【追記あり】流行語大賞は「笑い飛ばす」のが一番

今年の「ユーキャン流行語大賞」では「ガソリーヌ山尾」「二重国籍」「パヨク」といった流行語が悉く落選。その代りに「保育園落ちた日本●ね」という、極めて下劣で品性に欠けるフレーズが「流行語」に選ばれてしまいました。これについてどう考えれば良いでしょうか?

お知らせ:追記あり

ツッコミどころだらけの「流行語大賞」

今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」が公表されました。今年の「流行語大賞」のトップテンに入った「流行語」とやらは、私が期待していた「二重国籍」「ガソリーヌ」「パヨク」などではなく、

「保育園落ちた日本●ね」

だそうです(ちなみにウェブサイトの品性を保つ観点から、伏せ字にしております)。受賞式には民進党の「ガソリン疑惑」で有名な山尾しおり衆議院議員が参加しました。

これについてどう考えるべきでしょうか?

日本に「●ね」といえる感性

この「保育園落ちた日本●ね」とは、今年2月頃の匿名のツイートがもととなったものです。私は山尾しおり衆議院議員による「自作自演」ではないかと見ているのですが、いずれにせよ、日本に「●ね」などと言える感性、私を含めた一般国民には理解しがたいのではないでしょうか?

インターネットで流行した用語ということであれば、なぜ「保育園落ちた日本●ね」が選ばれ、「二重国籍」「ガソリーヌ」「パヨク」などが落ちたのか、全く説明が付きません。

ちなみに、この「流行語」を選んでいる「選考委員会」は、次の通りだそうです(同ウェブサイトをそのまま転記、敬称略)。

姜尚中(東京大学名誉教授)、俵万智(歌人)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)、清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)

あれ?昨年「選考委員長」をお務めになった鳥越俊太郎さんは、どうされたのでしょうか?いろいろと意味不明です。

政治的に偏り過ぎているランキング

実は、インターネットでは昨日から、この「現代用語の基礎知識」「流行語大賞」の客観性を巡って、ずいぶんと議論がなされているようです。年間対象となった

「神ってる」

については、特に野球に詳しくない人を中心に「聞いたこともない」などの意見も出ているようです。流行語大賞は、いつのころからか、やたらと特定の政治思想を押し付けるだけの手段に成り果てたのかもしれませんね。

ちなみに、昨年以前の流行語大賞でも、「トップテン」に入った用語としては、たとえば

  • 「集団的自衛権」(2014年)
  • 「アベ政治を許さない」(2015年)

など、私の目から見たら、本当に「酷い」と思うような用語も散見されます。

2014年の「集団的自衛権」

このうち、2014年に「トップテン入り」した「集団的自衛権」の説明の下りは、

不法な侵害を受けた国家と密接な関係にある国家が、共同して防衛に当たる権利。この言葉は「しっかりと、丁寧に説明」という表現とセットになって使われた。しかしいくらアベさんに説明されてももう一つはっきりしないままの状況が続いた。集団的自衛権という用語は30数年前の『現代用語の基礎知識』からすでに収録されており、ずっとそれは現憲法下では「違憲」だと紹介されてきた。それが今年、安倍政権の下でいきなり解釈を変更されて、限定容認だが、その行使が可能となったのだから、これは大事件だ。/文化庁の「国語に関する世論調査」で「***的には」は“ぼかし言葉として若者層に広がっている”と指摘されたことがあるが、「集団」と「自衛権」をつなぐ「的」がどこか煙にまくような機能を果たしているのと無関係ではなかろう。

とあります。ここまで酷い説明は、もはや「言い掛かり」レベルでしょう。

折しも、「放送法遵守を求める視聴者の会」が実施した調査では、TBSが放送した全番組のうち、『報道』と『娯楽』に占める「平和安全法制」について取り扱った番組の「賛成・反対」のみについて調査したところ、「反対意見」が全体の85%と賛成(15%)を圧倒的に上回っていたことが判明しています。明らかに、「文化人」「言論人」を自称する勢力が、特定の方向に国民世論を捻じ曲げようとしているという意図が見え見えです。

