従軍慰安婦問題の解決に関して、昨年冬の日韓両国外相の合意には、私を含め多くの日本人が驚き、そして失望したのではないかと思います。ただ、ここに来て、やはり予想通り、韓国側から昨年の合意の「蒸し返し」が来ました。現在のところ安倍政権は、こうした韓国による「蒸し返し」を許しておらず、また、国際情勢もそれを許す状況ではありません。これは、短期的には安倍総理の対韓外交が大成功を収めている証拠です。しかし、中・長期的に見て、果たして昨年の「日韓慰安婦合意」が正しかったのかといわれると、私にはやはりそうは思えないのです。そして、我々日本国民にとっては、「慰安婦問題」の進展だけでなく、将来的な日韓関係をどのように「再構築するか」についても重大な関心を払う必要があります。本日は「慰安婦問題の中間考察」に加え、「日韓関係のリバランス」についても思索を巡らせてみたいと思います。

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    慰安婦問題巡る中間考察

    本日は少し時事ネタから離れて、「従軍慰安婦問題を巡る日韓合意」について、取り上げてみたいと思います。慰安婦問題はまだこれからも紆余曲折が予想されますが、本日は、まず慰安婦問題について「正確な」定義付けを行い、それに対する「解決策」を記録しておきたいと思います。そのうえで、一番重要なのは、日本が今後、韓国と「どうおつきあいしていくのか」、という論点なのですが、こうした「日韓関係の在り方」の考察は、私自身にとっても、一種の「ライフワーク」となっています。したがって、本日の記事は、現在進行中の「慰安婦問題」に関する、現時点の私なりの「中間考察」と位置付けたいと思います。

    慰安婦問題の「正確な」定義

    私が定義する「従軍慰安婦問題」とは、「戦時中(1941年12月8日から1945年8月15日までの間)に、旧日本軍が朝鮮半島で少女20万人を組織的に拉致し、戦場で性的奴隷にした」とされる問題です。この定義は、とても重要です。なぜなら、古今東西、戦場で「慰安所」が開設される事例など普遍的にみられる現象ですが、この問題の本質は、「20万人」という人数もさることながら、「軍が強制的に徴発した」という点にあります。

    「従軍慰安婦問題」とは、「戦時中(1941年12月8日から1945年8月15日までの間)に、旧日本軍が朝鮮半島で少女20万人を組織的に拉致し、戦場で性的奴隷にした」とされる問題である。

    事実なら、非人道きわなりない話であり、我々日本人は、まさにナチス・ドイツのユダヤ人などの虐殺に匹敵する、「人道に対する罪」を犯したことになります。実際、英語圏でも従軍慰安婦は「sex slaves」などとして通用しています。「日韓請求権協定で解決済みだ」などと言ったところで、「人道に対する罪」は国際条約で終わらせることなどできません。

    しかし、冷静に考えたら、「20万人」といえば、当時の朝鮮半島の人口(約2000万人)の1%です。単純計算して人口の半分が女性だったとして、「少女20万人」とは、「朝鮮半島の女性の2%」に相当する比率であり、そんな人数を強制徴発していたら、朝鮮半島のそこかしこで暴動が起こっていても不思議ではありませんし、そんな目立つことをしたら、それこそ第二次世界大戦直後の「東京裁判」などでも注目されていたはずでしょう。また、「20万人」という数字は極端なウソだとしても、「軍により強制徴発された少女が多数いた」のが事実であれば、自称「元慰安婦」の「証言」以外にも、その証拠が多数残っているはずです。しかし、米国が3000万ドルの予算と7年の歳月を掛けて調べ上げ、議会に提出された「IWG報告」でも、「日本軍が少女を強制連行した」とされる証拠は、ただの1件も見つかっていません。

