私は、日本時間の昨日深夜2時に、アメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプ氏の就任演説を一通り聞きました。正直に申し上げれば、トランプ氏はビジネスマンとしては優秀かもしれませんが、地政学、軍事などを理解しているようには見えません。ただ、安倍政権としては、日米同盟を「日本に有利な同盟」に作り替える絶好のチャンスを得たのではないかと考えています。また、米国でトランプ政権を生んだ背景にあるのは、米国の有権者の「既存メディア不信」なのかもしれません。その意味では、今年欧州で選挙が相次ぐ中、欧州でも米国と同様の「有権者の反乱」が生じるのか、私は深く注視したいと考えています。

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    ここからが本文です。

    ドナルド・J・トランプ氏の就任演説

    ホワイトハウスのウェブサイトが変わった!

    ドナルド・トランプ氏は、米国時間の1月20日正午、すなわち日本時間で昨日の深夜2時に、第45代アメリカ合衆国大統領に就任しました。トランプ氏の就任演説を調べていたのですが、ホワイトハウスのウェブサイトにアクセスした瞬間、ぎょっとしました。というのも、ページがオバマ政権時代からガラッと変わったからです。

    それはともかくとして、リニューアル後のホワイトハウスのウェブサイトには、早速、就任演説の全文が掲載されました。

    The Inaugural Address(2017年1月20日付 ホワイトハウス・ウェブサイトより)

    トランプ氏の就任演説の特徴は、「アメリカ第一主義」(America first)です。

    From this day forward, a new vision will govern our land.

    From this moment on, it’s going to be America First.

    今日から、新しい考え方がわが国を支配する。今この瞬間から、「アメリカ第一主義」となる。

    (しかもトランプ氏はこの下りを2回、繰り返しました。)

    これは、いったいどういうことでしょうか?

    「アメリカ第一主義」は主に経済面

    トランプ氏の発言によれば、

    Every decision on trade, on taxes, on immigration, on foreign affairs, will be made to benefit American workers and American families.

    We must protect our borders from the ravages of other countries making our products, stealing our companies, and destroying our jobs.

    貿易、税制、移民問題、外交問題は、アメリカの労働者とアメリカ人の家族のことを最優先にして決定する。我々は、我々の製品、企業、雇用を破壊しようとする外国の侵略者から国境を守る。

    としています。

    ただ、今回の演説は、どちらかといえば、経済面に注がれています。

    トランプ氏は、

    「米国の労働力と資源を使い、米国内に工場を建て、道路を造り、空港を作り、トンネルを掘り、鉄道を通す(We will build new roads, and highways, and bridges, and airports, and tunnels, and railways all across our wonderful nation. We will get our people off of welfare and back to work – rebuilding our country with American hands and American labor.)」

    と発言しましたが、これの裏付けとなる発言として、トランプ氏就任の約10日前に配信された記者会見の模様についても紹介しておきましょう。

    トランプ氏はこの中で、「アメリカの国内でどこに工場を移転しようが私は構わない。アメリカの国内に留まっている限りは、だ。(I don’t care as long as you stay within the border of the UnitedStates.)」(リンク先動画の52:40~)と述べていますが、要するに企業に対し、アメリカ合衆国の国内で生産を行い、アメリカ人の雇用を拡大することを求めているのです。

    「同盟」言及は「テロリズム」のみ

    ただ、今回の演説で私が違和感を抱いたのは、トランプ氏が「国防(defend)」に言及した箇所が、テロリズムに対する対処の部分くらいしかなかったからです。

    We will reinforce old alliances and form new ones – and unite the civilized world against Radical Islamic Terrorism, which we will eradicate completely from the face of the Earth.

    我々は古くからの同盟国を再編し、新たに形成し、文明社会における過激なイスラムテロリズムに対抗し、この地球の表面から根絶しよう。

    あれ?「中国の脅威」にどう対処するのでしょうか?

    同盟国の国民としては、非常に不安を抱く演説です。

    大きなパラダイム・シフト

    安倍総理との首脳会談は2月にずれ込む?

