「日米首脳会談は、ほぼ完璧に近い成果を上げたが、それでも課題も残る―。」昨日に続き、本日も「日米首脳会談」に関するレビューを行います。

※本文はお知らせの後に続きます。

本文の前に:最新記事のお知らせ!

  • 岩盤の既得権益こそマスゴミ
    ―――2017/06/23 00:00 (マスメディア論) 15コメント
  • 米WP紙記事と戦後日韓関係の清算に向けて
    ―――2017/06/22 00:00 (韓国崩壊) 1コメント
  • 【速報】明日の予告:慰安婦問題を蒸し返した文在寅とWP記事
    ―――2017/06/21 16:00 (時事) 7コメント
  • 「米朝戦」「慰安婦」「マスゴミ断末魔」の3本建て
    ―――2017/06/21 00:00 (時事) 5コメント
  • 信じられない「文在寅発言」の数々
    ―――2017/06/20 00:00 (韓国崩壊) 3コメント
  • 内閣支持率急落はマスゴミの最後の抵抗
    ―――2017/06/19 12:45 (マスメディア論|時事) 9コメント
  • 華々しいAIIB、実態は「鳴かず飛ばず」
    ―――2017/06/19 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • 沖縄パヨク、ジュネーヴで敗北!
    ―――2017/06/18 18:30 (時事) 1コメント
  • 介護は他人事ではない!
    ―――2017/06/18 00:00 (雑感オピニオン) 1コメント
  • 【速報】たまには良いことをする日本政府
    ―――2017/06/17 10:00 (時事) 5コメント
  • 日韓論・左右論客まとめ切り
    ―――2017/06/17 00:00 (マスメディア論) 5コメント
  • テロ等準備罪新設記念!報道アラカルト
    ―――2017/06/16 00:00 (国内政治) 3コメント
  • 世界最強通貨・円の国際化
    ―――2017/06/15 00:00 (金融) 6コメント
  • 米国人学者によるシャープな韓国論
    ―――2017/06/14 00:00 (政治) 4コメント
  • 今日の韓国NEWS!法治主義を無視する韓国
    ―――2017/06/13 17:00 (時事|韓国崩壊) 3コメント
  • 本当の脅威はマスゴミではなく日本共産党だ
    ―――2017/06/13 00:00 (国内政治) 7コメント
  • 行き当たりばったり外交が早速行き詰る韓国
    ―――2017/06/12 00:00 (韓国崩壊) 6コメント
  • 加計学園「怪文書」巡り国民を愚弄するマスゴミ
    ―――2017/06/11 00:00 (マスメディア論) 8コメント
  • 911テロとフェイク・ニュース
    ―――2017/06/10 00:00 (雑感オピニオン) 3コメント
  • 大統領選から1ヵ月:韓国はどこに行く?
    ―――2017/06/09 00:00 (韓国崩壊) 5コメント
  • 「円の国際化」に向けたメガトン級のニュース
    ―――2017/06/08 00:00 (金融) 5コメント
  • 一帯一路と対中・対韓関係
    ―――2017/06/07 00:00 (外交) 6コメント
  • 【速報】「安倍総理が一帯一路協力」の虚報
    ―――2017/06/06 07:00 (時事) 3コメント
  • 法治国家・日本は無法国家とどう付き合うか?
    ―――2017/06/06 00:00 (外交) 3コメント
  • 暴行事件:「お互いが悪い」と言い始めた韓国メディア
    ―――2017/06/05 15:00 (時事) 5コメント
  • 読者に教えられる時代
    ―――2017/06/05 00:00 (マスメディア論) 8コメント
  • 日本は通貨スワップでAIIBに対抗せよ!
    ―――2017/06/04 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • 社会の中核層のマスゴミ離れ
    ―――2017/06/03 00:00 (マスメディア論) 14コメント
  • 慰安婦問題の時事ネタ補足
    ―――2017/06/02 08:45 (時事) 3コメント
  • 「慰安婦問題」も憲法問題に通じる
    ―――2017/06/02 00:00 (外交) 3コメント
  • 当ウェブサイトでは現在、1日1~2回、記事を更新しており、「知的好奇心を刺激する最新記事」のサマリーをトップページにて常時30件、タイトルを常時100件、それぞれ表示しています。これを機に、ぜひ、「新宿会計士の政治経済評論」をブックマークに登録してください。
    このエントリーをはてなブックマークに追加 政治・社会問題へ

    【PR】スポンサーリンク・広告



    ※広告表示の詳細はプライバシー・ポリシーのページをご参照ください。

    ↓本文へ

    ここからが本文です。

    日米首脳会談レビュー

    日米首脳会談に関する報道発表

    日米首脳会談を巡っては、世界各国のメディアも大きく取り上げているところです。そして、政府(主に外務省)のウェブサイトに、共同声明や麻生太郎副総理・ペンス米国副大統領との会談、さらには日米外相会談などの概要が公表されています。

