本日は「日韓通貨スワップ協定」について、改めて、きちんと議論したいと思います。というのも、メディアの報道やインターネットの書き込みなどを見ていると、日韓スワップや「キャピタル・フライト(資金逃避)」などについて、やや誤解なども見られるからです。そして、本稿ではできるだけ正確な統計などを用いて、韓国が近い将来(早ければ今年)、破綻の危機に瀕する、との仮説を提示しておきます。

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日本政府の「事実上の対韓制裁」

既に複数のメディアが報じている通り、日本政府は2017年1月6日(金)付で、「事実上の対韓制裁」に踏み切りました。

在釜山総領事館前の少女像設置を受けての我が国の当面の措置について(2017年1月6日付 首相官邸ウェブサイトより)

措置の概要は次の4点です。

  1. 在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合せ
  2. 長嶺駐韓国大使及び森本在釜山総領事の一時帰国
  3. 日韓通貨スワップ取極の協議の中断
  4. 日韓ハイレベル経済協議の延期

これについては、昨日一昨日も申しあげたとおり、私は、「対韓制裁としてはあまりにも遅くて生ぬるい」と考えていますが、ただ、それと同時に、日本政府が従来の「事なかれ主義外交」から決別したことについては、高く評価したいと思います。

ところで、この措置から一両日が経過した時点で、韓国メディア(や日本の反日メディア)からいくつかの反応が出ているのですが、本日はこれらのうち、「日韓スワップ」に焦点を絞り、韓国の「ホンネ」と、いま世界の通貨市場で何が発生しているのかについて、解説を試みたいと思います。

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「通貨スワップ」のホンネ

国家間の通貨スワップ協定とは、国際協定の一種であり、主に通貨危機などが発生した際に、自国通貨を差し出すことで、外貨の融通を受けるもの。スワップ協定には「二国間スワップ協定」と「多国間スワップ協定」がある。

―拙稿「通貨スワップ協定とは?」より抜粋

朝日新聞の意味不明な社説

1月6日(金)に、菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官が釜山の慰安婦像問題を巡り、4項目の「対韓制裁」を打ち出してから、一両日が経過しました。私は、今回の日本政府による措置が、対韓制裁としてはいかにも「遅すぎる」し、「中途半端」なものに留まっていると考えていますが、それでも韓国側にはダメージが大きかったらしく、日韓様々なメディアが反応を見せています。

中でも、「慰安婦問題」そのものを捏造して日韓関係を破壊するきっかけを作った朝日新聞は、昨日の社説で、日本政府が「ここまで性急で広範な対抗措置に走るのは冷静さを欠いている」と批判したうえで、

過剰な反発はむしろ関係悪化の悪循環を招くだろう。日本政府はもっと適切な外交措置を熟考すべきである

などと意味不明な主張を展開しています。

韓国との外交 性急な対抗より熟考を(2017年1月7日付 朝日新聞社説より)

私にいわせれば、朝日新聞社が慰安婦問題捏造発覚後も、のうのうと新聞を刊行し続けていること自体が許せません。ただ、見方を変えれば、今回の日本政府の措置が、朝日新聞社のような反日テロ組織にとっては非常に重大な「脅威」と認識されているということであり、その意味では、日本政府の措置は適切だったということでもあります。

一方、とりわけ興味深いのは、韓国メディアの反応です。というのも、今回の日本政府の措置には、「日韓通貨スワップ取極(いわゆる「日韓スワップ」)の再開に向けた交渉の中断」が含まれているからです。

韓国の外貨準備のウソ

さて、その日韓スワップについて、韓国メディアは、「韓国としては別に日本とのスワップにこだわる理由はない」と言い放っています。その典型的な記事が、これです。

韓国、外貨準備高3711億ドル…「韓日通貨スワップにこだわる理由ない」(2017年01月07日11時11分付 中央日報日本語版より)

中央日報(日本語版)は次のように述べています。

韓国銀行(韓銀)によると、昨年末基準で外貨準備高は3711億ドル。1997年の通貨危機(300億ドル)、2008年のグローバル金融危機(2000億ドル)当時に比べてはるかに多い。短期外債(満期1年未満の外債)比率も昨年9月現在27.9%と、1997年(36%)、2008年(47%)に比べて良好だ。

はて、本当でしょうか?

