本日の議論では、韓国について「①中華属国化」、「②赤化統一」、「③軍事クーデター」という具体的な「3つのシナリオ」を提示したいと思います。私の見立てでは、現在の韓国社会の崩壊は避けられないと考えるからです。そのうえで、日本が何をしなければならないのか、私なりの対処法を示したいと思います。

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    韓国という「民主主義の失敗国家」

    当たり前の話ですが、現在の韓国は民主主義国です。しかし、民主主義国だからといって、常に正しい判断を下すとは限りません。特に、韓国国民は、歪んだ歴史教育の成果もあってか、「かつて日本に侵略され、支配された」という強い固定観念(あるいは妄想)にとりつかれています。こうした状況を踏まえたうえで、冷静になって現在の韓国が置かれている立場を考察すると、残念ながら韓国には「日本を侮辱しながら米中両国に二股を掛けて良いところ取りをする」というこれまでの同国の外交は、確実に破綻します。

    そこで、本日は普段の当ウェブサイトの議論を集約する形で、「韓国に残された3つの選択肢」について議論するとともに、実は日本にこそ、この厄介な国とどう付き合うかについての「覚悟」が求められているという点を指摘したいと思います。

    民主主義と先進国

    民主主義は「絶対」ではない!

    私たちは学校教育の中で、「民主主義こそが理想的な政治体制だ」と教わってきましたし、欧米先進国の多くは民主主義国でもあります。このため、実際に多くの人が、「民主主義国家イコール先進国だ」、あるいは「先進国イコール民主主義国家だ」、と、思い込んでいるかもしれません。

    しかし、実は、こうした認識は大きな間違いです。

    もちろん、高度に経済・金融が発展している国の中には、民主主義を採用する国が多いことは事実です(例えば米国や日本、欧州諸国など)が、中には「民主主義ではない先進国」もあります。たとえば、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の中でも特に「一人当たりGDPが高い国」であるシンガポールは、形式上は民主主義国家ですが、選挙制度その他の仕組み上、事実上、政権与党しか勝てない状況にあります。また、同じくアジアで「高度な金融センター」として知られているのは、中国の「特別行政区」でもある香港ですが、香港では「国家元首」に準じた地位にある行政長官の直接選挙が認められていません。

    一方、「民主主義国」であれば自動的に「先進国」となるわけではありません。とくに、これまで「民主主義」の仕組みが導入されていなかった国・地域に、強引に民主主義を導入しても、うまく機能しないこともあります。米国などが戦争を仕掛け、独裁体制を倒したアフガニスタンやイラク、さらにはエジプトやリビアでは、民主主義が上手く機能しておらず、それどころかテロ組織が跋扈して、社会が事実上崩壊しそうになっている国すらあります。また、そこまで極端ではないにせよ、民主主義国でありながら汚職が跋扈しているような国も、世界には多数存在しています。

    いずれにせよ、現実の世界は、「民主主義国であれば自動的に先進国になれる」、あるいは「民主主義国であれば国民は豊かで幸せになれる」、といった単純なものではないことは間違いありません。

    民主主義は脆弱な仕組みである!

    民主主義について議論する時に、もう一つ、重要な事実があります。それは、民主主義とは、非常に脆弱(ぜいじゃく)な仕組みである、という点です。民主主義国では、「大衆におもねる」ような候補者(つまりポピュリスト)が政権を取ってしまうリスクが常に存在しています。後述するように、現在の日本の場合は、民主主義が非常にうまく機能しています。しかし、世界中の民主主義国が、国や社会をうまく運営しているのかと問われれば、「そうとは限らない」、というのが答えです。

    例えば、ヒトラー率いるナチスは、暴力的に権力を掌握したわけではありません。ワイマール共和国時代に、あくまでも民主的な選挙によって権力を握ったのです。今年はフランス、ドイツを含めた欧州各国で選挙が行われますが、ユーロ圏の矛盾、難民問題、民間金融機関の経営難などの複合的な危機に瀕している欧州の有権者たちが、どのような判断を下すのかが見物でしょう。

    民主主義を機能させる2つの条件

    ではなぜ、民主主義国の中には、「うまく国を運営している場合」と「そうでない場合」があるのでしょうか?