    日米首脳会談・共同声明(日本語版英語版)(2017年2月11日付 外務省ウェブサイトより)
    麻生副総理兼財務大臣とペンス米国副大統領との会談(2017年2月11日付 外務省ウェブサイトより)
    日米外相会談(2017年2月10日付 外務省ウェブサイトより)

    本日は、このうち「日米共同声明」の、主に「日米同盟」の下りに焦点を当てて、政府が公表した文書の解読を試みたいと思います。

    現在の日本が置かれている状況

    本論に入る前に、議論の前提を確認しておきましょう。

    とても当たり前の話ですが、「外交の目的」には、究極的には次の2つしかありません。

    古今東西変わらない、外交の2つの目的
    1. 自国の軍事的安全を確保すること
    2. 自国の経済的利益を確保すること

    このうち(1)を脅かす軍事的脅威としては、領土を不法に奪い取られること、ミサイル開発などを通じてわが国の国土を攻撃されることなどが含まれます。そして、現在の日本が置かれている状況を冷静に眺めてみると、日本に軍事的脅威をもたらしている国の筆頭格は、中国と北朝鮮です。特に、現在進行形で核兵器やミサイルを開発している北朝鮮もさることながら、尖閣諸島や沖縄県を日本から奪い取ろうとしている中国は、日本の安全保障にとっては深刻な脅威です。

    一方、(2)については、日本経済は長年のデフレ・ギャップに苦しんできました。私に言わせれば、日本経済が低成長に沈んだ最大の「戦犯」は、大胆な緩和を拒絶してきた日本銀行であり、そして不況にもかかわらず増税をゴリ押ししてきた大蔵省・財務省です。

    私が安倍政権を「基本的に」支持している理由は、外交面では「力による現状変更への反対」「法の支配」を、また、経済面では「財政政策・金融政策・構造改革の『三本の矢』」を、それぞれ掲げているからです。いずれも、私は理念としてはほぼ全面的に賛同できます。

    ただ、それと同時に私は安倍政権を「100%無条件に」支持している訳ではありません。というのも、安倍政権が実際に進めている経済政策には初歩的な誤りも多く(例えば2014年4月の消費増税)、また、外交面でも、日本の歴史に禍根を残しかねないミスが目立つからです(例えば2015年12月の「日韓慰安婦合意」)。

    以上の前提条件を踏まえて、今回の日米首脳会談の「成果」を眺めてみましょう。

    防衛面での多大な成果

    日本からの譲歩がない!

    日米首脳会談の共同声明のうち、「日米同盟」に関する項は、次のような文章で始まります。

    揺らぐことのない日米同盟はアジア太平洋地域における平和,繁栄及び自由の礎である。核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない。アジア太平洋地域において厳しさを増す安全保障環境の中で,米国は地域におけるプレゼンスを強化し,日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たす。日米両国は,2015年の「日米防衛協力のための指針」で示されたように,引き続き防衛協力を実施し,拡大する。日米両国は,地域における同盟国及びパートナーとの協力を更に強化する。両首脳は,法の支配に基づく国際秩序を維持することの重要性を強調した。

    日米同盟はアジア太平洋地域における平和、繁栄、自由の礎である―。この文章は、日米同盟が単なる「日米二カ国間の安全保障条約」から、「アジア太平洋地域全体における自由と平和と繁栄を守るコーナーストーンだ」と指摘したものです。そして、米国は「核を含めて」、日本の防衛に「コミットし続ける」と宣言したわけです。

    そして、この文章からは、事前に報じられていた、「トランプ大統領は日本に駐留経費の負担を求める」といった下りは、全く確認できません。昨日も紹介したとおり、英FT紙は「米国は日本に一方的に譲歩している」と批判する記事を掲載していますが、確かにこの文章を見ても、日本が米国に対して何か明確な「手土産」を持参した形跡はないのです。

    沖縄の基地負担軽減への言及

    今回の首脳会談では、日本に対して駐留経費の負担を求めるどころか、むしろ日本の負担軽減にも言及しています。その具体的な例は、沖縄の基地負担軽減に関する言及です。

    日米首脳会談では、在日米軍の再編について、キャンプ・シュワブ辺野古崎地区に普天間飛行場の代替施設を建設する計画への「コミットメントを確認」しました。数日前に沖縄県の翁長知事が公金を使って訪米していたようですが、そうした知事訪米とは無関係に、日米首脳は普天間移設問題への対処を改めて確約した格好となっています。