細かい数値は少々異なりますが、拙稿『新春ネタ「三つの経済爆弾抱える韓国」』から、客観的な統計をベースにした韓国の外貨準備の試算値を引っ張っておきましょう(図表1)。

図表1 韓国の外貨準備高(2016年9月末基準)の謎
項目 金額 備考
①韓国の外貨準備高 3,729億ドル 出所は国際通貨基金(IMF)統計
②韓国が保有する米国債の最大値 726億ドル 出所は米国財務省統計(TIC)
③韓国の外貨準備高のうち、米国債以外の部分 3,003億ドル ①-②
④上記①のうち米ドル建ての資産の試算値 2,387億ドル ①×63.84%(※)
⑤韓国の外貨準備高のうち、米ドル建て資産の内訳不明部分 1,661億ドル ④-②

この図表1は、韓国が国際通貨基金(IMF)に対して報告している外貨準備高の公式の数値(①)が、いかに信頼できないものであるかを説明するために作成したものです。

IMFの定義上、外貨準備高は、流動性が高い資産で構成されており(詳しくは当ウェブサイトの用語集『外貨準備と通貨スワップの関係』中の『外貨準備の要件』をご参照ください)、多くのケースは米国債です。

ところが、韓国政府はIMFに対して「外貨準備高が3,729億ドルである」(上記①)と報告しているわりに、韓国が保有する米国債の金額は、最大で726億ドルに過ぎません(上記②)。つまり、①と②の間に3,003億ドルもの「内訳不明資産」があるのです(上記③)。外貨準備高の、ざっくり80%が、「米国債以外の資産」(つまり内訳が分からない資産)です。さすがにこれは多すぎます。

そこで、「韓国は地理的に中国や日本に近いため、外貨準備に占める米ドル建て資産の比率はそれほど高くない」とする仮説も、検討する余地はあります。仮に、韓国の外貨準備高に占める米ドル建て資産の割合が、世界平均の63.84%(出所はIMFのCOFER)だったと仮定するならば、外貨準備のうち米ドル建て資産の金額は2,387億ドルです(上記④)。しかし、こう仮定したとしても、やはり韓国が保有する米国債の金額726億ドル(上記②)には1,661億ドルほど足りません(上記⑤)。

韓国資金循環統計のウソ

もう一つ、韓国の統計の深刻な問題点を指摘しておきます。

これも拙稿『新春ネタ「三つの経済爆弾抱える韓国」』で触れた問題点の繰り返しですが、韓国が外国にいくら投資していて、いくら借りているかを一覧にしたものが、下の図表2です。

図表2 韓国と外国の資金のやり取り
区分 項目 金額(十億ウォン) 金額(十億ドル) 金額(十億円)
外国⇒韓国への投資 ウォン建て債券 95,202 79.34 9,520.20
外貨建債券 130,885 109.07 13,088.50
「その他の外国債権債務」 156,761 130.63 15,676.10
対外直接投資(FDI) 214,314 178.60 21,431.40
株式・投資信託 454,149 378.46 45,414.90
その他の投資 75,650 63.04 7,565.00
外国からの投資合計(①) 1,126,961 939.13 112,696.10
韓国⇒外国への投資 外貨建債券 130,223 108.52 13,022.30
貸出金 62,535 52.11 6,253.50
株式・投資信託 188,642 157.20 18,864.20
「その他の外国債権債務」 583,465 486.22 58,346.50
対外直接投資(FDI) 327,929 273.27 32,792.90
その他の投資 69,270 57.73 6,927.00
外国への投資合計(②) 1,362,064 1,135.05 136,206.40
対外純資産(②-①) 235,104 235,104 195.92

(【出所】韓国銀行(資金循環統計)、以下同じ。ただし、米ドル・日本円への換算はWSJ等を参考に、1月6日時点の終値(1ドル≒1,200ウォン、1円≒10ウォン)を利用しています。)

この図表を見て、真っ先に気付くのは、「その他の外国債権債務」(Other Foreign Claims and Debts)という項目の大きさです。「韓国から外国への投資」、つまり韓国から見た対外債権の項目に583兆ウォン(約4,860億ドル、約58兆円)、「外国から韓国への投資」、つまり韓国から見た対外債務の項目に157兆ウォン(約1,306億ドル、約16兆円)が計上されています。

私は以前から、「その他の外国債権債務」に、韓国経済の危機を読み解くカギが隠されていると睨んでいます。私は、韓国から見た対外債権の583兆ウォンの大部分は韓国銀行が保有する外貨準備であり、韓国から見た対外債務の157兆ウォンの大部分が日本など外国金融機関からの借入金である、と疑っています。

韓国からの資金流出リスクは29兆円

ここで、実際に「キャピタル・フライト」が発生するとしたら、それはどういうインパクトを与えるのでしょうか?