    これはあくまでも私の仮説ですが、民主主義を機能させるためには、2つの条件が必要です。1つは国民の教育水準が高いことであり、もう1つは、国民が常識的な判断を下せる状況にあることです。

    たとえば、ナチス・ドイツの台頭を招いた第一次世界大戦直後のドイツ・ワイマール共和国では、ドイツ国民の教育水準が低かったからではありません。戦後賠償の負担が重過ぎるあまり、ドイツ国民の多くは生活に困窮しており、そのことでドイツ国民が常識的な判断力を失い、その結果として共産党とナチス党が台頭したのです。なお、余談ですが、「ナチス」とはドイツ語の“Nazionalsozialistische Deutsche Arbeitpartei”(国家社会主義ドイツ労働者党、音訳ナツィオナルゾツィアリスティッシェ・ドイッチェ・アルバイトパルタイ)の先頭の「Nazi」をとったものであり、もともとは社会主義政党です。日本国内では、共産党や労組などの左派勢力が、安倍晋三総理大臣のことを「ヒトラー」になぞらえて「独裁者だ」と批判しているようですが、ナチスこそが社会主義者であるという事実を彼らは知らないのでしょうか?極めて不思議です。

    それはともかくとして、日本も外国のことを笑っていられません。例えば、日本の場合だと、2009年8月30日の衆議院議員総選挙で、民主党が「地滑り的勝利」を収めて政権交代が実現しました。私に言わせれば、この総選挙の結果は「新聞とテレビを中心とするマス・メディアの猛烈な偏向報道によってもたらされたもの」です。しかし、「有権者が新聞やテレビに騙された」にしても、日本国民が民主党という「限りなく無能な集団」を政権与党に選んでしまったことは事実なのです。ただ、日本国民もバカではなかったらしく、政権交代を痛烈に反省。その結果、2012年12月の総選挙では、与党・民主党は現役閣僚8人を含めた多数の落選者を出して惨敗。自民党が圧勝し、政権与党に復活しました。また、それ以降、少なくとも私の周囲では、「政治なんて誰がやったって同じだよ」といった無責任な発言をする者はいなくなりました。

    いずれにせよ、民主主義国では、その国の政治の最高責任者を選ぶのはその国の国民です。基本的に民主主義国では、その国の国民の政治に対する関心や見識以上に優れた政治家が選ばれることはありません。民主主義を機能させるためには、基礎教育に加えて国民が変な情報に惑わされないことが何よりも重要です。

    それでも私は「民主主義」を信じる!

    • 民主主義国が全て豊かで平和な先進国であるとは限らないこと。
    • 民主主義国でなくても豊かな先進国が存在していること。
    • 民主主義がポピュリズムに陥って失敗してしまうリスクを伴っていること。

    私たちは、「民主主義が絶対に正しいとはいえない」という点、そして民主主義にリスクが伴う点については、きちんと認識しておかなければなりません。ただ、私はだからといって、「民主主義なんて信頼できないよ」と申し上げるつもりはありません。いや、むしろ私は「民主主義」の信奉者です。それも、「ガチガチの民主主義者」だと考えています。

    口先だけで「民主主義」と唱えるのではなく、有権者の一人ひとりが「民主主義の限界」をきちんと把握することで、むしろ民主主義はより洗練され、機能することになります。民主主義を機能させるためには、国民一人ひとりの教育水準が高いことに加え、市井(しせい)の人々が、活発で健全な政策議論を行う土壌ができていることが必要です。