    中国への牽制

    共同声明文では、日本が米国に対して新たに何か譲歩をするという下りがないばかりか、日本にとって嬉しい合意が含まれています。一つは中国に対する牽制、もう一つは北朝鮮に対する牽制です。

    このうち、中国に対する牽制については、

    • 日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを確認した
    • 日米両国は,東シナ海の平和と安定を確保するための協力を深める行及び上空飛行並びにその他の適法な海洋の利用の自由を含む国際法に基づく海洋秩序を維持する
    • 威嚇,強制又は力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する
    • 係国に対し,拠点の軍事化を含め,南シナ海における緊張を高め得る行動を避け,国際法に従って行動することを求める

    とあります。「中国」という国名を名指ししたわけではありませんが、この5つの条項が、いずれも中国の不法行為を指していることは明らかです。

    ところで、これについて、中国側の反応が見てみたいところですが、残念ながら、現時点で中国側はこの日米首脳会談に対し、沈黙を守っています。中国のメディア(人民網日本語版・英語版、新華網日本語版など)を閲覧してみたところ、日本時間日曜日午前の時点で確認できたのは、中国共産党系の「環球時報」の英語版(Global Times)に掲載された、次の記事だけです。

    US President Trump seeks to promote “fair” trade with Japan(2017/2/11 7:30:52付 環球時報英語版より)

    しかも、環球時報英語版は、今回の安倍総理の訪米のうち、軍事的な協力関係については無視し、経済面にのみ焦点を当てたうえで、論評抜きに事実関係のみ淡々と報じています。そして、環球時報以外の中国のメディアに掲載されているニュースは、「習近平(しゅう・きんぺい)国家主席がトランプ大統領と電話会談をした」という記事ばかりです。

    よって、中国当局は今のところ、日米首脳会談に対して「押し黙ってしまっている」格好です。おそらく、中国は日米の「今後の出方」を伺っているのでしょう。

    北朝鮮への牽制

    次に、北朝鮮への牽制です。

    日米首脳会談では北朝鮮を名指しして、次の5点を表明しました。

    • 核及び弾道ミサイル計画を放棄し,更なる挑発行動を行わないことを北朝鮮に求めること
    • 日米同盟は日本の安全を確保する完全な能力を有しており,米国は,あらゆる種類の米国の軍事力による自国の領土,軍及び同盟国の防衛に完全にコミットしていること
    • 拉致問題の早期解決の重要性を確認
    • 日米韓の三か国協力の重要性を確認
    • 日米両国は,北朝鮮に関する国連安保理決議の厳格な履行にコミットしていること

    これも、「日米韓の三か国協力」の下りを除けば、現時点の日本にとってはほぼパーフェクトな成果です。

    新時代を予感させる日米協力

    さらに、声明文では次のようなくだりがあります。

    「日米両国は,変化する安全保障上の課題に対応するため,防衛イノベーションに関する二国間の技術協力を強化する。日米両国はまた,宇宙及びサイバー空間の分野における二国間の安全保障協力を拡大する。さらに,日米両国は,あらゆる形態のテロリズムの行為を強く非難し,グローバルな脅威を与えているテロ集団との闘いのための両国の協力を強化する。」

    両首脳は,外務・防衛担当閣僚に対し,日米両国の各々の役割,任務及び能力の見直しを通じたものを含め,日米同盟を更に強化するための方策を特定するため,日米安全保障協議委員会(SCC:「2+2」)を開催するよう指示した。」

    このうち、前段については、「新たな日米関係」の到来を予感させるものです。なぜなら、米国が日本を「防衛イノベーションに関する技術協力」の相手国として明示したからです。

    これまで、米国にとっては英国が「特別な関係」の相手国でしたが、今回の声明文では、日本が米国にとって、「英国と並ぶ特別な関係」に格上げされた可能性があるからです。もっとも、本当に日本が米国にとっての信頼できるパートナーとなるかどうかは、今後の日本の行動にもよるという点には注意が必要かもしれませんが…。

    また、後段にある「日米安全保障協議委員会(Security Consultative Committee, SCC)」(いわゆる「2+2」)とは、日米両国の外相・防衛相が以前から不定期に行っているものですが、今後はかなりの頻度で行われるようになるのかもしれません。いずれにせよ、これからの日米協力関係の進展を見るのが楽しみでもあります。

    北朝鮮ミサイル発射を逆手に「日米同盟」を演出

    ところで、安倍総理とトランプ大統領は、日米首脳会談後にフロリダ州に移動し、ゴルフを楽しんでいましたが、日本時間の日曜日午前8時前に北朝鮮がミサイルの発射を行ったとする一方を受けて、安倍総理はトランプ大統領とともに、フロリダ州パームビーチで緊急記者会見を行いました。