じつは、ある国の経済が危機に陥るような「キャピタル・フライト」には、一般に二種類あります。一つは、外国人投資家が自国通貨建ての資産を売り抜けるケースであり、もう一つが、外貨建ての借金(債券、借入金)が再調達できなくなるケースです(図表3)。

図表3 キャピタル・フライトとは?
事例 説明
ケース①:外国人が自国通貨建ての資産を売り抜けるケース 外国人投資家がウォン建ての資産(株式や債券)を売却し、米ドルなどの外貨に換金して資金を引き揚げてしまうこと
ケース②:自国が外貨建で発行した借金の再調達ができなくなるケース 国内の金融機関や企業が外貨(米ドル・日本円)で借りていた社債や借入金の借り換えができなくなってしまうこと

新聞やインターネットの書き込みなどを見ていると、「これから韓国で大規模なキャピタル・フライトが発生する」といった主張を見ることがありますが、これは「ケース①」のことを言っています。つまり、外国人投資家が韓国の株式や債券を売却して、資金を自国に引き揚げることです。

しかし、実は、「ケース①」の方は、それほど深刻ではありません。というのも、韓国全体として見て、外国人投資家が資産を売り抜ければ、韓国国内の金融資産(株式や債券)の価格が下がり、外為市場でウォンの価値が下落するだけでの話です。株式や債券を売られた企業にとって、別に「ウォン」での資金繰りに直接の影響が出るわけではありません。

問題は「ケース②」の方です。これは、韓国の企業や銀行が外貨(日本円や米ドルなど)でお金を借りていた時に、それらを返すことが出来なければ、ダイレクトに倒産が発生する、というリスクです。外貨建の借入金であれば、過去にアルゼンチンやロシアなどでも例があった通り、たとえ一国の政府であってもデフォルトを生じさせることがあり得ます。ましてや資源国でもなんでもない韓国など、「日本からの支援」という信用補完がない状態で、債務弁済ができなくなれば、国全体がたちまち行き詰ってしまいます。

そして、私は、「その他の外国債権債務」が日本をはじめとする外国金融機関からの外貨建借入であると考えているのですが、その仮説が正しかったとしたら、韓国からの「資金流出リスク」は、図表4の通り、288兆ウォン(約2,397億ドル、つまり約29兆円)です。

図表4 韓国の外貨建債務の試算値
項目 金額(十億ウォン) 金額(十億ドル) 金額(十億円)
外貨建債券 130,885 109.07 13,088.50
「その他の外国債権債務」 156,761 130.63 15,676.10
合計 287,646 239.71 28,764.60

「288兆ウォン(2,397億ドル)であれば、3,729億ドルの外貨準備高から捻出できるだろう」という意見もあるかもしれませんが、上記で見たとおり、現実には韓国の外貨準備のうち、「確実に」資産性がある金額は、最大でも726億ドル分(つまり約20%)しかありません。

CMIMスワップは「使えない」

冒頭の「中央日報日本語版」の記事には、他にも問題点があります。

ほかにも好材料がある。日本メディアは5月に日本で開催されるアジア開発銀行(ADB)および韓日中・ASEAN財務相会議で、チェンマイ・イニシアティブ(CMI)加盟国(韓日中+ASEAN10カ国)の合意だけで使える基金の比率を現在の30%から40%に増やすと報じた。この場合、韓国は危機発生時にCMI出資金(384億ドル)の40%の154億ドルを活用できる。残りの60%は国際通貨基金(IMF)と協議して引き出して使える。

この下りは、おそらく「チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定(CMIM)」のことを指しているのは間違いないでしょう。確かに、CMIMでは、参加している国が応分の金額を拠出する代わりに、危機時に米ドルを引き出すことができます(図表5)。

図表5 CMIMの現状
参加国 拠出額 引出可能額
日本 768億ドル 384億ドル
中国(※香港含む) 768億ドル 405億ドル
韓国 384億ドル 384億ドル
インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン 各91.04億ドル 各227.6億ドル
ベトナム 20億ドル 100億ドル
カンボジア 2.4億ドル 12億ドル
ミャンマー 1.2億ドル 6億ドル
ブルネイ、ラオス 各0.6億ドル 各3億ドル

