで、北の核は中国を向くからです。

    ただ、このシナリオは、考え辛いところがあります。というのも、日本人拉致問題が解決しないうちに、日本が北朝鮮を支援することはあり得ないからです。せいぜい、北朝鮮が中国から経済制裁を食らった時に、北朝鮮が細々と生き延びる程度の経済的支援を与えるのが関の山ではないでしょうか?

    それ以外のシナリオと書くシナリオの可能性

    以上、「(1)赤化統一」した場合の「①統一朝鮮の北朝鮮化」、「②統一朝鮮の暴走」、「(2)中華属国化」した場合の「③韓国主導の統一朝鮮」、「④南北朝鮮のクロス承認」について、眺めてきました(図表5)。

    図表5 朝鮮半島の将来シナリオ4つ
    パターン 概要 日本にとっての影響
    ①赤化統一朝鮮、日本を恫喝 北朝鮮が主導する朝鮮半島の統一(赤化統一)が実現し、統一朝鮮が日本を恫喝するシナリオ 日本にとってはできれば避けたいシナリオ
    ②赤化統一朝鮮、周辺国を恫喝 北朝鮮が主導する朝鮮半島の統一(赤化統一)が実現し、統一朝鮮が周辺国を手玉に取るシナリオ 中国、ロシア、米国と連携できるため、シナリオ①よりは「マシ」なシナリオ
    ③韓国主導の統一朝鮮 韓国が中華属国化し、米韓同盟・日韓関係を終焉させ、中国が主導する形で北朝鮮を吸収させるシナリオ 誰が日本の敵なのか「可視化」するため、日本にとっては悪いシナリオではない
    ④クロス承認 韓国が中華属国化する一方、北朝鮮が日米陣営に「鞍替え」するシナリオ 拉致問題の解決等の成否次第だが、対中牽制ができるため、日本にとって悪いシナリオではない

    また、これ以外のシナリオとしては、以前『韓国社会の崩壊を防ぐには…?』などでも論じたとおり、「(3)軍事クーデター」が考えられます。そこで、ここでは冷静に、各シナリオの「確率」について、検討してみましょう。

    なお、昨今の情勢に照らすと、中国経済の崩壊リスクに加え、米軍による北朝鮮への空爆の可能性なども高まっているようですが、本日はあくまでも外的要因については考察しません。

    私は、中国崩壊や北朝鮮空爆などがないという前提のもとで、将来生じる確率は、

    • (1)赤化統一化…60%
    • (2)中華属国化…30%
    • (3)軍事クーデター…10%

    程度であると見ています。そのうえで、

    (1)の場合、
    • ①が実現する確率…70%
    • ②が実現する確率…30%
    (2)の場合、
    • ③が実現する確率…60%
    • ④が実現する確率…40%
    (3)の場合、
    • ⑤軍事クーデターが実現する確率…10%

    と考えているため、シナリオの確率は、

    • ①…42%
    • ②…18%
    • ③…18%
    • ④…12%
    • ⑤…10%

    といったところです。もちろん、以前『「韓国崩壊」を冷静に議論する』で指摘したとおり、軍事クーデターというシナリオも可能性としてはゼロではありません。ただ、私は、

    「非常に近い将来、赤化統一された朝鮮半島が日本を恫喝する」

    という可能性に注意が必要だと考えています。

    いずれにせよ、日本が自力で国を守れるようになるためにも、憲法第9条第2項を撤廃しなければならないことは間違いないでしょう。

    ※本文は以上です。

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