本来、私は時事ネタよりも、「専門的な知見に基づき、政治・経済を中心に読者の皆様の知的好奇心を刺激する議論を展開する」ことを目的にウェブサイトを運営しています。しかし、ここ数日、私が追いかけているテーマに関連する報道が少しずつ出てきました。そこで、たまには特定のテーマに沿って、「最新の時事ネタ」をいくつか取り上げておきたいと思います。特に、ここ数日取り上げてきた「日韓スワップ」の議論に加え、「安倍外交と日本国民の支持率」などの視点から、日本の対韓外交の在り方についても考察してみましょう。

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    日韓スワップ最新記事

    当ウェブサイトは「専門的な知見から政治・経済について議論する」ことを一つのテーマにしており、本来、「時事ネタを日々追いかける」ことを目的にしたものではありません。ただ、その反面、当ウェブサイトで追いかけているテーマに関する報道が出てきたら、それらについてきちんと取り上げ、その考え方を検討しておく必要があることは間違いありません。

    自民党部会での通貨スワップ反対論は当然

    折しも、当ウェブサイトでは日韓両国間の「二国間通貨スワップ取極め」(BSA、俗に「通貨スワップ協定」または「日韓スワップ」)を一つの重点テーマとして追いかけています。これに関連し、非常に短い記事ですが、日韓通貨スワップに関する最新の報道が出てきました。

    中国のガス田開発に危機感=自民(2016/10/13-12:10付 時事通信より)

    リンク先の記事は時事通信が報じたもので、これによると先週木曜日の自民党の部会・合同会議の中で、中国の東シナ海ガス田開発と並んで「日韓スワップ」が議題に上がったそうです。時事通信は日韓スワップ協定について、

    「韓国が『いらない』と言ってきたものを簡単に再開できない」「日本の国益に見合うものがなければやるべきではない」などと反対意見が続出

    したと報じています。全くの正論でしょう。

    財務省や韓国メディアが主張する「通貨スワップのメリット」

    これまでのいくつかの議論でも述べてきたとおり、日韓通貨スワップ協定の本質は、外貨流出リスクが極めて低い国である日本が、外貨流出リスクが極めて高い国である韓国を、実質的に「保証」する協定です。この通貨スワップの韓国側から見たメリットには計り知れないものがありますが、逆に、日本からすれば世界的な金融危機が再発でもした際に、韓国を助けなければいけないというデメリットしかありません。

    ただし、日本の財務省や韓国のメディアは、これまで、「通貨スワップには日本にも大きなメリットがある」と主張して来ました。それらの主な項目は、次の四つです(図表)。

    図表 日本にとっての「通貨スワップのメリット」
    項目 説明 備考
    ①円の地位の向上 日韓通貨スワップ協定を締結すれば「円」の国際的地位が上昇する 情報源は韓国メディアの報道。詳しくは過去記事参照
    ②国際的投機筋への牽制 国際的な投機筋(ヘッジファンド等)に対しても「韓国の通貨売り浴びせ」への牽制として働く 過去にジョージ・ソロス氏が英ポンドを売り浴びせ、英国がERMⅡから脱退した事件なども有名
    ③日本企業に対する信用補完 韓国企業と取引する日本企業に損失が発生するリスクが減るため、日本企業が韓国企業と取引しやすくなる 貿易に加え、日本の金融機関が保有する韓国企業発行の社債のデフォルト・リスクを軽減する効果もある
    ④為替相場の安定 円・ウォン相場などの為替相場が安定するメリットが得られる 韓国ウォンの急落が貿易や投資など多方面に影響を及ぼすことは事実

    ただし、上記①~④の「メリット」は、いずれも本当の意味での「メリット」ではありません。

    まず、①については意味不明です。特に日本円の「国際的地位」という言葉が何を指すのか不明ですが、日本円は既に世界的なハード・カレンシーです。特に円債市場は国際的な資本市場でももっとも透明性が高く、流動性も十分です。韓国と通貨スワップ協定を締結したところで、日本円の「国際的地位」とやらが劇的に上昇するということはあり得ません。

    次に、②と④については、特に日本の財務官僚が好きな論点ですが、為替相場の安定や通貨の売り浴びせが行われて一番困る国は韓国です。もちろん、為替相場が普段から安定していると、日本企業にとっては間接的な恩恵もありますが、もともと日本企業の多くはドル・円、ユーロ・円などの為替リスクを負っており、こうした為替リスク管理を含めて投資を行っています。地球上に通貨は数多くあり、為替相場も様々ですが、これらの中から「円・ウォン相場だけ」を安定させる目的で多額のスワップラインを提供することは、費用対効果に合いません。