(【出所】財務省・2014年7月17日付「別添2」)

現在、引出可能額の30%を超えて資金を引き出すと、IMFが介入するというルールが設けられています(いわゆる「IMFデリンク・ルール」)。このため、韓国の引出可能額(384億ドル)のうち、30%(約115億ドル)を超えて資金を引き出すと、韓国には再びIMFが乗り込んできてしまう(!)のです。

中央日報の記事は、これを「30%から40%に引き上げる」(つまり約154億ドルまではIMFが介入して来ない)と述べていますが、だからといって韓国がCMIMから資金を引き出せるかといえば、そういうわけではありません。

CMIMとは、韓国以外にも、日中両国プラスASEAN諸国が参加する多国間の資金融通システムです。韓国がお金を引き出せば、当然、中国、日本、ASEAN諸国から厳しく使途を追及されることになります。果たして、韓国がこれらの諸国からの監査に耐えられるのでしょうか?

IMFデリンク条項を30%から40%に緩和したからといって、CMIMが実質的に「使える協定」になるとは、私には到底思えないのです。

韓国が保持している通貨スワップ

そのように考えていくと、韓国が「通貨防衛」をしなければならなくなったときに、外貨準備もCMIMも、事実上、使い物にならないという点には注意が必要です。

少し古い情報ですが、韓国は2016年9月末時点で、次の5カ国と「相対通貨スワップ(BSA)」を締結しています(図表5)。

図表5 韓国が2016年9月末時点で保持している通貨スワップ協定
当事国 金額 備考
中国⇔韓国 3600億元/64兆ウォン 自国通貨同士の交換
インドネシア⇔韓国 115兆インドネシアルピア/10兆7000億ウォン 自国通貨同士の交換
豪州⇔韓国 50億豪ドル/5兆ウォン 自国通貨同士の交換
UAE⇔韓国 200億ディルハム/5兆8000億ウォン 自国通貨同士の交換
マレーシア⇔韓国 150億リンギット/5兆ウォン 自国通貨同士の交換

(【出所】各種報道等)

これらのスワップ協定の金額は、90兆5000億ウォン、外貨に換算すれば約754億ドル、あるいは約9兆円です。ただ、それと同時に、これらのスワップは、オーストラリアの通貨(50億豪ドル)を除けば、交換できる通貨はいずれも対外的な通用力のない「ソフト・カレンシー」ばかりです(※「ソフト・カレンシー」については用語集『ハード・カレンシーとソフト・カレンシー』もご参照ください)。

ということは、通貨危機が発生した時に、韓国にとっては「使えるスワップ」が事実上、豪ドルとの5兆ウォン(約42億ドル、約5,000億円)しかない、というのが実情なのです。

韓国が「日本との」通貨スワップ協定を、それこそ「喉から手が出るほど」欲しがっている背景には、このような事情があると考えて、ほぼ間違いないでしょう。

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世界の資金は米国に向かう!

「米国失業率4.7%」が意味するもの

ところで、米国時間金曜日午前8時半(日本時間同夜10時半)に公表された「非農業部門雇用者数」(いわゆる「雇用統計」)では、2016年12月末時点における失業率は4.7%と、前月より少しだけ上昇したものの、年末の値としては「10年ぶりの最低値」(WSJ)となりました。

Dow Flirts With 20000 but Falls Short(米国時間2017/01/06(金) 19:30付=日本時間2017/01/07(土) 08:30付 WSJオンラインより)
Dow still unable to break through 20,000(英国時間2017/01/06(金) 21:04付=日本時間2017/01/07(土) 06:04=付 FTオンラインより)

これを受けて、昨日は米国の株価指数「ダウ工業平均30種」が20,000ポイント目前にまで買われるとともに、債券価格が低下(つまり金利が上昇)し、さらに外為市場では米ドルが買われています(※ただし対円を除く)。

じつは、米国ではすでに、失業率水準は「完全雇用状態」に近い状況になっており、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が今年、数回の利上げを行うことは、ほぼ確実だと見て良いでしょう。

さらに、1月20日にはトランプ政権が発足します。トランプ氏は公共投資の積極化を宣言しているため、米国では「トランプ政権の誕生」「FOMCの利上げ」などを織り込んで株価、金利ともに上昇している状況です。

では、これが何をもたらすのでしょうか?