    現地時間でいえば土曜日の午後10時38分に行われた記者会見で、CNNは安倍総理とトランプ大統領の発言をそのまま放送しています。

    リンク先の動画は2分少々の動画ですが、まず安倍総理がひとしきり、日本語で北朝鮮に対する非難声明を発したあと、トランプ大統領が次のように話しています(動画の1:50~)。
    Thank you very much Mr. Prime Minister. I just want everybody to understand and fully know that the United States of America stands behind Japan, it’s great ally, 100%. Thank you.
    このうち、 “Stands Behind Japan, It’s Great Ally, One Hundred Percent.”の部分は、ゆっくり、かつ力強く発言。いわば、「100%、重要な同盟国である日本の後ろに立つ」と、北朝鮮や国際社会に対して強く呼びかけた格好です。

    もちろん、北朝鮮によるミサイル発射は到底容認できるものではありませんが、今回の記者会見は、いわば「北朝鮮のミサイル発射」という危機を「逆手に取って」、トランプ氏とともに記者会見を行うことで、

    • 日米同盟の強固さ
    • 安倍総理の指導力

    を、北朝鮮を含む世界中に強く印象付けた格好となっています。

    それでも「百点満点」ではない

    日米同盟の「二つの課題」

    以上、日米首脳会談後の短い声明文や、その後の記者会見などから、今後の日米同盟が「特別な関係」に発展する可能性について眺めてみました。

    昨日も『日米首脳会談、異例にも世界中が注目』の中で触れたとおり、トランプ大統領は日米共同記者会見の中で、「両国の結びつきと友好は非常に深いが、我々はそれをさらに深化させることで合意した」と述べたことを紹介しましたが、今回の安倍総理の訪米は、日米関係が、米国にとっても、米英関係と並ぶ重要な関係に発展することを予期させる、非常に実りの多いものだったと見て良いでしょう。

    ただ、私は今回の「日米共同声明」については、百点満点を付けることはできないと考えています。なぜなら、日米同盟には「二つの課題」があり、それらはいずれも「共同声明」には含まれていないからです。

    韓国の位置付け

    一つ目は、「韓国の位置付け」です。

    北朝鮮について言及した5か条の中で、「両首脳はまたまた,日米韓の三か国協力の重要性を確認した」とする下りがあります。米国は韓国に対して、「朝鮮半島防衛の義務を米国に負わせながら、韓国は通商面で米国に対して多額の貿易黒字を抱えている」、「韓国は米国との軍事的同盟関係を維持していながら、中国との関係を深めている」などの点に、強い不満を抱いているようです。ただ、それでも現状では韓国は米国の同盟国であり、また、ユーラシア大陸の東端に米国が「橋頭堡」を有していることの意義はあるため、現状の米国は、韓国との軍事同盟関係を「米国から切る」ということはしないでしょう。

    しかし、以前から私が申し上げている通り、既に韓国社会は、「赤化統一」に向けて舵を切ってしまっており、「米国との同盟国としての地位」と「民主主義体制」を両立することができなくなってしまっています(詳しくは拙稿『崩壊する韓国社会と日本の対韓外交』もご参照ください)。このまま日米両国首脳が「日米韓三か国協力体制」という認識を維持することは、適切ではありません。

    おそらく米国と日本は、早ければ1年以内に、韓国との「同盟関係」を見直さねばならない局面が到来するのではないでしょうか?

    「殺人憲法」の問題

    もう一つは、日本国憲法の問題です。

    日本国憲法第9条第2項には、

    前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

    と規定されています(「前項の目的」とは、戦争の放棄のこと)。憲法第9条第2項を厳格に守るのならば、外国が日本に攻めて来ても、自衛権の発動たる戦争すらできないわけですし、そもそも自衛隊ですら違憲です。

    歴代の日本政府は、「憲法第9条第2項にも関わらず、個別的自衛権は存在する」という強引な解釈で、騙し騙し乗り切ってきたわけですし、2014年に成立した安保関連法案では「集団的自衛権」が容認されたものの、憲法第9条第2項の制約があるため、いかにも中途半端な法制に終わっています。

    もちろん、私は「憲法」という「成文法」に「戦争放棄」と明記されているからといって、日本が「戦争をしてはならない国だ」と解すべきではないと考えています。というのも、自衛権は自然法で認められたものであり、憲法という「法典」に記載している内容自体が「違憲である」、と考えるべきだからです。憲法第9条第2項という条文は、「外国から攻められても日本国政府は日本国民を守らない」という宣言であり、いわば、一種の「殺人条項」です。

    ただ、そうであるならば、「自衛隊が違憲であるという状態」を解消するためにも、また、私たちの国を自分の力で守れるようにするためにも、まずは憲法第9条第2項という「欠陥殺人憲法」を変える勇気を持つべきです。これは、安倍晋三総理大臣に対して主張すべき話ではありません。私は、他の日本国民のすべてに対し、「この殺人憲法を捨てる勇気を持て!」と強く申し上げたいと思います。

    経済協力は副総理に投げた!