    当初の予定だと、安倍総理とトランプ大統領との首脳会談は、今月27日に行われるはずでした。ところが、次の時事通信の報道によれば、安倍総理の訪米時期は「来月上旬」となっています。

    同盟強化と自由貿易追求=安倍首相、来月訪米へ最終調整(2017/01/21-12:22付 時事通信より)

    当初の予定時期よりも首脳会談がずれこんだ理由については、時事通信の記事からは明らかではありませんが、トランプ氏が地政学的の基礎的な素養もなしに大統領に就任してしまったことを踏まえるならば、一刻も早く日米首脳会談が行われることが望ましいことはいうまでもありません。

    防衛経費負担巡る認識の誤り

    もう一つ、トランプ氏の認識を眺めていて、不安に思うことがあります。それは、米軍の駐留経費負担に関する、トランプ氏の認識の不正確さです。

    以前、『米軍駐留経費負担から見える日本の防衛』の中で、在日米軍の「駐留経費」の負担割合については、日本は約75%に達している、という話題を紹介しました(詳しくは『日本の駐留経費負担は70%?』をご参照ください)。

    これによると、米国防総省が2004年に公表した統計資料「2004年一般国防への同盟国からの貢献に関する統計概要」(リンクは下記参照)上、2003年時点で、日本の駐留経費負担は、金額、比率ともに主要国の中で群を抜いて高いことが示されています。

    2004 STATISTICAL COMPENDIUM on ALLIED CONTRIBUTIONS TO THE COMMON DEFENSE(米国防総省ウェブサイトより)

    経費負担額が高い順に並べ替えた図表は、次の通りです(図表1。ただし、金額単位は百万ドル)。

    図表1 各国の駐留経費負担額と負担率
    国名 直接貢献 間接貢献 合計 負担率
    日本 3,228.43 1,182.92 4,411.34 74.50%
    ドイツ 28.70 1,535.22 1,563.93 32.60%
    韓国 486.31 356.50 842.81 40.00%
    イタリア 3.02 363.52 366.55 41.00%
    クウェート 252.98 0.00 252.98 58.00%
    英国 27.50 210.96 238.46 27.10%
    UAE 86.95 130.42 217.37 N/A
    スペイン 0.00 127.26 127.26 57.90%
    トルコ 0.00 116.86 116.86 54.20%
    カタール 0.00 81.26 81.26 61.20%
    バーレーン 8.20 45.20 53.40 N/A
    サウジアラビア 3.64 49.73 53.38 64.80%
    ルクセンブルク 0.96 18.29 19.25 60.30%
    ベルギー 2.21 15.56 17.78 24.00%
    ギリシャ 2.03 15.66 17.69 32.00%
    ノルウェー 10.32 0.00 10.32 83.50%
    ハンガリー 0.00 3.51 3.51 N/A
    ポルトガル 1.65 0.82 2.47 3.60%
    デンマーク 0.03 0.09 0.12 0.60%

    これによると、日本は駐留経費の、実に75%もの負担を行っている計算です。この「米国の同盟国の駐留経費に対する貢献額」に関する統計は、残念ながら現時点で最新のものは公表されていません。ただ、2003年時点で日本が米軍の駐留経費の74.5%を負担していたというのは、米国側が公表している事実でもあるため、信頼性が高い点は間違いないでしょう。

    一方、日本側の統計を見ると、在日米軍の駐留経費負担に関する統計は、統計の取り方が異なるためか、金額はぴたりと一致するわけではありませんが、予算額ベースで駐留経費自体が2,000億円前後、さらに在日米軍の駐留に関するその他の経費などを合わせると、近年では5,000億円前後を支出しています(図表2)。

    図表2 日本の駐留経費負担

    (【出所】防衛省・自衛隊ウェブサイト『在日米軍駐留経費負担の推移』、および『平成28年度予算』、『平成27年度予算』、『平成26年度予算』、『平成25年度予算』、『平成24年度予算』、『平成23年度予算』、『平成22年度予算』。なお、「SACO関係経費」、「米軍再編関係経費」、「在日米軍の駐留に関連するその他経費」については、防衛省が2009年(平成21年)以前のデータを公表していないため不明)

    このことから、日本の現時点における駐日米軍経費負担率について、正確なところはわかりませんが、日本が75%前後を負担しているという状況に大きな変化はないものと考えて差し支えないでしょう。

    え?もっと出せますよ?

    仮に―もし、仮に、ですが―、トランプ氏が同盟国である日本に対し、米軍の駐留経費負担の増加を求めてきたら、日本はどのようにすれば良いでしょうか?

    一番簡単なことは、現在の75%の負担率を、100%にまで高めてしまえば良いのです。ここでいう「負担率」がどこの部分を指しているのかは不透明ですが、現状で日本が5,000~6,000億円を負担していて、関連経費すべてを8,000億円程度だと仮定すれば、あと2,000~3,000億円程度を追加負担するだけで、事実上、米軍の駐留経費を全額負担する計算となります。

    実は、在日米軍は米軍の中でも世界で最も重要な部隊です。図表1でもわかる通り、米国が外国に展開している部隊の中で、最も予算規模が大きいことからも、その事実は明らかでしょう。

    トランプ氏が実業家出身だということはよくわかりますが、それにしても最低限の軍事に関する知識すら持っていないという状態で、大統領に就任してしまったという事実を、重く見るべきでしょう。ただ、私たち日本にとっては、日米安全保障条約を、日本にとって非常に有利な形に再編する、またとないチャンスでもあるのです。

    安倍総理におかれては、是非、在日米軍の駐留経費負担を増やすという申し出に加え、「在韓米軍の日本への移転」まで切り出してほしいものです。そのようにすることで、米国にとっては日本の軍事同盟﨑としての重要性が飛躍的に高まるからです。

    ビジネスマンに国家運営ができるのか?