    何のことはありません。既に多くの方がご存知の通り、この「少女20万人を組織的に拉致した」などの荒唐無稽な与太話は、もともとは朝日新聞の元記者である植村隆が執筆した捏造報道がすべての出発点です。そして、韓国国民や韓国政府が日本を貶めるためにこの問題に飛びつき、捏造に捏造を重ね、その末に世界中で「日本はこんなに悪い国だ!」と宣伝して回っているだけのことです。つまり、悪いのは朝日新聞と植村隆と韓国国民と韓国政府であり、また、無為・無策によりこの虚偽が世界中に広まってしまっているのを許した日本の歴代政権や外務省です。

    • 慰安婦問題を最初に捏造したのは朝日新聞元記者の植村隆であり、朝日新聞社はこのウソを訂正するどころか、今日に至るまで積極的に拡散させ続けている
    • 韓国国民と韓国政府は慰安婦問題というウソに飛びつき、世界中で日本を貶めて回っている
    • 歴代日本政府、日本の外務省は、ウソをウソと知りながら問題を放置し、世界中でこの問題が日本の名誉を傷つけている

    私も日本国民の一人として、朝日新聞についてはささやかな「不買運動」をしたいと思っていますし、感情的にも、韓国(韓国国民と韓国政府)を、到底、許すことはできません。さらに、歴代日本政府・外務省の無為無策ぶりにも強く憤っています。

    ただし、安倍政権が発足して以来、この政権は、歴代の「事なかれ外交」から決別しようと努力していることについては、正当に評価すべきでしょう。特に、中国の軍事的暴発リスクが高まる中で、現在の日本に強く求められていることは、感情に任せた外交ではなく、冷静な考察と戦略に基づき、その時点で考えられる最適な選択肢を取り続けることです。

    慰安婦合意の意味を考える

    ところで、2015年12月の「慰安婦合意」が、「その時点の日本政府にとって最適な外交的選択肢だったのか?」と尋ねられれば、現在の私に、それを評価するだけの材料がありません。

    まず、日韓合意の最大の問題点は、「朝鮮半島で少女20万人を誘拐した」などとする荒唐無稽な主張を覆す機会を、日本政府が国際社会で失ってしまったです。慰安婦問題は「人道に対する罪」であり、いわば「時効」がありません。放置しておけば、慰安婦像は世界中で「雪だるま式」に増えてきますし、日本を糾弾する勢力も多数、出現することになります。さらに、日本の民間人の中には、「慰安婦問題という濡れ衣」を晴らすために、手弁当で活躍されているかたも大勢いらっしゃいます。安倍政権の「日韓慰安婦合意」は、こうした「草の根の民間人」の努力を台無しにするものだったのです。

    ただし、その後の経緯はおおむね良好です。客観的に見ると、昨年の「慰安婦合意」以降、朴槿恵(ぼく・きんけい)政権による「告げ口外交」などの反日的行為がほぼ完全に封殺されましたし、一見すると日韓の外交関係は非常に順調だからです。また、日本政府が(少なくとも短期的には)「慰安婦問題」に対応する必要はなくなりました。というのも、日韓合意とは「韓国政府が設立する基金に日本政府が10億円を拠出する」ことで「慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決された」ことを「日韓両国政府が確認」するというものだったからです。そして、合意に従い韓国政府は7月に基金を設立し、日本政府は8月に10億円の拠出を履行しました。よって、この問題は今後、完全な「韓国の国内問題」となったのです。また、韓国政府側は、9月末頃から「安倍総理のお詫びの手紙が欲しい」「感性的・追加的な措置が必要だ」などと蒸し返してきましたが、安倍総理はこれをきっぱりと拒絶。これによって、既に慰安婦問題が、名実ともに完全な韓国の国内問題に転化したことが明らかになりました。

    これは、従来の日本の外交にはなかった重要な変化です。慰安婦問題を巡っては大騒ぎする韓国を「完全に黙らせる」ことができました。「やってもいない慰安婦強制連行」という虚構を認める代償として、韓国政府の行動を封じた格好であり、いわば、「肉を切らせて骨を断つ」という戦略だったと言っても良いでしょう(ただし日本人の名誉という代償はあまりにも大きすぎましたが…)。

    慰安婦問題の「解決」について考える

    次に、「問題」があれば、「解決」されなければならないことは間違いありません。それでは、そもそも論ですが、「慰安婦問題の解決」とは、いったい何を指すのでしょうか?