    こうした中、一番もっともらしい(が一番間違っている)論点は③でしょう。確かに、通貨スワップがあれば、韓国企業と取引している日本の企業や銀行にとっては、貸倒リスクを減らすことができます。しかし、このロジックを経済的に見れば、通貨スワップという「最終的には日本国民の税金負担になるかもしれない手段」で、「好きで韓国と取引している日本の企業や銀行」を救済しているのと全く同じことです。税金を使って銀行を救済すると批判されるのに、韓国企業の発行した社債を保有していて損を蒙った銀行を救済する目的で通貨スワップを利用するとは、あまりにも無責任ですし、こうした実態が周知されれば、日本国民の理解が得られるなどとは思えません。

    それでも通貨スワップを締結するなら…

    ただし、日韓通貨スワップ協定を巡っては、日本に「本当に全く何一つとしてメリットがない」、というわけではありません。唯一、日本にとってのメリットは、それをすることで「中国の世界征服計画を頓挫させることに役立つかもしれない」、という点です。すなわち、中国を「仮想敵国」とする日本が中韓を仲違いさせる目的で締結する(言い換えれば通貨スワップを「韓国を釣るためのエサ」にする)というもので、その目的に合致するならば、限定的な通貨スワップ協定も有効です。したがって、この通貨スワップはあくまでも「日韓協力が成立した」という「象徴的なもの」であれば良いのであって、本気で韓国を救う目的である必要はありません。

    この点、韓国側からは最近、

    「中国に対抗するため、日本はメンツを賭けてスワップラインを500億ドル(約5兆円)程度になる」

    といったとんでもない報道も出ていますが(詳しくは「日韓スワップ「500億ドル」の怪」もご参照ください)、日本にとって日韓通貨スワップ協定を締結する目的は、「為替相場の安定」でも「韓国に対する信用補完」でもありませんし、ましてや「日本が韓国支援を巡り中国とメンツを賭けて争う」といった代物では決してありません。あくまでも「韓国の窮状という弱みに付け込み、韓国を中国から離間させる」という目的のものです。したがって、「日韓協力」を「演出」することができれば十分ですので、金額も米ドルでせいぜい30~50億ドル程度、日本円で3千~5千億円程度で十分でしょう。

    窮地に立つ「二股外交」

    ついでに、韓国の経済・外交に関して補足しておきましょう。

    韓国が米国の軍事的同盟国でありながら、中国との関係を深めてきたことは有名です。特に、朴槿恵(ぼく・きんけい)政権が発足した2013年2月以来、韓国は急速に「対中傾斜」を強めてきました。もともと、韓国は前任の李明博(り・めいはく)政権時代に世界の主要国と「FTA(自由貿易協定)」を締結するなどして「輸出立国化」を進めて来たのですが、とりわけ中国に対する輸出比率が増大。その結果、現在の韓国は、いわば

    • 軍事的には米国の属国
    • 経済的には中国の属国

    という状況になってしまっています。日本経済新聞社の鈴置高史編集委員は、有名な「米中二股外交」という用語を提唱されていますが、軍事的に米国、経済的に中国に深く依存している以上、韓国としてはどうしても「米中二股外交」を進めざるを得ないのです。

    これを中国から見ると、韓国の「経済的属国化」が進んでいる証拠です。中国は現在、朝鮮半島北部にある北朝鮮を「猛犬」として飼い慣らし、韓国にけしかけることで、いわば韓国に対して「恐怖」を煽っている節がありますが、これらの行動はいずれも、最終的には韓国を完全な「勢力圏」に置くことが一つの目的でしょう。当然、在韓米軍を韓国から追い出すことも、中国としては重要な戦略目標と見るべきです。なお、余談ですが、「南朝鮮の属国化」という目的を達成すれば、北朝鮮は中国にとっての「緩衝地帯」ではなくなるため、中国は直ちに北朝鮮から核を取り上げたうえで、金王朝を排除する可能性が高いと見るべきでしょう。

    また、韓国は中国との「蜜月」の象徴として、中国との間で2014年11月には3600億元(約500億ドル)相当の通貨スワップ協定を締結しています。もちろん、現実に韓国が国際的な資本市場で大々的に調達している通貨は米ドルや日本円であり、人民元ではありません。よって、中国との通貨スワップなど、いざというときに全く役に立たないのが実情です。しかし、中国との通貨スワップが存在するという理由で、2015年2月に日本との通貨スワップ協定を失効させたのも韓国の方から申し出たことであり、これにより現在の韓国は「ハード・カレンシー」との通貨スワップ協定をほとんど失ってしまいました。

    なお、中国との関係強化にしても、通貨スワップラインの縮小にしても、いずれも韓国自身の意思と選択でなされた決断であり、日本としては韓国に対する同情の余地などありません。