    2009年8月の民主党への政権交代を招いたのは、新聞・テレビを中心とするマス・メディアの偏向報道が原因でしたが、このような悲劇を防ぐためには、私たち日本国民一人ひとりが今以上に賢くなる必要があります。実は、私が「独立系ビジネス評論サイト」を運営している理由も、「活発で健全な政策議論」を行うことに、微力ながら貢献したいと考えているからなのです。

    自滅に向かって突き進む

    前置きが長くなりましたが、「民主主義が機能しないこともある」点について、いくつかの事例と原因を考えてみました。ここからは、「自滅に向かって突き進む民主主義国」について、議論してみたいと思います。

    奇妙な情報に振り回される人たち

    「民主主義国はその国の民度を超えることができない」―。

    これは、政治学を学んだ人であれば、誰でも知っている事実です。そして、「愚かな大衆が愚かな指導者を選出し、その愚かな指導者が国を滅ぼす」ということを、「衆愚政治」と呼びます。

    上で議論したとおり、民主主義国が正しい指導者を選ぶためには、国民レベルで基礎教育がいきわたっていることと、国民が正常な判断を下すことができる状況の2つが必要です。ただ、国民レベルで徹底的に「反日教育」を刷り込んだ結果、国民が正常な判断を下すことができなくなっている国があります。

    「自滅に向かって突き進む国」とは、いうまでもなく、私たち日本の対馬海峡を隔てた隣国・韓国のことです。具体的には、たとえば「戦時中に日本軍が朝鮮半島で少女20万人を組織的に拉致し、戦場に強制連行して性的奴隷にした」とされる「従軍慰安婦問題」という壮大な虚構をでっち上げ、国民レベルで日本を糾弾している行為が挙げられます。

    実際、ソウルの日本大使館前の公道上や釜山の日本総領事館前の公道上に設置された慰安婦像については、撤去される気配すら見えません。菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官は2月3日(金)午後の記者会見で、記者から「日本大使の帰任時期」について問われたところ、「政府としては韓国側に対し粘り強く慰安婦合意に関する誠意ある努力を求めていきたい」と述べ、「総合的に判断する」との従来の姿勢を繰り返しました。

    内閣官房長官記者会見(2017年2月3日付 首相官邸ウェブサイトより。なお、慰安婦像に関連する質問は動画の1:20から3:55まで)

    つまり、韓国政府には慰安婦像を撤去する気配すらなく、こうした状況で日本政府としても大使を帰任させることは考え辛いという、完全な「膠着状況」が生じてしまっているのです。

    ただ、「奇妙な情報」に振り回された結果、慰安婦像を「日本から受けた被害」という「妄想」の象徴にしてしまっているのは韓国国民です。その意味で、日韓関係の停滞を招いた全ての責任は、韓国政府というよりは韓国国民にあるのです。

    今年確実に行われる韓国大統領選

    ところで、韓国について議論する時に、忘れてはならない点が一つあります。それは、「韓国も民主主義国家である」、という点です。

    その韓国では、現在、朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領が「大統領権限停止中」にあります。朴大統領は、彼女の友人である崔順実(さい・じゅんじつ)氏に対し、国家機密を含めた様々な情報を漏洩していたとして、昨年12月9日に韓国国会が「弾劾訴追案」を可決。大統領は即時「職務権限停止」状態に陥りました。

    韓国の憲法の規定上、国会で弾劾訴追案が可決された場合は、180日以内(つまり遅くとも今年6月7日まで)に、憲法裁判所が大統領を罷免するかどうかを決定します。ただ、罷免が決定されるかどうかにかかわらず、少なくとも憲法裁判所が判断を下すまでの期間、韓国の行政が大きく停滞することは間違いありません。

    また、罷免判決が下されたならば、その日から60日以内に大統領選挙が行われますし、もともと朴大統領の任期が2018年2月までであるため、罷免されなかった場合でも今年中には後任の大統領を決める選挙が行われるはずです。つまり、どちらにしても今年、韓国で大統領選が行われるのです。