    さて、私がトランプ氏の就任演説を見ていて、一番強く感じたことがあります。それは、トランプ氏は「ビジネスマンであって政治家ではない」、という点です。

    古今東西、あらゆるビジネスマン(あるいは企業経営者)は、「当期純利益の最大化」を目的としています。

    ここで「当期純利益」とは、「売上高-費用-税金」のことであり、当期純利益を最大化するためには、売上高を最大化するか、費用・税金を抑えるか、そのいずれかしかありません。

    そして、企業会計の反対側(つまり貸借対照表側)から見れば、自己資本(純資産の部)は厚ければ厚いほど良く、借金(負債の部)はできるだけ少ない方が、財務的には健全です。当然、合理的な経営者であれば、「借金をする」時には、「その借金をすることで、より大きな利益が生まれる」と考えられるときだけです(これを専門用語で「レバレッジ効果」と呼びます)。なにより、年間売上高に対する有利子負債の比率(売上高有利子負債比率)が高い企業は、財務健全性が弱いとされるため、一般に企業経営者は借金を嫌います(※ただし、あくまでも一般論であって、トランプ氏がそうだという意味ではありません)。

    しかし、国家の場合は、政府債務(国債発行残高等)の「適正水準」は存在しません。たとえば、日本や欧米の経済紙は、「国の債務をGDPで割る」という考え方を紹介することがありますが、これはユーロ圏のように「共通通貨」を使っている国が加盟する「マーストリヒト条約」に出てくる考え方であり、共通通貨を採用するとか、外貨で国債を発行するとか、そういった例外を除けば、経済学的には完全にナンセンスな考え方です。当然、日本などGDP(ざっくりと500兆円)に対して国債発行残高がその2倍ですから、この「GDP債務比率」という考え方に従えば、とっくの昔に「財政破綻」しているはずです。

    なぜ日本は「財政破綻」しないのでしょうか?

    答えは簡単で、「GDP債務比率」という尺度自体が間違っているからです。

    このように、財政に関する考え方一つとってみても、国家の運営と企業の経営は全く前提条件が異なりますし、発想を転換しなければなりません。残念ながら、私の同業者である公認会計士の皆さんの中にも、「財務専門家の目から見て、日本の国の借金はGDPの2倍だから、日本は財政破綻する」という、非常に低レベルかつお粗末な説を唱えている方はいらっしゃいます。しかし、「企業財務」の視点で「財政学」を議論すること自体が間違っているのです。

    トランプ氏が「企業経営者」として優れていることは間違いなさそうですが、そのことが直ちに、「アメリカ合衆国大統領として」優れている、という結論にはなりません。また、限られた同氏の主張から見ても、彼の政治的なセンスについては、今一つ読み切れません(少なくとも軍事面での知識はゼロに近いでしょう)。

    メディアを信頼しなくなる有権者

    トランプ政権を生んだのは米国民のメディア不信

    ところで、先ほども紹介した、トランプ氏の記者会見中、トランプ氏は「ウソのニュース(Fake News)」という単語を10回も繰り返しました。問題の主張は動画の57分30秒以降から確認できますが、トランプ氏はBuzzFeedというニューズ・サイトを「ウソのニュース(Fake News)」と批判。返す刀でCNNを名指しして、舌鋒鋭く批判し、その場に居合わせたCNNの記者が反論しようとするのを制する(動画の58分58秒~59分32秒)、というエピソードがありました。

    このエピソードは、BuzzFeedが「トランプ氏の裏にロシアがいる」、「トランプ氏はロシアに弱みを握られている」などと報じたとするもので、トランプ氏は「証拠もないのにいい加減な報道をするな!」と怒った格好です。また、居合わせたCNNの記者にとっては、とんだ「とばっちり」ですが、CNNといえば、トランプ氏に対する「偏向報道」により、一種のネガティブ・キャンペーンを続けてきたメディアでもあります。

    私は、トランプ氏自身が優れた政治家なのかどうか、現時点ではよくわかりません。しかし、トランプ氏が事前報道の「劣勢」を覆し、ヒラリー・クリントン候補に勝利を収めたのは、日本で2012年に安倍政権を生んだのと同じような「メディア不信」があったのではないかと思います。