    米国も「三本の矢」を採用!?

    一方、日米首脳会談のうち、経済分野に関しては、冒頭に次のような記載があります。

    日本及び米国は,世界のGDPの30パーセントを占め,力強い世界経済の維持,金融の安定性の確保及び雇用機会の増大という利益を共有する。これらの利益を促進するために,総理及び大統領は,国内及び世界の経済需要を強化するために相互補完的な財政,金融及び構造政策という3本の矢のアプローチを用いていくとのコミットメントを再確認した。

    これは驚きの話です。というのも、「財政、金融、構造」とは、もともとは「アベノミクスの三本の矢」であり、これを「双方が」確認したからです。英語版でも、

    “The United States and Japan represent 30 percent of the world’s GDP and share an interest in sustaining a strong global economy, ensuring financial stability, and growing job opportunities.  To advance these interests, the President and the Prime Minister reaffirmed their commitments to using the three-pronged approach of mutually-reinforcing fiscal, monetary, and structural policies to strengthen domestic and global economic demand.”

    とあり、この「アベノミクスの三本の矢」が日本に限った話ではなく、米国も同様であることがわかるのです。

    TPPはゼロ回答だったが…

    安倍総理の訪米に先立ち、日本のメディアは安倍総理がGPIFの資金を米国に「献上」するかのような悪質な捏造報道を行っていますが、今回の日米共同声明からは、日本が米国に対して直接、財政支出をする、あるいは日本が米国に投資を行うという「金額的なコミットメント」は一切行われていません。

    今回の共同声明から確認できることは、

    • 両首脳は,自由で公正な貿易のルールに基づいて,日米両国間及び地域における経済関係を強化することに引き続き完全にコミットする
    • アジア太平洋地域における,貿易及び投資に関する高い基準の設定,市場障壁の削減,また,経済及び雇用の成長の機会の拡大を含むものである
    • 両国間の貿易・投資関係双方の深化と,アジア太平洋地域における貿易,経済成長及び高い基準の促進に向けた両国の継続的努力の重要性を再確認した

    といったものです。ここのいったいどこに「GPIF」の文言があるのでしょうか?

    もちろん、米国がTPPから「離脱した」ことは残念ではありますが、日本側からは米国に対し、現段階で特段の具体的なコミットを行ったわけではありません。したがって、米国のTPP離脱を除けば、経済面では「総論でほぼパーフェクトな合意」、「各論については今後の日米交渉次第」、といったところでしょう。

    麻生副総理兼財務大臣とペンス米国副大統領との会談

    実は、日米共同記者会見でも安倍総理から言及がなされたとおり、今後の経済協議については、

    麻生太郎副総理とマイケル・ペンス副大統領との間で、「分野横断的な対話」を行うことで合意した

    との説明がありました。

    私の見立てでは、トランプ氏自身、どうも経済学をきちんと理解している様子はありません。そこで、実務家レベルとして、「麻生副総理とペンス副大統領が主導する」という形にしたのは大成功でしょう。というのも、トランプ氏はあくまでも「経営者」であって、政治家ではないため、マクロ経済学・財政学に極端に疎いからです。このため、「実務家」であるペンス氏に経済政策を「投げた」形となったのは、大きな成果の一つともいえるでしょう。

    客観的で冷静な評論が必要だ

    昨日の配信で、私はFT、WSJ、WPなど、主に英語メディアの報道を紹介しました。これらのメディアの報道の中には、「アベがトランプにうやうやしく朝貢した」とでも言いたげな、悪意に満ちたものもありましたし、「欧州の首脳がトランプの入国禁止措置に明確な抗議声明を出したのに、アベはノーコメントを貫いた」などと批判的なものもあります。

    英米メディアの中でも、CNNやNYTなどを中心に、「反トランプ」姿勢を貫くあまり、明らかに議論が迷走しているようなものも多いのが実情です。ただ、「事実関係を客観的に伝える」、「冷静に分析する」といったスタンスを忘れて感情的な報道に終始すれば、既に日本国民からの信頼を失ってしまった日本のマス・メディアと同様、米国のマス・メディアも、米国市民からの信頼を失うでしょう。

    いずれにせよ、本日の私の評論の基になった声明文などは、首相官邸や外務省のウェブサイトに行けば、誰にでも取得できるものばかりです。改めてリンクを示しておきますので、もし内容に疑問があれば、下記ウェブサイトで文書を入手したうえで、是非、読み比べてみてください。