    国際正義の観点から見た「慰安婦問題の解決」

    実は、「慰安婦問題」が「本当にあったのかどうか」という点をきちんと定義・宣言しておかなければ、「正しい解決」というものは存在しません。そして、仮に私が冒頭に示した「慰安婦問題の正確な定義」が正しければ、それに対する解決策とは、

    国際常識からみた「慰安婦問題の解決」とは、日本政府が慰安婦問題を人道に対する罪であると認め、関係者を全て処罰し、あわせて慰安婦が受けた心身両面の損害の全てを回復すること

    にほかなりません。それだけ深刻な人権侵害が行われたならば、「10億円払ってお終い」、ではないのです。そして、「戦時中に日本軍が少女20万人を強制連行し、戦場で性的奴隷にした」とされる慰安婦問題自体が朝日新聞社と植村隆と韓国国民と韓国政府がでっち上げた虚構であり、「加害者」など元から存在しません。国際社会から見ても、日本政府が「形だけ責任を認めて、慰安婦らに一度謝れば済む」、といった問題ではありません。国際社会は、「責任を認めたのなら、なぜ責任者を処罰しないのか?」と疑問に思うでしょう。その意味でも、「存在しない問題」についての「責任」は、絶対に認めてはならなかったのです。

    もっと言えば、「被害者」として名乗り出ている元自称慰安婦らを含め、韓国国民の本当の狙いは、「心の傷」を盾に永遠に日本を叩いて溜飲を下げる、という点にあります。むしろ、彼らの狙いは、「すべての韓国国民が心の底から納得するまで、日本に対し永遠に謝罪させ続ける」ことにあるのであって、朝日新聞社と植村隆が捏造した慰安婦問題も、その材料の一つに過ぎません。

    日本政府にとっての「慰安婦問題の解決」

    ただし、「慰安婦問題の解決」を、「韓国政府による日本政府に対する外交的な妨害をやめさせること」だと定義すると、昨年の「慰安婦合意」に対する評価もガラッと変わって来ます。少なくとも現状では、韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権の関係者が日韓以外の第三国で、「慰安婦問題」を材料に日本を貶める発言を控えるようになっています。

    日本政府からみた「慰安婦問題の解決」とは、韓国が政府・国民を挙げて何かと日本外交を妨害することをやめさせること

    慰安婦問題の最大の問題点は、いうまでもなく、韓国が外交的に日本を貶めることで、日本の国益が損なわれ、傷つけられる、という点にあります。逆に言えば、慰安婦問題は韓国政府にとっての「日本に対して優位に立つための、重要な外交的手段」だったのです。そして、安倍政権が昨年冬に「慰安婦合意」を成立させた結果、この「韓国政府の常套手段」が封殺されたことは間違いありません。したがって、少なくとも政府レベルでは、現・朴槿恵大統領在任中に関しては、「日本政府が韓国政府に謝る」という必要はなくなったのです(ただし、その後はどうなるかわかりませんが…)。

    また、それだけではありません。朴槿恵大統領は政権前半で中国との関係を極めて深化させましたが、せっかくの外交努力にもかかわらず、今年7月の「THAAD(高高度ミサイル防衛システム)の朝鮮半島配備決定」を受け、中韓間にも「スキマ風」が吹いています。こうした状況で、昨年の慰安婦合意により日韓関係が好転しているため、短期的には中国の「軍事的覇権の確立」という目標を妨害する程度の役には立っています。これに加えて、北朝鮮の核開発の進展があまりにも急速であることから、少なくとも「短期的には」、日米韓の連携は必須です。

