「言論の自由」は大切ですが、新聞・テレビといったマス・メディアは、この自由を明らかに乱用しています。私自身は情報の受け手である有権者自身が偏向報道に対して賢くなるべきだと思いますし、また、マス・メディアに言論の自由があるならば、同様に、マス・メディア自体を批判する自由もあるはずです。そこで、本日は「時事ネタ」から離れ、普段思っていることを、改めて綴っておきたいと思います。

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    ここからが本文です。

    問題意識

    先日、東京都では都知事選が行われました。東京都選管によると、立候補者数は「過去最多」となる21人で、有権者数も都知事選として過去最大の1108万に達しました。近年、東京への人口流入が続いていることに加え、選挙年齢の引き下げが影響したのでしょう。1000万人以上が投票する知事選挙は、世界にもあまり例がないのではないでしょうか?

    ただ、先日の評論記事でも述べたとおり、都知事選に対する有権者の関心の高さと裏腹に、マス・メディアは特定の3候補のことしか報道していなかったようです。これはいったいどういうことなのでしょうか?そして、マス・メディアが特定の候補者のことしか報道しないことで、どのような不都合が生まれているのでしょうか?

    そこで、少しお堅いテーマですが、本日は時事ネタから離れ、「民主主義と言論」について、普段思っていることをまとめておきたいと思います。

    2009年衆院選を振り返る

    都知事選を通じて垣間見たこの問題点は、私がこの評論サイトを執筆する原動力にもなっています。というのも、「自由な言論」は民主主義が機能するために必要だからです。

    インターネットが出現する前の時代を思い出してみましょう。いまからほんの20年前、日本国内・国外で発生している事件や事故、スポーツ、政治、社会イベントといったニュースは、新聞かテレビ(あるいは雑誌やラジオ)で知るという人が圧倒的に多かったはずです。

    情報を日々、紙に印刷して全国に配達するためには、多くの新聞記者やカメラマン、印刷設備が必要ですし、それを1日2回、各家庭に届ける新聞配達員が必要です。また、情報を電波に流して全国に届けるためには、放送設備やテレビ・クルーなどが必要です。どちらにしても、簡単に始められる仕事ではありません。

    このため、新聞もテレビも、「新規参入」がほとんどなく、特に日本では、新聞社やテレビ局が「情報の発信者」としての特権的な地位にあったといえます。

    そして、新聞やテレビが時の政権の汚職事件や首相の不祥事などを報道すれば、有権者が怒り、野党に投票するという形で、時には与党・自民党が国政選挙で惨敗することもありました。もちろん、新聞やテレビが国民の「知る権利」に答え、きちんとした情報を提供することは、とても大事です。

    しかし、2009年8月に行われた衆議院議員総選挙では、新聞もテレビも、時の麻生太郎総理大臣を叩く報道ばかり行いました。私は、当時の選挙で自民党が惨敗して下野したことを、決して忘れません。というのも、この時のマス・メディアの報道は、明らかに公正さを逸脱していたからです。

    たとえば、2009年8月12日に、「新しい日本を創る国民会議(21世紀臨調)」は東京都内のホテルで、麻生太郎内閣総理大臣(自由民主党総裁)と鳩山由紀夫・民主党代表(※肩書はいずれも当時)による党首討論会を実施しました(その様子は、現在でも同ウェブサイトでご覧頂くことが可能です)。麻生氏と鳩山氏、どちらの方が理路整然としており、説得力があるかについては、ご覧いただければそれは一目瞭然でしょう。しかし、私が調べた限り、2009年8月12日に、この党首討論会の様子を生中継した地上波テレビ局は、NHK・民放を問わず、皆無でした。(私が知らないだけでしょうか?)