    日米首脳会談・共同声明(日本語版英語版)(2017年2月11日付 外務省ウェブサイトより)
    麻生副総理兼財務大臣とペンス米国副大統領との会談(2017年2月11日付 外務省ウェブサイトより)
    日米外相会談(2017年2月10日付 外務省ウェブサイトより)

    ※本文は以上です。

    ウェブサイトからのお知らせ

    記事本文下に関連記事も表示しております。なお、コメントは「関連記事」の下に入力可能です。注意事項「当ウェブサイトへのコメントについて」を踏まえたうえで、ご自由にコメントをなさってください。頂いたコメントには必ず目を通します。また、最近、拝領したコメントに返信できないことが多いのですが、この場を借りてお詫び申し上げます。
    なお、当ウェブサイトでは、現在、1日1~2回、記事を更新しており、最新記事はトップページにて常に30件表示しています。これを機に、ぜひ、「新宿会計士の政治経済評論」をブックマークに登録してください。

    【最新記事100件】
  • 岩盤の既得権益こそマスゴミ
    ―――2017/06/23 00:00 (マスメディア論) 15コメント
  • 米WP紙記事と戦後日韓関係の清算に向けて
    ―――2017/06/22 00:00 (韓国崩壊) 1コメント
  • 【速報】明日の予告:慰安婦問題を蒸し返した文在寅とWP記事
    ―――2017/06/21 16:00 (時事) 7コメント
  • 「米朝戦」「慰安婦」「マスゴミ断末魔」の3本建て
    ―――2017/06/21 00:00 (時事) 5コメント
  • 信じられない「文在寅発言」の数々
    ―――2017/06/20 00:00 (韓国崩壊) 3コメント
  • 内閣支持率急落はマスゴミの最後の抵抗
    ―――2017/06/19 12:45 (マスメディア論|時事) 9コメント
  • 華々しいAIIB、実態は「鳴かず飛ばず」
    ―――2017/06/19 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • 沖縄パヨク、ジュネーヴで敗北!
    ―――2017/06/18 18:30 (時事) 1コメント
  • 介護は他人事ではない!
    ―――2017/06/18 00:00 (雑感オピニオン) 1コメント
  • 【速報】たまには良いことをする日本政府
    ―――2017/06/17 10:00 (時事) 5コメント
  • 日韓論・左右論客まとめ切り
    ―――2017/06/17 00:00 (マスメディア論) 5コメント
  • テロ等準備罪新設記念!報道アラカルト
    ―――2017/06/16 00:00 (国内政治) 3コメント
  • 世界最強通貨・円の国際化
    ―――2017/06/15 00:00 (金融) 6コメント
  • 米国人学者によるシャープな韓国論
    ―――2017/06/14 00:00 (政治) 4コメント
  • 今日の韓国NEWS!法治主義を無視する韓国
    ―――2017/06/13 17:00 (時事|韓国崩壊) 3コメント
  • 本当の脅威はマスゴミではなく日本共産党だ
    ―――2017/06/13 00:00 (国内政治) 7コメント
  • 行き当たりばったり外交が早速行き詰る韓国
    ―――2017/06/12 00:00 (韓国崩壊) 6コメント
  • 加計学園「怪文書」巡り国民を愚弄するマスゴミ
    ―――2017/06/11 00:00 (マスメディア論) 8コメント
  • 911テロとフェイク・ニュース
    ―――2017/06/10 00:00 (雑感オピニオン) 3コメント
  • 大統領選から1ヵ月:韓国はどこに行く?
    ―――2017/06/09 00:00 (韓国崩壊) 5コメント
  • 「円の国際化」に向けたメガトン級のニュース
    ―――2017/06/08 00:00 (金融) 5コメント
  • 一帯一路と対中・対韓関係
    ―――2017/06/07 00:00 (外交) 6コメント
  • 【速報】「安倍総理が一帯一路協力」の虚報
    ―――2017/06/06 07:00 (時事) 3コメント
  • 法治国家・日本は無法国家とどう付き合うか?
    ―――2017/06/06 00:00 (外交) 3コメント
  • 暴行事件:「お互いが悪い」と言い始めた韓国メディア
    ―――2017/06/05 15:00 (時事) 5コメント
  • 読者に教えられる時代
    ―――2017/06/05 00:00 (マスメディア論) 8コメント
  • 日本は通貨スワップでAIIBに対抗せよ!
    ―――2017/06/04 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • 社会の中核層のマスゴミ離れ
    ―――2017/06/03 00:00 (マスメディア論) 14コメント
  • 慰安婦問題の時事ネタ補足
    ―――2017/06/02 08:45 (時事) 3コメント
  • 「慰安婦問題」も憲法問題に通じる