    つまり、日本にとっては、韓国との関係を好転させることは、特に軍事面において、「短期的」には非常に大きな効果があるのです。安倍外交が「日韓合意成立」を最優先にした理由も、ここにあると見るべきでしょう。ただし、これはあくまでも「短期的な」話であり、「中長期的には」、岸田外相が行った「日韓合意」には多大な問題があると言わざるを得ません。そして、日本という国のことを考えると、やはり「中長期的に」、韓国とどのように「おつきあいしていくのか」という本質的問題については、避けて通ることができないものです(なお、これについては後述します)。

    日本国民にとっての「慰安婦問題の解決」

    そして、昨年の「慰安婦合意」により、日本政府にとっては「慰安婦問題が(その場しのぎ的には)解決した」といえますが、韓国の日本大使館前の公道上に設置された「慰安婦像」は撤去されておらず、かつ、これと同類の銅像は、今や世界中で増殖し始めています。その意味で、慰安婦問題は「中長期的」・「民間レベル」でも解決したものである、とはいえません。要するに、「慰安婦問題」という「ウソ」に基づき、韓国の民間人が未だに世界中で日本を貶めているからです。

    その意味で私は、「日本国民にとっての慰安婦問題の解決」とは、「朝日新聞社と植村隆が捏造し、韓国国民と韓国政府が世界中に広めた虚偽の『従軍慰安婦問題』により傷つけられた日本人の名誉が完全に回復され、また、これに関連して日本人の名誉を傷つけたすべての者が罰せられること」だと定義します。

    「日本国民にとっての『従軍慰安婦問題の解決』とは、朝日新聞社と植村隆が捏造し、韓国国民と韓国政府の行為により世界中に広められた『従軍慰安婦問題』という虚偽の事実により傷つけられた日本人の名誉が完全に回復され、また、これに関連して日本人の名誉を傷つけたすべての加害者が罰せられることである」

    つまり、「従軍慰安婦問題の被害者は日本国と日本人」であり、「従軍慰安婦問題の加害者は韓国と韓国人」です。

    • 日本人は従軍慰安婦問題の被害者である
    • 韓国人は従軍慰安婦問題の加害者である

    このように問題の解決を定義付けると、やはり安倍政権が行った昨年の「慰安婦合意」には、重大な問題があったと言わざるを得ません。「被害者」である日本が、「加害者」である韓国にお金を支払ったからです。そもそも、日本政府の立場を代弁する岸田文雄外相自身が、「日本軍が慰安婦問題に関与した」と、事実と全く反する内容を述べています。安倍政権の行った「日韓合意」は、「その場しのぎの日韓関係改善」には寄与したかもしれませんが、道義的には大きな過ちであり、到底許されるものではありません。安倍総理はご自身で、過去・現在・未来のすべての日本人に対し、日韓合意についてきちんと説明しなければなりません。

    しかし、それでも私は希望を持ちたいと思います。日本は「永続する国」であり、国として永続していれば、いつかはこうした不名誉を挽回する機会が到来するに違いありません。そのように考えるならば、結局のところ、「日本は慰安婦を強制連行した」などのウソを信じる者が、地球上からいなくなるためには、愚直に事実を記録し、発信し続ける以外に方法はないのです。

    韓国政府にとっての「慰安婦問題の解決」

    さて、「韓国政府」(というか、現在の朴槿恵政権)にとっての「慰安婦問題の解決」とは何なのかについても、いちおう、考えておきましょう。言うまでもなく、昨年冬の日韓合意は韓国政府を縛るものでもあります。したがって、当面の韓国政府に求められることは、昨年の日韓合意を「誠実に」履行することです。