    当時の新聞・テレビの報道がいかに歪んでいたかを示す証拠はもう一つあります。少し古いですが「社団法人日本経済研究センター」(現・「公益社団法人日本経済研究センター」)が、衆院選の直後に、「経済政策と投票行動に関する調査」というものを公表しています。

    経済政策と投票行動に関する調査 「子ども手当支持」は3割、政策には厳しい目(2009年9月10日付 社団法人日本経済研究センターウェブサイトより。PDF注意)

    リンク先(PDFファイル)の6ページ目から7ページ目にかけて、非常に興味深い記述があります。それは、「投票の判断材料をどの情報源から取得しているかという質問に対してテレビや新聞を情報源と答えた有権者は反自民、親民主の傾向が強い」とする指摘です。

    これによると、確かに、「投票に際して最も重視したことについて判断する情報」を「インターネット・携帯サイト」から得ている人たちは、34.5%が比例区で自民党に投票したと回答。民主党に投票した人は28.6%に過ぎませんでした。しかし、テレビや新聞から情報を得ている人は、約半数が民主党に投票。新聞・テレビがいかに「民主党政権」を煽ったかの証拠の一つとなっています(元ファイルは「無断転載禁止」とされているので、図表を示すことはできませんが…)。

    重要なのは受け手の判断と「検証する仕組み」

    2009年8月の衆院選で、新聞やテレビが猛烈な偏向報道を行ったことは事実であり、そのことはマス・メディアの「報道の自由」として、許される範囲を明らかに逸脱するものです。ただ、だからといって「新聞・テレビは常に間違っている」「インターネットが常に正しい」などと主張するつもりはありません。

    逆に、過激な言論で扇動されるリスクは、インターネットでも存在します。たとえば、最近だとスマートフォンが普及したことで、誰でも気軽にインターネット上に情報を掲載することができます。どこの誰ともわからない人が、匿名掲示板を使って、根も葉もないうわさを流すなど、インターネットがなかったころだと考えられなかったことです。

    むしろ、私が最も重要だと思うのは、情報を規制することではなく、「言論の自由」を担保する仕組みづくりです。具体的には、情報の受け手(テレビだと視聴者、新聞だと読者)が、そこで報じられている情報に接して、「明らかに偏っている」と判断する能力を持つことです。そして、それと同時に必要なのは、マス・メディアの報道を検証する社会的な仕組みでしょう。

    実は、日本ではすでに、その基礎が出来上がっています。某匿名掲示板を含め、インターネット空間では、マス・メディアの報道自体を批評対象とすることが盛んに行われているのです。その意味で、新聞やテレビの情報を「鵜呑み」にする人たちは、2009年8月のころと比べて少しずつ減り始めていると信じたいところです。

    当ウェブサイトも、「報道を検証する仕組み」の一つとして、微力ながら社会的な役割を果たしたいと考えています。

    日本国憲法第21条第1項には、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と書かれています。そして、ここでいう「言論の自由」には、「政府を批判する自由」が含まれていることは当然ですが、それだけではありません。「ある言論に対する反論の自由」も含まれているはずです。

    マス・メディアはしばしば、自分たちに「言論の自由がある」と強調します。しかし、自分たちが「言論の自由」を主張しているならば、自分たちの言論事態が「批判される」ことも、また同様に自由でなければなりません。

    一例をあげると、朝日新聞社は30年近く、自社が「誤報」(と言い張っているが実際には「捏造」)した慰安婦問題を放置してきましたし、それによって日本人の名誉が深く傷つけられて来ました。この事件は、多くの日本人の有志が、それこそ多大な労力をかけて朝日新聞社の報道の矛盾点を調べ上げ、いわれなき捏造事件であることを立証してきたものですが、残念ながら朝日新聞社は、いまだに「慰安婦捏造事件」に対する社会的責任を取っていません。

    そして、朝日新聞社の例もさることながら、新聞社・テレビ局による誤報・捏造・偏向報道事件は収まる気配を見せていません。

    そうであるならば、新聞社やテレビ局の報道の自由を制限するのではなく、彼らのに対する批判の自由を保障することで、真の「言論の自由」を達成することが重要だと考えます。

    ※本文は以上です。

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