    朴大統領の後任としての有力候補者は、次の人たちだそうです(敬称略)。

    李在明(り・ざいめい)

    1964年12月22日生まれ。韓国・城南(じょうなん)市長。国会第1党で最大野党「共に民主党」に所属し、「韓国のトランプ」を自称する。政治スタンスは反米・反日。

    文在寅(ぶん・ざいいん)

    1953年1月24日生まれ。韓国の最大野党「共に民主党」の前代表。政治スタンスは反米・反日・従北。

    安哲秀(あん・てっしゅう)

    1962年2月26日生まれ。野党「国民の党」の共同代表。IT企業の創業者でもあり、「韓国のビル・ゲイツ」を自称する。政治スタンスは自称「中道・保守」。

    朴元淳(ぼく・げんじゅん)

    1956年3月26日生まれ。ソウル市長。政治スタンスは反日・反米。ただし、1月26日に大統領選への不出馬を表明。

    潘基文(はん・きぶん)

    1944年6月13日生まれ。前国連事務総長。政治スタンスは「保守」。2月1日に大統領選への不出馬を表明

    この中で、朴元淳氏と潘基文氏は、(現時点では)大統領選への不出馬を表明しています。ただ、韓国人のことですから、「前言撤回」して大統領選に再出馬する可能性は否定できません。

    そこで現時点では、引き続きこの5人を「有力候補」とみなしておくのが無難でしょう。

    誰がなっても反日・反米?

    ただ、この5人の「有力候補者」、主張内容にはいずれも大きな問題があります。

    日米との関係に焦点を絞るならば、「慰安婦合意」、「日韓包括軍事情報保護協定(GSOMIA)」、「高高度ミサイル防衛システム(THAAD)」の「3点セット」が大切です。なぜなら、この「3点セット」は、米国が「日米韓3ヵ国連携」を進めるためのものだからです。

    日韓慰安婦合意とは:

    2015年12月28日に、日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世(いん・へいせい)外交部長官(=外相に相当)との間で、口頭で成立した国際合意。文書化はされていないが、韓国政府が設立する財団に日本政府が予算から10億円を拠出することなどを条件に、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に」解決することを、日韓両国外相が確認したもの。なお、日本政府は2016年8月末時点で10億円を拠出済み。

    日韓包括軍事情報保護協定(GSOMIA)とは:

    日韓両国間で北朝鮮に関する情報などを含めた軍事情報を共有するための秘密保持協定。2012年6月29日時点で署名直前に韓国側がドタキャンしたが、2016年11月23日に署名が成立した。

    高高度ミサイル防衛システム(THAAD)とは:

    米軍が開発した弾道弾迎撃ミサイルシステム。大陸弾道ミサイルが目標地点に到達する直前に迎撃することを目的としたもので、成層圏上空などの高高度での迎撃が可能。韓国国防省と在韓米軍は2016年7月8日に、在韓米軍へのTHAAD配備で合意し、それ以降、猛反発を強める中国は韓国に対する経済制裁をちらつかせている。

    ところが、「有力候補者」は、慰安婦合意、GSOMIA、THAADの「3点セット」に対して、少なくとも1つ以上については「撤回」を公言しています(図表1)。

    図表1 「有力候補者」の「3点セット」に対するスタンス
    候補者 慰安婦合意 GSOMIA THAAD
    李在明 撤回 撤回 撤回
    文在寅 撤回 再検討 不明
    安哲秀 撤回 不明(否定的との報道もある) 国会批准が必要
    朴元淳 撤回 撤回 撤回
    潘基文 履行⇒撤回に転じる 不明 賛成?

    これは、何を意味するのでしょうか?