    こうした状態にあったにも関わらず、今年7月には在韓米軍へのTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)の配備を唐突に発表し、中国(とロシア)が韓国に対して激怒するという椿事が発生しました。国際的な利害調整すらまともにできないのは韓国の大きな特徴の一つですが、これによって2013年2月の就任以来、朴槿恵大統領が一生懸命築いてきた中国との「蜜月関係」は、唐突に終焉を告げました。これを受けて中国は早速、AIIB(アジアインフラ開発銀行)の副総裁ポストを韓国から取り上げるなど、韓国に対する制裁を開始しています。こうした状況で日本が韓国に「通貨スワップ」という「救いの手」を差し伸べれば、短期的には中韓関係が決定的に悪化することは間違いありません。

    ただし、くどいようですが、万が一、日本政府が韓国と通貨スワップ協定を再開したいのならば、この新たな通貨スワップを締結する目的は、あくまでも中韓離間にあるということを明確にすべきであり、逆に、韓国の救済自体を目的にしてはなりません。

    日本と韓国とは全く異なる国である

    ところで、私は現在、40代ですが、私の親世代(全共闘世代より少し上の世代)あたりだと、「日韓は非常に良く似た国だ」という感覚があったようです。しかし、私に言わせれば、それは1910年から45年までの「日本統治時代」に日本式の教育を受けた世代が韓国の指導者だった時代に限定される話です。日本統治が終焉して既に70年以上が経過しており、現在の韓国は、ほぼ完全に「脱日本式」が完了していると考えて良いでしょう。

    偽証犯罪、日本の20倍―公式統計

    日本と韓国の文化が全く異なるものであるという証拠は多数ありますが、韓国側からの最新版の報道からも、その一端が垣間見えます。

    韓国の偽造犯罪、日本より20倍多い…「国民の意識、日本より顕著に低い」(2016年10月13日09時27分付 中央日報日本語版より)

    リンク先の中央日報日本語版の記事によると、

    「◆韓国の偽造犯罪が20年前より倍増している、◆人口10万人当たりの偽造犯罪件数は日本の20倍に達している」

    という、にわかには信じ難い話を紹介しています。しかも、このデータの出所は韓国の大検察庁(最高検)が発刊した「韓国偽造犯罪の特徴と対応案」という論文であり、信憑性は極めて高いものです。この「偽造犯罪件数が日本の20倍」という事例は極端だとしても、韓国が国民・政府を問わず、「約束すらまともに守れない国」なのではないかという証拠は他にもたくさんあります。

    勝手に蒸し返し、勝手に傷つく国

    「韓国は約束一つ守れない国だ」―。その証拠の一つが、次の産経ニュースの記事です。

    韓国外相、安倍首相の手紙拒否は「韓国国民の心傷つけた」(2016.10.13 17:53付 産経ニュースより=共同通信配信)

    産経ニュースなどの報道をまとめると、韓国の尹炳世(いん・へいせい)外交部長官(外相に相当)は先週木曜日の韓国国会で答弁し、日本の安倍晋三総理大臣が自称元慰安婦らへの「お詫びの手紙」を出すことを「毛頭考えていない」と発言したこと自体が、「韓国国民の心を傷つけるものだ」と述べた、とするものです。

    しつこいようですが、昨年12月の日韓合意は、韓国政府が設立する財団に日本政府が予算から10億円を拠出することなどをもって、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されるというものであって、それ以上のものはありません。そして、「10億円の拠出」は既に今年8月に履行済みであり、日本政府としては、もはやこの問題に関してできることは一切ありません。あとは全て韓国の国内問題になったのです。

    安倍総理の発言に不適切な個所は一点もありませんが、その安倍総理の発言が「韓国国民の心を傷つける」ものだとすれば、その発言を招いた責任は、日韓合意にない「お詫びの手紙」を軽率に求めてきた韓国政府自身にあります。これについて共同通信の記事は

    「尹氏の発言は、合意にない追加措置を日本に要求する根拠がないため、日本が独自の判断で韓国の要望に応えることを期待した形だ。」

    と指摘していますが、これこそが戦後の日韓外交の「悪習」です。韓国政府が日本政府に対して「配慮」を求め、日本政府(厳密に言えば日本の外務省)が韓国に「配慮」を示すことで、自然と日本が韓国に対して「折れる」という形で、これまでの日韓外交が行われてきたのです。

    安倍政権の今後の対韓外交

    私の理解だと、現在の安倍政権の最大の外交目標は、何といっても「偉大なる中華の再興」を名目にした中国の軍事的野心を頓挫させることであり、そのためであれば北方領土問題で多少の譲歩をしてもロシアとの関係を改善させようとするでしょうし、同様に韓国との関係改善も図るはずです。しかし、それと同時に北方領土問題や日韓関係などは、日本の国民感情を無視して進められるほど簡単なものではないことも事実です。