    ―――2017/06/02 00:00 (外交) 3コメント
  • サッカー・韓国人選手による暴行事件に思う
    ―――2017/06/01 15:00 (時事) 4コメント
  • 米WSJ「憲法は日本にとって危険だ」
    ―――2017/06/01 00:00 (国内政治) 5コメント
  • 外国に活動舞台を移す日本のパヨクたち
    ―――2017/05/31 06:00 (時事) 5コメント
  • 観光客日韓逆転と国の安全保障
    ―――2017/05/31 00:00 (経済全般) 10コメント
  • メディアが報じない、G7会合の凄い成果
    ―――2017/05/30 00:00 (外交) 7コメント
  • 【速報】「国民大多数が受け入れず」―韓国外交当局
    ―――2017/05/29 21:00 (時事|韓国崩壊) 4コメント
  • 【逆説】日本がAIIBに入る「目的」とは?
    ―――2017/05/29 00:00 (RMB|金融) 6コメント
  • やはり文在寅は慰安婦問題を反故にする!
    ―――2017/05/28 00:00 (韓国崩壊) 11コメント
  • 最近の記事の振り返りと暴走するパヨク
    ―――2017/05/27 00:00 (マスメディア論) 6コメント
  • 安倍政権、歴代5位に!
    ―――2017/05/26 17:00 (時事|国内政治) 5コメント
  • 新聞配達の思い出
    ―――2017/05/26 00:00 (雑感オピニオン) 10コメント
  • 有権者よ、反省せよ!
    ―――2017/05/25 00:00 (マスメディア論) 14コメント
  • ドイツと中国の意外な類似性
    ―――2017/05/24 00:00 (RMB|金融) 6コメント
  • 韓国も北朝鮮と同時に経済制裁?
    ―――2017/05/23 20:00 (時事|韓国崩壊) 1コメント
  • 日本人に意識改革を迫るメディアの虚報
    ―――2017/05/23 00:00 (マスメディア論) 4コメント
  • 「マネージ」と「決断」
    ―――2017/05/22 00:00 (韓国崩壊|外交) 3コメント
  • ネタの棚卸:国際的金融支援、国債論など
    ―――2017/05/21 00:00 (雑感オピニオン) 4コメント
  • 今週の振り返り:朝日捏造、慰安婦、AIIB
    ―――2017/05/20 00:00 (RMB|韓国崩壊|金融) 4コメント
  • 韓国特使は何をしに来た?
    ―――2017/05/19 00:00 (韓国崩壊) 25コメント
  • ビジネスマンの手法で朝日捏造を検証する
    ―――2017/05/18 00:00 (マスメディア論) 12コメント
  • 【速報】予告:朝日の捏造仮説
    ―――2017/05/17 21:00 (時事) 4コメント
  • 成果に乏しい一帯一路フォーラムとメディアの「虚報」
    ―――2017/05/17 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • AIIB巡る時事通信の「虚報」?
    ―――2017/05/16 06:00 (RMB|時事) 7コメント
  • 北朝鮮ミサイル危機と「自分の足で立つこと」
    ―――2017/05/16 00:00 (外交) 3コメント
  • 「国連人権委が日韓合意見直しを勧告」報道のウソ・ほか
    ―――2017/05/15 17:30 (時事) 3コメント
  • 当ウェブサイトへのコメントと週末の韓国NEWS
    ―――2017/05/15 00:00 (韓国崩壊) 1コメント
  • AIIB「参加意思表明国」増加の真相
    ―――2017/05/14 13:30 (RMB|時事|金融) 2コメント
  • フェイク・ニュース撲滅のためには?
    ―――2017/05/14 00:00 (マスメディア論) 8コメント
  • 【速報】AIIB加盟論「再浮上」報道を検証する
    ―――2017/05/13 07:15 (RMB|時事|金融) 3コメント
  • 国同士の友好関係
    ―――2017/05/13 00:00 (韓国崩壊|外交) 10コメント
  • 「架空社説」と本日の韓国NEWSダイジェスト
    ―――2017/05/12 10:45 (時事|韓国崩壊) 9コメント
  • 専門家が見る、中国金融覇権の「無謀」
    ―――2017/05/12 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • パヨクと怪しい「報道の自由度ランキング」
    ―――2017/05/11 00:00 (マスメディア論) 2コメント
  • 文在寅政権が破壊する日韓関係と韓国社会
    ―――2017/05/10 16:00 (時事|韓国崩壊) 3コメント
  • 「文在寅政権」に対する官邸の反応
    ―――2017/05/10 10:00 (時事|韓国崩壊) 1コメント
  • 日本人よ、「日韓新時代」を覚悟せよ!