    異常に高い対中依存度

    これについて議論する前に、韓国の置かれている状況を、簡単に整理しておきましょう。

    韓国は38度線を挟んで向かい合う北朝鮮の軍事的脅威にさらされています。その韓国にとって、米国との軍事同盟は「命綱」です。それなのに韓国は、1992年に中国と国交を正常化して以来、中国との関係を急速に強化し、経済面に限ってみれば、もはや「中国なしには国家が成立しない」ほど、中国との結びつきが強まってしまいました。

    例えば、総務省統計局が公表する「世界の統計2016」(図表3-2)によると、韓国の名目GDPは1.4兆ドル程度ですが、韓国のGDPに占める貿易依存度(同図表9-3)は2014年時点で77.9%(うち、輸出依存度が40.6%、輸入依存度が37.3%)と高く、さらに貿易相手国(同図表9-6(2))は、輸出、輸入ともに中国がトップです(図表2)。

    図表2 中国依存度が高い韓国のGDP

    項目 数値 備考
    名目GDP 1,410,383百万ドル
    貿易依存度 77.9% うち輸出依存度40.6%、輸入依存度 37.3%
    輸出総額 573,075百万ドル うち中国 145,328百万ドル(約25%)
    輸入総額 525,557百万ドル うち中国 90,071百万ドル(約17%)

    1.4兆ドルのGDPのうち、輸出総額が5,731億ドルと40%以上を占めているというのも異常な貿易依存体質ですが、中国からの輸入は901億ドル(つまりGDPの6%)、そして中国に対する輸出に至っては、実に1,453億ドル(つまりGDPの10%!)に達しているのです。

    つまり、現在の韓国は、軍事的には米国に、経済的には中国に、「命綱」を握られてしまっているのです。仮に、米国の顔を立てようと思えば中国から経済的制裁を受けますし、中国の顔を立てようと思えば米国から軍事的に捨てられます。

    米韓関係は終了する!

    韓国の「有力候補者」たちは気付いていないのかもしれませんが、ここで極めて重要な点があります。それは、「慰安婦合意」、「GSOMIA」、「THAAD」という「3点セット」については、どれか1つでも撤回すれば、他の2つも自動的に消滅する、ということです。これは、どういうことでしょうか?

    1992年の中韓国交正常化以来、韓国の外交は「米中両国とのバランス外交」という危うい均衡の上に成り立ってきました。そして、米中間で韓国の立場が悪くなれば、韓国は「日本を悪者にする」ことで難局を逃れてきたのです。

    例えば朝日新聞社と同社の元記者だった植村隆が捏造した「従軍慰安婦問題」は、韓国にとっては結果的に、「日本に対して精神的優位に立てる材料」として機能して来ました(余談ですが、私も日本人の1人として、朝日新聞社と植村隆の捏造犯罪や外務省の無為無策には心の底から怒っています)。このため、2012年に米国が米韓軍事協力の一環として、日韓両国政府に「日韓GSOMIA」を締結するように求めた際にも、韓国側は「韓国の国民感情に配慮しなければならない」と述べて、署名式典をドタキャンしたという経緯があります。

    ただ、一昨年12月の「日韓慰安婦合意」が成立したことで、韓国側は「日本による歴史認識問題」をタテにGSOMIAを拒絶することができなくなりました。仮に、韓国の次期政権が「日韓慰安婦合意」を破棄すれば、当然、安倍政権としてはメンツをつぶされる格好となりますので、日韓GSOMIAについては自然と破棄されます。そして、日韓間の軍事情報保護協定の存在を前提としたTHAADの配備計画も「宙に浮く」格好となり、自然消滅してしまうことでしょう。

    そうなれば、米国の韓国に対する不信感は極限にまで高まり、韓国政府の対応次第では、間違いなく「軍事同盟」を解消して米軍撤退にまで至るでしょう。

    2003年から5年間執政した盧武鉉(ろ・ぶげん)政権時代に、既に米国側の韓国に対する不信感は極めて高かったようです。しかし、李明博(り・めいはく)、朴槿恵という2人の「保守派」(?)政権時代ですら、ここまで危うい「米中二股外交」を繰り広げたわけです。「反日」「反米」を掲げる政権が誕生し、米国を怒らせるような行動を取れば、トランプ政権下で米韓同盟が消滅することは、ほぼ確実といえるでしょう。

    3つの選択肢

    以上から、「中国との経済的関係を深めながら日米両国との友好関係を維持する」という、現在の「コウモリ」的な立場を続けることは、現在の韓国にとってはもはや不可能と言っても過言ではないでしょう。

    では、韓国にはどのような選択肢が残されているのでしょうか?