2015年の「アベ政治を許さない」

次に、2015年に「トップテン入り」した「アベ政治を許さない」については、もっと意味が分かりません。

デモといえばスローガンである。「米ヨコセ」など一目でわかりやすい要求をビラや看板で示して叫ぶ手法である。/2015年夏、国会前で行われた安全保障関連法案成立反対デモに集まった人々が手にしていたビラは「アベ政治を許さない」。作家の澤地久枝さんらが発案したメッセージを俳人の金子兜太さんが揮毫したこのフレーズは、要求ではない、追求でもない、つぶやきだ。/強要しないつぶやきが、これまでのイデオロギー対立では現れてこない層に共有されたのだった。「私たちの世代は、左でもない右でもない、中道でもない、前だ」と話したアラフォーのラジオパーソナリティーがいたが、対立軸とプレーヤーがはっきりしていた時代のヘルメットにタテカン、アジ演説という昭和のアイテムとは違う、多様な意見を包み込む、囲わないゆるさで効果を見せてくれた。

これのどこが「多様な意見を包み込」んでいるのでしょうか?街中に(ときとして違法に)ベタベタと貼られたこのビラの、いったいどこが「強要しないつぶやき」なのでしょうか?

私たちはどう対処すべきか?

まぁ、しょせんは民間企業のやることですし…

…、とまぁ、いろいろ紹介して来ましたが、実は、これに対する対処法は決まっています。それは、

特に目くじらを立てず、笑い飛ばす

ことに尽きます。

先ほども引用した、「放送法遵守を求める視聴者の会」の調査では、テレビ放送が「集団的自衛権の行使」を巡って一方的な見方しか伝えなかったことが判明しています。

テレビ局の場合は、「電波」という、私たち国民の「共有財産」を格安で使わせてもらっている立場ですので、明らかな放送法違反は問題です。また、新聞の場合も、事実上、「宅配網」という参入障壁と「再販売価格維持制度」という利権に守られており、新聞が不当に偏った報道をすることも公正性の観点からは大きな問題です。

しかし、今回の「ユーキャンの流行語大賞」については、しょせんは民間企業のやることです。別に「流行語大賞」は「株式会社ユーキャン」という会社が勝手に主催しているだけの話であり、気に入らなければ見なければ良いだけの話です。

あるいは、別に「流行語大賞」を集計して公表することは「許可制」ではありませんから、「ユーキャンの流行語大賞」に不満があるのなら、自分で「今年の流行語ランキング」などと題して集計し、インターネットなどで公表すれば良いだけの話です。

というわけで、私はインターネット上で「ユーキャンの流行語大賞」を批判している意見が溢れていることについては、そこまで目くじらを立てるべきではないと考えています。

多様な意見こそが健全な民主社会を作る

普段の私の評論サイト(あるいは過去の「アメブロ」「楽天ブログ」)などを読んでくださっている方であれば、私が俗にいう「ネトウヨ」に近い考え方を持っている、と思っている方も多いでしょう。

確かに私は、サヨク・リベラルの「自称知識人」たちが大嫌いです。彼らの唱える理論を聞いていると、あまりにも現実から離れすぎていて、嫌悪感しか抱きません。

ただ、それと同時に間違ってはならないことは、

「自分と違う意見を持つ人を排除してはならない」

ということです。

もちろん、TBSや朝日新聞社のように、過去に何度も問題報道を行っているような会社に対しては、私も有権者の一人として強い怒りを感じています。特に、朝日新聞社と植村隆が捏造した「慰安婦問題」は、日韓関係を破壊しただけでなく、現在進行形で、韓国政府・韓国国民が日本を貶めるための材料として利用され続けています。

しかし、「ウソを事実であるかのように流布する」ことは間違っていますが、それと同時に、TBSや朝日新聞社がウソツキだからといって、彼らを誹謗中傷してよい、ということではありません。

「言論の自由主義」の徹底こそがソリューション

繰り返しになりますが、私はユーキャン企業が、著しく偏った「流行語大賞」を発表することに、何の問題もないと考えています。なぜなら、ユーキャンはという単なる民間企業であり、かつ、「流行語ランキングを作成して公表すること」については、誰にも許可を取る必要などないからです。

逆に、「ユーキャン流行語大賞」の結果に納得がいかないのならば、「明らかにランキングがおかしいとして批判する」のも自由ですし、「こんなランキングなんて無視する」という権利だってあります。そして、いっそのこと「自分で改めてランキングを作って公表する」ことだってできるでしょう。