    「現在の韓国政府にとっての『従軍慰安婦問題の解決』とは、日韓外相合意の内容を誠実に履行することである」

    ただし、この問題を巡って、現在の韓国が窮地に立っていることも事実です。なぜならば、合意に基づいて設立した基金が自称元慰安婦らに対して現金を支給するのに、「強い抵抗」に遭っているからです。また、今までであれば、韓国政府が自らの努力で国民を説得しなくても、日本政府が「助け舟」を出してくれていたのですが、今回は、「不可逆的かつ最終的」な解決で両国が合意してしまっているため、この問題についてはあくまでも韓国が「自力で」解決しなければなりません。

    他にも問題があります。その最大のものは、ウィーン条約に違反して挺隊協が日本大使館前に設置した「慰安婦像」です。この構造物は、日本大使館の尊厳を貶めるために設置されたものであり、慰安婦合意と無関係に、本来ならば韓国政府には撤去する義務があります。しかし、その撤去すらできていないということは、逆に言えば、韓国政府の実務能力がいかに低いかという証拠でもあります。

    いずれにせよ、韓国政府にとっての「慰安婦問題の解決」とは、少なくとも自称元慰安婦らとの関係を巡り、完全な法的決着を飲ませることと、慰安婦像の撤去です。そして、いずれも韓国政府の力量を遥かに超える難事であり、私には現在の韓国政府にそれを実施する能力があるとは到底思えません。また、おそらく、安倍政権も「どうせ韓国には慰安婦像の撤去などできっこない」と、最初から分かっていたのではないかと思います。そして、それができっこない以上、少なくとも朴槿恵政権の間は、日本は韓国に対し、完全に優位に立つことができる、ということです。

    日本は今後、韓国とどう「おつきあい」していくのか?

    慰安婦問題については議論が尽きない点ではありますが、この論点よりももっと根源的に重要な論点があります。それは、「日本が今後、韓国とどうおつきあいしていくのか」、という点です。

    日韓関係の六類型

    私がいつも提示するのが、次の「日韓関係を巡る六つの類型」です(図表)。

    図表 日韓関係を巡る六つの類型
    カテゴリ 分類 概要
    日韓友好 Ⅰ 対等な日韓関係 日韓は同じ価値観を共有する対等な主権国家同士として、友誼を深め、手を取り合ってともに発展していく
    Ⅱ 韓国配慮関係 日本は過去の歴史問題に多少配慮し、謝るところはきちっと韓国に謝る
    Ⅲ 韓国に従う関係 韓国が求める「正しい歴史認識」を全面的に受け入れ、半永久的に韓国に謝罪し続ける
    日韓断交 Ⅳ 韓国を放置する 韓国が日本に対して突きつけてくる不当な要求を無視し、敢えて日韓関係の改善を先送りにする
    Ⅴ 日韓断交 韓国との関係改善を諦め、いっそのこと韓国との外交関係を断ち切る
    Ⅵ 韓国を崩壊させる 韓国と関わらないだけでなく、むしろ積極的に韓国という国が滅亡するのを助ける

    アンケート調査を取ったわけではありませんが、おそらく、一昔前までであれば、大部分の日本国民は「Ⅰ」か「Ⅱ」が望ましいと回答したのではないでしょうか?しかし、韓国があまりにも日本に対して非礼を重ねるため、穏健派の一般の日本国民の間でも韓国に対する嫌悪感は強まっています(内閣府が公表する「外交に関する世論調査」上も、韓国に親しみを感じない人の比率が6割を超えていることが確認できます)。したがって、おそらく「Ⅰ」「Ⅱ」は少数派に転落しているのではないでしょうか?また、少なくとも安倍政権下の「外交青書」は韓国を「価値観を共有する国」とは表現していないことから、こうした認識は国民・政府レベルに広がっていると考えて良いでしょう。