    ―――2017/05/10 00:00 (韓国崩壊) 6コメント
  • 文在寅氏、当確か?
    ―――2017/05/09 21:00 (時事|韓国崩壊) 1コメント
  • 保守論壇に対する「苦言」など
    ―――2017/05/09 14:40 (時事) 2コメント
  • 「文在寅大統領」は三拝九叩頭の礼をするのか?
    ―――2017/05/09 09:30 (時事|韓国崩壊) 1コメント
  • 赤化統一まっしぐら?「嫁姑問題」と韓国
    ―――2017/05/09 00:00 (韓国崩壊) 3コメント
  • 金融リーダーシップを狙う日本
    ―――2017/05/08 00:00 (日韓スワップ|金融) 1コメント
  • ニコニコ顔の麻生副総理と仏頂面の中国財相
    ―――2017/05/07 20:00 (時事) 1コメント
  • ADBとAIIBの「役割分担」の時代
    ―――2017/05/07 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • AIIBと通貨スワップ・最新版
    ―――2017/05/06 17:30 (RMB|日韓スワップ|金融) 3コメント
  • 人民元のお寒い現状
    ―――2017/05/06 00:00 (RMB|金融) 1コメント
  • 中国さん、米国さん、韓国は簡単に屈しますよ!
    ―――2017/05/05 21:30 (時事) 1コメント
  • 倒産という社会的鉄槌が必要な新聞とは?
    ―――2017/05/05 00:00 (マスメディア論) 5コメント
  • 「毒まんじゅう」仮説と日韓・米韓関係の終焉
    ―――2017/05/04 00:00 (韓国崩壊) 3コメント
  • 【過去コンテンツ再録】犯罪をなくす画期的な憲法私案・ほか
    ―――2017/05/03 16:45 (過去ブログ) 2コメント
  • 70年間放置されてきた欠陥憲法
    ―――2017/05/03 00:00 (国内政治) 12コメント
  • 内部から腐る自民党への危機感
    ―――2017/05/02 00:00 (国内政治)
  • 読者の皆様へ―お詫びとお知らせ
    ―――2017/05/01 00:00 (雑感オピニオン) 3コメント
  • 反社会的組織の行く末
    ―――2017/04/30 00:00 (政治) 4コメント
  • 私の教育の「4つの方針」
    ―――2017/04/29 00:00 (雑感オピニオン) 4コメント
  • 雑感アラカルト―足を引っ張る野党 ほか
    ―――2017/04/28 00:00 (政治その他) 4コメント
  • 日本人は朝日新聞社との闘いに勝てる!
    ―――2017/04/27 00:00 (マスメディア論) 2コメント
  • 復興相辞任という「敵失」を台無しにする村田発言
    ―――2017/04/26 14:30 (時事|国内政治) 6コメント
  • 朝鮮半島危機は日韓関係清算の好機
    ―――2017/04/26 00:00 (韓国崩壊) 5コメント
  • 北京から東京へ―カギを握る日本と何もできない韓国
    ―――2017/04/25 12:00 (時事|外交) 3コメント
  • 「フランスのEU離脱」という議論の浅さ
    ―――2017/04/25 00:00 (外交) 2コメント
  • 北朝鮮危機と「安倍晋三」という指導力
    ―――2017/04/24 20:30 (時事|外交) 4コメント
  • 力作「なぜ韓国は中国についていくのか」を読む
    ―――2017/04/24 00:00 (韓国崩壊) 2コメント
  • 米外交専門誌「韓国を見捨てるべき」
    ―――2017/04/23 00:00 (韓国崩壊) 7コメント
  • 保守について考える
    ―――2017/04/22 00:00 (政治その他) 3コメント
  • 今日の韓国NEWSダイジェスト!「日本は韓国を捨てる」?
    ―――2017/04/21 06:00 (時事|韓国崩壊) 2コメント
  • 金融から見た中国の「3つの夢」
    ―――2017/04/21 00:00 (RMB|金融) 3コメント
  • 緊張感を欠いた韓国メディア報道
    ―――2017/04/20 07:00 (時事) 4コメント
  • 【再】日本人ビジネスマンの8割「韓国不要」ほか
    ―――2017/04/20 00:00 (マスメディア論) 1コメント
  • この期に及んで配慮を求める韓国メディアの愚
    ―――2017/04/19 15:00 (時事|韓国崩壊) 5コメント
  • 民主主義を信じる―9条の欺瞞に気付く日本国民
    ―――2017/04/19 00:00 (政治その他) 3コメント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 政治・社会問題へ

    著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

    【PR】スポンサーリンク・広告