    大統領選挙期間中、米国内ではトランプ支持者が「私はトランプを支持している」と公言し辛い雰囲気が醸成されていたのではないでしょうか?そうであるならば、多くのメディアが大統領選の予測を外した理由は、トランプ氏を支持する有権者がメディアの世論調査に対して回答をしなかったからだと考えると、非常に辻褄が合ってくるのです。

    世界の最先端走る日本のネット民主主義

    日本だと、既に日本国民は、新聞やテレビが報道した内容だけに踊らされるようなことがなくなりました。日本の場合、2009年8月の麻生太郎政権に対する「超偏向報道」により民主党政権が誕生し、それにより日本国民が「痛い目」に遭っているため、日本国民はインターネットを使って、新聞やテレビの報道の「裏を取る」習慣が根付いたのかもしれません。

    そういえば、ツイッターを多用することで知られるトランプ大統領に対し、わが国の安倍晋三総理大臣も、フェイスブックなどのSNSを好んでいます。これらのSNSは、直接、有権者が政治家に意見を伝えることができるという長所を持っています。

    トランプ氏の「ツイッター主義」を批判するのが既存メディアばかりだという点を考えるならば、今回のトランプ政権の発足は、2012年末の安倍政権の発足から約4年遅れで米国にも「ネット民主主義」が根付いた証拠と見るべきかもしれません。

    次は「長すぎるメルケル政権」?

    折しも、今年は欧州各国で、相次いで選挙が行われます。既存メディアが支援しないような候補者が、各国で勝利を収めるのかどうかに、私は深く注目したいと考えています。

    特に、ドイツのアンゲラ・メルケル連邦首相(die Bundeskanzlerin)は、2005年から数えて、既に10年以上首相の座にあり、本日時点で在任日数が4,080日となります(図表3)。

    図表3 西ドイツ・ドイツの歴代「連邦首相(der Bundeskanzler/die Bundeskanzlerin)」の在任期間
    就任日 退任日 首相 日数 期間
    1949/09/15 木 1963/10/16 水 コーラント・アデナウアー 5,145日 1949/09/15~1963/10/16
    1963/10/16 水 1969/10/21 火 ルートヴィヒ・エアハルト 2,198日 1963/10/16~1969/10/21
    1966/10/21 金 1969/10/21 火 クルト・ゲオルグ・キージンガー 1,097日 1966/10/21~1969/10/21
    1969/10/21 火 1974/05/07 火 ヴィリー・ブラント 1,660日 1969/10/21~1974/05/07
    1974/05/16 木 1982/10/01 金 ヘルムート・シュミット 3,061日 1974/05/16~1982/10/01
    1982/10/04 月 1998/10/27 火 ヘルムート・コール 5,868日 1982/10/04~1998/10/27
    1998/10/27 火 2005/11/22 火 ゲアハルト・シュレーダー 2,584日 1998/10/27~2005/11/22
    2005/11/22 火 アンゲラ・メルケル(※) 4,080日 2005/11/22~

    (※メルケル氏の在任日数は本日までをカウント)

    仮に彼女が首相に再任され、任期を全うしたとすれば、実に16年にも及ぶ在任期間となります。さすがに長すぎる気がします(もっとも、ドイツの場合、図表3に示した通り、アデナウアー、コールなどの長期政権が多いようですが…)。

    メルケル氏を巡っては、難民の受入を決断したことなどを高く評価するメディアも多いのですが、その理由は、彼女自身がメディアを味方につける形で権力を握ったからではないかと思います。いわゆる「ポリティカル・コレクトネス」という、メディアが作り上げた「化け物」に乗っかった格好です。

    ただ、私はメルケル氏を全く評価していません。なぜなら、彼女こそが「財政再建原理主義」を推し進め、ユーロ圏危機を作り上げた犯人だからです。また、彼女の強い指導力が、「バーゼルⅢ規制」という、非常に複雑怪奇な金融規制に、間違いなく悪影響を与えているからです。

    そんなメルケル氏の最大の仇敵とは、CNNに代表される既存メディアを敵に回した「ツイッター政治家」であるドナルド・トランプ氏であり、朝日新聞に代表される反日メディアを相手に健闘を続ける安倍晋三氏ではないでしょうか?

    そういえば、ドイツ国内でも、「南ドイツ新聞(Suddeutsche Zeitung)」や「フランクフルター・アルゲマイネ(Frankfurter Allgemeine)」のような新聞が、一種の「ポリティカル・コレクトネス」をゴリ押ししています。果たしてドイツの有権者は、「既存メディアの胡散臭さ」に気付くことができるのでしょうか?その意味で、今年の欧州の選挙では、特にドイツに注目したいと考えています。

     

    ※本文は以上です。

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  • 2017/03/10 00:00 : 大統領の弾劾訴訟と韓国社会の破綻 (韓国崩壊)
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    著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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