それは、「新興国からの猛烈な資金フローの逆回転」です。

通貨防衛に乗り出す中国

日本のメディアはそれほど報じていませんが、以前からWSJで繰り返し指摘されているのが、中国の通貨・人民元(CNH)の急落です。

China Doubles Down on Defending Its Currency(米国時間2017/01/06(金) 07:29付=日本時間2017/01/06(金) 20:29付 WSJオンラインより)

リンク先の記事(※英語)によれば、中国の通貨当局は「CNH(※香港などで流通する人民元)」の流動性供給を絞ったうえで、翌日物金利を引き上げることで、通貨防衛に乗り出している、としています。

(※余談ですが、CNHとは「中国本土ではなく、香港などのオフショアで流通する人民元」のことです。中国本土で流通する人民元は「CNY」です。一つの通貨にティッカーが二つ存在しているとは、自然に考えても非常に怪しい通貨であると言わざるを得ません。)

つまり、「怪しい新興市場国」の代表格である中国が通貨防衛に乗り出しているということは、既にこうしたマネーフローの逆回転は、世界各地で発生している、ということです。

通貨防衛に耐えられない韓国は破滅に向かう

以上で見てきたとおり、韓国は現在、通貨防衛に耐えられる経済構造になっていません。そして、米国でトランプ政権が始動し、FRBが金融引き締めに転じることは間違いないとみられることから、今年は新興市場諸国から猛烈に資金が「逆回転」を始める可能性が高いというのが実情です。

かかる状況の中、韓国が保有する外貨準備高は、「緊急時に使えない資産」である可能性が極めて高く、また、韓国が保持している「90兆ウォン(約750億ドル、約9兆円)もの通貨スワップ協定も、「ソフト・カレンシーとの交換協定」が大部分です。

「世界の資金が米国に向かう」中で、「韓国には通貨防衛手段がない」という状況が意味するところは、

「通貨防衛に耐えられない韓国が破滅に向かう」

ということです。

図表4で見たとおり、韓国からの資金流出リスクがあるのは、日本円換算で約30兆円前後ですが、多くの場合、債券の世界で発行される債券の年限は5年です。つまり、韓国が「外貨での借り換えができない状況」に追い込まれた場合、30兆円を5年で割って、年間6兆円前後が韓国から流出します。韓国が「外貨準備として使える」金額は、米国債(700億ドル前後、約8.4兆円)ですので、本格的な資金流出が始まった場合、韓国経済は「もって1年2か月」、といったところでしょうか。

おそらく、トランプ政権が始動し、FRBの利上げが行われると、マネーフローの逆回転は本格化するでしょう。いずれにせよ私は、韓国が資金ショートを起こす可能性があるのは、早ければ今年、遅くとも5年以内と見ています。

そろそろ「韓国を切り捨てる」準備を

ところで、私は「ビジネスマン評論家」でありますが、それと同時に日本人の1人であり、私を含めたすべての日本人を散々侮辱してきた韓国国民が、国家破綻により苦しもうが、今となってはどうでも良いという感情を持っています。私と似たような感情を抱いている日本人は多いでしょう。

私は、安倍政権が決断を下した一昨年12月の「慰安婦合意」については間違っていたと確信していますし、その意見を変えるつもりはありません。しかし、それと同時に、「慰安婦合意」とともに、合意に基づいて日本が10億円を韓国に支払ったという事実があるため、安倍政権が韓国に対して厳しい対応を取ったとしても、国際社会(特に米国)の理解は得られるでしょう。

そして、安倍政権が「まともな判断」を下す政権であるとすれば、今回の4項目に留まらないと見るべきでしょう。日本が韓国に対して取り得る制裁措置としては、たとえば

  • 竹島領有権を巡る単独提訴
  • 日韓漁業交渉の打ち切り
  • 韓国人観光客への入国ビザ免除制度の廃止
  • 韓国運転免許証の日本への切り替え中止
  • 福島県産物の禁輸措置に対するWTO提訴
  • 基幹製品の対韓輸出禁止措置

など、いくらでもあります。

どのみち、長い目で見て、韓国の中国への属国化は避けられません。そうであるならば、「秩序ある韓国処理」に向け、官民挙げて、今から着々と布石を打つべきでしょう。

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  • 2018/08/31 05:00 【金融
    図表で見る日本経済の資金循環構造と「財政再建」論の間違い (20コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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