    日本社会全体が韓国と距離を感じ始めていることは間違いありませんが、これに加えて、インターネット上の「ネット右翼」と呼ばれる人たちを中心に、上記「Ⅴ」のような「極論」が適切だと考える人が増えてきているように思えるのです。これは、韓国の「理不尽な主張」が、インターネットのおかげでダイレクトに日本国内に流入するようになったことが原因であり、ある意味では日本国民としての自然は反応でもあります。そして、それがさらに先鋭化した主張として、「むしろ積極的に韓国を崩壊させてやれ」といった極論(つまり上記「Ⅵ」)も出現しています。その代表的な主張は「誅韓論」という書籍にありますが、「積極的に韓国という国が滅亡することを日本が助けるべきだ」といった極論が世の中で議論され始めている自体、時代が変わった証拠といえるかもしれません。

    ただし、国民や政権与党の間では韓国と距離を感じる人が増えていることは事実ですが、漏れ伝わる外務省の役人の姿勢を見ている限りでは、どうやら外務省内では上記「Ⅱ」、すなわち「日韓関係自体が大事だから、ここは多少、日本が折れる形となっても良いから、日韓関係のために日本が少し韓国に配慮する」という意見が圧倒的多数を占めているように見えるのです。もしその見方が正しければ、私は直ちに外務省を解体すべきではないかとすら考えています。さらに、朝日新聞や毎日新聞などのレガシー・メディア、日本共産党などの反日勢力が求めているのは、明らかに上記「Ⅲ」のモデルです。彼らは日本の崩壊につながることであれば何でも良いと思っているのかもしれませんが、彼らは明らかに日本国民の意見を代表していません。

    なお、安倍政権が昨年行った「日韓合意」は、上記の類型でいえば「Ⅱ」に該当するものです。「やってもいない慰安婦強制連行」という汚名を着せられたことは犠牲として大きすぎましたが、それでも短期的にみると日韓関係が部分的に好転したことは事実です。しかし、韓国は将来的に間違いなく「慰安婦問題」を蒸し返そうとしてきますし、「慰安婦問題」以外にも何らかの「イチャモン」をつけては日本を批判する材料にするでしょう。よって、韓国と外交関係を築き上げたければ、長期的には、上記「Ⅰ~Ⅲ」のいずれのアプローチも不適切なのです。

    朝鮮半島のリバランスをトータルに考えるべき

    なお、私自身のスタンスは、上記パターンでいうと「Ⅳ、Ⅴの中間」といったところです。確かに、短期的には日韓関係を好転(というよりも少なくとも「韓国から邪魔されない」程度に好転)させておくことには賛成ですが、中・長期的にみて、韓国は日本と「仲良く手を携えてともに歩む」ような相手ではありません。中国の軍事的暴発リスクという脅威が過ぎ去った時点で、日本は「日韓関係」(あるいは韓国の存在そのもの)を「リバランス」していくことが必要なのだと考えています。

    韓国は日本にとって「対等の友誼」を結ぶ資格がある国ではありません。もっといえば、韓国は「一つの主権国家として」そこに存在しているのが果たして適切なのか、という点まで踏み込むことが必要でしょう。たとえば核開発を続ける北朝鮮の指導者・金正恩(きん・しょうおん)を逮捕して金王朝を崩壊させ、南北統一を実現させたうえで非核・非武装化し、中国・ロシア・日本の「中立地帯」のような形で再編する(あるいは中国かロシアの自治区に位置付ける)など、東アジアの新秩序を考える時ではないかと思うのです。

    ただし、現状の日本には、外国から攻め込まれても日本国民を守ることができない「憲法第9条第2項」(私はこれを「殺人憲法」と呼んでいます)が存在しており、日本の安全保障にも直結する「東アジア新秩序形成」に主体的に関わることはできません。その意味でも「憲法第9条第2項」を日本国民の力により自力撤廃することができるかどうかが、日本の行く末を占う「試金石」といえるでしょう。果たして日本人にそこまでの覚悟があるのかはわかりませんが…。

     

    ※本文は以上です。

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    著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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