    この点、韓国国民が「主体的に」自分たちの未来を選ぶこと自体、既に不可能になっているとと考えているのですが、敢えて選択肢を提示するなら、次の3つが考えられます。

    中華属国

    1つ目は、「中華属国」としての韓国です。

    図表2で見たとおり、現時点で既に、韓国は中国の「経済植民地」のような状況になってしまっています。「中華属国化」とは、文字通り、韓国が完全に中国の「衛星国」となる、という状況です。この場合の韓国は、経済面での属国化に加えて、金融面、軍事面で完全に中国の傘下に入ってしまうということになります。旧ソ連時代にソ連の衛星国だった東欧諸国、あるいは中華人民共和国の特別行政区となっている香港のようなイメージでしょうか?

    当然、米韓同盟は破棄されて、米軍は朝鮮半島から撤収してしまうことになるでしょう。そして、米軍に代わって中国人民解放軍が韓国に進駐する可能性も検討しなければなりません。そうなると、日本にとっては対馬海峡を挟んで中国人民解放軍と対峙(たいじ)することになる、という、非常に悪夢的なシナリオも現実味を帯びてきます。

    この場合、日本としても、現状の「憲法第9条第2項」の存在を前提とした「平和ボケ」を続けることなど許されなくなります。具体的には、「平和ボケ憲法」をさっさと撤廃し、自主防衛の態勢を構築するとともに、日米関係をさらに強化する必要があります。あるいは、拉致被害者全員を取り戻すことなどと引き換えに、北朝鮮との限定的な国交正常化なども検討しなければならなくなるかもしれません。

    赤化統一

    2つめの可能性は、北朝鮮が主導する「赤化統一」です。このシナリオは、私が以前から提唱しているものですが(詳しくは『10年以内に朝鮮半島は赤化統一へ?』もご参照ください)、これもあながち「極論」とは言い切れません。

    なぜなら、韓国内で発生している、日本を侮辱する行為の数々については、どうも北朝鮮の影がちらつくからです。考えてみれば、「衆愚政治」に陥った民主主義国ほど御しやすいものはありません。そして、慰安婦像などを設置して反日感情を煽ることで「日韓断交」を実現させれば、実は一番喜ぶのは北朝鮮です。その意味で、北朝鮮系の工作員が設置した団体が、「慰安婦像」の設置を推進しているという点にも、全く違和感がないのです。

    現在の韓国社会は、あまりにも極端すぎる反日教育と市民運動家によって、完全に骨抜きにされてしまっています。そんな「骨なしの韓国社会」に対し、北朝鮮が「平和統一」(あるいは「高麗連邦」創設)を持ちかければ、韓国社会は北朝鮮に対し、コロッと靡(なび)いてしまうかもしれません。

    軍事クーデター

    3番目の、そして最も考えたくないシナリオは、軍事クーデターです。

    冒頭に私は「民主主義国が愚民化すればめちゃくちゃな政治家が出現してしまう」と申し上げましたが、一種の「ウルトラC」として、韓国が「まとも」になるために、軍部が民政を停止する、という可能性も、(いちおうは)指摘しておきたいと思います。

    この場合、軍事政権は韓国の国民感情に配慮する必要はありません。日本政府としては、表向きは「民主主義の停止を警戒する」とでも表明すべきですが、実際には、必ずしも悪いシナリオではありません。なぜなら、韓国が行き過ぎた反日教育を是正し、朝日新聞社が捏造した「慰安婦問題」については韓国政府自らが国際社会に対し「ウソでした」と表明し、日本に謝罪する機会が生じるからです。