    安倍総理はおそらく、昨年の慰安婦合意に対する国民の反発があまりにも強かったことをご自身でも認識されていることは間違いありません。そして、こうした日本国民の反発を放置しておけば、日本国民の怒りの矛先は、「いつも無茶な要求ばかりしてくる韓国」だけでなく、「韓国の理不尽な要求に素直に従う日本の外務省・日本政府」にも向いています。2020年の東京五輪までの長期政権を狙う安倍総理が、こうした国民の怒りを無視することができるとは思えませんし、国民の声を一切無視するほど愚かだとも思えません。その意味で私は、安倍政権が日韓スワップ協定の再締結を許すかどうかは、政権支持率との兼ね合いで決まってくると考えています。

    例えば、北方領土問題について、今年12月の日露首脳会談でプーチン大統領から大幅な譲歩を引き出すことに成功したら、国民の安倍政権支持率は跳ね上がるでしょう。その時には、それこそ間髪をいれずに「5兆円の日韓通貨スワップ協定」を締結して韓国を一気に中国から引き剥がしにかかるかもしれません。この場合は、日韓スワップの再開という「不人気政策」を取ったとしても、北方領土返還をテコにした政権支持率の上昇によって国民の不満の声を「かき消す」ことができるからです。しかし、逆に日露首脳会談で目に見えた成果が得られなかった場合には、日本国民は深く失望するかもしれませんから、そんな時に日本国民が猛反対する日韓通貨スワップ協定を締結すれば、金額や条件次第では、それこそ安倍政権の「命取り」にもなりかねません。

    いずれにせよ、日本の今後の対韓外交は、「日韓友好そのもの」を目的にしたものではなく、「日中関係」「日露関係」「日米関係」の「従属変数」となることは間違いありません。そして、日韓スワップについても、大型の政治イベント(例えば日露首脳会談が行われる12月頃)が終わるまでは動きが取れない政策課題の一つではないかと思います。

    オマケ:「韓国は存続が許されない国?」

    私もしばしば用いる「韓国による米中二股外交」という用語を開発したのは日本経済新聞社の鈴置高史編集委員ですが、その鈴置編集委員が日経ビジネスオンラインに投稿している「早読み深読み朝鮮半島」シリーズは、掲載されれば私もすぐに内容を確認しています。なにより、長年の「朝鮮半島ウォッチャー」である鈴置編集委員の慧眼ぶりが優れているためでしょうか、私の周囲にも、このシリーズのファンであると公言する知識人は増えているように思えます。このシリーズの最新版である、先週木曜日に公表された「『地図から韓国が消える』と韓国人が叫ぶ」、翌日付の「北への予防攻撃が頼みの綱だ」という二つの記事は、(一見すると)タイトルこそ過激ですが、北朝鮮の核開発が粛々と進む中で迷走する韓国の現状が手に取るようにわかる秀逸な記事です。また、北朝鮮の核開発は日本にとっても他人事ではないため、リンク先の記事は、是非、日本国民や日本政府の関係者に読んでいただきたいと思います。

    それはともかく、鈴置編集委員の記事に付された「読者コメント」もまた秀逸です。この中で私が一番、関心を抱いたのは、次のコメントです。

    いっそ韓国には本当に地図から消えて貰った方が良いかもしれません。味方面で日本を貶めつつ臆面もなく援助を要求するような国よりも、直接的に脅威として分かりやすい敵対統一国家が国境を接してくれるようになった方が、平和ボケしているだけの日本人には薬になるでしょう。あからさまに領土的野心を見せる中国の行動を見ても九条教を信仰し、九条にノーベル平和賞をなんて宣う連中にはそれでも無駄でしょうが・・・。

    随分と過激な内容ですが、特に前半部分は地政学の本質を突いたコメントでもあります。「韓国が地図から消える」などと過激な表現が、「日経」という一流紙(?)の名を冠したメディアに掲載されるのも時代の変化ですが、それと同時に一般の読者が「国境を接するならば、中途半端なコウモリ国家ではなく明らかな敵対国と対峙する方が良い」と地政学の本質を突いた指摘をするほど、日本の一般国民の知的レベルは高いのです。短期的には日本は中国の軍事的野望を封じ込めることを優先させなければなりませんが、やはり中長期的には、朝鮮半島に独立国家を二つも置いておくことが正しいのかどうかを含め、日中露3カ国で東アジア新秩序について協議することは避けられないでしょう。

    ※本文は以上です。

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