ところで、「ユーキャン流行語大賞」については新聞やテレビなどが大々的に取り上げるため、社会的影響力が大きい、という事情もあるでしょう。ただ、これについても、「客観性が疑わしい流行語ランキングを、あたかも公的・客観的なランキングであるかのように取り上げる」のが問題であって、問題があるとすれば「株式会社ユーキャン」ではなく新聞社・テレビ局各社の報道姿勢です。

ただ、現代では既にインターネットが社会の隅々にまで浸透しており、かつ、日本ではインターネットで情報を配信する事業を行うのに「許可」は必要ありません。報道に疑問を持つのなら、私がこのウェブサイトでやっているように、新聞社やテレビ局を批判する記事を執筆すれば良いだけの話です。

もし、私のように「新聞・テレビに批判的な意見」が人々の支持を集めるなら、このウェブサイト(あるいは私以外の「保守派の論客」のウェブサイト)へのアクセス件数が増え、その代わり、新聞の販売部数・テレビの視聴率が下がるだけの話です。

幸い、新聞社やテレビ局が「参入障壁」で守られている間に、インターネットが発展し、マス・メディアがネット・メディアと「競争関係」になりつつあります。「言論の自由の徹底」こそが、偏向報道をなくしていくことの源泉です。

私が現在の状況について、政府に申し上げたいことは、一点しかありません。それは、

「インターネット・メディアの言論に対する規制を掛けないでほしい」。

ただ、それだけです。自分で好きなように議論し、読者を獲得していく自信があるのなら、別に政府に守ってもらう必要など一切ありません。

というわけで、私は来年以降も遠慮なく、「ユーキャン流行語大賞」のバカさ加減を笑い飛ばしたいと思います。

2016/12/03 9:00追記:ユーキャンがネットで炎上!?

「流行語大賞」を主宰するユーキャンに対し、ツイッター上で「#ユーキャン●ね」というハッシュタグが生成され、大変盛り上がっています。

また、一時「Wikipedia」の同社ウェブサイトも書き換えられ(※現時点では元に戻っているようですが)、同社がネットで酷く叩かれているようです。

ユーキャンは「出版事業部」を持っているようですが、同社自体は「マス・メディア」ではありません。したがって、同社が主催する「流行語大賞」とは、単なる民間企業がやっているだけのものです。私は同社を誹謗中傷する流れには乗りたいと思いません。ただ、それと同時に、日本は「自由競争社会」です。私もビジネス上、いくつかの出版社と仕事上の関わりを持っていますが、少なくとも「ユーキャン」と関わることは絶対にないでしょう。なぜなら、「ユーキャン」と関わっていたら、それだけで「反社会的勢力」としての認定を受けるリスクがあるからです。

繰り返しですが、民間企業であればいかなる事業を行うのも自由ですし、その結果、多くの人々から反感を持たれたとしても、その企業の自己責任の範疇だと思います。その意味で、同社の今年の流行語大賞を見た多くの日本人が、同社に対して嫌悪感を抱いたのだとしたら、それも同社の「自業自得」であろうと考えます。

2016/12/06 17:00追記:ネットで8割近くが「納得できない」

12月1日に発表されたユーキャンの流行語大賞を「神ってる」が受賞し、また、「保育園落ちた日本●ね」が「トップテン入り」したという点について、やはり「納得できない」と考える人が多いようです。

現在、「Yahoo!ニュース」でこれに関するインターネット調査が行われているのですが、現時点で次の通りとなっています。

回答票数比率
納得18,690票22.2%
納得できない65,611票77.8%
合計84,301票100%

(【出所】「2016年の新語・流行語大賞に納得?」(Yahoo!ニュース)より著者作成。データは2016/12/06 17:00時点で取得)

日本に「待機児童問題」などがあることは私も認めますが、だからと言って、どこの誰がツイートしたかわからない、しかも日本に向かって「●ね!」と発言した内容が、「今年の流行語トップテン」を構成するとは、明らかに不自然です。その意味で、上記ネット調査の結果、圧倒的多数の人々が「納得できない」と考えていることは、当然でしょう。

ただ、ユーキャンはあくまでも単なる一企業に過ぎません。この「流行語ランキング」に客観性がないことは明らかですが、目くじらを立てることなく、笑い飛ばすのが一番でしょう。あと、ついでに申し上げるなら、この一件で同社は日本国民の多くを「敵に回した」という可能性もあるでしょうが(少なくとも私がユーキャンと今後、ビジネス上関わることは絶対にあり得ません)、それも含めて同社の勝手だと思います。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告