    ただ、軍事政権が成立し、米韓軍事同盟を維持したままで「日韓軍事同盟」でも締結しようものなら、それこそ中国からは苛烈な経済制裁を食らうことになります。そうなれば、韓国国民の不満は高まり、軍事政権は長く持たないでしょう。したがって、軍事クーデターにより軍事政権が成立してしまったとしても、その政権が「反日」を続ける可能性は高いといえます。

    その意味で、仮に韓国で軍事政権が成立したとしても、その政権が中国と根本的に距離を置くとは考え辛いのです。日本にとって最悪のシナリオとは、韓国で軍事政権が成立し、米韓同盟を維持したまま、今以上の反日に邁進することなのかもしれません。

    複合シナリオ

    なお、1つめで指摘した「中華属国化」と、この2つめの「北朝鮮主導での赤化統一」については、別々に発生するのではなく、複合する形で実現する可能性も、ゼロではありません。つまり、韓国社会が事実上の「中華属国」となってしまい、そのうえで赤化統一が完成する、というものです。ただ、私はこの可能性については極めて低いと見ています。なぜなら、朝鮮半島への中国人民解放軍の進駐は、北朝鮮が許さないと考えられるからです。

    ただし、1と2の複合シナリオ(いわゆる1.5シナリオ)についても、可能性として完全に排除すべきではありません。一応はこのシナリオも考慮に入れておくべきかもしれません。

    日本はどうするのか?

    さて、昨日も私は『マティス国防相訪日と日本の「対韓外交」の問題点』の中で、「日韓友好を前提とした外交戦略を構築することの誤り」を主張しました。本日の議論は、「日韓友好を前提とした外交戦略の誤り」という私の持論を補強するものでもあります。

    もちろん、安倍総理に言わせれば、韓国は「戦略的利害を共有する最も重要な隣国」です(※ただし「価値観を共有する国」ではありませんが…)。その「最も重要な隣国」である韓国に、中華属国化か赤化統一か、あるいは軍事クーデターしか選択肢が残されていないのだとしたら、人情的には「韓国を助けてあげたい」と思う人もいるのかもしれません(※私自身は韓国に対し、同情を全く感じませんが…)。

    ただ、日本が一番やらなければならないことは、「日本自身の国益の推進」です。韓国が滅亡しそうになっているからといって、身銭を切ってまで韓国を助ける筋合いのものではありません。日本がなさねばならないことは、韓国がどういう状態になっても日本の安全を確保することであり、具体的には、次の通りです(図表3)。

    図表3 日本にとって求められる対応
    シナリオ 日本の対応の例
    日本を侮辱する韓国への対応 大使召還、竹島領有権単独提訴、日韓GSOMIA破棄、韓国人向け観光ビザ免除制度の廃止 等
    韓国が「中華属国化」した場合 対馬への自衛隊や米軍の配備、北朝鮮との限定的な国交改善
    韓国が「赤化統一」した場合 対馬への自衛隊や米軍の配備、米・中・露などと連携した朝鮮半島の非核化枠組みの構築
    韓国で「軍事クーデター」が発生した場合 歴史問題で日本を侮辱することをやめさせるための経済制裁 等

    特に日本のマス・メディアは、韓国の「慰安婦像問題」とそれに対する日本の対抗措置など、「足元で発生している出来事」の報道に終始しています。しかし、韓国で発生している「本質的なリスク」とは、まさに韓国社会が崩壊の危機にあるというものであり、「慰安婦像問題」だけを議論していればよい時期は、とうの昔に過ぎています。日本は朝鮮半島情勢について、もっと「当事者意識」を持って議論しなければならないのではないでしょうか?

    ※本文は以上です。

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